あらすじ
豊胸手術でDカップのオッパイを手に入れた女王様。「巨乳元年」を謳歌すべく、380万円かけて渋谷区に遷都するも、家計は火の車。男にフラれ、カレン・カーペンターに自分を重ね、己の遺伝子について考える。そんな試練と苦悶のなか、子宮筋腫が発覚。さらに癌の疑いまで勃発! やりたい放題だった女王様に「どう生きるか」というシビアな問題が突きつけられることに。一方その裏では、宿敵・港区役所の魔の手が忍び寄っていた…。あぁ、女王様の安住の地は何処に!?
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Posted by ブクログ
今更レビューとういうか。
なんか自分自身の行く末に悩み、自分のことしか考えられない、自分を曲げられない、世の中に非慣用的な態度を示す自分自身に向かい合う時に、
中村うさぎさんの文章は、私に優しい。
もちろん、そんなこと考えてこの本が作られたわけないのだけど。
この人の本を読み、肥大化した自己と向き合い、それでもその自分を受け入れ、紡いでいくしかない自分を、勝手に肯定されてる気もちになるんだと思う。
肯定なんていらないのだけど、
彼女の文から垣間見える、身を切るような孤独を知っているのであろうスタンスが、
一人じゃないのだと言ってくれてる気がするのだと、思う。
2013年9月現在。彼女の容体が気になって、毎晩ブログを確認せずにはいられない、生きていくことに小心的な、それでも生きる方向に手を延ばさずにはいられない弱い人間が、
利己的に、彼女にまだ、この世で悪あがきをしてほしいと願う人間が、
ここにもいるのだと、
吐き出さずには居られません。
生きてください。