中村うさぎのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「セックス放浪記」やデリヘル嬢としての体験で有名な作家の「中村うさぎ」と、脳研究の「池谷裕二」東大准教授との異色の対談。因みに池谷は中村うさぎを尊敬しているそうです。
本人が言っているように「説明したがり」の池谷と「聞き上手」の中村の名コンビが、難しい脳の世界を最新の知見を交えて、やさしく解説してくれる。
挙句の果てに、二人のDNA分析で、性格やIQまで調べるなど、現在の遺伝子研究の進歩に驚くこと請け合いです。
「脳はセックスをどう感じているか」「他人の不幸は蜜の味」「脳は出力依存」「ヒトはチンパンジーより記憶力が劣っている」「適者生存はインチキくさい」「長嶋の勘ピューターは正しかった」「目の網膜はたった百万画素」「新聞は不安を煽り立てるビジネス」「脳は格差社会」などなど、際どい話も含めて面白い話が満載です。是非一読をお勧めします。
追記
適者生存というのは、科学的讒言で、今の人類が発生したのは偶然に偶然が重なりあって出来たもので、ビックバンから歴史をやり直したら、今の人類には辿りつかないで別の歴史になるだろうという。
進化はわからないことだらけで、「理由なんて端っからない」と考えた方が自然なのかも知れない。「過去は一回こっきり。進化は再確認の実験が出来ないから、サイエンスではない」と言い切る科学者もいるそうです。 -
Posted by ブクログ
中村うさぎさんの本をちゃんと読んだことはないような気がする。
文春連載をまとめたものの1冊、なんでしょうが
この本1冊だけで、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた興味深いテーマがたくさんあって
読み応えありました。
何しろ、体張ってお金使って大騒ぎしたからこそ出てくる言葉の数々は
説得力と迫力がある。
ただ自分のことを赤裸々に書くだけでなく、
その先の分析、哲学的なものと、客観的な視点からの文章にも
いろいろうなづかされること多々あり。
まあ説教じみた文章もあるし、
女性の中でも「モテ」を志向するタイプにだけ当てはまることなんじゃないのか、とか
疑問のあるところもあるが、
頭の中だけで組み立てられた言葉ではたどり着けない結論は
誰にでも出せるわけではなく、
でも誰にでも届くように書いてくれるのは素晴らしいことだなと思う。
「他者からの承認」を求め続けて、
でもその他者が、突き詰めると「こうありたい自分」だったと分かった時の
抜け出せなさ感が凄い。
欲望があったからこそ人間は社会を作り進歩させてきたんじゃないか、
との認識はもっともだと思うが、
以前読んだ橋本治の著作の中に
「いまや欲望にしか、経済のフロンティアは残っていない」な文章を思い出し、
欲望を相手にしたら、ゴールなんてないんだよな、と思う。
他者からの視線を捨て、自分になる、という終盤の結論は
同時進行で読んでいた「オリーブの罠」とシンクロ。
オリーブ少女的な女は、最初からその地点にいて、
それはそれで苦労があるんだけどね、と思った。
この手の話は、ホント奥が深くて面白い。 -
Posted by ブクログ
【本の内容】
「それ、いただくわ」。
このご時世に、この浪費―。
シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなどの高級ブランドからエロ・グッズまで。
住民税を滞納し、“むじんくん”にまで手を染めながらも、うさぎ女王様の物欲は止まらない。
物欲のままに無駄遣い生活を続ける女王様のトンデモない日常を描く爆笑エッセイ。
[ 目次 ]
私は買い物依存症(身体にやさしい椅子;里緒菜のニセ・オッパイ ほか)
エルメス、阿修羅のごとく(爆運炸裂ペンダント;自分のムスコをくわえる ほか)
パンがなければケーキを!(髪がすぐに乾くブラシ;ティファニーのヨーヨー ほか)
バカは死ぬまで治らない…(1万円チョコレートの苦さ;幻の味つきコンドーム ほか)
[ POP ]
「ショッピングの女王」とはよくも言ったもので、後から後からいろんなものを購入していくその姿を見ると、まさに人生を楽しんでいるなぁと、感心すると同時にうらやましい。
それに加えて、著者が見る視線のなんとクールなことか。
それは回りだけでなく、自分自身の行動についても実にクールに分析している。
面白可笑しく書いてはいるが、それが余計に独特な視点を際立たせている。
忙しい毎日で、疲れている人に超おすすめ。毎日を楽しく過ごす処方箋付き。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
佐藤優「先生」の整理された広大な知識を、異色の作家、中村うさぎが引きだしていくという体裁は、よくある対談集だが、対象読者層の知的レベルを、あまり見ないレベルに設定しているのが特色か。専門家でもない、B級でもない。
まあ佐藤の本でも、一連のハウツー物でない、こういった社会的なものを読んで面白いと思うのは、官僚ならばともかくサラリーマンではごく一部だろう。佐藤の役回りはプラグマティックな現代社会思想家というところだ。
そういうのを好む読者は、ふだん中村うさぎを読むことは絶対に無いので、この組合せには妙味がある。同志社+キリスト教つながりということだが、文春はうまいことを考えるものだ。 -
Posted by ブクログ
今更レビューとういうか。
なんか自分自身の行く末に悩み、自分のことしか考えられない、自分を曲げられない、世の中に非慣用的な態度を示す自分自身に向かい合う時に、
中村うさぎさんの文章は、私に優しい。
もちろん、そんなこと考えてこの本が作られたわけないのだけど。
この人の本を読み、肥大化した自己と向き合い、それでもその自分を受け入れ、紡いでいくしかない自分を、勝手に肯定されてる気もちになるんだと思う。
肯定なんていらないのだけど、
彼女の文から垣間見える、身を切るような孤独を知っているのであろうスタンスが、
一人じゃないのだと言ってくれてる気がするのだと、思う。
2013年9月現在。彼女の容体が気になって、毎晩ブログを確認せずにはいられない、生きていくことに小心的な、それでも生きる方向に手を延ばさずにはいられない弱い人間が、
利己的に、彼女にまだ、この世で悪あがきをしてほしいと願う人間が、
ここにもいるのだと、
吐き出さずには居られません。
生きてください。