中村うさぎのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
はじめで中村うさぎさんの著書を読ませていただきました。
まず持って感じたのは著者はものすごく正直で純粋で傷つきやすい人なんだろうと。自分で自分をイタいほどわかっているから、ウリセンやホストのチンコが勃たなくてもカネで買っているんだから自分が傷つく必要はないんだと、カネで買いながらもう一方では自分にちゃんと欲情してほしいという、自分を愛してほしいという気持ちもあるのだ。自分はちゃんとここにいるのだ、自己顕示としての、そんな薄っぺらいものではないけどそれでも世間を認めさせたい、自分の存在価値を自分できちんと感じたい、そんな葛藤を壮絶に描いた作品だと思います。たんなるセックスを題材としたエロ自叙伝で -
Posted by ブクログ
壮絶。壮絶すぎてすぐに感想が書けなかった。中村うさぎが自分の女性としての価値を確認したくてデリヘル嬢として風俗店で働くところから始まる。単なる風俗体験記ではなく、そこで見つめた自分のはらわたまで引きずり出して著述している。作家とはこうまで曝け出すのか、と戦慄すら覚えた。性的強者であった女性が加齢などのさまざまな理由から性的弱者になっていくという分析・視点には説得力があり、それを受け入れたくない様を赤裸々に教えてくれてる。読んでいて心が痛くなる。マチズモに関する考察や指摘も沢山含まれていて今の俺の興味に相応しい一冊でもあったと思う。どんな文脈で出てきたのか忘れたが、「大人になるとは親を人間だと認
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Posted by ブクログ
「人生を狂わす名著50」に載っていて読んでみた第2弾。中村うさぎさんって昔から名前は知ってたけど、読むのは実は初めて。
「人生を狂わす名著50」で三宅さんが、『中村うさぎは読者を切る前にまず自分を切る、読者も筆者もお互い血塗れになるようなエッセイ』みたいな事を書いていて、読んでみてめっちゃ納得した。
確かにこんなに自分の身を切るエッセイを書く人って他にいない気がする。例えば、ちょっとは良いこと言ってやろうっていう気持ちが見え隠れしたり、自分の都合の悪いところは自然と省いたり、そういうエッセイでも別に満足できる。だけど、中村うさぎさんは「自分ってこういう人間なんすよね~」ってフランクに、しかしど -
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まず大前提として、自分の存在意義や評価を完全に他者評価に委ねてしまうべきではないと私自身はは思っているが、作者はまさしく他者評価で自身の性的価値を測ろうとした。それ故に作者は病んでしまったのでは?と感じた。最後に良い結論に辿り着いているので安心するが。
と言う大前提の自分の考えはさておき、この本は人生経験として読む価値がある1冊だと思う。自身の中の「女の性的価値」について深く考えさせられる。私自身は、信頼できるパートナーの存在を改めてありがたく感じたが、まだまだ執筆当時の作者に比べれば若輩者で、自分が47歳になった時にどう思うかはまた別なのかもしれない。
しかし作者は東電OLとか、依存性当事 -
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20年以上前に書かれた、買い物依存症の40代女性のエッセイです
頭の良かった人がウケを狙って書いた文章で、楽しく読めます
ブランド狂いなだけでなく、高級品であれば健康も美食もターゲットになります
声をあげて笑ったのはコース料理の回です
ごちそうを食べさせてくれると評判の通り、前菜に始まり毛蟹、サバの味噌煮、イワシの塩焼きと続いて、仲居が「エビフライ、グラタン、炭火焼きステーキをお持ちします」と続けたところです
内心で「量が多すぎる」と悲鳴をあげているシーンで、例えで定食にエビフライもグラタンも同時に注文する人はいないと丁寧に解説していくのでおかしかったです
どれも美味しいだけあって、終いには -
Posted by ブクログ
意外と、いや結構良かったです。
女性の方には是非読んで欲しい本。
この直前に読んでいたのがホッコリ心温まる系の本たちだったので、この本の「女ども…戦うぞ!」みたいな過激さ満ち溢れてる感じに、最初はちょっと腰が引けながら読んでいた。
でもうさぎさんの文章って、過激で尖っていながらもやっぱりそこにはどこか真摯さがある。
「ジェンダーレス」という言葉が世の中に浸透してきた現代、くだらない性差の概念はどんどんなくなっていってほしいけど、やっぱり男と女というものがある以上、絶対そこに違いはある。
当たり前だけど。
その「女」っていうものに、現代でとことん向き合い続けてきたのがきっとうさぎさんなんだろ -
Posted by ブクログ
借金が有っても、シャネルのコートを買うことがやめられない、破滅的な買い物スタイルで有名な中村うさぎの1990年代の買い物日記。
中村うさぎがいつごろ有名になったのかは忘れたが、いわゆる「伝説」に近いような話が満載されたエッセイ。後半の話やあとがきに自己ツッコミが入っているように、最初は椅子などのおとなしいもの、途中でエログッズなどに行き、ウケを狙ってブランド物の小物、そして開き直ってひと月数百万を買いまくる。
「金はないのに」「保険未納で」とネタなのか本気なのか(本気らしい)がわからないレベルのネタの中に、全体に漂うやけっぱち感が独特。1980~1990年代らしい、一人称視点で自分にツッコ