Posted by ブクログ
2013年06月28日
最初。ヘラヘラと軽い気持ちで読み始めた。やがて笑顔は凍りつき、読む手を休めながら目を閉じる事しばし。
重い本である。
獣道、人の痕跡なき道を歩くとはさも苦しいものなのだろうか。またそれが「裏道」なら尚更である。
本著はマツコデラックスと、中村うさぎ。二人の異色が「拝啓 マツコ様」「拝啓 うさぎ...続きを読む様」と書簡をやり取りする形式+対談といった構成になっている。テーマは多岐に渡るが一貫として語られるのは、哲学である。
その言葉は、やたらと刺さる。刺さって刺さって、毒にやられそうになる。特に私が刺されたのは以下。
「できれば、ネガティブな事だけ忘れて、大切な思いはリアルに覚えておきたいものだけど、人間はそんなに都合よくできていない。忘却によって救われた分、忘却によって失い続けるのよ」