室積光のレビュー一覧
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購入済み
ぶっ飛んでる…
室積さんの作品で「史上最強の内閣」が面白かったのでこちらも読みました。
勧善懲悪モノってとこは共通だけど、今回のストーリーはおじいちゃんが強すぎてトントン拍子なので、そこまでハラハラ出来ませんでした。
そして、必殺技が分かりやすく下品。下品だから嫌いな訳じゃないけど、ちょっと安易ではなかろうか… -
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廃業した力士たちの受け皿として、彼らを受け入れる警備会社が誕生した。
寮で共同生活を送り研修を受け、それぞれ現場で仕事に励んでいたところ、偶然がきっかけで会社の名が知られることになる。さらに世界的スターの目に留まったことから彼のボディガードを務め、それをきっかけに警備だけでなく、スターへの道を歩み始める者も出て来る。
最後にはこの会社を発案したある親方の知られざる心情も明らかになり、心新たにより良いサービスを提供していこうと社員たちは思う。
全てがとんとん拍子に行き過ぎな感は否めないが、こういう発想は良いと思った。もちろん今も引退したアスリートの再就職というのは課題になっていて簡単なわけでは -
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舞台は徳川幕府が続いている21世紀の江戸。黒船が来て開国しても中立国としての立場を貫き戦争には参加せず、白人至上主義がはびこる世界で名誉白人の称号を与えられている。
そんな中、江戸にオリンピックを招致することで白人至上主義だけでなく、肌の色による人種差別や植民地政策をも壊そうと立ち上がった歴史に名だたる人たちの奮闘記。
設定はとっぴょうしもないが、扱っているテーマはけっこう深い。ここまであからさまな差別などはないが、今も世の中は白人が支配していると言えなくもない。それに対して異議を唱えているのか、ただふざけているだけなのかわからないが、幕末の志士たちがオリンピックを招致することで世界を変えよ -
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都立水商の続編。今度は生徒の側からの視点で描く。
主人公は入学したばかりの男子高校生。彼は中学時代にいじめにあっていたり、複雑な事情を抱える同級生もおり、望んでこの高校に進学してきたわけではない生徒たちが、文化祭や他校とのスポーツ交流会、校外実習など一年間で体験したことを通して彼の成長を描く。
自分で選んだ進学先ではないにしても結果的に楽しく過ごせればオーケーで、いじめられていた過去は過去、本来の自分が出せる場所に巡り合えたことに感謝し大事にすること、みたいなメッセージ。
前作は教師目線だったが、今回は生徒目線なのでむしろこっちの方が先に読みたかった。
が、前作の登場人物が結構出てくるので、 -
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水商売を専門に学べる都立高校が歌舞伎町に設立された。主人公の教師が故郷の商売を継ぐことでこの高校を退職するにあたり、彼の回想録のような感じで物語は進む。
最初は世間の偏見もあり生徒集めに苦労したり落ちこぼれの吹き溜りと見られていたが、個性的な講師陣や情熱を持った教師たちにより、小さなトラブルはあるものの順風満帆。
水商売や風俗に対する偏見が未だに強い世の中に対して、彼らだってプロフェッショナルなのであるという主張をしている。
中学卒業したての子にソープやらヘルスやらそのテクニックを仕込んで良いのやらとか、実習とはいえ未成年に性的奉仕をさせていいのかとか色々あるが、ホステス養成とかはおもしろい -
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こんな内閣がいたら痛快だろうな - 室積光「史上最強の内閣」 ★★★☆☆
何処かで見たことのある、名前としゃべり方行動がおもしろいです。
浅尾首相=麻生氏だし、鷹山兄弟=鳩山兄弟ですね。他にもしゃべり方が特徴的な、みずほちゃんの憎たらしさも踏襲しており面白いです。
一方で、「本当の内閣」は、方言(坂本竜馬を意識している外務大臣など)で描かれているので、すこし読むのが疲れます。
結果的に、北がまぬけだったらうまくいった感がハンパないですが、
こんなに痛快な内閣が実現したら政治も人気が出るだろうな。
クドカンとか三谷幸喜の脚本で映像化されたら面白そうではありますが、各政党から怒られそうで厳しいか -
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広告会社を早期退職し、帰郷した主人公の元に、市長の秘書をつとめる同級生がやってきた。市長からの密命で、市の財政破綻を救うために、埋蔵金を発掘してほしいという。
エンタテインメントものではあるが、そこは室積氏らしい作品に仕上がっている。
戦時中の10代の子の写真を見ると、幼くして既に達観したような精悍な顔つきをよく目にする。
物語中盤から海軍の話になる。
現在でいう中学生くらいの男の子が、校庭で遊ぶ更に歳下の子供らを見て、この子らの明日のために、自分の明日を賭す、と。
国の為、死地に赴く、その覚悟。あんな顔つきになるのだろうな。
人間魚雷「回天」を開発し、自ら初の搭乗をする。
城山三郎氏の -
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いつもながらの思考実験小説
人を少しずつ不幸にする人は人殺しと同じくらいの罪なのでは?という視点で排除していくお話
自らの正義による執行により自分の意識やら生活やら何やらも向上していく
最初の殺人は起こり得るけど、その次の展開はどうかね?そう簡単にはアンダーグラウンドな方には行けないと思うんだが
まぁ、展開のためにリアリティを排除するのは他の作品でも同様だけどね
人はそう簡単には向こう側には行けないものだよ
と思いたい・・・
そもそもの出発点である、大勢の人を少しずつ不幸にさせている人は、二、三人を殺しているのと同じくらいの罪なのではないか?
だとしたら死刑が妥当なのではないか? -
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「達人山を下る」の続編
老人だからって語尾に「じゃ」とか今どき言わないでしょー(昔も?)
展開を早くするために都合のよい不自然な会話が多すぎー
説明的なセリフも多いよー
けどまぁコメディ小説だしね
そして旧制高校に関するところはいつもどおりに詳しい
その辺のギャップが面白いといえばそう
所々に良いセリフがある
一番強い技は敵を仲良くなることとかね
これは前作でも言ってたね
あと、内戦の描写が結構リアルに感じる
淡々と事実を述べてるだけなんだろうけどね
ユーゴスラビアの分裂とダブらせてるのかと思うところが少々
とは言っても僕もユーゴスラビアに関しては全然知らない
米澤穂信の「さよなら妖精 -
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ネタバレ財政難に悩むふるさとのため、主人公の筒井は市役所に努める同級生からの依頼により、「埋蔵金発掘課」の課長として仕事を始めることになります。
設定のハチャメチャ具合いはこれまでの作品同様、作者の「よさ」が出ているように思います。
ストーリー展開もスムーズで読みやすかったです。
特に、「カネ」を発掘することに終始するのではなく、歴史的な遺産や「記憶」を発掘して現在の社会に一石を投じるようなエピソードが挟まれているところなどは、単純なエンタメ作品とは一線を画す部分かもしれません。
この作品を通して、先の大戦で被害を受けた人々だけでなく戦争を経験したすべての人々に対して(被災者だけでなく、徴兵された学