室積光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありえない設定にアラの多い造りではあるけれども、いい意味でバカバカしくて楽しく気軽に読めた。
文庫の発刊が2013年ということで今から10年以上前の世界情勢を思い出させる部分もあり懐かしさも覚える。
ええ加減(関西弁=いい加減)な言動をする首相、配慮もクソもない防衛大臣、有能すぎる内閣官房…
どいつもこいつも愛すべき阿呆なのだけども固い意志のもと日本を導いていくのはSF的爽快感がありました。
最後もそれなりの落とし方をしていて退屈しない作品でした。
残念なのは巻末のあとがき(論評)が政治思想ガチガチな書き方をしていたので一気に興ざめしました。
あくまでバカ話として楽しみたかったのに。。 -
Posted by ブクログ
早期退職し、故郷に帰ってきた元広告マンが、市長の秘書をつとめる同級生に頼まれ、財政破綻目前の市のために、『あるかわからない埋蔵金を発掘する』というとんでもない依頼を受け、奔走する話。ところどこれでオチがあって、文体もユニーク。
しかしながら最初はユーモアたっぷりのドタバタ小説かと思いきや、だんだんと意外な方向へ進み、ネタバレであるが戦時中の海軍兵器開発の秘密を探り当ててしまうのにはびっくり。最後には感動する内容でした。
小説の中ではテレ東『お宝鑑定団』のような番組が何度か登場する。
こういう番組も一喜一憂だよなあ。『これは価値があるはずだ!』と勇んで鑑定品を持ち込んだものの、二足三文の鑑定 -
Posted by ブクログ
父親の介護のために東京の仕事をやめ、山口県の日照市の実家に戻った筒井であったが、父親があっけなく亡くなってしまったため単調な毎日を過ごしていた。そんな折、同級生が秘書課をやっているという縁で、市長に声をかけられ、埋蔵金発掘課に抜擢される。市職員で役立たずの伊藤と、地元の社会人野球のピッチャーでリストラの憂き目にあった石川の3人で、歴史研究家の指摘した場所を掘り始めるが…。
基本的にタイトルのとおりと思って読み始めても、全く問題ない作品である。当然のようにほっても何も出てこないし、役立たずのキャラがいらないことをやらかす。歴史研究家と作家は、意味ありげなことを言い、市長は仕事だけ振って、成果を -
Posted by ブクログ
最初に目についたのはこの作家の『都立水商!』だったのだが、あらすじを見てこちらの作品を読むことにした。
主人公は文学作品にかかわる編集者になりたくて出版社に就職したが、配属先は週刊誌。潜入取材がバレて身の危険があるとのことで、一時身を隠すため、別件取材で岡山へ行くことになった。
違和感のない展開で読みやすくていいなあと思っていたのだが、後半は、他の方も書いている通り、現代版北斗の拳かよ…。おもしろいんだけど、それに頼り過ぎ。作者が劇団主宰ということで腑に落ちた。劇団の作品って大げさなドタバタやお笑いがあるものが受けるのよね(私の偏見ですが)。
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