室積光のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
水ダウ的に言えば「元力士で警備会社を作ったら最強説」。そんな最高に魅力的なアイデアを実現し、笑いと情熱で包み込んだ小説。めっちゃ面白かった。コメディチックなのに熱い人間ドラマも内包していて、読み終えたあと元気をもらえる!
【あらすじ】
大相撲の世界で関取になれるのはごくわずか。多くの若者たちが厳しい稽古に耐え抜きながらも、夢破れて土俵を去ることになる。そんな厳しさを誰よりも知る、元横綱で現相撲協会理事長・南ノ峰が立ち上げた、警備会社の創業物語。
群像劇ではあるけれど、一応の主人公は敦子。芸能プロダクションを経営している敦子は、同級生で、相撲部屋の後援会をしている近藤から、南ノ峰親方を紹介され、警備会社設立の熱い思いを聞く。創業後は仕事や元力士たちのマネジメントを行い、たくさんのトラブルに巻き込まれていく。
社員として集まったのは元力士たちは、並外れた巨体と怪力、鍛え上げられた身体能力を生かしまくる。凶悪犯相手にも圧倒的な頼もしさを発揮して立ち回り、警備員として引っ張りだこになっていく。
会社は予想外の成長を見せ、世界のセレブの警備や、ボクシングの世界タイトルマッチなど予想もしない仕事が舞い込んでくる。
【感想】
設定のインパクトとコメディの勢いだけでぐいぐい読ませるかと思いきや、アツい人間ドラマも内包されていて、本当に面白かった。相撲に人生を捧げてきた男たちが新たな土俵でプライドを取り戻していく姿には思わずグッとくる。
特に魅力的なのが、巨漢の力士たちの中に混ざっている松村の存在。社員寮として押さえた物件に、一人ポツンと元から暮らしていた太っちょなのだが、自分の身の丈を理解しながら良い味を出しまくる。最終的にはまさかの大活躍を見せ、ビバリーヒルズへ(笑)。もう愛おしくてたまらない。
親方の「いい時はおかげさまで運良くと思い、悪い時は誰のせいでもない自分の努力が足りない」という言葉をはじめ、心に染みる金言もたくさん散りばめられていた。
前向きになれる、相撲エンタメ!おすすめ! -
Posted by ブクログ
著者の作品は初めて読んだが、ユーモアにあふれつつもこの先がどうなるのだろうというページをめくらせる力にあふれた作品だった。
感覚としては、万城目学の作品に近しいものを感じる。
日常生活の中に、「そんなわけないだろう」と思いつつも「そんなことあるかも?」と思わせてしまうような魅力がある。
本作品は、背面のあらすじにあるように、週刊誌の記者が達人の元へと取材するところから始まる。するとその記者が、実は天性の才能をもった、まさに天才ともいうべき実力を開花させる。
あとはもう読んでみたらいいと思う。
殺人事件は起こらないし(社会的に「死ぬ」もとい「殺される」人はいる。それも可哀そうな形で。)、ヤクザとか出てきちゃうけど銃撃戦とかならないし、じゃあ何が面白いのかといえば、それはもう女性記者の身につけた技、「ツボ押し」である。
この作品はそれがすべてである。
まき目学ぶ作品が好きなら、きっとこの作品も楽しめると思う。あちらはもう少し「現実とファンタジーの融合」に近いものであるとするなら、こちらは「現実と少しのご都合主義」である。聞こえは悪いかもしれないが、そんなことは作品の魅力とは何の関係もない。
面白いんだから読めばいいのである。
書店の古本コーナー、それも100円で投げ売りされていたところに出会ったけれど、定価で買っても十分に元は取れたといえる作品だった。
マジおすすめ。 -
購入済み
青田刈り案件
永遠の0を自分が初めて手に取ってから爆発的に話題になるまで数年かかり、その数年の間はずっとこんな面白い本がなんで話題にならないんだろう?と不思議に思っていました。
そして話題になった時には青田刈りが間違っていなかったことにほくそ笑んでました笑
この記念試合も青田刈り案件です♪
しかも人気の戦争モノ+古き良き時代の旧制高校モノ
ぜひ映画化を希望します♪