上原裕美子のレビュー一覧
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ネタバレ残念ながら(?)やらなければいけないことを先延ばしにすることを正当化してくれるような本ではなかった。
原題は”The art and science of delay" とあるように、直感的な判断に従うことの危険性を論じたもの。プロの手にスプレイヤーでは数ミリ秒の余裕を持てるだけでパフォーマンスが劇的に改善するし、マシュマロ・テストのように先延ばしの能力の重要性を物語っているものもある。
私達の判断の多くはプライミングのように瞬間的な思考(カーネマンのファスト&スロウでいうType1)によって決められており、それはだいたい正しいのだが、少し取り掛かるのを待って熟考したほうがよいこ -
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「対話」関係の本。
最近、本当に沢山ある「対話」の本で、何か新しいことが書いてあるわけではない。
手法的な新しさはほとんどない。
どちらかと言えば、思想的というか、集合知と衆愚がどのようにして生じるかといういうことが中心かな?
という話しは、実は「U理論」で、思想的に、これでもか、というまで深められているので、そういう意味でも新しくはないかな?
「U理論」が難しすぎるので、その「対話」に関する部分を実例を踏まえながら、比較的分かりやすく説明してある、ということかな。
とかなり客観的なコメントではあるが、これだけ同じような本があるなかで、直球勝負で、かなり読ませてしまうと -
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集合知は魔法の薬だと考えてみよう。
一口、口に含むと、私たちは意識と認知の変化を体験する。
問題にとらわれたり、小さく分割して考えたりするのではなく、その結びつきと複雑さに気づく。見えているものが全体像とは限らないと理解する。多くの情報に目を向けるようになり、同時に、他者の視点に好奇心を持てるようになる。
集合知の薬を二口飲めば、これまでとは異なる形で身体を意識するようになる。頭だけを働かせて問題を解決したり、交渉したりするのではなく、心と直感に耳を澄ませ、身体のさまざまな部分からわきあがる感覚のシンフォニーに気づく。恥ずかしさ、プライド、愛情、怒りといった感情の繊細さ、複雑さが見えてくる。 -
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ネタバレ集合知の力と衆愚の罠というソーシャル時代にふさわしいタイトルととてもよさげな装丁に惹かれて購入。
みんなの意見は案外正しいなど、Web2.0以降のインタラクティブなインターネット空間には様々な情報が転がっている。
大枠で見れば正しいのかもしれないが、なかなかそうではないケースや、そもそもカオス状態になり集約できない場合もあるだろう。
そういう見解を得たくて読んでみた。
本書を読んで思ったのが、「衆愚」について。
このワードの具体例は「空気」で語られるように、過去の日本の戦争の事例などがあげられる。山本七平の空気の研究よろしくだ。
つまり、民衆の総意は得られたが、そもそものベクトルに問題 -
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未曾有の危機である。このような有事の際には、強いリーダーシップの必要性を感じる一方で、強すぎるリーダーシップには警戒心を払わなければならないのではないかとも思う。「悪魔は救世主の顔をしてやってくる」とは、よく言ったものだ。むしろ今、必要とされるのは、有能なファシリテーターの方であろう。例えそれが小さな集団の中での出来事であろうとも、ファシリテーターの間接的な関与によって形成された連帯感や共有感覚こそが、集合知を開花させ、通常では為しえないパワーを生み出す。本書はその「集合知」をテーマに描かれた一冊であり、今まさに読むべき一冊でもある。
集団から生まれる大きな力も、一歩間違えると衆愚の罠へと陥 -
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●従来の経済成長を分析し、成長のジレンマを解消するための新たなアイデアを模索した本。
●経済成長のジレンマをいかに解消するか、その知見を学ぶ。→経済成長を最優先に追求するのではなく、価値ある別の目的の方向へ経済成長の舵取りを向けよう、という主張。
●経済成長か、それとも環境か」という二項対立に終止符を打つことを模索した一冊。本書は、経済成長そのものを自己目的化させてしまった現代社会の歪みと、それに対する「脱成長」という見当違いの自虐行為について、冷徹な批判を浴びせる。本書の主張で大切なのは、技術進歩の方向性は決して不可避な自然現象ではなく、税や補助金、法規制や社会規範によって人間が意図的に「方 -
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もう一度整理してみよう。まず数学者たちは、人類がマルサスの罠を脱した経緯の概要を示している。人類は30万年にわたり、収穫逓減の呪いによって生存維持ぎりぎりの状態を続けていた。しかし新しい技術と、 それに伴う生産性向上が、収穫逓減の襲来を押し戻すことを、ソローースワン・モデルが説明した。ローマーがさらに一歩踏み込み、その技術進歩は先駆者たちが思っていたような数学的奇跡ではないと説明した。 アイディアという、特異な性質(非競合的で累積する)をもつ無形のものの発見によって、技術が進歩したのだ。
ここであらためて考えてみたい。僕たちは近代の経済成長の始まりをどう理解すればいいか。経済成長の 「 -
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ポスト資本主義的な本をいろいろ読んでいる。この本では、環境保護、脱資本主義、格差や差別のない生き方、地球に負担を与えない暮らしなどを実践している3つの家族と、その家族が主宰しているコミュニティを訪ね、実際に一緒に暮らし、その良さと、葛藤、矛盾などを飾らずに生々しく描いている。作者自身が、地球に負担をかけ、自分自身をも犠牲にながら働き続けなければならない苦しさから逃れようと、お手本になる活動を探っている。そのことを取材、執筆して生活をしているわけだが、その活動を維持するために、妻や家族を犠牲にしていることに気づき、さらに葛藤を深めるという二重構造。シンプルでスローで自然な生き方をするためには、実
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世界の見えかたが、変わるかもしれない。単純すぎるかな。影響を、受けすぎかな。でも、信じたい。そのほうが、面白そうだから。世界が変わるかもしれないと思ったから。こんな、クソったれな世界が!
見かたを変えてみる、そんな意図した目的がなくても、ずっと僕は、そんな感じだったかもしれない。周囲の人々と同じ方向を向くことの違和感。目標があるなら、その過程は自由でいいと思っている。プロセスの煩雑さに価値を見出すことなんて、僕には、ばかばかしくて、なぜ周囲の人々は、そんなものに価値を、悦びを付与するのか。僕にはまったく理解できない。もっと理解できないのは、皆で同じ方向を向くことへの強制。“ルール”を、やたら -
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生涯をかけて魚類を分類した科学者デイヴィッドスタージョーダンの半生を描きながら著者の人生について語られている。約2500種以上の魚に彼の名前が冠されておりその影響力は計り知れない。火災や地震で世界各地から集めた魚の標本が砕けても心折れずに収集活動を継続するのは科学者として立派だなと思う反面、スタンフォード大学で独裁政権のごとく権力を振り撒いり優生学に傾倒することで人として劣っていると判断した者への去勢推奨したりと負の面も描かれている。
最後魚って存在せず彼の行動もある意味無駄だっのではと書かれているが直感的にはやはり理解しづらい。魚という分類だけだと説明つかないことはまあ理解できるんだけどでも -
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生物学者、デイビッド・スター・ジョーダンの人生史を紐解きながら、作者の人生、そして「分類」というものの危うさについて叙情的に綴る一本。
変な本ーー!(素直な感想)
ポピュラーサイエンスと思って読み始めたら結構肩透かしを食らう。中心的に語られるのはジョーダンのヒストリーであり、生物学者から優生思想が強まっていき、さらにスタンフォード大学の初期の政治的なゴタゴタした内容まで、サイエンスというよりもどこか事実は小説より奇なり、みたいな話がメインだった。
「魚が存在しない理由」については最終章に軽く触れるのみであるものの、「魚が存在しないこと」から遡って、ジョーダンの功罪を鑑み、そして我々の視点まで