上原裕美子のレビュー一覧

  • GROWTH――「脱」でも「親」でもない新成長論

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    著者と同じ問題意識を持っているし、話の進め方が上手いので一気に読んだ。経済成長について経済学者もよくわかってないとのこと。著者の成長のメカニズムの説明、なぜ世界は経済成長至上主義になったのかよく分かった。人類は分配が苦手。
    最後の提案を楽しみに読んだが、まぁそうだよな、というところ。多くの脱成長の人も同じ感覚じゃないだろうか。代議制だと難しいなら市民の熟議しかない。読みかけのプルラリティを読まねば。
    経済成長のメリットを無視してはいけない、とあるが、お金が滞らずに回ること、そして人々の好奇心を満たす新しい事物が生まれること、この2つが大事なんだろうと思う。

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    2025年09月24日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    著者のルル・ミラーは科学系のジャーナリストだそうだ。生化学者の父はかつてルルに「人生には意味はない。自分の存在になんの意味もない」と言った。大人になっても、自分とは何者なのか悩み続ける彼女は19世紀に生涯をかけて魚類の分類という大仕事をした科学者デイヴィッド・スター・ジョーダンの研究を始める。ここからはジョーダンの伝記のようだ。度重なる震災で膨大なコレクションが破壊されてもめげずにやり直す楽天的な逞しさ。それはどこから来るのか。しかしジョーダンの生涯には怪しい殺人の影、優生学奨励による非人道的主張などがまとわりつく。ジョーダンが生涯を賭して整理した魚類の分類だが、現在の科学は分岐学が主流となり

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    2025年09月21日
  • 「仕事ができるマインドセット」をつくる 練習戦略

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    少し乱暴かもしれないけれど、一言で言うと7つの習慣の「第7の習慣」である「刃を研ぐ」と重なる点が多い主張だと感じた。

    他の人に強くお勧めする本かというと、ちょっと違うかもしれないけれど、自分自身が少しモヤモヤ考えていたことについて、はっきりと主張や説明をしてくれているという点で、私には価値のある本だった。

    というのも、日々仕事に追われていると、どうしてもその膨大なタスクリストから一つでも数を減らしたいと言う思いが働き、深く理解し学ぶと言うことをせずに表面的な把握の中で、判断し行動してしまっている。

    理想を言えば、今回の事象をより深く理解し、そこから学びを引き出した方が、自分にとっても組織

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    2025年09月13日
  • 「仕事ができるマインドセット」をつくる 練習戦略

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    簡単にいうと、もっと勉強しろという本。

    書籍の内容としては、ラーニングゾーン(= 学びをしようとしている期間)があることで、成果がより伸びるということを、たくさんの例と共に述べている。

    自分ももっと日常的に学ぼうというモチベーションアップをさせてくれる本。

    今できる仕事の成果を求めるあまり、学べていない現状の人には刺さる内容。

    注意としては読みづらいということだ。

    例えば、パフォーマンス中毒という慣れない言葉が出てくる。これが全く最初の方はピンとこない。読み進めるうちに、成果を求めて練習しない、学ぼうとしない状態を指すことがわかってくる。翻訳の問題か、原著の問題か分からないが、読み進

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    2025年09月11日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    ネタバレ

    魚類に関する科学的な新しい発見みたいなのを紹介する本かと思いきや、色々と裏切られたとても面白い本。

    ストーリーの主人公と言えるスタンフォード大学の初代学長のデイヴィットジョーダンの光と闇についてや、著者の喪失からの回復、アメリカでつい最近まで行われていた優生思想による恐ろしい手術など思いがけない話ばかりだった

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    2025年09月07日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    科学者として優秀だが、別の側面を持つ人物テビヴィット・スター・ジョーダンの生涯を追っていく。
    その中で、筆者は何を見たのか。
    その見つけたものを自分に当てはめた時、何が起きるのか。
    難しい内容かも知れませんが、読んでみて欲しい作品です。

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    2025年08月15日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    生物分類の学術発展をうまく切り取って(そしてある意味で読みやすく)語った著作。対象とするテーマは生物学や遺伝学、それをめぐる歴史といったあたりだが、メッセージ性としては科学哲学といったあたりも含んでいる。

    本書に散りばめられたメッセージ、特に生物分類学とは別のところの「人間に意味などない」「いや、むしろある」議論であったり、信念・行動に意味があると信じて疑わない姿勢の危うさなどのメッセージは読み手ごとに受け取り方が変わりうると思う。
    個人的には、著者のような経験を通じなくても、ここ数年はSNS等で「自分が全てを知っているように信じる」人を傍目で見る機会が多いように感じるため、若干の今更感を感

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    2025年08月09日
  • 自分で選んでいるつもり―行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

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    行動経済学の知見をまとめてわかりやすく説明されている。
    人々の恐怖心や、他者(外国人)が得していて我々は損をしている、と言った言説の多くが人の心理に付け込んで流布されて踊らされていることが腹立たしい。
    これらの効果を打ち消す為に何を為すべきか、その対策を研究して早く実践に移してほしい。
    どうすれば、理解し合えるようになるのか、それが知りたい。

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    2025年08月01日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    著者はアメリカの大学で行動経済学、マーケティング、心理学を教える。
    「依存症ビジネス」とはスマホアプリやゲームのことを指している。ただ本書ではそのビジネスについて詳しく触れているのではなく、人間がそういったものに惹かれてしまう裏側を書いている。
    鍵となるのは「行動嗜癖」。(※英語の原訳は何というのだろう?)これは物質の摂取を伴わずとも、強い心理的欲求を短期的に満たし、その一方で長期的には深刻なダメージを引き起こす行動には抵抗できない状態を指す。
    自分の理解が正しければ、ちょっとしたきっかけが脳への電気刺激となり快楽中枢を刺激し、以後のめり込んでしまうとういことだろうか。本書に書かれてあるネズミ

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    2025年07月30日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    快楽中枢を直接刺激するような装置により、延々と動物がそれを操作し続けるという動物実験がある。人間も同じような実験が成り立つかというと、恐らくは成り立たない。そのことはつまり、我々が「快楽だけ」を欲しがる生き物ではなく、どこかに不快や不幸をスパイスとして欲している事の証左ではないかと思う事がある。

    でも、不快や不幸なんて、特別それを求めなくたって自然と呼びこんでしまうもの。人は気づくと空腹になり眠くなる。親和欲求もあるだろう。だが、常にそれが満たされるわけではないから、満たされなさとの差し引き、つまりその渇望に「不快や不幸」がペタッと名札がつけられて自覚するのだ。そのため、不幸になるキッカケは

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    2025年05月30日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    生物分類に興味があったので、もともと「魚が存在しない理由」は知っていました。
    なのに、装幀と書名の組合せがあまりに魅力的だったので、気になって思わず衝動買い…まさか、自分がサンマーク出版の本を買うことになるとは。
    内容はといえば、科学者ディヴィッド・スター・ジョーダンの生涯と、それを追って交差する著者の個人的な回復の物語といった感じ。
    不屈の偉人と思われたディヴィッドが、追跡するうちにダークな側面を露わにしていき…といった展開なので、純粋な生物教養本として読むと期待が外れるかも。
    ちなみに、「魚の存在」は「人生の意味」と重なっていて、「存在の意味」と「意味の存在」の間の断絶(飛躍)が主題のひと

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    2025年05月24日
  • 魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話

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    分類学者デイヴィッド・スター・ジョーダンの伝記と、ジャーナリストでこの本の著者であるルル・ミラーの人生が交錯する構成。とても映画的。翻訳が非常に自然ですばらしい。上原裕美子さん

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    2025年04月18日
  • 自分で選んでいるつもり―行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

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    ネタバレ

    行動経済学系の書籍を読んだことがある方には、既知の内容も多いですが、全体的に具体的な事例が添えられていて面白く読み進めることができました。

    以下メモ
    ・優れた広告が記憶に残るのは、読み手にちょっとだけ頭を使わせるものになっているからだ。なるほど、そういうことかと思い、自分の賢さに嬉しくなって、友人にも話したくなる。
    →もどかしいゲーム広告はこの理論を使っているのだろうか。

    ・頭にすっと入る情報ほど、信憑性が増して感じられる。
    ・南海の言葉を使ったレポートよりも、平な言葉で書かれたレポートの方が、書き手の知性を13%高く評価していた。
    →ビジネスにおいて、箇条書き等を用いてわかりやすく伝える

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    2025年02月24日
  • ネットワークパワー日本の台頭 「失われた30年」論を超えて

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    米国の日本研究の人がエコノミック・ステートクラフトの展開、地経学・地政学戦略を中心に、日本のネットワーク国家への変貌について書いてます。
    ただ、一部政治に関しては政党に関して見た手違いもあります。
    ともあれ外国の人から見た割とフラットな失われた30年論は価値があると思います。

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    2025年01月05日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    ついつい触ってしまうのには理由がある
    とにかく遠ざけること
    意図を持って触ること

    自分の「命」を奪われてはいけない

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    2024年10月20日
  • 自分で選んでいるつもり―行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

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    行動科学とはかくも面白いものか
    ハロー効果や算出効果、人の受け止め方次第で実際はどうあれ導き出される結果が変わる。

    それははじまりにも言えて、フレッシュスタート感を出すことも効果があるという。

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    2024年10月06日
  • 安倍晋三と日本の大戦略 21世紀の「利益線」構想

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    戦後日本の安全保障を俯瞰的に見た一冊です。
    海外から視点も含め、歴史の文脈から冷静に分析している印象です。

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    2024年09月15日
  • 自分で選んでいるつもり―行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

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    行動経済学の研究、様々な事例とともに紹介。前に読んだサクッとわかる行動経済学の詳しい版、原著版的な。それでもスラスラ読めて、イメージしやすい具体例が多く、マーティングに行かせる事例が多かった。内容としては単調で後半読み疲れたから⭐️4つ

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    2024年09月12日
  • 自分で選んでいるつもり―行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

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    モノが売れなくなった時代の新たなマーケティング戦略とは人間の心理行動科学で実証させることが必須となる、と感じた。この本書にはその具体例が多くある。心理的な表現(例:牛肉の場合赤味x%vs脂肪x%:良い部位を多くした表現)は購買への意欲を、参加への意欲を作り上げるのだ。よく知られた例ではものの選択は3つの選択肢に絞り、購買傾向の具体的数値を提示するなどだが、価格も3つの選択に超高額(誰もが選ばない:おとり)も入れるということ。「品切れの場合」は決して「在庫なし」ではなく「完売」として購買者に魅力をアピールすることも必須となる。

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    2024年06月28日
  • すべては「先送り」でうまくいく

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    ちょっとの先送りでうまく回ることは割と実感としてある。
    急ぎでって頼まれたことをすぐやると、変更が入ってまたやり直しになることとか、割とあるあるだったので、科学的にも根拠あるってことで、これからも少しだけ寝かせてやることにしよう。

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    2024年04月25日