上原裕美子のレビュー一覧

  • 日本経済のマーケットデザイン

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    書きたい事、主張が明確な本なので、硬い文章の様な気もするが、分かりやすい。
    要は「規制緩和と言っても、それで自由競争になるわけではないよね」、「政治が市場介入する事をゼロ百で善悪を論じることは間違いだ」という話。

    規制緩和について。現実には競争を拡大するためには規制を減らすのではなく、規制を増やさればならないことが多い。例えば電力などの公益事業のように、自然独占的な性質を持つセクターに政府が競争を導入する場合は、競争促進する規制を適用すればならない。金融市場においても取引ルールを精密化し、徹底した監督を行うなど、規制を強化することによって市場を支えなければならない。製造や運輸に関わる市場にお

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    2024年04月23日
  • なぜ、脱成長なのか 分断・格差・気候変動を乗り越える

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    養老先生のYouTube紹介で読んでみたが、本誌の脱成長の考え方、必要性は納得できた。後半の斉藤幸平氏の解説は秀逸!
    では、じぶんは今から何をしようか。

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    2024年01月28日
  • 安倍晋三と日本の大戦略 21世紀の「利益線」構想

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     安倍派を手始めに自民党が大変な事態に陥っている安倍晋三氏亡き現在。安倍氏の功績を確認すべく手にした「安倍晋三と日本の大戦略」。日本の安全保障政策の専門家である米国人著者が安倍氏の手腕をどう評価しているのか、非常に興味があった。冷戦後の歴代政権が模索してきた官邸への権限集中や価値観を重視した外交を安倍政権が実現したことを評価している。これは、中国の台頭による国際構造の変化を背景に様々な改革を急速に進め、長きにわたり呪縛に囚われてきた「吉田ドクトリン」に終止符を打ったことである。

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    2024年01月20日
  • 壊れた世界で“グッドライフ”を探して

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    Twitterで紹介されて読んでみました。本当にどうすれば、まともな、人間が地球の害でない、人間が浅ましく搾取しない世界が作れるのか、自分に何ができるのか、
    生きていくのに、人や自然や動物を必要以上に傷つけなくてすむのか、実際に行動している人々の逞しさを感じました。

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    2023年01月31日
  • みんなにお金を配ったら――ベーシックインカムは世界でどう議論されているか?

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    ここのところ、ベーシック・インカムについての本をいろいろ読んでいまして、その中の1冊です。
    ベーシック・インカム賛成派による本、ということもあってか、ベーシック・インカムの利点について、いろいろな面から語っています。

    ベーシック・インカムについては、既に、様々な地域で実験がなされていて、どの実験でも、基本的には「ベーシック・インカムはメリットが大きい」という結果が出ています。
    個人的には、貧困の解決に大きな可能性を感じているのですが、この本を読んで、それ以外にも、多く人の働き方の改善にもつながる施策だと感じました。

    やはり、最低限の生活が保障された上で生きられることは、人間にかなりの安心感

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    2022年12月04日
  • 壊れた世界で“グッドライフ”を探して

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    まずは、アメリカの文化と歴史について、自分がその場面に居るような錯覚を覚えながら、少しでも知ることができたのが楽しかったです。
    3家族が少し混同してしまった場面もありましたが、最後には何とか整理ができました。
    特に農業に関する部分の専門的な説明や、取り組みなどが紹介されて、こちらも勉強になりました。

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    2022年11月19日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    感想
    人間の脳を変化させるビジネス。元来備わっている報酬系の働きを利用し儲ける。報酬の与え方をコントロールすることで人間はどこまでも従順になる。

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    2022年10月24日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    依存症の具体例・要因・対策が書かれた本。

    現時点で個人的な依存症の兆候は無し。(強いて言うなら、Netflixのビンジウォッチング)今後何か依存症を患ったとき・依存させる何かを開発する機会がある場合に再読したい。

    行動アーキテクチャ・ゲーミフィケーションの理論で、生活習慣を良い方向に持っていくのに活用したい。もちろん諸刃の剣であることを念頭に置いて

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    2022年07月16日
  • なぜ、脱成長なのか 分断・格差・気候変動を乗り越える

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    翻訳特有のちょっと意味が分かりにくい訳はありましたが、過去を振り返るとGDPによる経済成長のイデオロギーによって世界中で資本主義というシステムができ、富裕層によっての植民地化、グローバルサウス問題、不等価交換。これ以上続けないためにはどうしたらよいか。本当に豊かさはまではいきませんでしたが、どんな解決策かが語られていました。脱成長だからいきなりあれダメ、これダメではなく、まずはマイカー規制や、都市部土日昼過ぎだけ歩行者天国を設けたり、ショッピングモールは何平米までとか、ルール作りからはじめたいですね。みんなで協力していきたくなりました。この本はたくさんの人たちに読んでもらいたいです。

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    2022年06月07日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    自身の仕事で活かせる部分が少しでもあるのでは、と思い購入した。

    依存症ビジネスはどのようにして作られ、消費者を依存へ誘うポイントはどんな部分なのかを知りたかった。

    結果として、知ることはできたが体系的に知ることができたかは微妙である。

    本にある数々の事例から現代人が依存してしまう理由などは少しでも理解できたのではないかと思う。

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    2022年04月16日
  • The World(ザ・ワールド) 世界のしくみ

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    時系列的にも分野的にも、ものすごく広い範囲を扱っていてすごい。。広く広く浅くという感じ
    読みやすいけど何しろテーマが多いので頭に残ったかというと微妙かも

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    2022年03月05日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    ゲーム依存で睡眠時間も削ることが多々あり2ヶ月前に遂に売ったが最近またやりたくなってきている。この本を読むことで依存症の再燃を防ぐ助けをしてくれている。

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    2022年01月16日
  • RCT大全――ランダム化比較試験は世界をどう変えたのか

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    ネタバレ

    RCTと言えば臨床医学の分野がすぐ思い浮かぶ。本書の中でも長く信じられてきた医学上の「常識」がRCTによって否定された例がたくさん挙げられている。

    ・閉経後の女性に対するホルモン補充療法は心筋梗塞のリスクを低下させるとされており、21世紀の始まりころまでにアメリカ人女性9000万人がこの治療を受けた。しかし、RCTによってホルモン治療は脳卒中のリスクと血栓による静脈閉塞のリスクが高まるだけの負の効果しかないことが明らかになった。

    ・2000年代初期まで、重度の頭部外傷にはステロイド注射が普通だったが、ステロイドとプラセボの無作為割付試験によって、ステロイド注射群の死亡率21%はプラセボ群の

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    2022年01月03日
  • The World(ザ・ワールド) 世界のしくみ

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    ほとんどの大学には「世界情勢」に関する必修科目がなくて、大学生が、今、わたしたちが生きている世界について、なにもしらないままに世の中にでていくことに危機感をもった著者による世界情勢の入門書。

    短いイントロという位置づけだが、ページ数はそれなりにあって、分厚い。

    本の構成としては、まず歴史があって、つぎに地域別の説明があって、そしてテーマごとに議論が進んでいく。たとえば、今の世界を理解するためのスタート地点は、30年戦争としていて、なるほど、やっぱそこだろうな〜、と思う間もなく、話しはすぐに世界大戦になり、冷戦になり、ポスト冷戦とあれよあれよという間に終わってしまう。

    他のところも、同じよ

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    2021年12月21日
  • RCT大全――ランダム化比較試験は世界をどう変えたのか

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    「エビデンスに基づく」というフレーズが流行り言葉になって久しい。政策や意思決定の効果を数量的に検証して得られた結果が「エビデンス」だが、数量的な検証と言ってもさまざまだ。本書のタイトルにもある「RCT」はランダム化比較試験の略で、良質なエビデンスを得るためにはRCTが欠かせないというのが著者の立場だ。

    RCTを使ってエビデンスを得るとはどういうことか。こんな例を考えてみよう。職業訓練プログラムに参加しなかった求職者と比べて、参加者の就職率が有意に高かったことが分かったとする。さて、このプログラムには就職率を高める効果があったと言えるだろうか。必ずしもそうは言えない、というのが答えである。そも

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    2021年08月18日
  • スタンフォード大学の共感の授業―――人生を変える「思いやる力」の研究

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    目次内容に興味持ち、読んでみた。

    共感は育てていくことができ、その力は社会にとっても良い影響を及ぼすということを、豊富なデータを通じて教えてくれる一冊。巻末に参考リストもあるのが良い。

    もちろん良い影響だけでなく、よく言われる共感疲れにや、共感を薄めていく要因になっているデジタルのポジティブな可能性にも触れており、ボリュームはあるが中弛みすることなく読める本だと感じた。

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    2021年08月15日
  • なぜ、脱成長なのか 分断・格差・気候変動を乗り越える

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    脱成長というよりは、「脱消費」「資本主義の変革」を目指すべきと説いてる本。現在の成長至上主義の生活システムの抜本から変える、そのためには個々人の運動から政治変革を促す「共進化」を推進すべきと言った本書の見解は新鮮だった。
    ただ、これが財源的に可能か、どの程度の規模に収縮すべきかなど、多くの点での検討が足りない気がする。

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    2021年08月13日
  • なぜ、脱成長なのか 分断・格差・気候変動を乗り越える

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    草の根ネットワークから始まる個人の行動力が必要。
    GDPの成長は格差拡大につながっている。
    成長は必要ない。より少なく生産、少なく消費する生活を指向するべき。
    成長には、循環型、永続型、複利型がある。複利型は永遠には続かない。永続型も自然ではない。複利成長を目指すことはできない。
    物資使用量と市場取引の拡大を止める。成長なしで豊かな生活を送れる制度をつくる。
    成長追及は、負債、不平等、金融危機を生む。新自由主義は、自由ではなく新たなルールを作った。
    成長を求めることが本能、ではない。
    デンマークの自転車通勤。
    グリーンニューディール政策は、緑の成長と繁栄の両方を目指している。

    グリーンニュー

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    2021年08月05日
  • RCT大全――ランダム化比較試験は世界をどう変えたのか

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    公共経済学者であり現在はオーストラリアの連邦議員を務める著者が、RCT(ランダム化比較試験)がいかにシンプルでありながら、世界を少しずつ良くしてくために不可欠なツールであるかを多様な分野での実用例と共に示す良書。

    対象となるのはもちろん医療をはじめ、教育、犯罪防止、新興国における開発援助のあり方、ITサービスにおけるA/Bテストなど多岐に渡る。また、ある施策の効果を測定するためにランダムに選定された介入群(施策を行う)と対照群(施策を行わない)に分けることから、RCTは”対照群に対する倫理的な問題を孕んでいるのではないか”という批判が常につきまとう。

    本書ではRCT批判派から寄せられるこの

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    2021年05月22日
  • 僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかた

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    ・行動嗜癖の6つの要素
    1)ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
    2)抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
    3)段階的に進歩・向上していく感覚があること
    4)徐々に難易度を増していくタスクがあること
    5)解消したいが解消されていない緊張感があること
    6)強い社会的な結びつきがあること
    ・人に行動を促したいなら、太刀打ちできない大きな目標ではなく、具体的でチャレンジしやすい小さな目標を与えるほうが有効なのだ。進歩している実感に励まされるし、ゴールラインが見えているほうが前に進みやすい
    ・ネットゲームでスペースキーは小さな動きではなく大きな動きに合わ

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    2021年04月25日