【感想・ネタバレ】僕らはそれに抵抗できない―――「依存症ビジネス」のつくられかたのレビュー

あらすじ

スマホ、インスタ、ゲームから、ネットドラマやメールチェックまで――。薬物などの物質以外にまで広がった「新時代の依存症」を、心の仕組みと、私たちをのめり込ませる「依存症ビジネス」の仕掛けの両面から読み解き、その対処法を指南する。ダニエル・ピンクをはじめ、世界中が絶賛(+警告)した話題の書、ついに上陸。

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Posted by ブクログ

多くがゲームやSNSの依存に対しての研究である。途中で、ベトナム戦争でのヘロイン中毒の話があって、あれあれと思うが、その後は、インタグラムやゲームの依存の話である。他書と異なることは、依存にどう対処するかについて、いろいろと書いていることである。一つがゲーミフィケーションであるが、一方的に推薦するのではなく、その批判も3つ掲載している。例えば、高齢者の認知症進行をおくらせるかもしれないということで行われていたゲーム遊びであるが、実際には効果がないということが明らかにされてたとしている。
 依存対策としてどうしたらいいかを考えさせる本えある。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

圧倒的な取材力で様々な事例が紹介されているんだけどどれもこれも興味深く読めた。まずは「依存症」とは何か、ということ。薬物依存から行動依存。依存症へと陥れる6つのテクニック。回避する方法や立ち直る方法については思ったより少なかった。ただハマりやすい状況を知ることによって自分を客観視できるようになるのではないかなぁ。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

おもしろかった!子どもが成長していくなかで絶対に避けられないデジタル機器やゲーム、そしてこれからどんどん出てくるであろうもっと新しくてもっとのめり込みやすいテクノロジーたち。どうやって付き合っていくのがいいのか考えるヒントをもらえたように思う。

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

面白い!最近脳科学や人間の仕組みについて知るのが面白くてじっくり読んだ。興味深い。

・依存症になる仕組み
自分の心理的な苦痛を和らげる手段としてそれを利用することを学んでしまったときに人は依存する。人に強要されただけでは依存にならない。

・「欲しい」と「好き」は違う
基本は同じ。しかし一致してないと「やめたいのにやめられない」になる。
好きじゃないのに欲しい=快感を脳が覚えてしまっている。対象の魅力が薄れても執着する

・目標追求はあなたを慢性的な敗北状態にする
成功より成長を目指す

・ギャンブルにおける「当たりを偽装したハズレ」
当たりと当たりを偽装したハズレは、人は同じ興奮を感じる(怖い。。)

・習慣の部品
合図、行動、報酬
→やめたいことは、合図と報酬は同じで、行動を変えるとよい

・ゲーミフィケーションの3つの要素
ポイント制、バッジがある、リーダーボード(ランキング表)

・薬物有害スコア 強い順
ヘロイン、コカイン、アルコール(!)、スピード、タバコ、カナビス、LSD、・・・
アルコールの有害スコアの高さがスピードやLSDより高いとは。。合法とはいえ本当に気をつけないといけない


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2022年03月07日

Posted by ブクログ

すごくいい本。孟母三遷の教えが思い出されました。なんでも抑圧するのではなく、原因を探し、工夫し、うまく活用することが大事と、たくさんの事例を交えて説明されています。コロナでオンライン化がすすむなか、人間としての感性をどう他の人たちと繋げるか、考えていきます。

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2021年05月21日

Posted by ブクログ

面白かった。
スマホ、ゲーム、SNSなど依存症は身近にあると痛感。
時間の使い方を改めて見直そうと思った。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

翻訳本は苦手だが、これは読みやすかった。そしてかなりタメになる本だった。
まず、2007年にiPhone、その3年後にiPadを世に送り出し世界を変えたスティーブ・ジョブズが、自分の子にはiPodなどのデバイスを使わせていなかった、というのが衝撃だった。作った本人が、デバイスが幼少期に与える悪影響や依存性を認識していたといえる。
私がこれを読んで思ったのは、自分が生まれた時にまだこれらのデバイスがなくて良かったということ。最近の子は4歳までに8割がなんらかのデバイスに接するらしく(こういったデータも各所に出ていてわかりやすい)、子育てや教育のひとつに、これらの接し方や使い方をどうするかという大きな問題がある。今の親や教師は大変だ。
そして、そんな自分でさえ、もうスマホなしでは生きていけない。運動のしすぎを誘発するというウェアラブル端末も、良かれと思って使っている。最近スマホを見る時間が増え、一つの物事(読書したりテレビを見るなど)に集中できなくなったと感じていたので、この本を読んでさらに危機感が募った。スマホはそこに置いてあるだけで、気を取られる存在であることがデータで実証されている。
今後は、さらに依存性が高いもの(それこそ現実と仮想の区別がしにくそうなVRなど)が浸透してくるだろう。それらは良い面もあるが、悪い面もある。私たちは、現実から逃げず、リアルの世界も大切にしながら、それらと適切な距離を保って生きていかねばならないのだと強く思った。
知っておくべきことが多く書かれていた良書だと思う。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

結構前に読んだので、「依存症ビジネス」との違いが思い出せない。SNSもゲームもポルノも罠ですよ、というような内容だったはず。おそらく根本的な内容は同じ、なはずかと。
こちらの方がキャッチ―で読みやすかった印象。

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2021年02月06日

Posted by ブクログ

「行動嗜癖」という、どうして人は依存するかについて書かれている本。
企業が私たちの依存性につけ入って仕掛けた罠に掛からないためにはどうしたらいいか等が書かれているが、逆にどのようにしたら人に夢中にさせられる仕組みを作れるかというアイデアを生み出すヒントになる一冊だと感じた。
数人の部下を持つ私としては、この本の目標管理の仕方によって部下を仕事に夢中にさせる方法論の勉強になったと感じた。

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2020年10月10日

Posted by ブクログ

著者はアメリカの大学で行動経済学、マーケティング、心理学を教える。
「依存症ビジネス」とはスマホアプリやゲームのことを指している。ただ本書ではそのビジネスについて詳しく触れているのではなく、人間がそういったものに惹かれてしまう裏側を書いている。
鍵となるのは「行動嗜癖」。(※英語の原訳は何というのだろう?)これは物質の摂取を伴わずとも、強い心理的欲求を短期的に満たし、その一方で長期的には深刻なダメージを引き起こす行動には抵抗できない状態を指す。
自分の理解が正しければ、ちょっとしたきっかけが脳への電気刺激となり快楽中枢を刺激し、以後のめり込んでしまうとういことだろうか。本書に書かれてあるネズミへの実験がわかりやすい。ギャンブルのビギナーズラックにも少し似ているかもしれない。
さておき、スマホ依存の危険を感じる人にとっては良書。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

快楽中枢を直接刺激するような装置により、延々と動物がそれを操作し続けるという動物実験がある。人間も同じような実験が成り立つかというと、恐らくは成り立たない。そのことはつまり、我々が「快楽だけ」を欲しがる生き物ではなく、どこかに不快や不幸をスパイスとして欲している事の証左ではないかと思う事がある。

でも、不快や不幸なんて、特別それを求めなくたって自然と呼びこんでしまうもの。人は気づくと空腹になり眠くなる。親和欲求もあるだろう。だが、常にそれが満たされるわけではないから、満たされなさとの差し引き、つまりその渇望に「不快や不幸」がペタッと名札がつけられて自覚するのだ。そのため、不幸になるキッカケは常にある。だから、快楽だけ追求していてもバランスが取れる。それは恐らく、快楽中枢を刺激し過ぎても飽きてしまったり、お腹が空いたりしてくるようなものだ。

ここでのポイントは、断続的、間欠的である事。不幸と付き合いながらも、その「快楽物質」が、また欲しくなること。欲しくて欲しくて溜まらなくなること。常に与えられて満たされている内は、そうはならないのだから。渇望とは、満たされていない事。だから、間欠的という事がポイントなのだ。で、このくっ付いたり離れたりの距離感において永久磁石のように作用する磁力こそが、依存症である。

尚、依存症を断ち切るには、考えないようにしてもダメで、「まぎらわせるのが最適」だという。他の事をするのが良いのだ。

― 実験を行った研究者たちは、「ほとんどの人間は、何もしないより何かをするほうがよいと考える。たとえそれがネガティブなことであっても」と考察している。私たちはある面では楽な人生を探しているはずなのに、おだやかな心地よさが一定期間続くと、それを適量の苦痛で打ち破りたいと考える人が多いのである。

ドラッグ、ギャンブル、ジョギング、インターネット、ゲーム、スマホ、セックス。よく聞く依存症の対象は、たまたまカタカナが多いが、別に日本語でも表せるので、これは偶然である。それをしていない時にいかに脳が支配されるか。中毒性。私は読書くらいかなーと思うが、気付いていないだけかもしれない。常に側にいるから気付いていないもの。失って気付くもの。そんな風に考えると色々ありそうだ。

依存せずに生きている人などいるのだろうか。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

ついつい触ってしまうのには理由がある
とにかく遠ざけること
意図を持って触ること

自分の「命」を奪われてはいけない

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

感想
人間の脳を変化させるビジネス。元来備わっている報酬系の働きを利用し儲ける。報酬の与え方をコントロールすることで人間はどこまでも従順になる。

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2022年10月24日

Posted by ブクログ

依存症の具体例・要因・対策が書かれた本。

現時点で個人的な依存症の兆候は無し。(強いて言うなら、Netflixのビンジウォッチング)今後何か依存症を患ったとき・依存させる何かを開発する機会がある場合に再読したい。

行動アーキテクチャ・ゲーミフィケーションの理論で、生活習慣を良い方向に持っていくのに活用したい。もちろん諸刃の剣であることを念頭に置いて

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2022年07月16日

Posted by ブクログ

自身の仕事で活かせる部分が少しでもあるのでは、と思い購入した。

依存症ビジネスはどのようにして作られ、消費者を依存へ誘うポイントはどんな部分なのかを知りたかった。

結果として、知ることはできたが体系的に知ることができたかは微妙である。

本にある数々の事例から現代人が依存してしまう理由などは少しでも理解できたのではないかと思う。

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2022年04月16日

Posted by ブクログ

ゲーム依存で睡眠時間も削ることが多々あり2ヶ月前に遂に売ったが最近またやりたくなってきている。この本を読むことで依存症の再燃を防ぐ助けをしてくれている。

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

・行動嗜癖の6つの要素
1)ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
2)抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
3)段階的に進歩・向上していく感覚があること
4)徐々に難易度を増していくタスクがあること
5)解消したいが解消されていない緊張感があること
6)強い社会的な結びつきがあること
・人に行動を促したいなら、太刀打ちできない大きな目標ではなく、具体的でチャレンジしやすい小さな目標を与えるほうが有効なのだ。進歩している実感に励まされるし、ゴールラインが見えているほうが前に進みやすい
・ネットゲームでスペースキーは小さな動きではなく大きな動きに合わせる。物理的な感覚とデジタルの領域での感覚を連動させるのがマッピングの妙
・動機付けられた認知:外れが続いているってことは大当たりが近付いているサイン と認識させることではずれもポジティブに受け止めさせ続けさせる
・ダラー・オークション・ゲーム
・売れるもの、人気になるものを作ろうとするのではなく、好きになるために作ることがゲーム作りの根幹(宮本茂)
・ビギナーズラックには人を依存させる力がある。ビギナーズラックを体験したせいで、人は非現実的な野心を抱き、本来ならば熟練者にこそふさわしい高すぎる期待を抱く
・ほとんどの人間は、何もしないより何かをするほうがよいと考える。たとえそれがネガティブなことであっても。
・課題を片付けているという感覚や、自分がこれを成し遂げているんだという気持ちは、大きなモチベーションになる
・イケアの組み立て済みの収納ボックスを自分で組み立て作業をした被験者の提示した金額は、既製品を見ただけの被験者の金額に比べて63%も高かった
・スロットマシンの「惜しい」と「はずれ」に実質的な違いは何もないというのに「惜しい」を見せることで、大当たりはすぐそこだと思わせる
・現金ではなくクレジットカードを使うと、人は同じ商品が2倍高くても払ってしまう(停止規則の役割を果たさないため)
・自動再生により、「次のエピソードを見ない」という判断をする必要がある(オプトインオプトアウト)
・Facebookとインスタグラムでは予測の立たない刺激がエンドレスで続いている
・人間は肯定的なフィードバックばかりを受け入れたがり、否定的なフィードバックに対して過敏になる
・近づきやすい態度、穏やかな態度、子供の状況について知ろうとする態度、現実的な態度を取ることが親の態度として重要
・自己決定理論によると、人は3つの根幹的なニーズに関わる場合に自主的に行動を起こしやすい
1)自分の人生を自分の意志で進めたい(自律性)
2)家族や友人と確かな絆を形成したい(関係性)
3)周囲に影響力を持っていると感じたい(有能性)
・「○○を考えてはいけない」といわれたときに「そのかわりに何を考えていればいいのか」というのがわからない
・習慣を構成する3つの部品
1)合図(行動を促すもの)
2)儀式(行動そのもの)
3)報酬(これからも同じ行動を繰り返すよう脳に仕向けている見返り)
・自分以外の誰かを巻き込む報酬や制裁は、習慣形成において非常に効果が高い
・行動嗜癖に対するアプローチは排除するか、活用するかの2つ。活用して良い習慣にすることもできる
・体験そのものを報酬にする(英単語を学んでいるうちに、成果に応じて自動的にコメを寄付している)

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2021年04月25日

Posted by ブクログ

ゲーム、薬物、SNSなど様々な依存症について人に依存させる仕組みや人間の心理の観点から、多くの実験結果を含め多面的に解説されている。

中でも、今まであまり注目されてこなかった行動に対する依存 "行動嗜癖" が本作のテーマである。私たちにとってもっとも身近な行動嗜癖はスマホの長時間利用だろう。

本書を読んでいて、今後の未来が少し恐ろしく感じられる点も多かった。

行動嗜癖を見直し、今後も発展を続けるであろうデジタルへの付き合い方を見直すべきだ。

私自身、スマホのスクリーンタイムが6時間を越える日も多い。平均スマホ利用時間は3時間であり、明らかに使いすぎだ。

今後は週平均3時間未満になるよう調整し、何のためにデジタル機器を使うのかを再考したい。

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2021年04月10日

Posted by ブクログ

マーケティングや行動経済学に精通した大学准教授である著者がスマホやSNSがもたらす行動嗜癖という依存症について書いた一冊。

SNSなどが普及する中で深刻化している依存症についてそのメカニズムや依存症になった者の症状、そして解決法に至るまでを様々な研究結果などから書かれていて勉強になりました。
物質だけでなく行動にも依存症が起きることや苦痛から逃れるために依存症を発症することなど依存症についてのメカニズムを知ることができました。
そして、目標、報酬、クリフハンガーによるビンジウォッチング、他人のと比較などを駆使してネット上の様々なサービスが展開されていることも勉強することができました。
また、物理的に距離を置くことや罰を与えることなどで依存症の予防策としたりゲーム化することによって楽しく依存症から自分を改善したりと予防策も知ることができました。

スマホなど文明の発達とともにデバイスがどこであったりすることで停止規則が機能せず依存症が悪化することや怪我による慢性的な辛さを依存症の仕組みで和らげることなど依存症のメカニズムを逆手に取った取り組みなどが進んでいることも本書で学ぶことができました。
そんな本書の中でも小さいうちからiPadなどのデジタルデバイスに触れさせないことや4〜5歳でiPadなどに慣れることによって人との交流が希薄となり将来に影響を及ぼすことなどは勉強になりました。

本書を読んで依存症になっていくメカニズムを勉強するとともにSNSやゲームとの付き合い方を学ぶとともに次代の子供たちに向けての接し方も学ぶことができました。
そして、本書で学んだテクノロジーとの依存しない付き合い方を実践していこうと感じた一冊でした。

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2021年01月17日

Posted by ブクログ

主に行動嗜癖を誘発させるような設計のされたデバイスやアプリなどの仕組みを解説している。
便利な機械とは適度に距離をとる、適度に使いづらいほうが長期的にみると自分のためになるということだろうか。

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2020年09月24日

Posted by ブクログ

人が物事に依存する原因を、過去の実験や有識者によるインタビューをもとに解説し、どう対応すべきか提示している。

以前は【薬物・酒・たばこ】といった物質的依存が主であったが、現代においては【SNS・ソシャゲ・VOD】といった行動的依存に警鐘を鳴らしている(本書では行動嗜癖と言っている)。

テクノロジーが身近になった故に、僕らはそれに(安易に)抵抗できないのだ。例えば、Netflixが仕掛ける「ビンジウォッチング」について言及している(海外ドラマなど、次のエピソードを自動再生して、2~6話一気見させる仕組み)。この章だけでも、本書を読んだかいがあったと思える。これらの依存ビジネスが、生活のあらゆるシーンに潜んでいることに、ハッとさせられたからだ。

便利な現代において、テクノロジーといかに適切な距離で付き合っていくか。リテラシを見つめなおす良い機会となった。近い将来、より没入感の高いVRやAR、MRなどがメインストリームとなったとき、GAFA、とりわけFacebookがオキュラスをどのような怪物に育て上げ、我々の目の前にお披露目するのか。僕らは、目をキラキラさせながらも、俯瞰した厳しい目で見守る姿勢が必要なのかもしれない。

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2020年10月19日

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依存症ビジネスとどのように共存していくか、の話。依存症ビジネスに含まれている6つの要素の細かい解説が書かれていた。その6つの要素は、確かに依存するなぁと感じる反面、人生を充実させる要素、幸せを感じる要素、とも似ていて複雑な気持ちにもなった。


以下メモ
・行動嗜癖(依存)の恐ろしさ:
仕事や遊び、基本的な衛生観念人との交流などを後回しにしてしまう

・注意力の持続時間が減少している:
マイクロソフトの調査で、人間の注意力の持続時間が2000年の12秒から2013年には8秒に(金魚は9秒)

・依存症は学習によって生じる。記憶に埋め込まれる。なので、同じような環境であれば同じ症状があらわれる。

・「依存症」になる/ならないを決めるのは、自分の心理的な苦痛を和らげるために依存行動(ドーパミンをだすこと)を行ったかどうか。

☆補足として調べたこと:
依存症とは生きるのがつらいという環境への適応対応。依存症の対義語はつながり。人とのつながりがないから、依存物質とつながってしまう。
依存症患者への対策としては、病気として切り離すのではなく、受け入れることが効果的。

依存症へ引き入られる6つの要素
①目標
大きな目標でなく、具体的でチャレンジしやすい小さな目標。
現代は目標追求型の社会で、終わりなき目標が外部から与えられ続けている。システムが数値化して目標へと追い立てる。

②フィードバック
人間は予測不可能なフィードバックにより反応する。いいねボタンに夢中になる。
動機付けられた認知:はずれが続くと「当たりたい」という動機によって、認知がゆがめられる。「大当たりが近づいているはず」「あとちょっと」

③進歩の実感
自分の力で学んでいる、成長の実感が得られること。

④難易度のエスカレート
電気ショックの実験:被験者に20分間ただ座って楽しいことを考えるように指示。気が向いたら電気ショックを体験してもよい。最大20分間に190回電気ショックを自分に与えた人もいた。何もしないより、何かした方がいいと考える。
テトリスという、自分と一緒に成長する難易度。
停止規制:テクノロジーの進歩により停止規制がきかなくなる。

⑤クリフハンガー
続きが気になる終わり方。
未解決事件が人気なのは、人が完了した体験よりも完了していない体験に注目するから。
買い物依存:必要だから買うのではなく、買うという行為にのめりこんでいる。買い物と片付けがループする。

⑥社会的相互作用
社会的承認:他人と自分の価値観が同じと認められることで、仲間に入れているという安心感。
ネットの人間関係にのめりこむデメリットは、そこから何が生じるかではなく、人間関係の発達が生じないことにある。空腹のアリに砂糖だけを与えるようなもの。その瞬間の空腹は満たされてもいずれ飢えていく。



どのように共存していくのか
①子どもには、食事や生活を教えるのと同じように、テクノロジーとの付き合い方を教えていく。
依存傾向になった際には、本人の意思で変化を始められるよう行動を改める動機を表面化していくサポートをする。それにふさわしい環境を創る。

②行動アーキテクチャ
チョコレートを考えないようにして、というと逆に考えてしまう。依存の根源的動機をつきとめれば、それを満たす別習慣を提案できる。また、それとは物理的に距離をとる。

③ゲーミフィケーション
行動嗜癖を逆に利用する。運動や勉強にゲーム感覚を取り入れる。ただし、ゲームが楽しいという動機だけに頼っているとゲームに飽きたときに運動や勉強をやめていしまう。初めはゲームきっかけでも、徐々に本来の目的(運動や勉強)に達成感を感じられる仕組みが望ましい。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「行動嗜癖」という観点から、インターネットやそれを活用したデジタルデバイス、デジタル商品に対する現代人の「依存症」について警鐘を鳴らす本書。現在のデジタルデバイスやサービスは顧客に「依存」させる仕掛けを巧妙に用意しているというのは事実だし、具体例として紹介される内容も「自分にも身に覚えがある」と思えるものばかりで、その内容自体は非常に興味深い。

ただその一方で、「どこまでこの主張を信用していいのか」という根本的な疑問が解消できない。

例えば第一章p.37では、「オンラインでの交流は(中略)ある種の害をもたらす。人間は、自分の行動が他人に影響を与える様子を観察することで、他人への共感や理解というものを学ぶ。目の前で反応を見られなければ共感力は育たない」とし、実際に1979年から2009年までのあいだで、大学生の共感力が下がっているという研究結果も出している。その後も本書の中でこの手の主張は何度も出てくる。

しかしp.300では、「幼いころに長期的にテクノロジーを過剰使用した場合の影響が、まだはっきりと解明されていない」と言ってしまっている。これまで長々とインターネットやデジタルデバイスの悪影響を主張しておきながら、その根拠を揺るがすであろう重要な事実を終盤にしれっと書き、しかもその一行以上は言及はしないまま、本書では「でもやっぱり悪影響あるよね」とばかりに自説を展開していく。これではさすがにその主張を完全に信用することはできない。これ以外にも、正直「それ本当?」と思わせる内容が散見されるように個人的には思う。

基本的に、非常に面白い本だとは思う。書かれている内容は実に興味深いし、一読の価値は十分すぎるほどあると思う。ただ、この本の初版は2019年で、当然その内容はそれ以前の研究・調査内容がベースになっているはず。それを踏まえて、この本の内容が「どこまで本当か」の判断は、慎重に見極める必要がある。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

研究まとめ感がすごいし、スマホ依存と他の依存症とどっちを語りたいのか迷子になった
デジタルデトックスは大事みたいだね

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2024年05月11日

Posted by ブクログ

本書冒頭で語られる、行動も、麻薬や、アルコール、タバコと同様、依存をもたらすというのはその通りと思える。
今や、多数の人々がスマホを片時も手放せず、デートの最中や、友達との食事中までスマホをチラチラ見ているのはよくあること。
スマホは現代の生活において必要不可欠であるが、過度にそれに依存する/のめりこむ/集中することが、弊害をもたらす。
人を依存させる要因として、目標、フィードバック、進歩の実感、難易度が上がっていくこと、クリフハンガーの感覚、他者との交流があるということも概ね納得。
本書後半、どうやって依存から抜け出すか、依存にならないためにはどうするか、というあたりになると、途端に歯切れが悪くなってくる。
依存を逆に「良いこと」に利用しようとするゲーミフィケーションに至っては、良いことと悪いことはどう区別すんねん、そもそも依存の例で挙げてた運動しすぎとかだって、健康になりたいという動機はよかったわけじゃん、どっちにしろ依存したら生活破綻するやろって、突っ込みどころ満載。
まあ、テクノロジー製品への依存症は始まったばかりなで、これからどうしていくかは/どうなっていくかはまだまだわからないよね、といったところか。

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2023年05月05日

Posted by ブクログ

少し古いと言っても数年前だが、自分が読んできたものと大差ない。が、改めて読むのもまた気が引き締まる。

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2022年04月18日

Posted by ブクログ

武田先生推薦
☆3.5くらい



行動嗜癖の6つの要素

①ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること

②抵抗しづらく、また予想できないランダムな頻度で、報われる感覚(正のフィードバック)があること

③段階的に進歩、向上していく感覚があること

④徐々に難易度を増していくタスクがあること

⑤解消したいが解消されていない緊張感があること

⑥強い社会的な結びつきがあること



こうした要素を必ず1つは備えている



①好きと欲しいは似ているようで違う。

通常ならば、
好きなものを欲しがり、
欲しいものを好きだと思う。

ところが、
依存症の場合、
愛してはいけない相手に恋をしたり、
好きじゃないのに欲しがったりすることがある。


これらは
自分が苦しむと分かっていても、
欲しくて欲しくてどうしようもなくなる。

自分の心理的な苦痛から守ってくれると
学んだことで、
依存症を発症する。



②時々報酬が出るから依存状態になる
例えば、
SNSのイイネボタンが押されるか押されないかなど



③ビギナーズラック
(一にうまくいくと、
次も続けてやりたくなる)
単純でばかばかしいゲームほど心を鷲掴みにする
あと1回あと1回と課金を迫るソーシャルゲーム


⑤ツァイガルニク効果効果
課題が未完了だと緊張状態が維持されて欲求もそのまま残っている。




☆予測可能な喜びよりも
予測不能な喜びの方が、体験全体の快感が増して長く喜びを持続させる


止める事は意志力を使う。
自動再生されているものに自然に飲み込まれてしまう。



⑥人を依存症にするゲームが持つ3つの特徴
第1没入感
第2達成感
第3社会的要素

ゲームに対する依存性が劇的に広がったのは、
高速インターネット接続が普及したおかげで、
リアルタイムにコミニケーションすることができるになったから


ネット依存症はリアルで人間関係が築けなくなっている



ゲームフィケーションの力は強い
良い面は
義務的な作業や不快な体験に喜びをもたらす。
医療、教育、寄付の面ではプラスになる。
しかし危険な側面もある。
儲けのために人間の動機につけ込むことを意図してデザインされている


依存症に陥っている人は、どうなりたいか?を考える。

例えば、
インスタを利用するメリットは何か?
あなたの希望としては、
何がどうなってくれたらうれしい?
インスタはあなたの幸せにどう影響?
どんなやり方ならあなたもっと楽になると思う?




何を避けるべきかはわかるが
その代わり何を考えたらよいかはわからないのか人




子どものために親がとるべきでない3つの態度
怖い態度
切れる態度
よく理解していない態度


とるべき4つの態度
近づきやすい態度
穏やかな態度
子どもの状況について知ろうとする態度
現実的な態度

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

<目次>
プロローグ 自分の商品でハイになるな~ジョブスと”売人”に共通する教え
第1部   新しい依存症「行動嗜癖」とは何か
 第1章  物質依存から行動依存へ~新しい依存症の誕生
 第2章  僕らはみんな依存症~何が人を依存させるのか
 第3章  愛と依存症の共通点~「やめたいのにやめられない」の生理学
第2部   新しい依存症が人を操る6つのテクニック
 第4章  <1>目標~ウエラブル端末が新しいコカインに  
 第5章  <2>フィードバック~「いいね!」というスロットマシンを回しつづけてしまう理由
 第6章  <3>進歩の実感~スマホゲームが心をわしづかみにするのは”デザイン”のせい
 第7章  <4>難易度のエスカレート~テトリスが病的なまでに魅力的なのはなぜか
 第8章  <5>クリフハンガー~ネットフリックスがぼくたちに植えつけた恐るべき悪癖
 第9章  <6>社会的相互作用(ソーシャル・インタラクション)~インスタグラムが使う「比較」という魔法
第3部   新しい依存症に立ち向かうための3つの解決策
 第10章  <1>予防はできるだけ早期に~1歳から操作できるデバイスから子どもを守る
 第11章  <2>行動アーキテクチャで立ち直る~「依存症を克服できないのは意志が弱いから」は間違い
 第12章  <3>ゲーミフィケーション~依存症ビジネスの仕掛けを逆手にとって悪い習慣を捨てる
エピローグ  まだ見ぬ「未来の依存症」から身を守るために

<内容>
2019年刊の本だが、データは2016年頃のものなので、挙げられた具体例もやや古い。ネットビジネスの世界は本当に進歩が速いことがわかる。エピローグの「未来の依存症」がどんどん入り込んできている(Tiktokとか)。VRは意外と進化していないようだが、この本を読んでいると、これが普及すると新たな「依存症(ビジネス)」が広がる気がする。結局は人間各個人の「意思」が重要なのかな?と感じた。一方で、「ゲーミフィケーション」をうまく利用すると、教育の世界はもっと変わる気もする(そんなことやっているが、あまり成功していないのかもしれないが…)。

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

意外なところに行動素癖が潜んでいることがわかった。
自分もいつくか依存症に近い状態になっているかもしれないという気づきが得られた。

依存症とは何か深く考察することができ、どう向き合えば良いかも考えるきっかけとなった。

また期間を置いて読み返してみたい一冊。

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2021年06月24日

Posted by ブクログ

世の中にある依存症の事例が多く挙げられており、またそのテクニックが6つ紹介されている。
私はスマホ利用時間は少ない方と思いつつ、いくつかのアプリは無意識に頻繁にクリックし更新情報を追い、時間を無駄にしていることに気づいた。
子どもへの影響も衝撃。スマホに依存している親の姿をあまり見せるべきではないこと、テレビなど依存していないか?と常に意識すること、を学んだ。

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2021年03月28日

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