山内義雄のレビュー一覧
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ネタバレフランスの小説ぽくなかった。訳者が書いているようにシンプルで華美な装飾のない文章だからだろうか。
主人公エドモン・ダンテスは物語はじめ、決して教養のある人物ではない。しかし彼は頭の良い人物だった。
作中にも出て来たが、知識がある人と頭の良い人というのはイコールではないのだろう。我々は大体にして頭が良くないから、知識を身に付けることを目指せというファリア司祭の言葉には励まされるものがある。
それにしても人を疑うことを知らないダンテス君には一種腹立たしささえ覚える。彼は善意によって自分の首を絞めた。いくら亡き船長の遺言だからと言って、当時追放されていたナポレオンから手紙を預かることがいかに危険かわからなかったのだろうか。
ファリア司祭によって目を開かれたダンテスが今後どうなっていくかが楽しみな1巻だった。 -
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絶望と希望の第七巻!
ヴィルフォールへの復讐は、思わぬ命までも奪うこととなった。
悩めるモンテ・クリスト伯が訪れたのは、
あのシャトー・ディフ。
ヴァランティーヌ、マクシミリアン、メルセデス、そしてエデ。
彼らの運命は?そして最後の一人、ダングラールへの復讐は?
フランス版大河小説は、これにて完結。
ボヴィル氏(意外と登場回数多し)、ペピーノ、ルイジ・ヴァンパ、
そしてジャコポと、1,2巻での登場人物が再登場します。
最終巻は多少退屈に感じる場面や独白が多いのですが、
超人的だったモンテ・クリスト伯の人間としての部分が
ここで噴き出しているようにも思われます。
復讐について懐疑的にもなった彼がシャトー・ディフで
見出したのが、あのファリア司祭の著作!
過去は未来への指針というべきか・・・感動してしまいました。
ヴィルフォールの絶望は、自らが犯した罪・・・子ども!
ダングラールはの絶望は、積み上げた富の喪失。飢えの恐怖。
マクシミリアンの絶望は希望へ。
メルセデスの希望はアルベール。
モンテ・クリスト伯とエデは・・・「待て、しかして希望せよ!」
今回は世界地図帳を側において読書しました。
実在するモンテ・クリスト島とマルセイユ、
コルシカ島の位置関係、
ノルマンディーのトレポール(ル・トレポール)や
ノワルティエ氏の待つリヴールヌ(リヴォルノ)の場所等を
確認しながら読むのも面白かったです。 -
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復讐の第六巻!
カドルッス、フェルナンに復讐の槌が振り下ろされる。
メルセデスとアルベールの選択は?
ヴィルフォール家の毒殺の手がヴァランティーヌに。
苦悩するマクシミリアンのとった行動は?
そして、ダングラール家にも・・・。
破滅の道を転げ落ちたカドルッスの憐れさ。
その死すら復讐の手駒の一つになってしまうとは。
フェルナンは・・・ずっとエドモンの影に脅かされて
いたのじゃないかな?それが現実に現れたことの恐怖、
妻と息子に去られた絶望。これまた憐れです。
また、この巻では、メルセデスの言動と行動、
マクシミリアンの告白、エデの愛に心乱される
モンテ・クリスト伯の姿が印象的でした。
終盤は、ダングラール家が舞台に。
第一巻のエドモンの婚約披露での出来事が彷彿されます。 -
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主要人物総登場の第四巻!
アンドレアとカドルッスの謎めいた関係。
ヴァランティーヌとマクシミリアンの恋愛関係。
ヴィルフォールとノワルティエの父子関係。
これらもモンテ・クリスト伯の今後の行動に
影響を与えそうで、先行きが楽しみです。
そして、復讐の糸・・・ヴィルフォール夫人に数年前から
絡めていたとは!感化された夫人はどうなるのか?
信号機の話も時代を反映していて面白い。
第三巻の重苦しい雰囲気からオートィユでの晩餐までの
おどろおどろしい展開の合間に、
エデやモレル一家の話を挿入するところは、
新聞小説の連載の読者を飽きさせない工夫でしょう。
また、モレル家にコクレスやペヌロンがいること、
なんかほっこりさせられました(#^.^#) -
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モンテ・クリスト伯出現!の第三巻。
誘拐されたアルベールを助けたことで、
パリ進出の足掛かりを得たモンテ・クリスト伯。
物語はローマからパリへと移る。
復讐対象の三人は、いまや地位も財産も絶頂に。
だが、モンテ・クリスト伯=ダンテスは、
彼らに復讐の糸を絡めていく。
熱病に浮かされるようなローマの謝肉祭とカタコンブの
情景から、場面はパリの上流社会へ。
モルセール伯=フェルナン、ダングラール男爵、
ヴィルフォール検事総長の登場!
嫌な奴はやっぱり嫌な人格のまま出世していますね~。
その描写の執拗なことw
彼らの家での家族関係、アルベールの友人たち、
再登場のマクシミリアン等、脇役のようで実は
これからの物語の進行に絡んでくる人物が
多数登場しています。フラグもいっぱい♪
そしてベルツッチオの過去の話から、
ヴィルフォールの罪、私生児の生い立ち、
カドルッスの犯罪等、驚愕の判明!
時は、ルイ18世~シャルル10世~7月革命後の、
ルイ・フィリップ1世の頃。産業革命の時代です。
そんな時代背景にも注目しながら読むと、
面白いですよ。 -
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波乱万丈の第二巻!
ファリア司祭の死。
ハラハラドキドキの脱獄とお宝発見!
カドルッスとの再会とモレル家への救済。
カドルッスから聞き出した主要人物の経歴と現在の姿は、
ダンテスの今後の指標となったことであろう。
そして9年後・・・フランツとの出会いと、アルベール登場。
第三巻への展開の予感もはらんでいる。
山賊の挿話とか、エピソード風のものでも読み流せません。
実は、あちこちにフラグが立っていますからね~。
マクシミリアン、フランツ、ルイジ・ヴァンパ、アリ、
ペピーノ等々、キーパーソンになる人物も登場してますし、
イギリス人、司祭、船乗りシンドバッド、
そしてモンテ・クリスト伯!ダンテスの変装と偽名も
今後の物語の展開に大いに関わってきます。
多くの細い糸が縒り合され一本の物語に紡がれていく、
デュマの創造をかくと味わうべし! -
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フランスを代表する大作家による大河小説。
始まりとなるこの巻の物語は、
幸福から絶望に突き落とされた主人公ダンテスが、
監獄の中でで師となる囚人ファリア司祭と出会い、
自分が落された罠、財宝の秘密等を知らされるまで。
個性際立つ登場人物たち。
ダンテスの投獄のきっかけを作った者たち、
ダンテスを愛し、信ずる者たち。
親子関係。二つの婚約披露と美しい許婚者たち。
彼らはナポレオン時代~第一復古王政~百日天下~
第二復古王政の歴史の変遷に翻弄され、行動する。
そして監獄の中のダンテスは・・・。
思えば、小学校高学年のときに名作全集で読んだのが
きっかけで、中学生になってこの岩波版に出会い、
以後、何度もボロボロになるまで繰り返し読みました。
今回は、全巻買い替えての久々の読書となります。
明るいマルセイユの空、陰鬱なるシャトー・ディフ。
この対比が鮮やかであるほど、ダンテスの運命の変化の
恐ろしさが際立ちます。
さぁ、先はどう展開されるのか?
あ、読むの止められない!・・・・やっぱり面白いなぁ~。 -
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ネタバレダンテスによる復讐劇もいよいよクライマックスです。
長かったですが、ようやくここまで来ました。
残りのターゲットはダングラールとヴィルフォールです。
ヴィルフォールに関しては予想通りといえば予想通りの結末でした。
もっとも、娘のヴァランティーヌに関しては予想通りというわけにはいきませんでしたが。
まあ、注意深く読んでいれば気付きそうですけどね。
ただ後にダンテスが後悔しているように、ヴィルフォール一家に対してはやりすぎの感はありました。
特にエドゥワールは、悪童だけれども犯罪に手を染めたわけではなかったわけですし、気の毒といえば気の毒でした。
思い起こせばダンテスに対する一連の謀略を首謀したのはダングラールでした。
当然どれだけ凄い復讐でお返しするんだろうと思っていましたが、4悪人の中で一番寛大な結末となり、ちょっと意外でした。
ダンテスの中でヴィルフォール一家に対する贖罪意識が尾を引いていたことが一番の理由でしょう。
最後に回されたおかげで命拾いしたのですから、何とも皮肉なもんです。
ただダングラールに関しては、信号機事件の時もそうでしたが、モンテ・クリスト伯の掌で踊らされるピエロのような描かれ方をしているようにも感じられ、確かに死をもって償うという展開はふさわしくないのかな、とも思えました。
そして最終章。
ヴァランティーヌを亡くし、失意の底にいるマクシミリアン。
彼にモンテ・クリスト伯はどういった手ほどきをするのか。
そしてエデはどうなるのか。
ラストの有名な一文はまさにダンテスの生きざまを表しているようで、読み終えて深い余韻が残りました。
完璧なフィニッシュです。
最後に岩波文庫版の山内義雄訳について。
一般では名訳と評価されており、これはこれでありだと思いますが、私にはあまり合わなかったです。
きっと素直に直訳したんだろうなあと思える箇所が散見され、総じてそれらの文は日本語として違和感があり、個人的にはもう一工夫して欲しかったです。
第1刷が60年以上前なので仕方ない面もあるのかもしれませんが、とっつきにくくて内容を理解するのに時間がかかったことは告白しなければなりません。
自分の読解力の無さは棚に上げつつ、歴史に残る娯楽作品の傑作であるからこそ、21世紀の言葉による新訳を出して欲しいなあと思いました。
光文社の古典新訳文庫なんてぴったりだと思うのですが。 -
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ネタバレ全7巻を読んだうえでの感想です。
いよいよダンテスによる復讐が本格化します。
最初の犠牲者はカドルッスでした。といっても、ダンテスが直接手を下したわけではなく、味方だったはずのアンドレアに殺されるんですよね。何とも皮肉なもんです。
殺人や押し込みをやらかしてはいるものの、カドルッスって根っからの悪人ではないと思うんですよ。
でも、怠惰で小心なところが災いして、しょうもない悪事を働き、結局坂道を転げ落ちるように堕落していく様は、人間誰しもが持つ歪な部分をデフォルメしているようにもに思え、読んでいて哀れになりました。
個人的にこのカドルッス、全話を通して一番印象に残っています。
次の標的はフェルナン。
既に新聞紙上でギリシャでの非道を告発されていましたが、今度は議会でエデにそれを証明され、父親の名誉を守るためにモンテ・クリスト伯に決闘を申し込んだアルベールは結局決闘を辞退するに至り、自身で決闘を挑もうとするもモンテ・クリスト伯の正体を聞かされて衝撃を受け、母子に逃げられた挙句、失意の中自殺するという結末を迎えます。
このあたりの展開は俄然スリリングで、とても楽しめました。
この後、ダングラールとヴィルフォールに対してもダンテスの策略が発動しますが、まだこの巻の段階では序の口です。具体的には読んでからのお楽しみということで。
また、アルベールとの決闘前夜のダンテスの苦悩の独白は、当時の社会における神と人間との距離感を表しているように思え、実に興味深かったです。 -
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ネタバレ全7巻を読んだうえでの感想です。
ファリア司祭との別れ、シャトー・ディフからの脱獄、モンテ・クリスト等に眠っていた財宝の発見、カドルッスとの再会、モレル商会の救済、物語後半のキーパーソンとなるアルベールとの出会い、そしてルイジ・ヴァンパによる誘拐と救出と、物語は怒涛の展開をみせます。
その中でも私が印象深かったのはカドルッスとの再会でした。
てっきり最初の復讐の対象になるのかと思っていたら、まさかダイヤモンドを渡しておさらばとは。
物語終盤に復讐の鬼と化すダンテスですが、この情にほだされる場面は後になって思い出すことになります。
そしてカドルッスも・・・。
モレル商会を救済するシーンもいいですね。
全てが上手くいきすぎるきらいもありますが、第30章のラストは爽快な気持ちになれること請け合いです。 -
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全7巻を読んだうえでの感想です。
文庫本で3000ページ近くになる大作ですが、とにかく面白かったです。
一言でいうと復讐譚、ということになるのでしょうが、それにとどまらない数々の魅力を備えた作品です。
私が最も感心したのが、登場人物の造詣の深さと、全編に張り巡らされた伏線の巧みさでした。
第1巻だけでも、ダングラール、フェルナン、カドルッス、ヴィルフォールの4悪人はもちろん、主人公ダンテス、恋人メルセデスやファリア司祭など、それそれの個性がくっきりと描き分けられています。
ナポレオン失脚直後の時代背景が色濃く出ていますが、それに加えて愛憎、嫉妬、金や権力への執着や保身等の普遍的な人間像も描かれており、現代に生きる私たちが読んでも彼らに対してある種の人間臭さを覚えるはずです。
そして彼らのとった一つ一つの行動が、その後の様々な事件の意外な伏線として結びついていく展開には、現代のミステリ・サスペンス小説にも通じるような謎解きのワクワク感を堪能できます。
確かにある種の強引さやご都合主義的な要素もありますが、それを差し引いても、描かれた時代を鑑みれば素晴らしいとしか言いようがないです。
ちなみに第2巻以降も、物語の長さに比例して登場人物は増え続け、加えてあちらこちらの関係が入り組んでいく展開をみせますので、人物相関図を書きながら読んでいくのがおススメですね。
それではダンテス(=モンテ・クリスト伯)の波乱に満ちた人生を、じっくりゆっくりお楽しみください。 -
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ネタバレついに来たか、いままでの伏線がこんなにもかと。
エデの描写は本当に力強くて美しい。
カドルッスに比べてフェルナンはあっけないものだった。でもあの後どう生きていくにも…ね。一番楽な選択かもしれない。
そしてメルセデスはアルベールに話したのね。復讐をしても正当である、権利がある、そう考えるのは割と時代とか国とか関係あるんだろうか?
まあ今の時代でもエドモンの人生を振り返ると第三者とかまったく関係ない人からしたらエドモンが復讐をしても正当な感じがしてしまうかもしれない。何より直接手を下してはいないし、過去の告発だからある意味自滅だしなあ…
カドルッスに関しても…うん。きっかけがあったとはいえ自滅か…
父の罪が子に問われる時代じゃない…うーん、今の時代はどうだろうか…と刺さった言葉もあった。