山内義雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現代日本人にとって復讐は、法律上許されないこと。
だが、時としてそれを望む気持ちがある。
人は自らの身に起こった災難・不幸などを自分以外の誰か・何かのせいにしたくなる。そしてその誰か・何かに仕返ししたくなる時がある。
高潔な心ではない。建設的でないのかもしれない。
しかし人は時として、つまづいた石に当り散らす存在なのだ。その石に悪意などなく、よく足元を見る、と反省した方が、その後の人生にとって有用だとしてもだ。
まして、人が人に対し、悪意を持って行った行為について復讐は自然と湧き上がる思いなのだ。
人として許されない行為をした者が、そしらぬ顔で人生を楽しんでいる。
それに対し、まったく素朴な人間が、幸せの絶頂から暗い穴に落とされる。
悪事を行って、ふさわしくない立場を得ている悪人たちを懲らしめていくのは痛快なこと。それがこの作品の面白さの一つなのだろう。
主人公はお金持ちになったんだから、自分の人の良さを反省して、復讐なんて考えずに生きればいいじゃないか、と思う方は読まないでください。 -
Posted by ブクログ
ブックカバーのかわりに破れかけた油紙。
四方が茶色く変色した頁。
そして誰のものかわからぬ「印章の盗み方」と「ブルーブラックインキの消し方」をつづったメモ用紙。
25年前に手に入れた時からすでにこのような状態だったこの古本は、約40年ほど前の発刊。しかし小説の価値とはまったく関係ない。
逆に本作の雰囲気にとてもぴったりで、何度も読み直すほど気に入っているにもかかわらず、買いなおす気にはなれずにいる。
幸せの絶頂から、一瞬にして不幸の暗闇へ落ち込む主人公。
重ね重ねの巡り合わせは、絵に描いたようではあるが、それを稚拙と言うのはもったいなさ過ぎる。
1巻は、何度読んでも面白い、土牢の中での交流が一番の醍醐味。
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Posted by ブクログ
この巻は盛り沢山。色々と事態が急転してゆく。面白いね!
伯爵が探し出したダングラール夫人とヴィルフォールの間の隠し子は、カヴァルカンティ公爵として仕立て上げられ彼らと近づきになっていたが、まずダングラールが彼に興味を持つ。株取引により多大な損失を蒙った後も失敗が続くダングラールは、カヴァルカンティ公爵の資産を手にする事を目論んでか、自身の娘ユージェニーとカバルカンティ公をくっつけさせようとする。しかし、元々ユージェニーはアルベールの婚約者であった為それは両家の間に亀裂を生む切欠となる。モルセール伯爵を疎ましく思ったダングラールは、フェルナンが過去に行った事件の真相を表沙汰にしようとする。物語の始まり、エドモン・ダンテスを罠に嵌める所でもそうだが、それを自身の名で行わないところ辺りが彼の卑怯な所だ。しかし、それにより今後彼は取り返しのつかない方向に進むのだろう。
一方、前巻で自分たちしか知らない筈の赤子の話を面前で披露されたヴィルフォールとダングラール夫人は、モンテ・クリスト伯に大して疑念を抱き、伯爵に対する調査を行う事とした。その結果、モンテ・クリスト伯爵を知る2人の人物が明らかになり彼らに対する聞き取り調査ぽい物を行った。しかし、それすらもモンテ・クリスト伯爵の手の内で踊っていたに過ぎず、何一つとして本当のこと(伯爵にとって知られると問題があること)が出てくる事は無かった。調べられる事も伯爵が仕向けた事だろう、一度問題ないと結果が出たものを再度疑う事は難しいだろうから。
その他にも、エデの過去とモルセール伯爵の関係が明らかになる場所なんかは読み応えがあるだろうし、ヴァランティーヌの結婚騒動の顛末にも目が離せない。ヴァランティーヌとの約束の通り、フランツとの結婚を解消させる事となるが、その経過でなぜノワルティエ老がフランツとの結婚に反対していたのかが明らかになったりする。力強い爺さんだ。しかし、マクシミリアンて若いよな、31歳という設定だが10歳は若いような恋の仕方をしている。
そして最後にはヴィルフォール家で起こる毒殺の疑惑。モンテ・クリスト伯が撒いた種がヴィルフォール家を壊してゆく。