村山由佳のレビュー一覧
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ネタバレ染織家・飛鳥とカメラマン一馬はベルリンの壁崩壊の前夜に出会い、お互いがお互いの存在を忘れられないまま、二人はアフリカで再会、激しい恋に落ちる。
ところが、飛鳥の同級生であり、感情的にも微妙な関係にある編集者の祥子と藤代の関係が明らかになり、さらに藤代の「子孫を残したい、飛鳥に自分の子供を産んで欲しい」という願望と飛鳥がそれに答えられないことにより、この恋は終幕へと近づいていく・・・という話。
恋愛に関してのストーリーは失礼だがまぁ、ありがちな話。出会った瞬間に「これは運命なんだ、運命の出会いなんだ」と思う恋愛はどこか嘘っぽいと思ってしまったりするので、そのあたりに関しては心ときめ -
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病院の待合室で読んでいて、涙がブワッと出てきたので、あわてて読むのを止めた本。
読む場所を選ばないとね・・・。
音響技師の青年、高瀬が主人公。
遠距離恋愛で、とっても大切なピナコがいるのに、女優にも惹かれていく。
でも、大切の度合いが違うんだよね。
メールを送り間違えてしまうところで、ベタなんだけど、ピナコに感情移入し、また高瀬に感情移入し、涙が出てきた。
電話で言葉を伝えるよりもメールの方がいいと思っていた高瀬が、職場の「おとな」達にも背中を押され、30秒抱きしめるために行動するところでは、主人公の変化がなんだか嬉しかった。
最後はハッピーエンドを予測させるさわやかな読 -
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ネタバレ「承認欲求という名の、劇薬でありガソリン」
小説家と編集者、そして「文学賞」を巡る泥臭い裏側。
一冊の本が世に出るまでに、現場でどんな執念が渦巻いているのか。プロたちの戦略や思惑が入り乱れる舞台裏は、純粋にエンターテインメントとして文句なしに面白かった。
でも、読み進めるうちに胃がキリキリとしてきたのは、その「一層目」の面白さの奥に、人間が隠しておきたい「全員に備わった承認欲求というパンドラの箱」のようなものが剥き出しで描かれていたからだと思う。
この物語の核にあるのは、「承認欲求」という、恥ずかしくも必要不可欠な欲望だと思う。
他人に認められたいという願いは、時に隠したくなるほど「はし -
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ベテラン作家の天羽カイン。
本を出せばベストセラー、本屋大賞も受賞してきた。知名度、販売部数等トップレベルな彼女であるが、取れていない賞があった。直木賞である。
必ず直木賞を取り、自身の作品を文豪に認めさせる。
途中までは、共依存の怖さを体感していました。
千紘のカインへの異常なまでの執着。
作中に書かれていた、
作者と出版社の編集者に信頼関係がある様に、他の出版社の編集者にも違う信頼関係がある。
この言葉が、読み終わった時により強く実感させられた。
私自身この本を本屋大賞にノミネートされてから知ったので、賞というのは本当に良いきっかけを作ってくれるものだと思っています。
だけどその賞の -
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本屋大賞ノミネート作で気になっていた事、以前たまたま好きなバンド(SUPER BEAVER)のメンバーが出ていたテレビ番組に著者が出演されていたのを見て気になっていた事があって読んだ。
売れっ子作家である天羽カインは、権威ある誰かからわかりやすい形で認められ、嫌というほど褒められて誇りに思いたい。
そういう賞である直木賞がどうしても欲しい。
サイン会や書店まわりだって作品と読者のためならいくらでもしようとするし、自身にも周囲にも強いこだわりと要求を見せる。
そして小説がうまくなりたい、どんなことをしても。
正直に凄いなと思う。
きっとどんな分野でも高みに登り詰めるような人達はこういう人達な -
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ネタバレ賞が欲しいという、非常にリアルな思いに最初はそれだけじゃ無いだろと違和感ありありで読んでいましたが、だんだんその気持ちは実はとても正直なものなんだと理解できるほどでした。
伴走している人の思いや行動も込めて、非常にリアルに感じられました。
最後どのように終わるのかドキドキしながら読み進めて、これはいよいよ危ないのでは?と思い始めたところから一気に加速してなるほどというところに落ち着いていて感嘆しました。
ただ、全てが終わってからの1番最後の終わり方はまあこうなるよなというある意味期待を裏切られない終わり方になっていました。
普段色々な作家さんの作品を読ませてもらっていますが、物を書くという仕事 -
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森の中にある「エルザ動物クリニック」が、この小説の舞台です。
獣医師の北川梓と動物看護士2名の、このクリニックに事務方として採用されたのが真田深雪。4人の動物病院での日々は診察、手術、入院したペットたちの世話と多忙でした。
そんななかペットとの出会い、看取り、 関わり方、育てる環境問題などが連作短編として綴られていました。
このエルザ動物クリニックの人達が、動物を大切にできる人達だからか、物語に温かさを感じました。弱った子猫を連れてきた土屋高志の優しい気配りにも、癒されました。そして深雪の過去やクリニックを訪れた飼い主の不安に、きちんと向き合ってくれる院長がよかったです。
強引ではない