泡坂妻夫のレビュー一覧

  • ダイヤル7をまわす時

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    ずっとチャレンジしてみたくて、どこから手を出せばいいのかわからなかった泡坂妻夫。
    ちょうど東京創元さんから復刊があったので、短編集のこちらを。

    やっぱりとても面白いんだなぁ。
    なんとなく犯人はわかるが、真相までは当たらない。

    ダイヤル7も、あの人なんだろうな…とは思うが、そうすると今このシチュエーションはおかしいぞ…というところから、ラストでなるほど!と。

    他の作品にも挑戦してみよう。

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    2023年04月23日
  • 夢裡庵先生捕物帳 (下)

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    「泡坂妻夫」の連作短篇時代小説集『夢裡庵先生捕物帳』を読みました。

    「泡坂妻夫」作品は、『亜愛一郎の狼狽』以来なので、約2年振りですね… 「松本清張」、「近藤史恵」、「井川香四郎」の作品に続き、時代小説・捕物帳です。

    -----story-------------
    〈上〉
    絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(『びいどろの筆』)。
    味競番付で上位になった店ばかり次々と強盗に襲われているが……(『泥棒番付』)。
    砂を金に変える秘術をおらんだ人から教わったという者が持ち込んできた話とは(『砂子四千両』)。
    「空中楼夢裡庵」こと八丁堀定町廻り同心の「富士宇衛門」が

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    2023年04月10日
  • 夢裡庵先生捕物帳 (上)

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    「泡坂妻夫」の連作短篇時代小説集『夢裡庵先生捕物帳』を読みました。

    「泡坂妻夫」作品は、『亜愛一郎の狼狽』以来なので、約2年振りですね… 「松本清張」、「近藤史恵」、「井川香四郎」の作品に続き、時代小説・捕物帳です。

    -----story-------------
    〈上〉
    絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(『びいどろの筆』)。
    味競番付で上位になった店ばかり次々と強盗に襲われているが……(『泥棒番付』)。
    砂を金に変える秘術をおらんだ人から教わったという者が持ち込んできた話とは(『砂子四千両』)。
    「空中楼夢裡庵」こと八丁堀定町廻り同心の「富士宇衛門」が

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    2023年04月10日
  • ダイヤル7をまわす時

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    面白い。奇術師でもあった泡坂さんのトリッキーな仕掛けに騙される。ダイヤル七と芍薬に孔雀、広重好みは全然想像つかないラストでびっくり。金津の切符は自分にもコレクションの趣味があるので主人公の気持ちに共感できて、なんか悲しく寂しい気持ちになった。
    青泉さんは面白かった。

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    2023年03月28日
  • ダイヤル7をまわす時

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     東京創元社から二〇二三年に復刊された泡坂妻夫さん短編集で、解説が櫻田智也さん。収録作品は、一九七九〜一九八五年に発表されたものとのこと。アワツマ&櫻田ファンにとっては嬉しいコラボ。
     本の紹介は櫻田さんによる解説以上に語ることはない!ので感想メモのみ。

    【本編の感想】
    ・ダイヤル7、芍薬に孔雀→優しさ。
    ・芍薬に孔雀、飛んでくる声→ちょっと艶っぽさ。
    ・可愛い動機→このオチが好きかどうかは意見が分かれそう。
    ・金津の切符→蒐集家が出てくるミステリーは読んだことがあるが、その美学を味わえたのは初かも。変態性のほうへ傾かず、温かみある蒐集家を描き出したところがさすがアワツマ。私はこれが一番好き

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    2023年03月27日
  • ダイヤル7をまわす時

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    ネタバレ

     初版は1985年に刊行された、故泡坂妻夫氏の短編集である。生誕90年記念出版の第1弾として、創元推理文庫から刊行され、第2弾、第3弾も予定されている。

     表題作か「ダイヤル7」。暴力団の組長が自宅で殺害された。犯人はなぜすぐに現場を離れなかったのか? 若い読者にはピンとこない理由かもしれないが、自分は使ったことがある世代なので納得。ノスタルジックな1編。

    「芍薬に孔雀」。容疑者らしき人物が、事情聴取中に刑事に語ったこととは。泡坂氏は奇術の愛好家だったそうなので、こんなネタを思いついたのだろうか。マニアックであり定番ジャンルでもある、ピリリと洒落が効いた1編。

     「飛んでくる声」。なぜか

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    2023年03月12日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    超常現象を奇術で解決するミステリ

    ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひき、ロンドンではヨーガを教え、シカゴではすりの実演、東京では医者を相手に催眠術の講義をする、謎の男ヨギ ガンジー

    「しあわせの書」と「生者と死者」が気になり、シリーズものは1作目から読みたい派なのでまずはこれから読んでみた

    連作短編で、収録は7編

    ・王たちの恵み〈心霊術〉
    ・隼の贄〈遠隔殺人術〉
    ・心魂平の怪光〈念力術〉
    ・ヨギガンジーの予言〈予言術〉
    ・帰りた銀杏〈枯木術〉
    ・釈尊と悪魔〈読心術〉
    ・蘭と幽霊〈分身術〉


    奇術師が超常現象の裏側を見破るという設定はドラマ「TRICK」を思い浮かべるけど、ドラマ

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    2023年02月08日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    ネタバレ

    読友さんの感想を読んで興味を持つ。亜愛一郎(あ・あいいちろう)は探偵で、キャラが薄いが推理力抜群。登場人物の名前が変だった。愛一郎だけではなく全体的に変。その理由なのか、昭和ノスタルジーに浸れるキャラ設定。全8話からなり、最初に事件が起き、そこに愛一郎がいる。いつの間にか愛一郎が事件を解決する糸口を見つけ、推理を披露する。お菓子会社の宣伝目的のために気球を飛ばす話は面白かった。UFO愛好家とのリンクが何とも言えない。一方、何故だろう?読みにくさも抜群でページを捲るスピードが既読本でもNo.1だったかな。④

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    2022年10月28日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    本書は、1978年発表の、『亜愛一郎』三部作の第一弾で、若い頃に読んだときは、もう少しライトで、コミカルな印象だったのが、今読んでみると、真っ向勝負の本格ものに感じられて(泡坂妻夫流のということで、もちろんストレートだけではありません)、読む年代により、印象が大きく変わるのだなと、実感いたしました。

    デビュー作の、「DL2号機事件」にしても、ほとんど内容を覚えていなかったため、後半の狂気的な展開に、心底驚いたと思ったら、それに対して、なるほどと肯ける論理的根拠があって、奇術さながらの、あっと言わせるトリッキーさと、泡坂さん自身の博識ぶりが同居した様は、既にデビュー作で健在だったことに、また驚

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    2022年10月05日
  • 泡坂妻夫引退公演 手妻篇

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    2012年に発売された単行本の文庫化で、新たに、「酔象秘曲」が書籍初収録された作品集ですが、推理ものとして凄いというよりは、泡坂さんの作品を好きな方が読んで楽しむタイプかと思われます。

    本書の一番の目玉であろう、酔象秘曲は未発表作品で、辻褄の合わない部分があるものの、ちゃんとミステリーとして完結している点が素晴らしく、「酔象将棋」というのが、泡坂さんの創作かと思いきや、実在しているもので、酔象の駒の存在ひとつで、全く違う遊戯を見ているような面白さを、文章から感じられました。

    また、他の「幕間」の作品は、泡坂さん独自の視点が面白く、「聖なる河」のラストが印象的だったことと、「流行」は、貫井徳

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    2022年08月19日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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     面白かった!でもその魅力を説明するのが難しい(笑)。
     ヨギガンジーと不動丸という、何者なのか説明しづらい男ふたり(一応、師弟関係)が探偵役?のミステリー?ですが、よくよく考えると殺人事件も窃盗事件も怪現象も起こってない…?でもトリックはある!作家でありながらアマチュアマジシャンでもあったというアワツマならではのミステリー、なのかな。ミステリーを読みたいけど怖いの苦手な人におすすめかも。
     ガンジーは、「霞以外は食しませんので」と言いながら出されたご馳走をバクバク食べたり、片言の日本語で登場したと思ったら後できれいな東京弁を話していたり、「陰陽の特性からして助手は女性でなければなりません」と

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    2022年08月05日
  • 花嫁のさけび

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    途中きつかった。執拗に貴緒と比べられまくる。泡坂さんのメンタルマジックだったんだね。初見では無理!二度目は注意深く読めばなんとか?そういえば、泡坂さんの重たい話読んだのはじめてだ。

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    2022年07月16日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    亜 愛一郎の区切りなのね。手品、奇術、メンタルマジックを最大限に用いたトリック。殺人が起きてるのになぜかコミカル。楽しく読めます。DL2号機事件、ホロボの神、曲がった部屋が特に好きかなあ。

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    2022年07月09日
  • 花嫁のさけび

    nk

    購入済み

    普通の推理小説が物語の中の登場人物同士による騙し合いなら、叙述型の推理小説は物語の作者と読者の騙し合いであるとよく言われますが、泡坂さんにはそういったレベルを超えて、物語の外で作者と読者が場外乱闘をしているといったそんな感じの作品があります。具体的には「しあわせの書」や「生者と死者」などはその凄すぎる仕掛け故に電子書籍に出来ないほどなのですが、実は本作にも詳しくは説明できないのですがそういった趣向が施されております。ただ前述の作品に比べるとそれが分かりづらく、読み終わった後に恩田陸さんの解説を読んで初めてその事実に気付くといったケースも多いかと思いまして(私もそうでした)、通常電子書籍ですと解

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    2022年02月09日
  • 花嫁のさけび

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    ヒッチコック×ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」に泡坂妻夫氏がオマージュを捧げたロマンチック・サスペンス。若くて孤独なヒロインが、豪邸で亡妻の影に脅かされるという基本のプロットはそのままに、鮮やかにツイストしてみせる。
    トリックに大ネタはないし、真相も想定内だけれど、細やかな伏線とその回収による緻密な推理は、ああよくできてるなあとため息が出る。

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    2022年01月24日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ヨギ ガンジー。年齢不詳(意外に若い?)。

    陽焼けした顔は鉤鼻で目が大きく、見るからに外国人で、筋肉質に痩せており、ヨーガが得意。

    日本語を辿々しく話すときもあるが、各地で講演会をするくらいには、普通に話せる(要するに、わざとそうしているのだ)。

    その内容は、ピックアップショウ(すり)、催眠術の講義、心霊術の実験、等々…、非常に胡散臭い(笑)

    しかし、それらが彼の持ちうる人間性のほんの一部にすぎないことは、この連作短篇集を読むにつれて、自ずと実感できるようになり、殺人事件は全くなくても、彼は素晴らしい探偵だと納得させられることでしょう。

    それは、マジックにタネがあるのと同じように、物

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    2022年01月22日
  • 湖底のまつり

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    読み始めると官能的な表現があり、単なる推理小説ではないと感じながらページを捲る。ここで既に泡坂妻夫のトリックに嵌っていたようだ。小説の紹介文にあるような、まさしく騙し絵の世界でした。著者の他の作品も読んでみたい。(本屋さんでなかなか見つからないのが残念)

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    2021年10月30日
  • 夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選

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    着物の描写が女も男もやっぱり細かい。江戸の庶民の芸事や娯楽の楽しみ方がよくわかる。探偵が幸福な家庭を営んでいるのがいいな。曾我佳城の先祖らしき人が魅力的。

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    2021年09月11日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    やっぱり好みの作風だった。
    面白いなあ。
    容姿は二枚目、立ち居振舞いは三枚目、推理力は一級品。
    とにかく亜のキャラが良い。
    ユニークかつトリッキーな短編がそろっており、亜が披露する推理には感嘆せざるを得ない。
    特に「DL2号機事件」の真相には度肝を抜かれた。
    続編も読む。

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    2021年07月05日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ネタバレ

    連作短編集。飄々とした人柄で、見た目も職業も、いかにも怪しいガンジー先生が、論理的に謎解きするギャップが面白い。日本であって日本ではない、妙な世界に迷い込んだような感じ。登場人物に、珍しい名字の方が多いのも印象的でした。

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    2020年12月19日