泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 亜愛一郎の狼狽

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    1994年文庫初版、作品自体は1976-77年に島崎博編集の雑誌「幻影城」が初出なので、少しばかり言い回しがレトロな部分もあるが、の割に基本読みやすかった。背が高く整った端麗な顔立ちにいつも背広にネクタイ姿のカメラマン[亜愛一郎]が関わった事件を推理解決していく短編が8話収録だか、場も事件内容もそれぞれ異なり、なかなか楽しめた。
    以前読んだ小説に出てくる人物表現で、探偵亜愛一郎のような風貌とあり、亜愛一郎を知りたくて読んでみた。巻頭の「DL2号機事件」が作家デビュー作。

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    2023年12月16日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    並外れた推理力を持つが、ドジで運動神経皆無なカメラマン亜愛一郎を主人公とした連作短編周。
    全ての短編で殺人事件が起こるものの、登場人物たちのクセが強いのもあって、終始コミカルでゆる〜い雰囲気が漂っていて、スラスラ読めました。
    それでいて、全ての短編に伏線が綿密に仕組まれており、後半の推理パートでその伏線が一気に回収される様が圧巻。
    シリーズ物なので次回作も読んでいきます。

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    2023年12月14日
  • 11枚のとらんぷ

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    ネタバレ

     生誕90年記念出版の第4弾か? 初版は1979年に幻影城から刊行された、故泡坂妻夫氏の第1長編である。新装版刊行を機に手に取った。

     奇術師の顔も持つ泡坂氏だが、本作のテーマはずばり奇術。奇術師としての経験と知識が存分に活かされている。奇術を嗜まない自分にはわからないが、解説の相沢沙呼さんによると、作中の奇術師たちの描写は、大変リアルだそう。

     アマチュアの奇術クラブによるショウが市民会館にて行われていたが、トリを飾る奇術で、仕掛けから出てくるはずの女性メンバーが姿を消した。彼女はアパートの自室で死体となって発見された。周囲に散乱していた小道具には共通点が…。

     このショウが実にグダグ

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    2023年12月06日
  • 蚊取湖殺人事件

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    2002年から2004年にかけて発表された作品を収録した短編集。推理ものと、奇術もの職人ものからなる。
    収録作品は、雪の絵画教室/えへんの守/念力時計/蚊取湖殺人事件/銀の靴殺人事件/秘宝館の秘密/紋の神様。

    本格ミステリー短編として面白い作品に加えて、「えへんの守」「念力時計」には奇術愛好家としての、「えへんの守」「紋の神様」には紋章上絵師としての著者の来歴が反映されていて興味深い。

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    2023年10月08日
  • 湖底のまつり

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    「泡坂妻夫」の長篇ミステリ小説『湖底のまつり(仏題?:La Fete Du Seraphin)』を読みました。
    ここのところ国内ミステリ作品が続いています… 「泡坂妻夫」の作品は、『夢裡庵先生捕物帳』以来なので、1年ちょっと振りですね。

    -----story-------------
    ●「綾辻行人氏」推薦──「最高のミステリ作家が命を削って書き上げた最高の作品」

    傷ついた心を癒す旅に出た「香島紀子」は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。
    ロープを投げ、救いあげてくれた「埴田晃二」とその夜結ばれるが、翌朝「晃二」の姿は消えていた。
    村祭で賑わう神社に赴いた「紀子」は、「晃二」がひと月

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    2023年08月27日
  • 煙の殺意

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     『ダイヤル7をまわす時』の解説で、櫻田智也さんが『煙の殺意』に言及していた記憶があったので、読んだ。(櫻田さんがどんな言葉でこれを紹介していたか失念した。あとで確認したら追加するかもしれない。)
     必ずしも「事件→誰かが謎を解く」という構造の話ばかりではなく、最近読んだ岩波少年のホラー短編集とか、ウェストール短編集(こちらはホラーと銘打ったものではないが一応ホラーやスリラーが得意な作家とされている)のような、ちょっと不思議なぞくっとするお話集になんとなく読み心地が似ていた。
     色気と、ユーモアと、トリック愛とは変わらず、短編集全体としてもバラエティ豊かで、とても良かった。

     以下、備忘メモ

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    2023年08月13日
  • ダイヤル7をまわす時

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    7編を収録した傑作短編集。 
    癖が強かったり、ド派手な展開こそないものの、泡坂ミステリらしい、いぶし銀なロジックを堪能出来ます。
    短編集ってどれか一つや二つはあまり印象に残らない話とかあったりするけど、これは全ての話がハッキリと脳裏にこびり付いている、それだけ各話のクオリティが高いってことの裏付けになるのかなー。
    特に面白いと思ったのは「芍薬に孔雀」「飛んでくる声」「青泉さん」

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    2023年06月26日
  • ダイヤル7をまわす時

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    最初の1編である「ダイヤル7をまわす時」は
    問題編と解決編に分かれていて誰が犯人なのか考えながら読むことが出来るのが面白かった。

    絶対に当てたい!と思い、メモを取りながら読み進めたはいいものの、伏線の様な部分がふんだんに散りばめられているので、どこが事件に関係があるのか、どれが重要な部分かを取捨選択するのがとても難しかった。

    最終的に犯人は分かったけれど細かいトリックを当てる事ができなかったのが凄く悔しかったが、それでも存分に楽しめたので良かった。

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    2023年05月04日
  • ダイヤル7をまわす時

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    ずっとチャレンジしてみたくて、どこから手を出せばいいのかわからなかった泡坂妻夫。
    ちょうど東京創元さんから復刊があったので、短編集のこちらを。

    やっぱりとても面白いんだなぁ。
    なんとなく犯人はわかるが、真相までは当たらない。

    ダイヤル7も、あの人なんだろうな…とは思うが、そうすると今このシチュエーションはおかしいぞ…というところから、ラストでなるほど!と。

    他の作品にも挑戦してみよう。

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    2023年04月23日
  • 夢裡庵先生捕物帳 (下)

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    「泡坂妻夫」の連作短篇時代小説集『夢裡庵先生捕物帳』を読みました。

    「泡坂妻夫」作品は、『亜愛一郎の狼狽』以来なので、約2年振りですね… 「松本清張」、「近藤史恵」、「井川香四郎」の作品に続き、時代小説・捕物帳です。

    -----story-------------
    〈上〉
    絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(『びいどろの筆』)。
    味競番付で上位になった店ばかり次々と強盗に襲われているが……(『泥棒番付』)。
    砂を金に変える秘術をおらんだ人から教わったという者が持ち込んできた話とは(『砂子四千両』)。
    「空中楼夢裡庵」こと八丁堀定町廻り同心の「富士宇衛門」が

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    2023年04月10日
  • 夢裡庵先生捕物帳 (上)

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    「泡坂妻夫」の連作短篇時代小説集『夢裡庵先生捕物帳』を読みました。

    「泡坂妻夫」作品は、『亜愛一郎の狼狽』以来なので、約2年振りですね… 「松本清張」、「近藤史恵」、「井川香四郎」の作品に続き、時代小説・捕物帳です。

    -----story-------------
    〈上〉
    絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(『びいどろの筆』)。
    味競番付で上位になった店ばかり次々と強盗に襲われているが……(『泥棒番付』)。
    砂を金に変える秘術をおらんだ人から教わったという者が持ち込んできた話とは(『砂子四千両』)。
    「空中楼夢裡庵」こと八丁堀定町廻り同心の「富士宇衛門」が

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    2023年04月10日
  • ダイヤル7をまわす時

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    面白い。奇術師でもあった泡坂さんのトリッキーな仕掛けに騙される。ダイヤル七と芍薬に孔雀、広重好みは全然想像つかないラストでびっくり。金津の切符は自分にもコレクションの趣味があるので主人公の気持ちに共感できて、なんか悲しく寂しい気持ちになった。
    青泉さんは面白かった。

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    2023年03月28日
  • ダイヤル7をまわす時

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     東京創元社から二〇二三年に復刊された泡坂妻夫さん短編集で、解説が櫻田智也さん。収録作品は、一九七九〜一九八五年に発表されたものとのこと。アワツマ&櫻田ファンにとっては嬉しいコラボ。
     本の紹介は櫻田さんによる解説以上に語ることはない!ので感想メモのみ。

    【本編の感想】
    ・ダイヤル7、芍薬に孔雀→優しさ。
    ・芍薬に孔雀、飛んでくる声→ちょっと艶っぽさ。
    ・可愛い動機→このオチが好きかどうかは意見が分かれそう。
    ・金津の切符→蒐集家が出てくるミステリーは読んだことがあるが、その美学を味わえたのは初かも。変態性のほうへ傾かず、温かみある蒐集家を描き出したところがさすがアワツマ。私はこれが一番好き

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    2023年03月27日
  • ダイヤル7をまわす時

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    ネタバレ

     初版は1985年に刊行された、故泡坂妻夫氏の短編集である。生誕90年記念出版の第1弾として、創元推理文庫から刊行され、第2弾、第3弾も予定されている。

     表題作か「ダイヤル7」。暴力団の組長が自宅で殺害された。犯人はなぜすぐに現場を離れなかったのか? 若い読者にはピンとこない理由かもしれないが、自分は使ったことがある世代なので納得。ノスタルジックな1編。

    「芍薬に孔雀」。容疑者らしき人物が、事情聴取中に刑事に語ったこととは。泡坂氏は奇術の愛好家だったそうなので、こんなネタを思いついたのだろうか。マニアックであり定番ジャンルでもある、ピリリと洒落が効いた1編。

     「飛んでくる声」。なぜか

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    2023年03月12日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    超常現象を奇術で解決するミステリ

    ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひき、ロンドンではヨーガを教え、シカゴではすりの実演、東京では医者を相手に催眠術の講義をする、謎の男ヨギ ガンジー

    「しあわせの書」と「生者と死者」が気になり、シリーズものは1作目から読みたい派なのでまずはこれから読んでみた

    連作短編で、収録は7編

    ・王たちの恵み〈心霊術〉
    ・隼の贄〈遠隔殺人術〉
    ・心魂平の怪光〈念力術〉
    ・ヨギガンジーの予言〈予言術〉
    ・帰りた銀杏〈枯木術〉
    ・釈尊と悪魔〈読心術〉
    ・蘭と幽霊〈分身術〉


    奇術師が超常現象の裏側を見破るという設定はドラマ「TRICK」を思い浮かべるけど、ドラマ

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    2023年02月08日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    ネタバレ

    読友さんの感想を読んで興味を持つ。亜愛一郎(あ・あいいちろう)は探偵で、キャラが薄いが推理力抜群。登場人物の名前が変だった。愛一郎だけではなく全体的に変。その理由なのか、昭和ノスタルジーに浸れるキャラ設定。全8話からなり、最初に事件が起き、そこに愛一郎がいる。いつの間にか愛一郎が事件を解決する糸口を見つけ、推理を披露する。お菓子会社の宣伝目的のために気球を飛ばす話は面白かった。UFO愛好家とのリンクが何とも言えない。一方、何故だろう?読みにくさも抜群でページを捲るスピードが既読本でもNo.1だったかな。④

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    2022年10月28日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    本書は、1978年発表の、『亜愛一郎』三部作の第一弾で、若い頃に読んだときは、もう少しライトで、コミカルな印象だったのが、今読んでみると、真っ向勝負の本格ものに感じられて(泡坂妻夫流のということで、もちろんストレートだけではありません)、読む年代により、印象が大きく変わるのだなと、実感いたしました。

    デビュー作の、「DL2号機事件」にしても、ほとんど内容を覚えていなかったため、後半の狂気的な展開に、心底驚いたと思ったら、それに対して、なるほどと肯ける論理的根拠があって、奇術さながらの、あっと言わせるトリッキーさと、泡坂さん自身の博識ぶりが同居した様は、既にデビュー作で健在だったことに、また驚

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    2022年10月05日
  • 泡坂妻夫引退公演 手妻篇

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    2012年に発売された単行本の文庫化で、新たに、「酔象秘曲」が書籍初収録された作品集ですが、推理ものとして凄いというよりは、泡坂さんの作品を好きな方が読んで楽しむタイプかと思われます。

    本書の一番の目玉であろう、酔象秘曲は未発表作品で、辻褄の合わない部分があるものの、ちゃんとミステリーとして完結している点が素晴らしく、「酔象将棋」というのが、泡坂さんの創作かと思いきや、実在しているもので、酔象の駒の存在ひとつで、全く違う遊戯を見ているような面白さを、文章から感じられました。

    また、他の「幕間」の作品は、泡坂さん独自の視点が面白く、「聖なる河」のラストが印象的だったことと、「流行」は、貫井徳

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    2022年08月19日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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     面白かった!でもその魅力を説明するのが難しい(笑)。
     ヨギガンジーと不動丸という、何者なのか説明しづらい男ふたり(一応、師弟関係)が探偵役?のミステリー?ですが、よくよく考えると殺人事件も窃盗事件も怪現象も起こってない…?でもトリックはある!作家でありながらアマチュアマジシャンでもあったというアワツマならではのミステリー、なのかな。ミステリーを読みたいけど怖いの苦手な人におすすめかも。
     ガンジーは、「霞以外は食しませんので」と言いながら出されたご馳走をバクバク食べたり、片言の日本語で登場したと思ったら後できれいな東京弁を話していたり、「陰陽の特性からして助手は女性でなければなりません」と

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    2022年08月05日
  • 花嫁のさけび

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    途中きつかった。執拗に貴緒と比べられまくる。泡坂さんのメンタルマジックだったんだね。初見では無理!二度目は注意深く読めばなんとか?そういえば、泡坂さんの重たい話読んだのはじめてだ。

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    2022年07月16日