あらすじ
映画スター・北岡早馬と再婚し幸福の絶頂にいた伊都子だが、北岡家の面々は謎の死を遂げた先妻・貴緒のことが忘れられない。そんな中殺人が起こり、さらに新たな死体が……傑作ミステリ復刊。
解説=恩田陸
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Posted by ブクログ
途中きつかった。執拗に貴緒と比べられまくる。泡坂さんのメンタルマジックだったんだね。初見では無理!二度目は注意深く読めばなんとか?そういえば、泡坂さんの重たい話読んだのはじめてだ。
普通の推理小説が物語の中の登場人物同士による騙し合いなら、叙述型の推理小説は物語の作者と読者の騙し合いであるとよく言われますが、泡坂さんにはそういったレベルを超えて、物語の外で作者と読者が場外乱闘をしているといったそんな感じの作品があります。具体的には「しあわせの書」や「生者と死者」などはその凄すぎる仕掛け故に電子書籍に出来ないほどなのですが、実は本作にも詳しくは説明できないのですがそういった趣向が施されております。ただ前述の作品に比べるとそれが分かりづらく、読み終わった後に恩田陸さんの解説を読んで初めてその事実に気付くといったケースも多いかと思いまして(私もそうでした)、通常電子書籍ですと解説が載せられていないことが多いのですが、この作品に限っては解説は必須と言えるかも知れません。それだけに解説は必ず読後に読まれることをお奨めします。
Posted by ブクログ
ヒッチコック×ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」に泡坂妻夫氏がオマージュを捧げたロマンチック・サスペンス。若くて孤独なヒロインが、豪邸で亡妻の影に脅かされるという基本のプロットはそのままに、鮮やかにツイストしてみせる。
トリックに大ネタはないし、真相も想定内だけれど、細やかな伏線とその回収による緻密な推理は、ああよくできてるなあとため息が出る。
Posted by ブクログ
映画スターの北岡早馬と結婚した伊津子。
早馬の先妻貴緒は、誰もが褒めたたえる人物だったが、謎の死を遂げていた。
北岡邸で催された宴の最中、またも関係者が死を遂げる……。
といった感じで話は進むのですが、正直終盤までは淡々と話しが進み、それ程盛り上がりを感じませんでしたが、探偵役の説明で「なるほど」と感心させられました。
何か所か台詞・行動に伏線が張られていましたが、途中までは、あまり話に引き込まれなかったこともあり、全く気づきませんでした。
最後に解説を読んで、読んでいる最中に感じていた違和感の正体に気付かされ、すっきりしました。
Posted by ブクログ
俳優・早馬の元に嫁いだ伊津子は、前妻が奇妙な死を遂げたことを告げられて、、、
またやられた。巧妙な罠に気付けなかった。伏線は細かくて拾えないのもあるが、質量ともに安定している。ラブロマンスもそれまでと印象がすっかり変化してしまったことに気付く。
Posted by ブクログ
後妻として嫁いだ先で前妻と比較されて…という内容から始まり、誰が犯人かなかなかわからなかった。読んでる途中でおかしいな?って思ったところがあったけど、そういうことか!とびっくり。
恩田陸さんのエッセイで見かけたので読んでみたけど面白かった。あとがきにあった、レベッカという映画もいつか見てみたい。