泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 死者の輪舞
    見た目はおっさん、頭脳はイケメン。

    警視庁特殊犯罪捜査課、海亀の亀さんこと海方惣稔(うみかたふさなり)と、新米刑事の小湊くんが奇妙な殺人事件を追う。

    こういうバディもの、好きですよ。
    なにより、主人公の亀さんのキャラクターがいい。
    酒浸りでニラ臭い、ずんぐりむっくりのやる気のないおっさん。しかし...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    面白い。大層面白い。主人公が、まぬけて愛らしいキャラクターなのが良い。

    呆けもさえてる。トリックは、なるほどと感心させられる。主人公が刑事でも探偵でも学生でもなく、冴えないカメラマン。事件には偶然に巻き込まれるストーリも、推理小説の非現実的な設定とは違って好感が持てる。

    短編8話なので楽に読める...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    シンプルに収まってるのに、謎解きの発想が面白いから短編集でも十分楽しめる濃さがある
    何より探偵役が・・・このテンションが癖になる。
  • 煙の殺意
    すばらしい!その一言に尽きる。短編小説集の傑作ですね。

    どの作品も甲乙つけがたいクオリティで、(泡坂作品は基本的に大好きですが)その中でもベストワンですね。

    中でも椛山訪雪図の美しさにうっとり。
  • 喜劇悲奇劇
    この作品のおかげで回文にハマった人はどのくらいいるのだろうか。少なくても私の周囲は、泡坂妻夫の名前が出る度に回文が蔓延した。しかし、どんなにすばらしい回文ができようと、この作品には及ばない。
    回文だけではなくミステリについてこれほど味わいのある作品はそうはないだろう。
    もう、この作者の新作が読めない...続きを読む
  • 乱れからくり
    名作再読。泡坂作品では最も好きですね。トリックも犯人に至る道筋も、そして犯人もすごく自然で違和感がないながらも、見事などんでん返し。しかも“館もの”なので、ミステリーの王道と言えるでしょう。過去に読んだ推理小説でもTOP5に入ります。
  • 乱れからくり
    ちょっと乱歩風。推理も面白いけど、からくり人形の紹介とか古代エジプトにあったというクロコディロポリスの迷宮の話にちょっと興味を惹かれました。さすが博学。さすがマジシャン。底が深くて面白いです。
  • 乱れからくり
    出だしがとてもびっくり!何と隕石が車の上に落ちて来るんです。
    天災からはじまる思いがけない連続殺人事件。すごく面白くて嵌ってました。
    からくりや手品、仕掛けに造詣の深い作者が作り上げた絢爛たる世界。
    私にとっては永遠の名作です(笑)
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻
    頭のよいきれいな女・佳子は、実は狂っていたのです。主人公は手品師、探偵役。全集の最後を飾る作品では・・・!!!なんていう伏線!!!
    串目君はどうなるんだろう・・・
  • 亜愛一郎の狼狽
    米澤穂信がおすすめしていた作家であり作品だったので読んでみた。

    三角形の顔をした老婦人がたびたび出てくるのはモブの使いまわし的な、ただの遊び心の表れだろうか。

    「DL2号機事件」
    大きな地震があったら近いうちにはまた起きないだろうと考える心理に初めて触れて面白かった。それで殺人まで起こそうとする...続きを読む
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)
    当初、読みたいと思ったのは「しあわせの書」だが、ガンジーシリーズの第1作であるこちらを優先。

    表紙の絵から ヨギ ガンジー は、いかがわしそうな奇術師で、インチキ臭い感じがプンプンしてる。
    表紙の絵では「名探偵」と書かれたターバンを巻いているが、しあわせの書では「迷探偵」生者と死者では「酩探偵」と...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    本名:厚川昌男(あつかわまさお)で、筆名:泡坂妻夫はアナグラムだった。
    どうやら「あ」にこだわったようで、デビュー作「DL2号機事件」の主人公の名前を「亜」にしたようだ。

    謎解きの語り口は理路整然としていて"刑事コロンボ"を思い出した。

    「亜」は自称カメラマンのようだが、なぜか事件現場に居合せ謎...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    1994年文庫初版、作品自体は1976-77年に島崎博編集の雑誌「幻影城」が初出なので、少しばかり言い回しがレトロな部分もあるが、の割に基本読みやすかった。背が高く整った端麗な顔立ちにいつも背広にネクタイ姿のカメラマン[亜愛一郎]が関わった事件を推理解決していく短編が8話収録だか、場も事件内容もそれ...続きを読む
  • 亜愛一郎の狼狽
    並外れた推理力を持つが、ドジで運動神経皆無なカメラマン亜愛一郎を主人公とした連作短編周。
    全ての短編で殺人事件が起こるものの、登場人物たちのクセが強いのもあって、終始コミカルでゆる〜い雰囲気が漂っていて、スラスラ読めました。
    それでいて、全ての短編に伏線が綿密に仕組まれており、後半の推理パートでその...続きを読む
  • 11枚のとらんぷ
     生誕90年記念出版の第4弾か? 初版は1979年に幻影城から刊行された、故泡坂妻夫氏の第1長編である。新装版刊行を機に手に取った。

     奇術師の顔も持つ泡坂氏だが、本作のテーマはずばり奇術。奇術師としての経験と知識が存分に活かされている。奇術を嗜まない自分にはわからないが、解説の相沢沙呼さんによる...続きを読む
  • 蚊取湖殺人事件
    2002年から2004年にかけて発表された作品を収録した短編集。推理ものと、奇術もの職人ものからなる。
    収録作品は、雪の絵画教室/えへんの守/念力時計/蚊取湖殺人事件/銀の靴殺人事件/秘宝館の秘密/紋の神様。

    本格ミステリー短編として面白い作品に加えて、「えへんの守」「念力時計」には奇術愛好家とし...続きを読む
  • 湖底のまつり
    「泡坂妻夫」の長篇ミステリ小説『湖底のまつり(仏題?:La Fete Du Seraphin)』を読みました。
    ここのところ国内ミステリ作品が続いています… 「泡坂妻夫」の作品は、『夢裡庵先生捕物帳』以来なので、1年ちょっと振りですね。

    -----story-------------
    ●「綾辻行人...続きを読む
  • 煙の殺意
     『ダイヤル7をまわす時』の解説で、櫻田智也さんが『煙の殺意』に言及していた記憶があったので、読んだ。(櫻田さんがどんな言葉でこれを紹介していたか失念した。あとで確認したら追加するかもしれない。)
     必ずしも「事件→誰かが謎を解く」という構造の話ばかりではなく、最近読んだ岩波少年のホラー短編集とか、...続きを読む
  • ダイヤル7をまわす時
    7編を収録した傑作短編集。 
    癖が強かったり、ド派手な展開こそないものの、泡坂ミステリらしい、いぶし銀なロジックを堪能出来ます。
    短編集ってどれか一つや二つはあまり印象に残らない話とかあったりするけど、これは全ての話がハッキリと脳裏にこびり付いている、それだけ各話のクオリティが高いってことの裏付けに...続きを読む
  • ダイヤル7をまわす時
    最初の1編である「ダイヤル7をまわす時」は
    問題編と解決編に分かれていて誰が犯人なのか考えながら読むことが出来るのが面白かった。

    絶対に当てたい!と思い、メモを取りながら読み進めたはいいものの、伏線の様な部分がふんだんに散りばめられているので、どこが事件に関係があるのか、どれが重要な部分かを取捨選...続きを読む