泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 妖盗S79号

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    たいへん泡坂節の作品で満足。連作短編集なので、ドラマを観ている気分で、1作読んでは休憩を入れて堪能しました。(連続で読むと、毎度恒例の紹介文なんかがちょっとくどく感じるところがあるので、1作1作新鮮な気持ちで楽しみながら読みたくて)
    忘れた頃にたまに出てくる連続猟奇殺人事件をどう絡めるのかワクワクしながら読み進めまして、ラストの大宴会までああ持って行ったかと、泡坂流トリック楽しみました。

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    2018年01月19日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    序盤の詩的な表現が、少々読みづらさを感じさせるものの、後半になるにつれて表現も平易に。

    時間的なズレが感じさせるミステリーな展開は、引き付けられました。
    あの人が暗躍してるのか、いやあの人か、というドキドキもありました。が、この結末はちょっと無理があるなと。

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    2017年11月13日
  • 湖底のまつり

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    傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。
    紀子は、埴田晃二という男に助けられ、その夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えており、晃二がひと月前に殺されたと知らされる。
    昨夜の男は誰だったのか?
    様々な人間が複雑に絡み合うミステリー。

    本屋のPOPで、「衝撃のラスト!予備知識をつけないで読んでください」的なことが書いてあって気になって購入。
    ある意味衝撃のラストだったけど、ミステリーというよりも、文学的というか幻想的というかなんというか…。
    ライトなミステリーでは無かったかな。

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    2017年10月02日
  • 折鶴

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    まだよく理解していない作家。個人的には2冊目。

    前回は玩具職人の薀蓄を絡めた殺人事件の推理という話だったが、こちらの短編ではなかなか事件らしい事件が起こらないので、読んでいく重心をどこに取れば良いのかなかなか悩む。

    とはいえ、蒔絵師に浄瑠璃、染師、縫箔(ぬいはく)師などという、江戸の技術の職人の世界や古典芸能を軸足にしてるんだなというところはよくわかった。

    4篇納められているが、真ん中2篇は結構印象は薄い。最近の小説に慣れすぎているので、専門知識と散文的な会話を元に、本当に純文学をやられるとついて行けずに「もう終わり?」となるのだな。落ちるポイントはわかりやすいけれども。

    しかし、この

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    2017年07月11日
  • 湖底のまつり

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    失恋を機にある山奥の村を一人訪れた紀子は、川で溺れそうになった所を一人の若者に助けられ、彼の持ち家である空き家で一夜を共にする。
    翌朝姿を消したその人・晃二を探すが、彼は一月前に毒殺されていた。
    紀子が出会ったのは誰なのか。晃二は何故死んだのか。恋い慕う人を求めて突き進んだ先に何があるのか。
    全般に散りばめられた官能的な描写が、眩暈と共に作者が描く騙し絵の中へと誘ってくれる。

    今読むとどうしても時代の差を感じるけれど、お陰で閉鎖的な雰囲気と狂気の香りが増している。
    章が変わる毎に驚き慌てて前章を読み返すのを繰り返し、まさかないだろうと早々に否定した予測をまさかの力技で実現されてしまった…。

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    2017年06月20日
  • 湖底のまつり

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    ストーリー展開は面白い。
    時や人物がシンクロして不思議な感覚になる。
    また登場人物が話の中で繋がっていくのも上手く練ってあると思う。
    ただ男女の絡みの描き方が官能小説じみていて読み心地がよくない。
    その時代的な物なのか、作家の年齢的な物なのか分からない。
    以前に「乱れからくり」を読んで面白かった印象があったのでいつか読み直してみたい。

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    2017年06月19日
  • 斜光

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    ありえそうもない設定に果敢に挑み、見事に力技で完結させた大人の物語です。作者の力量に感服すること間違いなし。迷うことなく、読むべし。

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    2017年06月04日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    2010年代の今読むならば、台詞回しにしろ情愛シーンの描写にしろ、何とも呑み込み難い陳腐な表現にどうしても感じられるが、執筆当時の流行と風俗に思いを馳せれば腑にも落ちる。
    開発が進む昭和の山村を舞台とし、当地の祭りなども小道具として用いて土着民俗ものの匂いすら漂わせている本作は、松本正張作品にも通じる空気を纏っている。

    多様性というものが叫ばれて久しい昨今に生きる我々にとっては、使われている叙述トリックのタネやプロットからもはや大きな驚きは得られず、さすがにそらちょっとしんどいやろ! とツッコみたくもなるが、あくまで古典を味わうという感覚で。

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    2017年04月29日
  • 煙の殺意

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    バラエティに富んだ短篇集。老練な文章も良い。「紳士の園」、「煙の殺意」は傑作! だが少し使い回しが気になる作品も。

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    2017年01月01日
  • 煙の殺意

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    ここに死体を捨てないでくださ
     奇妙な論理というなら表題作が飛び抜けていますが、「紳士の園」「開橋式次第」の方が私好みでした。前者はスワン鍋が象徴するように、これから何が始まるのだろうと聴衆の心を大いに引き付け、手品の披露から種明かしに至るまで流れるように進んでいきます。後者はお得意の伏線祭りに加えて、ちゃっかり探偵役が入れ替わっているのも見逃せないポイント。いずれも賑やかでユニークな作風になっています。
     「椛山訪雪図」はきっと私のセンスがないのでしょう。美しい情景がぼんやりと浮かびましたが、すぐに消えていきました。

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    2016年09月28日
  • 乱れからくり

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    からくり盛りだくさん。迷路とか、秘密の通路といったギミックには童心に返ってワクワクする。でも、現実にはそんなものないんだよなぁ。

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    2016年08月06日
  • 妖女のねむり

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    「生まれ変わり」をテーマに据えつつ展開される前半はとてもロマンチック。前世では不幸があり結ばれなかった二人が、前世の謎を探るうちに明らかになる事実。
    ラストでの怒濤の解決編と、しっとりと締めるラスト1行。素敵でした。

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    2016年04月01日
  • 蚊取湖殺人事件

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    ネタバレ

    好きな作家は多々いるが,最も好きな作家は,やはり泡坂妻夫である。どの作品も,文章も肌に合うし,世界観,キャラクター,設定などもいつも感心してしまう。もう読み尽くしていたと思っていたが,古本屋で見たことがない文庫を見つけたので購入。蚊取湖殺人事件は別のアンソロジーかなにかで読んだことがあり,ミステリとはいえない作品もあった。「雪の絵画教室」と「銀の靴殺人事件」,「秘宝館の秘密」が初めて読む泡坂妻夫のミステリだった。三つ読めれば十分かな。泡坂妻夫ということだけでも★3は確定。

    ○ 雪の絵画教室
     渡辺恒という画家のアトリエでミケランジェロ六郎というテレビでも人気の画家が殺害される。田中裳所という

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    2015年12月07日
  • 亜愛一郎の狼狽

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     スマートな見た目とは裏腹に、どこか抜けた言動のカメラマン”亜愛一郎”の名推理を描く連作短編。

     収録作品は8編。個人的に好きだったのは「DL2号機事件」「ホロボの神」「黒い霧」の3編。

     デビュー作でもある「DL2号機事件」は飛行機の爆破予告を皮切りに意外な展開を見せていく短編。

     めくるめく事件の展開に対しての、犯人の動機の解明がお見事! 意外なところから伏線になっていて人間の不可思議な心理が巧く使われた短編になっていると思います。

    「ホボロの紙」は戦時中、日本軍の一隊が逗留したホロボ島で起こった現地未開民族の自殺事件の真相を推理する話。

     日本の慣習や考え方と違う未開民族の思考

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    2015年12月04日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    ずっと読みたかった愛一郎さん。どじっこ愛一郎さんかわいいよ。
    人の深層心理みたいなものから事件を解いていくタイプの探偵さんだなぁ。少し文章が読みづらいと感じましたが、愛一郎さんの癒しオーラで楽しく読めました。
    一番なるほど感を味わえた「曲がった部屋」と、ミステリ部分もさることながら民俗学的な面白さもあった「ホロボの神」がお気に入りです。
    それにしてもこの時代留守がちだからと言ってガス代を他所で一緒に払ってもらうなんて制度があったのだなぁと関係ないところで驚いた。

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    2015年11月24日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻

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    前作にあたる秘の巻より、読みやすかったです。人名になれたからかもしれません。奇術のトリックとミステリーを融合させている作品ですが、トリックの要素が少し弱目だったことで、読みこなせました。

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    2015年09月10日
  • 死者の輪舞

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    中心となるアイデアは前例があるのでとりわけ素晴らしいとは思いませんでしたが、一捻り加えられた真相は伏線が序盤から張り巡らされていたのに全く見抜けず、感嘆してしまいました。
    海方刑事のキャラは馴染めませんでしたが、小湊との掛け合いが面白く最後まで楽しめました。

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    2015年07月30日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

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    奇術とミステリーが合わさった作品です。ボリュームがあります。奇術とミステリーの両方が楽しめる分、やや難解。人物名も凝っているので、読みづらかったです。じっくり向き合うための本というところです。

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    2015年07月26日
  • 11枚のとらんぷ

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    だっていいじゃない、奇術だもの。

    トリックを書きたいから、小説を書く。おかしくも悲しい、推理小説の弱点ではないかと思う。動機よりも犯人よりも、もしかしたらもっと書きたくなるのがトリックではないだろうか。まず事件が起こるI部。事件の元になった本が実際に書かれるII部。謎が解かれるIII部。II部の小説は、実用的ではないけど、封印するには惜しいトリックを小説にしたものと、登場人物は語る。称賛を浴びたい、自分の才能を証明したい、一番になりたい、そんな人の欲がつまった話。

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    2015年07月05日
  • 蔭桔梗

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    女の肩から音もなく着物が滑り落ちるような。そんなふうに、静かな熱を持って淡々と進む短編たち。
    どの話も尖るような勢いはないのに、いつの間にか指先に刺さった棘のようにじくじくと痛み出す。
    「弱竹さんの字」はラストに向けた展開が秀逸。
    「十一月五日」には創造者の情念。
    「竜田川」こういうミステリー、もっと読みたい。
    「校舎惜別」怖い。なぜか怖い。

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    2015年05月20日