泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 煙の殺意

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    70年代に書かれたミステリを集めた短編集、恥ずかしながら・・・初めての泡坂妻夫。
    正確には、泡坂妻夫の作品自体は他のミステリ・アンソロジーで読んだ事はありますが、一冊の本としては・・・(^_^;)
    米澤穂信の帯書き『世界最高のミステリ短編集です。』の一文に惹かれて読みました。
    確かにミステリとしての読み応えは十分にありましたが・・・如何せん文体が古く、今一つ感情移入できない感じは否めませんでした!残念!!

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    2018年12月24日
  • 毒薬の輪舞

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    ここ続けて読んできた『鬼女の鱗』、『びいどろの筆』、『蔭桔梗』といった時代物、もしくは職人の世界を描いた恋愛物と、侘び・寂びを感じさせる日本情緒豊かな作品に親しんできたため、この作品は現代本格物ということで、どこか別の人が書いたような違和感を覚えたが、やはり随所に泡坂らしさを覗かせ、小さいながらも驚きを提供してくれた。
    精神病院を舞台にしたにも拘らず、重く暗くならないのは主人公海方のキャラクター性と、泡坂の筆の軽さゆえか。

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    2018年09月26日
  • 夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選

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    宝引の辰「捕者帳」、傑作13編を収録。泡坂妻夫の捕者帳ならばハズレ無し。それぞれトリックやネタの趣向が違っていてコンパクトに纏めてくる鮮やかさ。面白いです。
    印象深いのは、やはり紋章上絵師でもある氏が描いた「鬼女の鱗」、手妻ネタであり、且つ、例のシリーズのキャラクターのアレですねとニヤリとさせる「夜光亭の一夜」、判じ物の「雛の宵宮」辺りかな。

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    2018年09月06日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ネタバレ

    〇 総合評価
     ヨギガンジーシリーズは,「驚愕の仕掛けの文庫本」である「しあわせの書」という作品を読んで好きになったので,なんとか「ヨギガンジーの妖術」も読みたいと思っていた。そして,まさに待望の復刊となったので手に入れた作品。思い入れは深い。内容は,長らく絶版になっていただけのこともあり,傑作とまでは言い難い。しかし,「王たちの恵み」はチェスタトン風の逆説的なオチが楽しめた。ほかにも手品で使えそうなアイデアでかかれた小品ともいうべき佳作の作品ぞろい。中にはやや物足りない作品もあったけど,それなりに楽しむことができた。しばらくは手に入るだろうけど,このデキだとそこまで売れないと思われ,更にもう

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    2018年08月25日
  • 奇跡の男

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    文庫の裏表紙の紹介文から多大な期待をしてしまった「奇跡の男」から始まったこの短編集は、全体的な印象から云えば、別段心に残るような意外な真相、プロットは無いものの、何故か気になってしまう。
    それは各々の短編に出てくる人物たちがやたらと存在感をアピールしているから。

    純文学の香気漂う「狐の香典」、「密会の岩」の糀屋五兵衛と安里に代表される飄々とした物腰は何とも堪らない。また他の作品から懐かしい顔が出ていたのも嬉しかった。

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    2018年08月05日
  • 煙の殺意

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    つまらない本は途中でまだ終わらないのかなとつい思ってしまいますが、面白い作品は永遠に続いてほしいと思わせる力があります。

    もちろん、本書は面白さ抜群です。

    文章も格調高いものからユーモラスなものまで様々なバリエーションで読んでいて作者の芸の深さを堪能できますが、私は特に「狐の面」が昔の興行師のだましテクニックと童話のような雰囲気を持った作品として印象深かったのでおすすめです。

    文庫本解説の澤木喬氏の文章もよかった、これだから文庫本はお得ですよね。

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    2018年06月21日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    濡れ場の美しさ、語彙の豊富さに感嘆。
    勉強になります……

    ミステリーとして「エ?あ?」と惑わされる感覚は素晴しく、真相が見えるまではわくわくしながら読みました。

    が、どう考えても無理がある……
    残念……という感は拭えず。

    とはいえ、非常に美しい犯罪の光景、そして真実だとは思います。

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    2018年05月17日
  • 妖盗S79号

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    ネタバレ

    ルパン並みの手際で次々お宝を盗んでいく怪盗S79号と、追いかけるポンコツ警察官コンビ。
    時折出てくる連続女性殺人鬼や、次々襲ってくる相続税でどんどん貧乏になっていく二宮の事情などがどう絡むのかと楽しみにしていたのだが、結局肩透かし。
    怪盗が捕まらないのは仕方ないにしても、こんな短絡的であっさりした結末では大団円と言われてもスッキリしない。
    東郷警部もこんな形でお膳立てされた花道で満足なのかなぁ。あれだけS79号に執着していたのに。
    泡坂さんだからコメディの中にも色んなからくりがあるものと期待していただけに残念。
    それぞれの盗みの話の中にドラマがあったものもあったけれど。

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    2018年04月26日
  • 迷蝶の島

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    思い違いから百々子、桃季子と三角関係になってしまった達夫。桃季子をセイリングに誘い海上で殺害を試みるが、桃季子は漁船に救助され、達夫は無人島で木に宙吊り状態で首を切られ発見された。達夫が残した手記、桃季子と百々子の証言は微妙に食い違いが…。やがて、桃季子も死体で発見される。達夫が無人島でいるはずのない桃季子を見るなど、面白い仕掛けもあるが、全体を通して土ワイの雰囲気が漂い、読み応えとしては残念ながら物足りなかった。1980年出版の復刊。

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    2018年03月10日
  • 妖盗S79号

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    たいへん泡坂節の作品で満足。連作短編集なので、ドラマを観ている気分で、1作読んでは休憩を入れて堪能しました。(連続で読むと、毎度恒例の紹介文なんかがちょっとくどく感じるところがあるので、1作1作新鮮な気持ちで楽しみながら読みたくて)
    忘れた頃にたまに出てくる連続猟奇殺人事件をどう絡めるのかワクワクしながら読み進めまして、ラストの大宴会までああ持って行ったかと、泡坂流トリック楽しみました。

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    2018年01月19日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    序盤の詩的な表現が、少々読みづらさを感じさせるものの、後半になるにつれて表現も平易に。

    時間的なズレが感じさせるミステリーな展開は、引き付けられました。
    あの人が暗躍してるのか、いやあの人か、というドキドキもありました。が、この結末はちょっと無理があるなと。

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    2017年11月13日
  • 煙の殺意

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    ネタバレ

    以下ネタバレ。



    「紳士の園」の、スワン鍋を巡る不思議なやり取りから、この人らしい面白さが味わえるようになってきた気がする。
    ラストシーンの飛躍が、個人的には好き。
    あ、そう締めますか!みたいな。

    「閏の花嫁」シボニスータ。気になる。シボニスータ。

    「煙の殺意」も、犯行動機の奇妙さ、でも不意に犯したことによる死者の数に耐えられなくなる人間心理というのも、あながちあるように思えて、面白く読めた。

    「歯と胴」は、二度面白い。
    一度目は、死体を無茶苦茶にしたわりに歯を含んだ石鯛を彼が食べられなくなるというシーン。
    二度目は、妻が殺されたことを知らず、教授が浸る幸せさえも滲んでゆくシーン。

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    2017年10月15日
  • 湖底のまつり

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    傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。
    紀子は、埴田晃二という男に助けられ、その夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えており、晃二がひと月前に殺されたと知らされる。
    昨夜の男は誰だったのか?
    様々な人間が複雑に絡み合うミステリー。

    本屋のPOPで、「衝撃のラスト!予備知識をつけないで読んでください」的なことが書いてあって気になって購入。
    ある意味衝撃のラストだったけど、ミステリーというよりも、文学的というか幻想的というかなんというか…。
    ライトなミステリーでは無かったかな。

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    2017年10月02日
  • 折鶴

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    まだよく理解していない作家。個人的には2冊目。

    前回は玩具職人の薀蓄を絡めた殺人事件の推理という話だったが、こちらの短編ではなかなか事件らしい事件が起こらないので、読んでいく重心をどこに取れば良いのかなかなか悩む。

    とはいえ、蒔絵師に浄瑠璃、染師、縫箔(ぬいはく)師などという、江戸の技術の職人の世界や古典芸能を軸足にしてるんだなというところはよくわかった。

    4篇納められているが、真ん中2篇は結構印象は薄い。最近の小説に慣れすぎているので、専門知識と散文的な会話を元に、本当に純文学をやられるとついて行けずに「もう終わり?」となるのだな。落ちるポイントはわかりやすいけれども。

    しかし、この

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    2017年07月11日
  • 斜光

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    ありえそうもない設定に果敢に挑み、見事に力技で完結させた大人の物語です。作者の力量に感服すること間違いなし。迷うことなく、読むべし。

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    2017年06月04日
  • 煙の殺意

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    バラエティに富んだ短篇集。老練な文章も良い。「紳士の園」、「煙の殺意」は傑作! だが少し使い回しが気になる作品も。

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    2017年01月01日
  • 煙の殺意

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    ここに死体を捨てないでくださ
     奇妙な論理というなら表題作が飛び抜けていますが、「紳士の園」「開橋式次第」の方が私好みでした。前者はスワン鍋が象徴するように、これから何が始まるのだろうと聴衆の心を大いに引き付け、手品の披露から種明かしに至るまで流れるように進んでいきます。後者はお得意の伏線祭りに加えて、ちゃっかり探偵役が入れ替わっているのも見逃せないポイント。いずれも賑やかでユニークな作風になっています。
     「椛山訪雪図」はきっと私のセンスがないのでしょう。美しい情景がぼんやりと浮かびましたが、すぐに消えていきました。

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    2016年09月28日
  • 乱れからくり

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    からくり盛りだくさん。迷路とか、秘密の通路といったギミックには童心に返ってワクワクする。でも、現実にはそんなものないんだよなぁ。

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    2016年08月06日
  • 妖女のねむり

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    「生まれ変わり」をテーマに据えつつ展開される前半はとてもロマンチック。前世では不幸があり結ばれなかった二人が、前世の謎を探るうちに明らかになる事実。
    ラストでの怒濤の解決編と、しっとりと締めるラスト1行。素敵でした。

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    2016年04月01日
  • 蚊取湖殺人事件

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    ネタバレ

    好きな作家は多々いるが,最も好きな作家は,やはり泡坂妻夫である。どの作品も,文章も肌に合うし,世界観,キャラクター,設定などもいつも感心してしまう。もう読み尽くしていたと思っていたが,古本屋で見たことがない文庫を見つけたので購入。蚊取湖殺人事件は別のアンソロジーかなにかで読んだことがあり,ミステリとはいえない作品もあった。「雪の絵画教室」と「銀の靴殺人事件」,「秘宝館の秘密」が初めて読む泡坂妻夫のミステリだった。三つ読めれば十分かな。泡坂妻夫ということだけでも★3は確定。

    ○ 雪の絵画教室
     渡辺恒という画家のアトリエでミケランジェロ六郎というテレビでも人気の画家が殺害される。田中裳所という

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    2015年12月07日