泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

    Posted by ブクログ

    引退した奇術師が探偵訳を務める。
    伝聞としての登場のため、霧がかかったようでうまくつかめなかった。
    伝説の人を表現してもせれは思い出なので他人には形を捉えることはできない。
    最初の作品が時に好き。探偵が思い出として登場するのもいい。
    他の作品はちゃんと登場するが、上記の理由からぼやけてしまって印象が薄い。

    0
    2013年11月08日
  • 妖女のねむり

    Posted by ブクログ

    輪廻転生がでてきて前半部では「この本はまさかのSF?」かと匂わせつつも最後の集約はさすが。
    主人公の既視感の決着のつけかたは上手い!

    0
    2013年05月18日
  • 蚊取湖殺人事件

    Posted by ブクログ

    3+ 

    タイトルだけを見て買ったので、てっきりミステリばかりの短編集かと思ったが、「奇術もの」「職人もの」などの非ミステリも収められている。これらは謎解きを期待して読むと拍子抜けするが、最初から非ミステリだと思って読めばなかなか味わい深いものが感じられる。
    「雪の絵画教室」の中盤で、いきなりTV大好き刑事と鑑識の斧さんが登場して吹き出してしまった。少し前に『煙の殺意』を読んだのだが、この2人は特に印象的だっただけに、思いがけず再開できて嬉しい。

    0
    2013年02月02日
  • 毒薬の輪舞

    Posted by ブクログ

    青銅色の鐘楼を屋根に頂く大正時代に創設された精神病院。
    警視庁特殊犯罪捜査課、海方惣稔(うみかたふさなり)は、連続毒殺事件の予兆を嗅ぎ取り、潜入捜査を始める。

    海亀の亀さんこと海方刑事と部下の小湊くんが活躍するシリーズ第2作。
    レビューの冒頭で『潜入捜査』とカッコイイことを書きましたが、じつは亀さん、へその手術のついでに暇になったので精神科に転院し、仕事をさぼるため事件をでっち上げ、さらに暇つぶしに小湊くんを呼び寄せただけというユーモアミステリ仕立て。しかしそれが次第に本当に事件に発展して行き...

    世界銀行総裁を名乗り病院内通貨を大量発行するおじさんや、神の不在を数学的に解明したという露

    0
    2012年05月01日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻

    Posted by ブクログ

    「曽我佳城」を主人公とした短編ミステリーシリーズの下巻にあたります。
    奇術探偵というタイトルどおり、すべてマジックに関するミステリです。

    短編ミステリも悪くないな、と思わせてくれた良作ぞろい。
    ぜひ購読を!!とまではいきませんが、昼下がりのミステリ読書には良いと思います。

    0
    2012年03月01日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

    Posted by ブクログ

    「曽我佳城」を主人公とした短編ミステリーシリーズの上巻にあたります。
    奇術探偵というタイトルどおり、すべてマジックに関するミステリです。


    短編ミステリも悪くないな、と思わせてくれた良作ぞろい。
    ぜひ購読を!!とまではいきませんが、昼下がりのミステリ読書には良いと思います。

    0
    2012年03月01日
  • 蚊取湖殺人事件

    Posted by ブクログ

    ミステリあり、奇術あり、更に紋章上絵の世界まで垣間見えて、バラエティ豊かと呼ぶに相応しい短編集です。キャラやトリックが時々ぶっ飛んでいる泡坂節にニヤリ。

    0
    2012年02月24日
  • 砂時計

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どうも、印象が薄い。キレイな作品なんだけど。こっちの方がいいのかなあ? この泡坂を最初に読んだら、そんなにはまらなかっただろうなあ。
    泡坂の色恋モノは余り楽しくない。

    一番印象に残ったのは「真紅のボウル」プロとマニアの奇術師の違いを書いた作品。客に見せることを第一とするか、自分の好きなのを第一とするかの違い。これが結局運命を左右し、生涯売れない奇術師で終わってしまうというストーリ。

    0
    2012年02月07日
  • 蚊取湖殺人事件

    Posted by ブクログ

    職人、奇術、トリックのお馴染みの短編集。

    うーん。泡坂を読みすぎたのかもしれない。トリックが伏線からだいたい分かるようになってしまったので、楽しみが少ない。しかし、お馴染みのテレビ狂の刑事・望月と死体フェチ(?)の鑑識係・斧コンビや機功堂の社家さん、医者の渡里先生、青瀬さんというメンバーが登場するので、にやにやしながら読むのはマニアになったみたいな楽しみがある。

    0
    2012年02月06日
  • ダイヤル7をまわす時

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『可愛い動機』が一番面白かった。殺人よりも人に知られたくない動機。それを隠すために、殺人犯として警察に捕まる主人公。他愛も無い動機なのに、それはどうしてもどうしても主人公には辛い事実であるという、人それぞれの考え生き方があるもんだと思う作品

    0
    2012年02月06日
  • からくり東海道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    力の抜けた時代小説って感じ。

    主人公文吉は獅子童子で、質屋の手代を簡単に辞めて、のらりくらりと色々な職を起用にこなす。相棒みつも、キップが良いが、やはり楽天的。将軍の落としだねの市次郎もお家騒動から家老に命を狙われ、そうして最後は火事で皆死んでしまう。

    埋蔵金を狙って、その金でベトナム(市太郎の母の祖国)へ行く船をこっそり作ろうとした、大きな大きな夢もみつつ、最後はあっけない。こんな終わり方あり?って思うけど、そういえば泡坂の長編の終わり方っていつもこんな気の抜けた感じだ。これはわざとなんだろうな。

    0
    2012年02月06日
  • 煙の殺意

    Posted by ブクログ

    読んだのはハードカバーで。面白かったと思った記憶があるのに、ほとんど覚えてないなぁ。シリーズものじゃなく、しかも短編だから?

    0
    2011年11月06日
  • 蚊取湖殺人事件

    Posted by ブクログ

    ミステリ半分、奇術や文様師の小話半分。泡坂さんのミステリの登場人物は一癖も二癖もある人ばかり。そして名前が不思議な感じ。

    0
    2011年09月17日
  • 蔭桔梗

    Posted by ブクログ

    第103回直木賞。
    現代では珍しい紋章屋の短編小説。着物に家紋を入れる「生駒屋」の若主人が主役。銀座の老舗呉服店に、親の代以来久しぶりに出入りすることになったが、そこに淡い再会があった。
    作者・泡坂妻夫は紋章上絵師でもあるから、表題作「陰桔梗」の他にも本書には「増山雁金」「簪」といった、呉服や紋章を取り扱った作品が掲載されている。

    0
    2011年09月11日
  • 煙の殺意

    Posted by ブクログ

    泡坂妻夫の妙技を凝らした品々を堪能する、傑作短編を八編収録。

    つくづく「泡坂さんはホワイダニットの作家さんなんだなぁ」と思った短編集であった。
    なぜ、犯人はそのような犯行をしたのか? なぜ、そういう行動を取るに至ったのか?
    ここらへんの心理的ロジックを描かせると、泡坂さんの筆は冴えに冴える。一見突飛過ぎるロジックも、不思議と動機としてしっくり来るのだ。まさに、「こんなの現実にはありえない」とわかりつつ、その「騙し」を堪能するトリックアートのような、めくるめく騙し絵の世界である。

    この短編集のうち、ホワイダニット作品の白眉はやはり「紳士の園」と「煙の殺意」だろうか。読んでいて、泡坂さんのデビ

    0
    2011年08月28日
  • 喜劇悲奇劇

    Posted by ブクログ

    これはおもしろかった。
    内容も内容で面白かったけれどそれ以上に言葉の遊び方に感動した。こういう風な文章を書く方っていうのは語彙力が凄まじいんだろうなぁ。
    ちなみにこの小説、タイトルや小見出しだけでなく書き出しと結びの一文も回文になってます。すごいな!

    概略
    アルコール浸りの落ちぶれ奇術師七郎は、動く一大娯楽場〈ウコン号〉の処女航海でさえない腕前を披露することになった。
    紹介されたアシスタントを伴い埠頭に着いたところが、出向前から船内は何やら不穏なムードに満ちている。
    案の定と言うべきか、初日直前の船内で連続殺人の騒動が持ち上がり、犠牲者には奇妙な共通点が見出され……。
    章題はすべて回文、「台

    0
    2011年08月18日
  • 喜劇悲奇劇

    Posted by ブクログ

    大好きな泡坂妻夫のミステリ。泡坂さんらしいタッチの語り口とともに、これでもか、と出てくる回文たち。回文だけでも十分楽しめる一冊。日本語って面白い。

    0
    2011年07月20日
  • 煙の殺意

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どれもどんでん返しのある展開。その展開によって価値観まで転回される。「紳士の園」や「煙の殺意」などには、非常識なことを平気で行う姿にグロテスクさが出ている。専門的な知識がないと分かりにくいものもある。

    0
    2011年03月25日
  • 喜劇悲奇劇

    Posted by ブクログ

    奇術、猛獣使い、アクロバット、危険術と、バラエティショウを一杯に詰め込んだショウボート。
    港々を回航しながら興業をうっていこうという趣向だ。
    ところが初日を明後日に控えて殺人事件がおこったのだ。しかも連続殺人が・・・。
    そのうえ被害者には奇妙な共通点があった。
    回文の名前をもつ―つまり上から読んでも下から読んでも同じ名前になる人物が、次次と殺されていったのだ・・・。

    初泡坂作品。
    ずーっと気になっていたのですが、残念ながら今月鬼籍にはいられてしまわれました。
    一人追悼特集です。

    タイトルも各章の章題もすべて回文、作中にも多くの回文が出てくるという知己にあふれた作品。
    泡坂さん自身も奇術を愛

    0
    2010年10月09日
  • 妖女のねむり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    輪廻転生をテーマに、前世で恋人同士だったと信じる男女の恋愛物語から幕を開けます。
    二人はあらゆる場所で、あらゆる人から、物から記憶から、二人の前世からの繋がりを証明していきます。
    が、そこで突然殺人事件が起きます。

    それまでの幻想的な雰囲気や、不可思議な証拠の数々が一気に別の真実をあぶりだしていく怒涛の展開が凄まじいです。

    悲しくきれいで、夢のような愛の物語を見ていたのに、突然リアルで厳しい現実に引き戻されるようです。


    「どこかで、お会いしましたね?」という魅惑的な言葉の謎が最後まで残っていましたが、真実がわかったときには「そこであったんかい!」と突っ込まずにはいられませんでした。

    0
    2011年04月15日