泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 蔭桔梗

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    伝統職人の世界を舞台とした男女の機微を描いた作品集。
    と言うと、普通なら僕の興味範囲外の作品になるんですが、作者があの泡坂妻夫なので、手に取った次第です。
    で、どうだったかと言えば、大正解ですね。
    すごく面白かったです。上手いな〜と感動しきりです。
    伏線の張り方がさり気なく、情景説明のように書かれた一文が後で実を結ぶんですよ。
    だから泡坂ミステリのファンである身には堪らないですね。

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    2009年10月04日
  • 乱れからくり

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    由緒ある玩具商ひまわり工芸。その製作部長を務める馬割朋浩は海外旅行への途上、降ってきた隕石に当たるという奇禍で命を落とす。新米探偵の勝敏夫は、馬割一族の邸宅『ねじ屋敷』を訪ねるが、そこはお化け屋敷さながら、巧妙な仕掛けをほどこした殺人屋敷であった。繰り返される殺人と推理。江戸時代にまで遡る馬割一族の謎がいま明らかにされる…第31回日本推理作家協会賞受賞作。

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    2009年10月07日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻

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    奇術師にして紋章神絵師でもある氏が20年に渡るライフワークで書き上げた曾我佳城全集の後編。

    奇術師である主人公の巧みなトリック捌きもさることながら、物語の幕引きも素晴しい。

    もっと見たいの少し手前での幕引きに感嘆。

    ご一読あれ。

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    2009年10月04日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

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    泡坂妻夫氏の20年に渡る連載作品集の前編。

    若くして奇術界の伝説となった女性奇術師・曾我佳城の華麗なる手捌きに、全ての人が釘付けになる事、間違い無し。

    奇術師にして紋章紙絵師の氏の本領を存分にお楽しみ下さい。

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    2009年10月04日
  • 乱れからくり

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    作者のホームグラウンドで勝負しても絶対に勝てない。エピが伏線そのものなので、身構えて挑んでみたものの、あっさり玉砕されて沈没してしまった。ミスリードも巧みなので、どこまでいっても真相には近づけない。ユーモアの少ない構成は、作品全体の雰囲気を損なわせない作者の「手品の小道具」なのだろうか?

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    2009年10月04日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻

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    タイトルの通り、奇術のトリックやそれにまつわる話がふんだんに詰め込まれた事件を架空の奇術師曾我佳城を探偵役として描く連作短編もの。単調になりがちな形式だが、一篇一篇に飽きの来ないような工夫がされている。お薦めは『花火と銃声』。

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    2009年10月04日
  • 煙の殺意

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    ネタバレ

    必ずしも推理小説だけではないという意味で、ジャンルとしてのミステリーというよりは、まさに著者の傑作集であるといえる。
    それぞれの物語が一つひとつ異なるタイプで、あっという間に読める割に、その満足度は決して低くはない。
    個人的には狐の話がお気に入り。

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    2026年03月29日
  • 乱れからくり

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    ミステリとしてはとても面白かったです。
    最初の隕石落下で、あまりにも突飛すぎる展開からの怒涛の殺人事件…
    全体の2/3くらい進んでもまだ謎が増えてきて、え??何どういうこと??からの最後に怒涛の解決で一気に謎が解けて面白かったです。

    あでも、宇大さんのお札握らせた案件はなんだったの??なんかこれ解決した??読み飛ばしちゃった??それともこれ続編かなんかで解決される?そこがモヤっとしてのこったのが気になりました。

    これは昭和のおじさん小説だから?かもしれませんが、ちょいちょいノイズが気になった。
    最初の方のラブホシーンでのラッキースケベとかあれ絶対いらないでしょ…とか、勝くんのラブロマンスと

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    2026年03月18日
  • 花嫁のさけび

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    ネタバレ

    時代が古いので男女関係や、家の事などの雰囲気が現代とは違うものの、何かずっと違和感を感じた本でした。
    違和感が分からなくてずっと、「最近の本じゃないしなぁ」と思っていましたがトリックが分かった瞬間に「あ、そうゆうことか」と違和感の理由までわかりました。
    ちなみにオマージュと言われた作品の方を読んだことがなかったのでそちらを知っていたらさらに楽しめたかもしれません。
    そして表の顔を作って、本当は全て知ったやらかしていたのが怖すぎるし、それが熱狂的なファンだったところから始まるのもぞわっとします。
    大々的なトリック!というわけではないものの、この物語の作り方を1冊やり遂げてるところは唯一無二ですご

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    2026年01月18日
  • 横丁の名探偵 犯人当て小説傑作選

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    犯人当て短編のアンソロジー第二弾。前作から時代が下り、70~80年代の作が採られている。携帯電話やスマホがあっては成立し難いトリック、設定が多く、現代の作家には苦労があるなと読んでいてしみじみ。犯人当てだけあって動機は二の次という感じだけれども、その分意外性に振られていてそれはそれで読み応えある。

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    2026年01月03日
  • 横丁の名探偵 犯人当て小説傑作選

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    読者への挑戦、アンソロジー第二弾
    好みのシリーズだが全三巻で終わってしまうらしいので残念

    今回の7作品は有名なものが多く、著者それぞれの短篇集のタイトルになっているものもいくつかある

    中でも中西智明は、絶版文庫の「法月綸太郎の本格ミステリアンソロジー」に収録されている、という事すらよく知られている傑作

    ・仁木悦子「横丁の名探偵」★⭐︎⭐︎
    超短編。トリック1つだけの勝負、やや弱いかな

    ・石沢英太郎「アリバイ不成立」★★⭐︎
    複数の容疑者たちがお互いのアリバイを主張する、と来ればあのパターンだな!
    という予想を覆され★ふたつ

    ・巽昌章「埋もれた悪意」★⭐︎⭐︎
    双子のなぞなぞは知ってい

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    2025年12月05日
  • 妖女のねむり

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    アーサカさんの第七長編。幻想とロマンスの塩梅が『湖底のまつり』に近い。
    樋口一葉の未発表小説の発見から始まる。戦時中という特殊状況が生んだとある奇蹟に発展し、最終的には輪廻転生の真偽を問うミステリとなる。思想を超えて信念を貫いた者の究極の動機の一つと言えるのではないか。どっかの作家が"観念の動機"と読んでいたものかな(うろおぼえ)

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    2025年09月27日
  • 写楽百面相

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    ネタバレ

    べらぼうをきっかけに購入。
    ちょっと私には難しかったです。
    登場人物が狂歌やるとき、絵描くとき、読み物書くときと名前を変えるのでもう、誰が誰だか…。
    全体の9割読んでもところで二三は何してるんだ?ってなってました。
    延命院事件を知らなかったので終盤でやっと面白くなったきたなという感じ。
    延命院事件、実際にあるんですね。
    まぁ、人の性(さが)というか、咎められるものでもないような。

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    2025年09月01日
  • 11枚のとらんぷ

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    〔内容〕最初の百ページほどは素人奇術イベントのけっこうグダグダな様子が描かれる。いつになったらミステリになるのと不安を感じ始めた頃事件が発生/キーになる本の全文が第二章に置かれる。凄い/最終章になって謎解きに向かうかと思ってたら奇術師の大会メインでそれもまたよし。
    〔感想〕小説という虚構、謎を追うミステリという形式、題材が手品。三重の幻惑。トリックと伏線たちが目白おし。人は直接被害がない限りけっこう騙されるのが好きなので楽しめる一品/内容的にわりと古い作品のように思えますが読後感として古さは感じませんでした/あまり知られてない? 奇術に憑かれた人々の生態もわかります?

    ■簡単な単語集

    【飯

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    2025年08月23日
  • 湖底のまつり

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    傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。ロープを投げ、救いあげてくれた埴田晃二とその夜結ばれるが、翌朝晃二の姿は消えていた。村祭で賑わう神社に赴いた紀子は、晃二がひと月前に殺されたと教えられ愕然とする。では、私を愛してくれたあの人は誰なの……。読者に強烈な眩暈感を与えずにはおかない、泡坂妻夫の華麗な騙し絵の世界。

    集落が舞台のホラーミステリーのような話を想像していたけど、良くも悪くも裏切られた。情緒的で繊細。何層にも霧がかかった細道を歩くみたいな心細さが永遠に続く。

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    2025年08月13日
  • 迷蝶の島

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    第1章で大筋がわかり、それが幻覚か否かで進む展開は割と面白かった。だいたい日付で予想はついたけれど、終章もふくめてオチが綺麗めなのは良い。

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    2025年06月22日
  • 11枚のとらんぷ

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    キーが奇術、マジックになるが、文章で読むと状況や仕掛けがわかりにくい。
    評価は、序盤は4(公民会での講演会のグダグダな感じ好きでした)、途中から3(短編の11話は何度読んでも頭ははてなでした。)って感じ!
    昭和からのミステリーの教科書として読めば面白い。

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    2025年05月29日
  • 煙の殺意

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    70〜80年代に書かれた作品なのでちょっと古い感じがするのは否めない。しかし登場人物や舞台設定は短編とは思えないほど作り込まれている。
    ミステリ好きなら読んでおくべき作品と言われているのもわかる。

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    2025年02月27日
  • 写楽百面相

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     大好きアワツマ作品ではあるが、正直いうとけっこう難儀しながら、なんとか読み終えた。でも読んで良かった。

     難儀ポイントはなんといっても、名前が覚えられないこと。時代が違うから慣れない名前というだけでなく、芸名や俳号の類がもりもり出てきて、黄表紙作家としての名前は◯◯で絵師としては△△、今は名を改め□□、実は後の✕✕である……なんてケースばかりでもう誰が誰やら。メインの謎のひとつは一応「写楽は誰?」なので、実はこの人でしたと明かされても、「えっとそれはつまり、、、誰」となってしまい、読む資格なしかよと我ながら落ち込む。
     だが実は、私のミステリー読みライフにおいてはこの「読む資格なしかよ」状

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    2024年11月06日
  • 奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻

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    ネタバレ

    短編全22本からなる曽我佳城全集が文庫本2冊に分冊、しかも発表順ではなく《秘》《戯》という作者のこだわり編集という手間と意図を持って。
    そして、最後の短編「魔術城落成」にて名実共に本シリーズのフィナーレを迎えるわけだが、とにかくこのエンディングには意外過ぎて度肝を抜かれた。この驚きの展開を知りたい人は是非本書を読んでください。

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    2024年11月02日