泡坂妻夫のレビュー一覧

  • 迷蝶の島

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    三角関係を軸とした、登場人物の誰にも感情移入出来ないタイプのサスペンス。ラストの展開への伏線がさりげない~!謎はシンプルなんだけど、全部解けてない気がする。結局、岩についた血はなんだったの…?僕が読み解けてないだけ…?
    生々しいドロドロのような、幻想的なような不思議な作品。
    あと、皆川博子の解説が可愛い。

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    2021年08月05日
  • 煙の殺意

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    バラエティに富んだミステリー短編集。
    表題作の真相には見事やられた。
    そうきましたか!と。
    『紳士の園』は奇妙な味みたいでちょっと不気味。
    『歯と胴』の結末にはニヤリとする。
    『開橋式次第』もなかなかユニーク。
    予想外の展開が続くので、次はどんな結末になるんだと終始ワクワクした。

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    2021年06月22日
  • 11枚のとらんぷ

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    文章の密度と奇術に対する解説が凄い…!
    奇術についてだけでも、とても読み応えのある作品です。
    文章の筈なのに実際に目の前で奇術が行われているかのような文章力。
    長編の中に創作短編が入っていると言うのも一度で二度美味しくて良いですよね´ω`*

    序盤の意味を持たないだろうと思う描写でさえも、解決編に向けての伏線となっており、
    解決編で「そう言えばそんな事も言ってた(あった)な…」と言う事が多々あり、伏線の多さと回収の綺麗さにまた驚きました。

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    2021年05月10日
  • 煙の殺意

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    サクサク読める短編集。バリエーションがあって面白い。
    泡坂さんは長編はもちろん、そして短い中でもしっかりと驚かせてくれる。
    個人的には「紳士の園」が一番良かったかな。

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    2021年03月11日
  • 湖底のまつり

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    以前何かの小説に出てきて(作品名もどんな感じで出てきたのかももう忘れてしまったけど;)気になっていた作品。最初は少し読みづらさを感じてしまい、なかなか読み進めることができず…。でも読み進めるにつれてどんどん描写の美しさに惹き込まれて、中盤以降はペースアップ。途中、なんとなく先が予想できた部分もあったけど、最後まで面白く読めた。泡坂妻夫さんの作品は他にも気になるものがあるので読んでみたい。

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    2021年02月26日
  • 湖底のまつり

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    再読。
    だったので、途中から結末は思い出していた
    偶然出会い、一夜を共にした男性はすでに死んでいると聞かされる。
    あの男性は誰だったのか、、、

    語彙力があって文章が重厚

    感覚的に
    ミステリーを読んだっていうより、文学作品を読んだっていう感じ

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    2020年11月04日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血でヨガの達人という怪しげな男ヨギ ガンジーが、全国を講演しながら出会った謎を解く短編集。
    遠隔殺人、念力、予言など超自然を思わせる事件が多いが、ガンジーは胡散臭い行者のような見た目ながら奇跡や超常現象はトリックであるという視点から事件を見て、論理的に解決するのが面白い。ネタはいま読むと古かったりするものもあるが、著者らしいトリッキーで楽しい短編集である。
    なお、今出ている新潮文庫には7編入っているらしいが、読んだのが古い単行本で最後の短編が入っていなかったのが残念。

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    2020年10月03日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ヨギ・ガンジーシリーズの連作短編集。
    心霊術、念力など怪しげな技を使い、頭にターバンを巻き、長い白衣を着た正体不明の名探偵が、超常現象としか思えない不思議な事件の謎を解く。主人公のヨギ・ガンジー、弟子となる参王不動丸などキャラクターの独特な個性に目がいきがちだが、マジシャンの泡坂さんならではのトリックがちりばめられている。個人的には『ヨギ ガンジーの予言』が好みだった。

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    2020年09月30日
  • 11枚のとらんぷ

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    *
    ーあのときから、彼女は魔術の女王への道を歩み出していたのか。
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    買って6年目にして読んだ(笑)
    トリックがとても手の込んでいるものばかりで読み応えがありすぎた。種明かしが気持ち良すぎて、発言一つ一つが実は大切だったのだと分かった。
    .
    1章と3章のメインの事件の間に2章で11個の奇術に基づく話があって面白い構成。
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    登場人物が多かったりトリックが複雑だから映像化したら分かりやすいだろうなぁと密かにドラマ化を願った。
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    2020年08月30日
  • 妖女のねむり

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    謎をてんこもりにして走る物語は夢中で読んだが、タネをロマンと見るか非現実と見るか……。渋く枯淡な雰囲気は、米澤穂信が影響を受けているのを感じる。

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    2020年02月26日
  • 砂時計

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    恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。
    それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登場人物達の彩りが鮮やかであること。
    特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。

    ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。
    これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を泡坂氏が老境に入った今、如実に意識しているのではないだろうか。紋章上絵師として、奇術師として、そして作家として去り際は粋で美しくありたい、そういう願望が見え隠れしているように私は思えるのである。

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    2020年02月24日
  • からくり東海道

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    タイトルにある「からくり」には余り意味がなく、市次、たか、市太郎ら3人の波乱万丈な冒険振りを評したような意味が強い。
    ところで今思えば、泡坂氏の時代小説は数あれど長編はこれが初めてなのではないか。そのせいか主人公3人がいつもより生き生きと感じられ、心地よい。
    また主人公たちも名前が変わっていくように、周辺の登場人物も名前が変わっていき、泡坂氏お得意の文学遊びが楽しめる。
    ともあれ、なんとも粋な小説だった。

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    2020年01月08日
  • 煙の殺意

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    短編集。どれも泡坂作品らしいテイストに満ちている。仕掛けのインパクトは長編には及ばないが、中でも恋愛ものには味わいがある。マイベストは最初の「赤の追想」。

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    2019年11月02日
  • 湖底のまつり

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     いつぞやなんかのきっかけで再評価された本……だったよねえ? それじたいがだいぶ昔のことなんで、はっきり覚えていない……(´ε`;)ウーン…

     耽美文、語彙の豊富さに陶然( ´ ▽ ` )ノ
     章が改まるたび激変する世界に呆然( ´ ▽ ` )ノ

     でも、オチが割れると、ねえ……(´ε`;)ウーン…
     人物描写の古臭さは仕方ないとしても(娘ほどの歳の事件関係者とXXしちゃう、ホッペ膨らまし刑事)、最大ポイントになる「人間関係」(今となっては一ジャンルを形成してるほどザラで、先が読めちゃうな)も仕方ないとしても、だ……(´ε`;)ウーン…
     いくらなんでも、バレないか、「あれ」?……(´ε`;)ウーン…
     本気で分からなかったんなら、よくよくのバカだよ、○○さん……(´ε`;)ウーン…
     そこんとこ、もう一つちゃぶ台返しがあると思ってたんだけどなあ……(´ε`;)ウーン…


     初出の1978年当時はともかく、いま読んでもさすがに資料性以上の価値はない作品……(´ε`;)ウーン…



    「男なんて不潔だわ!」なんてセリフ、懐かしいね( ´ ▽ ` )ノ
     いまなら、「くそオヤジ キメーんだよ ウゼー !」……(´・ω・`)ショボーン


    2019/08/07

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    2019年08月07日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    『乱れからくり』と並んで初期の泡坂の代表作と評される本書は、やはり時代の流れか、当時の読者諸氏を唸らせた衝撃はもはや薄れてしまっていた。価値の多様化が顕著になった昨今では、同性愛が真相のファクターであることが特に奇抜さを齎さなくなってしまった。

    しかし、それでも尚、作者は手練手管を使って読者を煙に巻く。
    女が男に化けて女をイカせる。この謎の解明は素晴らしい。

    しかし本作を読んで痛感したのは、時代がオープンになればなるほど、我々の常識が崩され、謎という暗闇が小さくなってしまう事だった。

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    2019年04月21日
  • 花嫁のさけび

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    映画界のスター、北岡早馬と再婚し、幸せの絶頂にいた伊津子だったが、北岡家の面々は数ヶ月前謎の死を遂げた先妻、貴緒のことが忘れられず、屋敷にも彼女の存在がいまだに色濃く残っていた。そんなある夜、伊津子を歓迎する宴の最中に悲劇が起こる。そして新たな死体が……。

    いつか読んでみたいと思っていた泡坂妻夫。最初から昭和のサスペンス映画の雰囲気全開で楽しい。真相は今読むと分かりやすいんだけど、丁寧な描写と雰囲気だけで十分楽しめた。あんなに前妻のこと言われたら嫌だわ……。そして早馬さんひたすら可哀想だよ……

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    2019年02月05日
  • 湖底のまつり

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    ネタバレ

    これぞ本格派ミステリー。
    ダムの底に沈んでいく東北の過疎の村が舞台。お祭りの場面は幻想的。
    女性は、旅先の川で溺れそうになったところを助けてくれた村の男性と一夜を共にしたが、男性は一か月前に毒を盛られて殺されていた。すべては夢だったのか、男性は幽霊だったのか。。。読み進んでいくうちに、だんだんとトリックがわかってくる。後で前の章を読み返してみると、トリックのヒントがあちらこちらに、ちりばめてある。
    官能小説のようなところが多過ぎたり、官能シーンの会話が文語的で不自然だったり、一夜を共にしただけで結婚したり、刑事が事あるごとに娘のことを想ったり、ほおをふくらませたり、緋紗江がなぜか刑事と結婚したり、紀子が角の細工に不思議と気付かなかったりと、細かいところで違和感もあったが、全般的によかったと思う。

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    2019年01月29日
  • 湖底のまつり

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    思ってたんと違う!
    古い作品だけど自分が田舎者だからか、あまり古くさくは感じない。奇祭、葡萄酒、男女の交わり等々、日常と非日常を反転させるアイテムの使い方がすごい。解説で”眩暈感”と表現されていたけど、確かにそう。
    でも、本格ミステリを期待して読むと多分肩透かし。最後の謎解きも、下品すぎやしませんかね…
    あと、みんな頰をふくらませすぎじゃない?かわいい。

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    2019年01月14日
  • 煙の殺意

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    70年代に書かれたミステリを集めた短編集、恥ずかしながら・・・初めての泡坂妻夫。
    正確には、泡坂妻夫の作品自体は他のミステリ・アンソロジーで読んだ事はありますが、一冊の本としては・・・(^_^;)
    米澤穂信の帯書き『世界最高のミステリ短編集です。』の一文に惹かれて読みました。
    確かにミステリとしての読み応えは十分にありましたが・・・如何せん文体が古く、今一つ感情移入できない感じは否めませんでした!残念!!

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    2018年12月24日
  • 毒薬の輪舞

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    ここ続けて読んできた『鬼女の鱗』、『びいどろの筆』、『蔭桔梗』といった時代物、もしくは職人の世界を描いた恋愛物と、侘び・寂びを感じさせる日本情緒豊かな作品に親しんできたため、この作品は現代本格物ということで、どこか別の人が書いたような違和感を覚えたが、やはり随所に泡坂らしさを覗かせ、小さいながらも驚きを提供してくれた。
    精神病院を舞台にしたにも拘らず、重く暗くならないのは主人公海方のキャラクター性と、泡坂の筆の軽さゆえか。

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    2018年09月26日