泡坂妻夫のレビュー一覧

  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の血をひくというヨギガンジー、超常現象の謎を解明していく短編集。
    見た目こそ胡散臭いが、推理や口調はロジカルで、人格も破綻していない。相棒?の不動丸も大柄で吹き矢名人と、キャラ設定は特殊だけど、わりと普通の推理モノって感じ。楽しくさっと読めます。

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    2023年02月18日
  • 11枚のとらんぷ

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    色んなマジックの手法が書かれているので、マジック好きは楽しめると思う。
    マジックにあまり興味がないと、大筋に話を戻してほしいと、途中焦ったくなるが、マジックは事件解決の伏線になるので飽きずに読み進めたほうがいいと思った。

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    2023年01月07日
  • 妖盗S79号

    nk

    購入済み

    泡坂さんと言えば「亜愛一郎シリーズ」や「曾我佳城シリーズ」と言った連載ものが有名ですが、本作も連載ものとなっており、ただタイトルからも分かるように主人公は捕まえる方ではなく、捕まえられる方となっております。また主人公の正体や目的が明かされるのは結末の章となっており、途中までは多分この人が妖盗S79号なんだろうなという記述はあるのですが、名前や性別がはっきりしなかったりと謎のままで話が進んでいき、この為どちらかと言えばS79号を捕まえる側の専従捜査班二人のコミカルな描写の方が印象が強い作品となっております。

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    2022年02月24日
  • 迷蝶の島

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    三角関係を軸とした、登場人物の誰にも感情移入出来ないタイプのサスペンス。ラストの展開への伏線がさりげない~!謎はシンプルなんだけど、全部解けてない気がする。結局、岩についた血はなんだったの…?僕が読み解けてないだけ…?
    生々しいドロドロのような、幻想的なような不思議な作品。
    あと、皆川博子の解説が可愛い。

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    2021年08月05日
  • 煙の殺意

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    バラエティに富んだミステリー短編集。
    表題作の真相には見事やられた。
    そうきましたか!と。
    『紳士の園』は奇妙な味みたいでちょっと不気味。
    『歯と胴』の結末にはニヤリとする。
    『開橋式次第』もなかなかユニーク。
    予想外の展開が続くので、次はどんな結末になるんだと終始ワクワクした。

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    2021年06月22日
  • 11枚のとらんぷ

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    文章の密度と奇術に対する解説が凄い…!
    奇術についてだけでも、とても読み応えのある作品です。
    文章の筈なのに実際に目の前で奇術が行われているかのような文章力。
    長編の中に創作短編が入っていると言うのも一度で二度美味しくて良いですよね´ω`*

    序盤の意味を持たないだろうと思う描写でさえも、解決編に向けての伏線となっており、
    解決編で「そう言えばそんな事も言ってた(あった)な…」と言う事が多々あり、伏線の多さと回収の綺麗さにまた驚きました。

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    2021年05月10日
  • 煙の殺意

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    サクサク読める短編集。バリエーションがあって面白い。
    泡坂さんは長編はもちろん、そして短い中でもしっかりと驚かせてくれる。
    個人的には「紳士の園」が一番良かったかな。

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    2021年03月11日
  • 湖底のまつり

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    以前何かの小説に出てきて(作品名もどんな感じで出てきたのかももう忘れてしまったけど;)気になっていた作品。最初は少し読みづらさを感じてしまい、なかなか読み進めることができず…。でも読み進めるにつれてどんどん描写の美しさに惹き込まれて、中盤以降はペースアップ。途中、なんとなく先が予想できた部分もあったけど、最後まで面白く読めた。泡坂妻夫さんの作品は他にも気になるものがあるので読んでみたい。

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    2021年02月26日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    泡坂妻夫作品お初でした。突飛なトリックとか名探偵のキャラや立ち位置とか、これをどう楽しむか?ってのが分かると、スゴく面白かった!!
    なので後半になればなるほど楽しめた感があるなぁ、私は。

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    2020年11月08日
  • 湖底のまつり

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    再読。
    だったので、途中から結末は思い出していた
    偶然出会い、一夜を共にした男性はすでに死んでいると聞かされる。
    あの男性は誰だったのか、、、

    語彙力があって文章が重厚

    感覚的に
    ミステリーを読んだっていうより、文学作品を読んだっていう感じ

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    2020年11月04日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血でヨガの達人という怪しげな男ヨギ ガンジーが、全国を講演しながら出会った謎を解く短編集。
    遠隔殺人、念力、予言など超自然を思わせる事件が多いが、ガンジーは胡散臭い行者のような見た目ながら奇跡や超常現象はトリックであるという視点から事件を見て、論理的に解決するのが面白い。ネタはいま読むと古かったりするものもあるが、著者らしいトリッキーで楽しい短編集である。
    なお、今出ている新潮文庫には7編入っているらしいが、読んだのが古い単行本で最後の短編が入っていなかったのが残念。

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    2020年10月03日
  • ヨギ ガンジーの妖術(新潮文庫)

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    ヨギ・ガンジーシリーズの連作短編集。
    心霊術、念力など怪しげな技を使い、頭にターバンを巻き、長い白衣を着た正体不明の名探偵が、超常現象としか思えない不思議な事件の謎を解く。主人公のヨギ・ガンジー、弟子となる参王不動丸などキャラクターの独特な個性に目がいきがちだが、マジシャンの泡坂さんならではのトリックがちりばめられている。個人的には『ヨギ ガンジーの予言』が好みだった。

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    2020年09月30日
  • 11枚のとらんぷ

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    ーあのときから、彼女は魔術の女王への道を歩み出していたのか。

    買って6年目にして読んだ(笑)
    トリックがとても手の込んでいるものばかりで読み応えがありすぎた。種明かしが気持ち良すぎて、発言一つ一つが実は大切だったのだと分かった。
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    1章と3章のメインの事件の間に2章で11個の奇術に基づく話があって面白い構成。
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    登場人物が多かったりトリックが複雑だから映像化したら分かりやすいだろうなぁと密かにドラマ化を願った。
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    2020年08月30日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    直木賞作家、初めての泡坂妻夫さん1975年(昭和50年)デビュー作「DL2号機事件」を含む「亜愛一郎の狼狽」45年前のミステリー短編集。主人公は背が高く知的風なのに運動音痴でちょっと変人。今流行りの奇人変人探偵の先駆けかもです。

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    2020年03月04日
  • 妖女のねむり

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    謎をてんこもりにして走る物語は夢中で読んだが、タネをロマンと見るか非現実と見るか……。渋く枯淡な雰囲気は、米澤穂信が影響を受けているのを感じる。

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    2020年02月26日
  • 砂時計

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    恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。
    それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登場人物達の彩りが鮮やかであること。
    特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。

    ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。
    これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を

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    2020年02月24日
  • からくり東海道

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    タイトルにある「からくり」には余り意味がなく、市次、たか、市太郎ら3人の波乱万丈な冒険振りを評したような意味が強い。
    ところで今思えば、泡坂氏の時代小説は数あれど長編はこれが初めてなのではないか。そのせいか主人公3人がいつもより生き生きと感じられ、心地よい。
    また主人公たちも名前が変わっていくように、周辺の登場人物も名前が変わっていき、泡坂氏お得意の文学遊びが楽しめる。
    ともあれ、なんとも粋な小説だった。

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    2020年01月08日
  • 煙の殺意

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    短編集。どれも泡坂作品らしいテイストに満ちている。仕掛けのインパクトは長編には及ばないが、中でも恋愛ものには味わいがある。マイベストは最初の「赤の追想」。

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    2019年11月02日
  • 湖底のまつり

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     いつぞやなんかのきっかけで再評価された本……だったよねえ? それじたいがだいぶ昔のことなんで、はっきり覚えていない……(´ε`;)ウーン…

     耽美文、語彙の豊富さに陶然( ´ ▽ ` )ノ
     章が改まるたび激変する世界に呆然( ´ ▽ ` )ノ

     でも、オチが割れると、ねえ……(´ε`;)ウーン…
     人物描写の古臭さは仕方ないとしても(娘ほどの歳の事件関係者とXXしちゃう、ホッペ膨らまし刑事)、最大ポイントになる「人間関係」(今となっては一ジャンルを形成してるほどザラで、先が読めちゃうな)も仕方ないとしても、だ……(´ε`;)ウーン…
     いくらなんでも、バレないか、「あれ」?……(´ε`

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    2019年08月07日
  • 亜愛一郎の狼狽

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    G・K・チェスタトンの『ブラウン神父』シリーズと並び称されるほど、世評の高い本書は、私の期待値が高過ぎたためか抱いた感慨は世間のそれとは隔たりを生じてしまった。

    1つ1つの短編については、今になってみれば過去の名作へのオマージュのように受け取れなくも無い。特に最後の「黒い霧」はブラウン神父の「青い十字架」の裏返しといった作品である。
    ただ真相解明に至った時のパンチ力が無い。理路整然とし過ぎているのだ。

    しかし、私の本シリーズへの関心はもっと別の所にある。
    各編に登場する「三角顔の老婦人」、この人は果たして何者なのかという事である。

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    2019年05月05日