泡坂妻夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
泡坂妻夫の短篇ミステリ作品集『奇跡の男』を読みました。
今月上旬にアンソロジー作品『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』に収録されていた『病人に刃物』を読んで、泡坂妻夫の作品を読みたくなったんですよね。
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バスの転落事故で一人だけ生き残った男が、今度は袋くじの特賞に大当たり。
そんな強運、あり!?(奇跡の男)
小さな飲み屋「糀屋」の客が死に、なぜか警察に被害者の香典が送られてきて……(狐の香典)。
“卯の花健康法”や“健脳法”など、珍妙なことばかり思いつくナチ先生が殺された。
雪に残された足跡が唯一の手掛かり?(ナチ式健脳法) など、ユーモラ -
購入済み
泡坂さんと言えば「亜愛一郎シリーズ」や「曾我佳城シリーズ」と言った連載ものが有名ですが、本作も連載ものとなっており、ただタイトルからも分かるように主人公は捕まえる方ではなく、捕まえられる方となっております。また主人公の正体や目的が明かされるのは結末の章となっており、途中までは多分この人が妖盗S79号なんだろうなという記述はあるのですが、名前や性別がはっきりしなかったりと謎のままで話が進んでいき、この為どちらかと言えばS79号を捕まえる側の専従捜査班二人のコミカルな描写の方が印象が強い作品となっております。
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Posted by ブクログ
恐らく今までの例に漏れず不定期に小説誌に発表された短編を寄せ集めた作品集であろう、内容も怪奇小説、人情小説、はたまたエッセイめいた私小説などヴァラエティに富んでいる。
それらの作品に通暁しているのは透明な視線で描かれた抑揚のない文章。ただこれはけなし言葉ではなく、そういった文章であるのにも関わらず登場人物達の彩りが鮮やかであること。
特に紋章上絵師を主人公にした一連の作品群はもう縦横無尽ぶりの独壇場である。それ故、それらが最も印象に残ったことは云うまでもない。
ただ、不思議なのはいやに「死」を結末にすること。特に美しい女性に対し、その色が濃い。
これは、使い古された言葉だが、「滅びの美学」を