時海結以のレビュー一覧
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▼長編漫画「ちはやふる」は、主人公・綾瀬千早さんをはじめ「高校生たちが高1から高3までの3年間、かるたをがんばる物語」です(一部、小学生時代の思い出がありますが)。
そのキャラクターたちの、「中学生時代」を描いた、スピンオフ小説です。その第2巻。
第1巻は、「千早さんと、太一くん」というふたりの中学生時代でした。この第2巻は、主に「新(あらた)くん」という、キャラクターの中学生時代。
▼この小説単体で言うと。
「競技かるた」という極めてニッチなスポーツ?があり。
それは「名人」とかそういう「位」がある。将棋みたいな。
富山県のとある町に、そのかるたの、かつての名人がいる。老人の男性。その孫がいて、中学生男子。やはり競技かるたが好き。そして同年代では抜群に強い。将来は名人になりたい。祖父もかわいがって、指導している。そんな、言ってみれば幸せな、おじいさんと孫がいる。
ところが、祖父がやや、健康が危うくなります。脳梗塞だったか。右手が動きづらくなる。そしてややボケてきます。要介護。
孫の中学生男子(あらたくん)は、それが悲しい。祖父にあこがれて、ここまで来たから、現実をなかなか受け入れられない。
そんな日々が、祖父が亡くなるまで描かれます。
▼新くんを取り巻くのは、幼馴染の隣家の同級生女子や、優しいたくましい母、そして祖父に複雑な思いを持った父、などなど。
ちょっとやや調子はマイナーで、スカっとはしません。でも長編漫画で形作られた性格付けをうまく活かして、それなりに十分読ませます。(まあただ、長編漫画「ちはやふる」が好きではない、あるいは知らない人が読んだら、どうなんだろうなあ、と思いますが)
▼これまた、小6の娘と相前後して読んだ読書でした。こういう読書、楽しめるのも、いつまでなんだか、、、、と思うと愉しい限り。 -
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ネタバレこの話を読んで悲しい気持ちになりました。私という人間が一人生きるために、大勢のがん細胞たちが犠牲になっているからです。何も悪いことをしていないのに、未熟に生まれてきただけに不必要なものとされ、一切の慈悲をかけずにゴミのように切り捨てられてしまいます。また、がん細胞だけでなく、私のために一生懸命はたらく細胞たちも、治療の過程で一瞬にして消し炭にされてしまうこともあります。私の生は大勢の細胞さんたちの犠牲の上で成り立っています。私一人を生かすために細胞たちが大勢死ぬのなら、私も死ぬ気で健康に気を使って生活してみようと思います。タモリさんが言っていた「健康のために死ねる」の意味が少し理解出来ました。
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ネタバレ令和への改元以来、皇室と古典に対する関心が高くなり、本が数多く出されたがそれもその一冊だ。和泉式部の話が中心となるが、周辺人物の章も作られて、ストーリーが繋がっていく。最初は赤染衛門の章だが、姉との話は平安時代の女達の悲哀を描いて、和泉式部の章へと繋がっていく。和泉式部が自分の半生を娘に語るという形になっている。続いて伊勢大輔の章。出仕した和泉式部の指導役を務めることになり、意気投合。人生に必要なものは何かを掴み取っていく。続いて娘の小式部内侍の賞では、再婚した母親が任地へと旅立ち、小式部内侍の自立の流れと母の愛情、恋愛についてが語られる。最後は大弐三位。紫式部の娘であるが、高名な母親を持つ小式部内侍とは親友同士として描かれている。大弐三位は自立した恋愛を望んでいる。この本は平安時代の恋愛というより、母親として生きる姿や娘としての立場を描いており、更には女同士のつながりも明るく描いている。平安時代のシスターフッドと言ったところか。
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2021年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代でもちょっと出てきた「曽我兄弟の仇討」の児童書。
これが出版されていることはおびのりさんのレビューで知りました。ありがとうございます!
江戸時代までは仇討ちはしないといけなかったことも関係するのか、歌舞伎や講談で庶民人気が高く「日本三大仇討」と呼ばれるものがある。
時代順に、まずは本書で書かれる「曽我兄弟の仇討」。父を殺された曽我兄弟が富士の巻狩りで果たした父の仇討ち。
次は「赤穂浪士」。浅野内匠頭の遺臣である赤穂浪士の吉良邸討入り。
そして「伊賀上野の仇討ち」。渡辺数馬が、剣客荒木又右衛門の助太刀により弟の仇を討った。
本書は、おそらく歌舞伎(見たことないので推測)をもとにしているのだろうか、曽我兄弟の生い立ちや思い、蘇我兄弟の風貌(兄は色白で思慮深い、弟はガッシリとして力強い)、恋愛話などが書かれている。
始まりは伊豆の領地争いで伊東祐親(曽我兄弟の祖父)が娘婿の工藤祐経を追放したことから。工藤祐経は部下に伊東祐経と息子の河津三郎を襲わせ、河津三郎が死ぬ。河津三郎の妻は、幼い十郎と五郎を連れて蘇我太郎のもとに再嫁する。曽我兄弟は仇討ちを誓い合いながら鍛錬を進める。やがて十郎が22歳、五郎が20歳の時に仇討ちを遂げる。だが十郎は討たれて死に、五郎も斬首となる、というもの。
歴史上では純粋な仇討にしては謎が多いらしく、1979年の大河ドラマ「草燃える」(頼朝:石坂浩二、政子:岩下志麻、北条義時:松平健)では「頼朝に対するクーデターでありもともとターゲットは頼朝だったが、そのクーデターに乗っかった鎌倉武士たちが口封じのため曽我兄弟を『仇討ちあっぱれ!』といって殺した」ということになっていた。「鎌倉殿の13人」でも頼朝に不満を持つ鎌倉武士たちの反乱という描き方でしたね。
こちらの本は児童向けなので、父を殺された純粋無垢な幼い兄弟の真っ直ぐな思いや、死ぬと分かっていてもやらなければいけない運命や、愛する母や女性との別れをメインに書いています。大河ドラマを見ていた人たちには出てくる鎌倉武士達も俳優たちで思い浮かべやすそうですね。