【感想・ネタバレ】きずなの兄弟と鎌倉殿 曽我物語のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年02月06日

2021年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代でもちょっと出てきた「曽我兄弟の仇討」の児童書。
これが出版されていることはおびのりさんのレビューで知りました。ありがとうございます!

江戸時代までは仇討ちはしないといけなかったことも関係するのか、歌舞伎や講談で庶民人気が高く「日本三大仇討」と呼ばれる...続きを読むものがある。
時代順に、まずは本書で書かれる「曽我兄弟の仇討」。父を殺された曽我兄弟が富士の巻狩りで果たした父の仇討ち。
次は「赤穂浪士」。浅野内匠頭の遺臣である赤穂浪士の吉良邸討入り。
そして「伊賀上野の仇討ち」。渡辺数馬が、剣客荒木又右衛門の助太刀により弟の仇を討った。

本書は、おそらく歌舞伎(見たことないので推測)をもとにしているのだろうか、曽我兄弟の生い立ちや思い、蘇我兄弟の風貌(兄は色白で思慮深い、弟はガッシリとして力強い)、恋愛話などが書かれている。

始まりは伊豆の領地争いで伊東祐親(曽我兄弟の祖父)が娘婿の工藤祐経を追放したことから。工藤祐経は部下に伊東祐経と息子の河津三郎を襲わせ、河津三郎が死ぬ。河津三郎の妻は、幼い十郎と五郎を連れて蘇我太郎のもとに再嫁する。曽我兄弟は仇討ちを誓い合いながら鍛錬を進める。やがて十郎が22歳、五郎が20歳の時に仇討ちを遂げる。だが十郎は討たれて死に、五郎も斬首となる、というもの。

歴史上では純粋な仇討にしては謎が多いらしく、1979年の大河ドラマ「草燃える」(頼朝:石坂浩二、政子:岩下志麻、北条義時:松平健)では「頼朝に対するクーデターでありもともとターゲットは頼朝だったが、そのクーデターに乗っかった鎌倉武士たちが口封じのため曽我兄弟を『仇討ちあっぱれ!』といって殺した」ということになっていた。「鎌倉殿の13人」でも頼朝に不満を持つ鎌倉武士たちの反乱という描き方でしたね。

こちらの本は児童向けなので、父を殺された純粋無垢な幼い兄弟の真っ直ぐな思いや、死ぬと分かっていてもやらなければいけない運命や、愛する母や女性との別れをメインに書いています。大河ドラマを見ていた人たちには出てくる鎌倉武士達も俳優たちで思い浮かべやすそうですね。

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Posted by ブクログ 2023年01月09日

何百年間も日本人に親しまれてきたという曽我物語も、古文として取り組むのでないとしたら、今はこの本ぐらいしかないのでは。そう考えると貴重。古典芸能に親しむ人にもおすすめしたい。

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Posted by ブクログ 2022年02月28日

三大あだ討ちですが、全く内容、知りませんでした。伊東祐親にすべての原因があるのでは?なので知名度がないのかなあ

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Posted by ブクログ 2023年09月16日

源頼朝と同じ時代にこんなにもお互いを強く思い合った兄弟の存在があったのかと強く胸を打たれる思いがした。
幼い頃から父の仇を思って成長してきた2人。
兄の十郎と弟の五郎。この2人の人生を思うと心が痛くなってたまらなくなった。
2人とも殺された父のためを思って工藤祐経(すけつね)を殺すために17年。
...続きを読むの時代では考えられないけれど、昔はこういった人生があちこちに転がっていたのだろうと思うと、とても悲しくなる。

著者の言葉にあるように、曽我兄弟の命日である日に近い梅雨の降る強い雨を曽我の雨。または虎が雨とも呼ぶらしい。
梅雨の時期にはこの曽我兄弟のことを思い出しては、この世では幸せになれなかった彼らの供養と思って祈ることを忘れないようにしたいと思った。

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