壁井ユカコのレビュー一覧
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発売当時の10年ほど前、1度読んで面白かった記憶があったので再読。
遺伝子工学のみ発展した仮想現代。遺伝子操作で子供の見た目、能力の傾向などを操作可能。
育児放棄されカスタマーサポートの担当だった知佳さんに拾われ育てられてた春野。
遺伝子操作を悪とする宗教にハマった親を持ち遺伝子操作されることなく生まれた清田。
アニメのキャラクターそっくりに作られた冬上レイ。
そんな毒親から生まれた男女3人。親のエゴで性格が曲がってしまった登場人物の苦悩の青春小説。
ただ、一般的な青春小説のように煌めいていないし、読み終わった後スッキリはしない。
文章に関しては酷くは無いが、ラノベの感じが残っていで好 -
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ネタバレ夢を見て、どこまでも行く。
三回戦に勝利し、ベスト8に残った清陰。しかしダブルヘッダーの2試合目、東京の景星学園はまさに"高さが正義"のチーム。後がない清陰は8名で戦って行くが——そして、黒羽の、灰島の、決断は。
弓掛の想いを背負って、また自分の意地を秘めて、理解者であるチームメイトと戦う浅野に、またカッコいい主将の姿を見る。勝利を決めた直後のシーンはぐっとこみ上げるものがある。
また、敗戦後の黒羽の言葉、チームメイトとの話し合い、灰島とのぶつかり合いも、胸を打つものがある。真に、灰島が羽ばたける場所へと背中を押すことができるようになった黒羽と、その決断を後押しする清 -
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ネタバレとうとう本当の2.43で戦う舞台へ。
春高に乗り込む清陰男子バレー部。戦う相手は、大きな星たち。ユニとチカ、出航!
三回戦・福岡県代表の箕宿高校との対決まで。箕宿高校はインターハイ・国体を制し、全国三冠を狙うチーム。エースは小柄ながら「高さ」で戦う弓掛。この弓掛だけでなく、彼の先輩であり、箕宿高校には進学せず東京の景星学園に行ってしまった佐々尾、佐々尾の後輩で弓掛と同じ学年、ライバルでありユースのチームメイトである、景星学園の主将・浅野など、様々なライバルたちの述懐を交えながら、清陰の戦いが進んでいく。もちろん福蜂のエースだった三村統も登場。
弓掛の、共に戦いたかったのに東京へ行ってしま -
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ネタバレ代表決定戦、決着。
清陰が勝つのはわかっていたとしても、文章のひとつひとつに勢いと熱を感じて、ページをめくる手が止まらなかった。第4セットの最後の点、内村が決めたところ。試合の決着をつけた、三村の一枚で止めた小田。見ていることしかできない悔しさを爆発させる越智。溢れる思いはあるのに、うまく言葉にできなくて、なかなか受け入れてもらえてこなかった灰島に、差し出される皆の手。皆の期待を背負って膨らんでいた"三村統"の肩の荷が降りた姿。大きな目標を達成し、糸が切れたかのような灰島の、新たなエネルギー源となる未来像。
つい灰島に注目して読んでしまう。バレーの才能に溢れる" -
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ネタバレ勝ちたい、全国に行きたい、その強い思いで進む。
県内に敵なしの福蜂工業高校に挑む清陰高校男子バレー部。勝つために何をするか、一人ひとりが変わっていく。一方、福蜂のエース・三村とマネージャーの越智にももちろん譲れない思いがあって。
物語がさらに動いていく。清陰メンバーそれぞれの書き込みも嬉しいが、ライバルの三村と越智の関係もまた惹かれる。圧倒的な才能と、そこに届かない者と、心の持ち方。眩しい存在はどこにでもいるもので。青木にとっての小田、越智にとっての三村。抗えない輝きに魅せられたから横にいる。しかし、小田にとっての青木、三村にとっての越智も、掛け替えのない存在であることは確かで。
黒羽と -
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ネタバレ合宿から秋大へ。ようやくメンバーが揃い、黒羽と灰島の気持ちも通いあったかと思いきや、また清陰バレー部に事件が起きる。暴力事件への関与を疑われた黒羽は一切を語らず、苛立った灰島と、売り言葉に買い言葉で二人は東京に向かう。中学生の灰島に何があったのか。バレーがやりたいはずの黒羽がひたすら黙秘を貫く理由は。
お互いに不器用だな、という印象。本気だからこそ、曲げられないところがある。そして、意外と単純。黒羽と灰島だけでなく、男子バレー部のメンバーは、大体がそうなんだろう。
中学時代の真相は、思ったよりもしょうもない。しかし、灰島に大きなトラウマを植えつけていた。誰かにとっては大変なことでも、誰かに -
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アニメ化が近いということで今まで二の足を踏んでいた本著にようやく手を出しました。
こどもともおとなとも呼べない成長途中の少年少女の青春小説です。
壁井ユカコさんの作品はいくつか読んでいるのですが、喉の奥がひりつくような切ない心理描写が魅力のひとつだと思っています。
この作品も青春小説ということで、多感な年頃の登場人物たちの言葉足らずだったり相手を思い込みで判断してしまうやりとりがとてももどかしく、甘酸っぱいとはいいがたいです。
高校が舞台なので学生だったころの自分を思い出すような身に覚えのある話もあったりして、喉の奥がかゆくてかゆくてたまらないです。 -
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壁井ユカコ作品が好きな人にはオススメ。
ちょっと酸っぱさ強めの青春小説を求めている人にもオススメ。
甘酸っぱいけど最後大団円みんなが100%幸せじゃないとやだ!って人はやめたほうがいい、もしくは覚悟してから読んだほうがいい。
かっちりした文体の正統派小説が好きでラノベ臭のあるものはまったく受け入れられない人にはオススメしない。
キャラの頭のネジ吹っ飛び具合とか、上手くいきそうで何故か上手くいかないもどかしさとか、地の文の癖の強さとか、壁井ユカコ味がキーリやカスチャほど強くないので、初見でも読みやすいし楽しめると思います。
普通の青春小説とラノベの間の子みたいな。
でも作品全体にかすかに漂う -
ネタバレ 購入済み
面白くて、3巻まで一気に読みました!
絵がきれいなことはもちろん、内容もとても素敵です♪
日本を舞台にしてますが、主人公たちがいるホテルが独特な雰囲気なので、どこの国のどの時代設定だったかたまに分からなくなりますが、その不思議な感じにハマります!!
また、登場人物も魅力的な人たちでもっと続きが読みたくなります。
原作では少ししか出てない住人たちのお話も有るようですが、ぜひ漫画として読みたいです!
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キーリ、ハーヴェイ、兵長の三人は、キーリの父親だという、教会の最高機関・長老会の第十一老シグリ・ロウの呼び出しにおうじて、首都へと向かいます。これに、長老会のメンバーたちに対する復讐を企てるヨアヒムも加わります。ところが、彼らの乗る列車に、ラボが作り出した化け物が襲いかかってきます。戦いに巻き込まれたハーヴェイは、キーリとヨアヒムを先に行かせることを決意します。
ようやく首都にたどり着いたキーリを迎えたシグリ・ロウは、不死人の殺害を命じラボで醜い怪物を作り出した悪の化身などではなく、妻と娘を捨てて今の地位を得たことの罪悪感に苛まれる、一人の弱い男にすぎませんでした。キーリは父の謝罪をはねつけ -
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別れてしまったベアトリクスの行方を探すため、教区境のバーに滞在していたキーリたちでしたが、兵長のラジオの調子が悪くなります。修理屋に持ち込んだところ、そろそろ寿命かもしれないと告げられます。さらに、ハーヴェイの「核」の機能もしだいに衰え、彼の状態はますます悪くなっていきます。
もしかすると、これまでつづけてきた三人の旅の終わる時が近づいているのかもしれない……そうした考えに襲われたキーリは、ずっとこのまま旅がつづいてほしいと願ってしまい、そんな彼女の思いが、終わることのない旅を続ける死者たちが乗った列車を呼び寄せます。汽車に入り込んでしまったキーリを、ハーヴェイはどうにか元の世界へ引き戻すこ -
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キーリ、ハーヴェイ、兵長は、植民祭中のウエスタベリにやってきます。彼らを迎え入れたのは、ハーヴェイの知り合いのシマンが団長を務める興行団でした。そこには、幼いころのキーリと同じく、霊が見えるために周囲の人びとから孤立しがちな少女ナナがいました。キーリたちは彼女と交流を深め、ナナの心は徐々に周りの人びとに開かれていきます。
そんななか、キーリはまたしてもヨアヒムと出会うことになります。教会の手先として不死人の回収に当たっていた彼は、首都のラボで開発された「核」の模造品を心臓の替わりに埋め込まれていました。そんな彼から、ハーヴェイの」核」がまともに機能しておらず、彼はやがて死ぬことになるという、 -
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物語は、キーリがハーヴェイと別れてから1年半後に進みます。
ベアトリクスと兵長の三人でハーヴェイの帰りを待っていたキーリは、この1年半のあいだにたった一度だけ、ハーヴェイから連絡が来ていたことを知ります。彼女は、駅舎で出会った駅長の霊に背中を押され、たった一人でハーヴェイのいるノースハイロ方面へ向かうことを決意します。
そのころハーヴェイは、有力者の父を持つユーリにかくまわれていました。ユーリは、「門の街」にやってきたキーリを発見します。こうして、ようやくキーリとハーヴェイは再会を果たし、ハーヴェイはキーリとともにこの町を脱出することを決意します。
個人的には、ベアトリクス姐さんのカッコ -
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キーリとハーヴェイ、兵長の3人は「砂の海」の港に滞在していました。そこでキーリは、主人がいなくなっても店を守りつづけている機械人形に捕まりそうになり、ハーヴェイに助けられます。
店から持ち出したロボット・アームをなだめつつ、ハーヴェイたちは「砂の海」を渡る「砂もぐらの生まれ故郷」号に乗り込みます。そこでキーリは、特等船室に乗っているユリウス(ユーリ)という少年と知り合いになります。
ところが、キーリが船内に隠された死者の霊に誘い出され、彼女を助けようとしたハーヴェイたちは船の外に放り出されてしまいます。やがて彼らは、ハーヴェイの古い知り合いであるオル・ハンが船長を務める「砂歩き」号に救出さ