東海林さだおのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
相変わらずの東海林さだお節。細かいことによく気がつく。言われてみればナットクということが多い。それを表現する文章のうまさも相変わらず。
かっぱ巻きの時はよい時/パンダかわいや/背脂チャッチャ七草粥は?/芋けんぴ・WHAT?/鶏むね肉の“向き"/ビビンバはラテンの匂い……。
『ピザが流行り始めたあたりからチーズがとろーっとしてきた。そしていまやとろーり全盛。チーズもこの「とろーり」でもう一生くいっぱぐれがない。
「とろーり」が鉄板の食べ物は、チーズのほかにもう一つある。半熟卵である。出てくるときの様子が好ましい。生卵だと身もふたもなくダラーッと落下するだけだが、半熟卵の場合はおそるおそる出てくる。辺りの様子を窺うように、殻の奥からゆっくり出てきてとろーりと落ちる。こころところに風情がある。満を持して出てきたというヨロコビを感じる。』
シリーズ第43弾!超長寿連載「あれも食いたいこれも食いたい」最新刊!
もくじ情報:かっぱ巻きの時はよい時;パンダかわいや;背脂チャッチャ七草粥は?;芋けんぴ・WHAT?;鶏むね肉の“向き”;凍ったバナナで釘は打てるのか?;葛湯の実力;ビビンバはラテンの匂い;日本の行事 その未来;「そだねージャパン」の「もぐもぐタイム」;「キャベツ蕎麦」に驚く人々;太麺という荒くれたち;「チームかき揚げ」は銅メダル;チャーシュー天ぷらとなる;「ヤワラカーイ」でいいのか;カリカリ梅の孤独;日出たくないのにお赤飯〔ほか〕 -
Posted by ブクログ
読書録「猫大好き」4
著者 東海林さだお
出版 文藝春秋
p222より引用
“ 人間は何をやってもすぐ成果に結びつけ
る。
成果があがらなければ、すべて失敗という
ことになる。
この場合の猫は、成果は最初から求めてな
いのだ。
途中が面白ければそれでいいのだ。”
目次より抜粋引用
“ラーメン店の七不思議
ホームセンターで血が騒ぐ
人生最高の幸せな一日
内臓とわたし
猫大好き”
漫画家でエッセイストである著者による、
日々の出来事を描いた雑誌連載エッセイをま
とめた一冊。同社刊行作文庫版。
ラーメン屋の店主についてから避けて通る
のが難しい病気についてまで、自身による漫
画と共に面白おかしく綴られています。
上記の引用は、猫と人間の行動の違いにつ
いて書かれた項での一節。
猫のような生き方や行動には、多くの人が憧
れるところかもしれませんが、皆が皆猫的に
生きていたら、今の世の中は維持できなさそ
うですね。
p98の西洋人のたこ観の漫画は、実際はど
うかわかりませんが、タコやイカをデビルフィッ
シュと呼ぶ人たちのイメージとして的確では
ないでしょうか。
安定した面白さ。しかし、著者もご高齢の
ためか、病気の話題が多いのも、身近な感が
より増しています。
ーーーーー -
Posted by ブクログ
作家活動歴なんと60年。漫画家にして稀代のエッセイスト東海林さだおの作品の中から選りすぐりの傑作を再編集したもの。
最近、新書でも本書のような氏のエッセイ集が定期的に出版される。それだけ今までとは違う新たな読者層が増えているのだろう。
本書は「ヒマつぶし」という観点から過去のエッセイを厳選したもの。市ヶ谷の釣り堀、はとバス、コインランドリー、キャバレー、ストリップなど。
その中でも以下の2章が絶品であった。
「寅さんの宿」
寅さんが泊まっていたような旅館に泊まってみる、というテーマ。沼津にある「ビジネス旅館川ふじ」への宿泊体験。
「正調温泉一泊作法」
正しい温泉旅行のあり方、教義を考える。根本精神は「たまには温泉に行って、ノンビリしてくっか」。一泊、新幹線で熱海、宿には17時着、和風旅館、宿のレビューショー、射的、芸者、マッサージ。慌ただしく過ごした翌日、朝風呂と朝ビールに真髄を見出す。
いつもは「丸かじり」シリーズばかり読んでいるので、違ったジャンルの氏の作品も面白い。特に紀行ものと相性が良いように思う。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「丸かじりシリーズ」からの抜粋。長寿番組なので、この手の抜粋本が増えてきた。ちょっと損したような、選りすぐりが読まれて楽しいような。実際レベル高いものが多い。
「スパゲッティはむずかしい」「ラーメンスープの残し方」「手塩にかけた焼肉」「おじさん"スタバデビュー"す」「シーハーほじってどこが悪い」「久しぶりの機内食」「味つけ海苔の奮闘」
『定年、などといってショボクレている時代ではない。これから先は第二の人生、でもない。これまでの人生は前座。ここから先の人生こそが本番。これから真打になるのだ。』
『焼き肉は"焼く"過程があってこそおいしい。焼きあがった肉を皿に山盛りにして、いきなり持ってこられてもおいしくない。生の時代から面倒をみて、半生の時代、もう焼けたかなの時代、いやもう少し待ての時代を共に歩んできて食べるからおいしいのだ。』 -
Posted by ブクログ
東海林さだおの食べ物エッセイ。週刊誌に連載されているエッセイを纏めたもので、大変面白く読めた。食べ物に対する著者の流儀、習慣や拘り、エピソードなどを素朴な語り口で紹介し、ユーモア溢れる文章がとても良い感じだ。読んでいて、ひとつ気になったのは「食」に対する著者の細かさだ。一挙手一投足、実に細かく料理や食べ方についてコメントしている。食べ物へのこの拘りは、東京出身者ではないかと思ってプロフィールを見たら、案の定東京の人だった。料理店が多い東京では、作る人も食べる人も拘りが強い印象がある。当然、料理の好き嫌いが激しいのも東京人だ。(これは個人的な感想です)食べ物にはあまり興味は無いけれど、料理の蘊蓄のは大好きだ。料理の好みや拘りで、その人の性格が良く判る。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『グミをグミれば』
『オイルサーディンの恐怖』
『バナナの皮ははたして滑るのか』
『種の話が話の種』
『歯は時代に遅れている?』
『許せ、おから』
『雨の降る日はトコロ天』
『水分を小まめに』
『鰻重っておいしいんだよねー!』
『嫌いは嫌い、好きは好き』
『オリンピックも金目でしょ』
『ナメるな、アイス最中』
『桃はお姫様』
『「ポテチ」の愉快』
『リンゴの煩悩』
『焼き鳥で悩む人生』
『カマボコの厚さは何ミリ?』
『駅弁は縮んでいるのか』
『胡桃の生き方』
『豚肉の脂んとこ』
『悲運!油揚げ』
『モヤシ達は今』
『おにぎりは泣いておるぞ』
『ゴハン一口の犯行』
『芋ってる人々』
『「ヌーハラ」何するものぞ』
最初ヌーハラって聞いたときは何ぞ?
って感じでしたもんね
麺をすする音がマナー違反とか意味わからん!
『雑煮はスープか?』
『金箔を食べると…。』
『銀杏君臨す』
『肉の日所感』
『ン?チョコ焼きそば?』
すごい……チョコ焼きそばまで食べちゃうそのチャレンジ精神!!
ユーチューバーなんかより何年も前から東海林さんは
いろんなことに挑戦しておったのだ!!!!!!
『問題あるぞ恵方巻』
『鯛焼きは倒錯の世界である』
『わが敵アルデンテ』
『ラップの慚愧』
『日本人は忖度疲れ』
バナナの皮で滑るのかどうか実際に実験した作家さんなんて
世界で東海林さだおさんくらいじゃなかろうか
(ほかにもいらっしゃったらごめんなさい)
いくつになっても変わらないその探求心、チャレンジ精神。
見習わなければいけません。
そして、自分の意見はしっかり持ちつつも
新しいものもちゃんと受け入れようとしている
受け入れないときもあるけれど、
何も知らずにいきなり否定するなんてことは決してない
東海林さんみたいな人がいれば、日本はまだまだ
大丈夫だと思える
もはやこの丸かじりシリーズは国民的エッセイ、
日本人なら必ず一読するべき本のひとつに十分数えられるだろう -
Posted by ブクログ
丸かじりシリーズ第40弾。2015年7月から2016年6月にかけて「週刊朝日」に連載されたもの。東海林さだおさんはこの間に 肝細胞がんで手術をしてる。大病しても相変わらずの東海林節。
食べ物ネタに限ったエッセイ、40弾ともなるとあらかたネタは尽きてるはずで、だんだん細部に入っていく。よくそんなことを思いつくなぁと感心する。天才なのか七転八倒して考えているのか。
とりあげた食材では
ナマズ、焼きそば、納豆、ピータン、カップ麺、マッシュルーム、エビフライ、「おーいお茶」、脂身、うどん、数の子、タンメン、魚肉ソーセージ、トウモロコシ、甘いもん、蛤、スパゲッテイ、食パン、豆大福、焼き鳥、ニンニク。
食材以外ではストロー、バラン。
その他、午後一時五分前のエレベーター、かっこむ、辛いもの、腔内の大きさ、料理の音
など。
内容を少し拾ってみると
納豆はネバネバが嫌いという人がいる。それならと洗って食べてみる。甘納豆の納豆みたいになるそうだ。
切ってない食パンを小脇に抱えて、切り口に手をつっこんで食べてみる。
水を含んで腔内の大きさを測る。東海林さんは110mlだそうだ。食べ物は容積によって味がかわるという話。
デパ地下の羊羹などの甘い物コーナーは「早く通り過ぎなさい」「軽はずみで近寄ってきてもらっては困るよ」と言われてるような気がする。
"ブレない人"の評価は高いというフリから、ラーメンとタンメンの比較の話。ラーメンは味噌、塩、醤油、豚骨、背脂などと次々と変わっていくがタンメンは"ブレない人"であり続けた。ぶれないことはいいことなのかどうか。ラーメンとタンメンの比較からそんな教訓まで得る人は少ないだろう。
東海林さんでないと持ちえない視点、表現が一杯で、国宝みたいな人だと思う。