藤本ひとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
藤本ひとみほど、フランスの歴史物をわかりやすく、ロマン溢れる書き方ができる作家はいないと思う。
もう五回くらい読んでいるけど、何度読んでも色褪せない。
フランス革命時に活躍した恐怖政治で有名なジャコバン派のリーダーロベスピエール。
ロベスピエールに心酔し、その思想を純粋に実行しようとするジュリアン。
貴族に生まれながら、ヴァンデ地方の蜂起に加担することになったアンリ。
思想の違いによりアンリと対立する革命軍陣営に身をおかざるを得なかったニコラ。
以上の魅力的な主要人物たちがそれぞれの思惑を持ちながらも、フランス革命という激動の時代を生き抜く。
必死になればなるほど、民衆の求めるも -
Posted by ブクログ
快楽には伏流がある。
読み終わって本の題のつけ方が上手だなって
思っちゃいました。
読んでて事件の進み方がわかっていたのだけど
最後の夫のマイケルまで犯罪に絡んでるとは
最後のあたり来るまで気付かなかった。
親が子を押しつぶす関係。
すごく理解できる関係なので
それが開放してくれる相手は子供にとって神。
だけど神だと思っていた相手は悪魔だったっていう今回のお話。
人間は人によって色んな性癖を持ち
その欲求を満たすのは人それぞれで。
そんな欲求を人として道が外れてしまった時点で
犯罪になっちゃうんだなって。
そして、今回もシャルルはかっこよかった。 -
Posted by ブクログ
15世紀フランスの神の使いを名乗って散っていった有名なジャンヌ・ダルクのお話。
ジャンヌ・ダルクの一生や足跡を追うと言う形ではなく、彼女と同じ名前の娼婦ジャンヌを主人公にして、権謀術数が渦巻く宮廷や、信仰心の厚いジャンヌ・ダルクや、フランス王太子・シャルルの即位に関わる人々の活躍などが描かれている。
まず、主人公がずばりジャンヌ・ダルク、じゃないところが良かった。しかも、神の世界からは汚れた罪人として扱われている娼婦っていう設定が、物語をただの正義の為の戦いの聖戦的な色あいから遠ざけ、物語に幅と深みが加わって読み応えのある作品に仕上がっていると感じた。
彼女の作品を読むたびに、細かい部分までし