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アンリ二世の崩御により息子が即位した歓びもつかの間、母后カトリーヌは嫁の一族に権力を握られてしまう。折しも宗教戦争がフランスを揺るがし、貴族達は熾烈な権力闘争をくり広げていた。その頂点を極めようとするカトリーヌは、老獪な野心家ノストラダムスに策を得て――。激動と破綻の時代を生き抜いた共犯者たちを描く歴史大河ロマン。
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Posted by ブクログ
王妃の一人の母親としての立場をとるか王国の母親としての立場をとるか、苦悩する様子がいたたまれません。忠実な部下達の活躍ぶりとノストラダムスの困難な局面を打破していく小気味良さに最後までハラハラし通しです。
それぞれの理想の形を実現するため類稀なる二人の野心家が激動の時代を乗り切ろうとする姿には深く感じ入るものがあった。 カトリーヌとノストラダムス二人の野心家にはそれぞれの思惑があり、それを成就させるためにはどのような手段も辞さない覚悟で様々な陰謀を企むのだが、二人は利害の一致により協力するのではな...続きを読むく互いの人間性に惹かれあい相手の望みをかなえる助力となろうという、ある意味暖かい想いで冷たい宮廷の中で足掻き始めるのだ。 カトリーヌは幼い頃育った環境のために人を信用できない性格になっていた。そして商家から嫁いで来たということや夫を20歳も年上の未亡人に盗られた事で宮殿での居場所を半ば無くしていた。ノストラダムスも祖父が改宗ユダヤ人だったために家柄に誇りを持てず自身を確固たる存在にするために地位を欲していた。互いに似た部分を見出した事でこれまで誰にも見せた事が無いほど親密な協力体勢を築いた二人。最終的にノストラダムスの望みが叶った事は描写されているのだが、カトリーヌの方はどうなったのか結局判らない。史実を見る限りでは歴史に殺されたというような表現が似合うような生涯を辿ることになるのだが、通説とは違うカトリーヌの姿からはどうしてそのような展開になってしまうのかと想像の翼を広げてしまう。 ノストラダムスの望みはいわば「青い鳥」のようなものだったわけだが、カトリーヌの望みはある意味「永遠」だ。とんでもなく抽象的でしかも対象も大きい。故に叶える事も、叶ったと自覚することも難しいような望み。陰謀渦巻く中世ヨーロッパではこのような似たような望みを持った人間など幾万もいただろうが、ノストラダムスの望みと比較すると哀れに思えてしまう。 結局のところ、歴史上において蛇太后と呼ばれたカトリーヌの望みは叶ったのだろうか。多大な犠牲を払い更には自身の心さえも贄として手に入れた王権はいったい彼女に何をもたらしたのだろうか。そして彼女亡き後に訪れるブルボンの栄光は何を示しているのだろうか。
上巻はともかく下巻は一気に読んだ。 サンバルテルミの虐殺のイメージしかないこの方も人間的に見るとなかなかおもしろいのかも。
下巻。 ノストラダムスは預言者、というイメージより、 お医者さんで星の動きを読める現実主義者 といったイメージのほうがしっくりくるようです。 それにしても、黄道12宮 やっば意味あるなぁ。 へびつかい座 ってどうなったんだろう。 Jul 2009
ノストラダムスの美容とジャムの本、気になる! 調べてみたら邦訳は「ノストラダムスの万能薬」という名前で、原書から英訳の更に邦訳なので抜けもあるようです。 機会があったら読んでみたいなぁ。 1999年に散々予言が話題になって、そう言うイメージだったけどくるっとひっくり返りましたね。 すごい人生を送った...続きを読む人なんだなーと。
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