真珠に注ぐ愛と情熱がとにかくすごく圧倒され、冬美の猪突猛進さに読み手のこちらも登場人物たちもみんな振り回されっぱなし。第二次世界大戦真っ只中にあり困難ばかりが降り注ぎ、親や同級生や同僚などとの悲しい別れも多いのによくぞそこまで道を切り開き自分を突き通し高みを目指せたと感心しきり。狂おしいほどの恋愛もあったり、時代を感じる女への差別なども多く怒涛の展開で読み応えがある。個人的には薫より火崎が好きなので冬美と結ばれることが嬉しかったのだけど、そこはやっぱり藤本ひとみさんでいい男は長生きしない。面白く満足!