あらすじ
聖処女ジャンヌをめぐる野望と陰謀のドラマ!フランス救国の乙女ジャンヌ・ダルクの陰で活躍する娼婦ジャンヌ。激動の時代を生きた二人のジャンヌの運命をドラマチックに描く渾身の傑作歴史長篇小説! 平和は、戦いでしか創れない!神の声に従う処女と野望に燃える娼婦、悪をきわめた将軍たちがおりなす熾烈な歴史絵巻。はたして神は、誰を支持するのか。
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Posted by ブクログ
15世紀フランスの神の使いを名乗って散っていった有名なジャンヌ・ダルクのお話。
ジャンヌ・ダルクの一生や足跡を追うと言う形ではなく、彼女と同じ名前の娼婦ジャンヌを主人公にして、権謀術数が渦巻く宮廷や、信仰心の厚いジャンヌ・ダルクや、フランス王太子・シャルルの即位に関わる人々の活躍などが描かれている。
まず、主人公がずばりジャンヌ・ダルク、じゃないところが良かった。しかも、神の世界からは汚れた罪人として扱われている娼婦っていう設定が、物語をただの正義の為の戦いの聖戦的な色あいから遠ざけ、物語に幅と深みが加わって読み応えのある作品に仕上がっていると感じた。
彼女の作品を読むたびに、細かい部分までしっかりと緻密に組み立てられたストーリー運びの巧さに感心してしまう事、しばしばなのだけれど、そんな彼女の数ある作品の中でも、これは久々の大作だと思った。
ジャンヌ・ダルクそのものを追いかけるような話しではなく、あくまで娼婦・ジャンヌの生きざまを描いており、「娼婦だって人間なんだ」って何度も言っている彼女の何にも負けまいと強く生きていく姿には、胸がジーンとして、最後には感動しました。
泣けてきちゃいました。。。。
私はアンチクリスチャンなんで、ここで描かれているジャンヌ・ダルクにはイライラし、中世のキリスト教がもたらした様々な罪深き事柄は、益々批判的な気持ちを強くしたかな・・・。
敬虔なクリスチャンの方は読まない方がいいかもね。
頭くること、間違い無しでしょう(笑)
Posted by ブクログ
歴史的人物が二人いたと仮定してその二人を通して善と悪を描くとういう手法は、いくつかみかけるが、この本はとてもうまく描かれていると思う。特に聖人とされている方の純粋ゆえの困ったちゃん加減が心憎いと私は思う。
Posted by ブクログ
娼婦のジャンヌダルクと、聖者ジャンヌダルクの話。
聖者ジャンヌダルクの強さは
神への告解が終わっていることが重要とされ、
死をおそれていないこと。
娼婦のジャンヌダルクの強さは
すべて自分の力で道を開き、自分を信じてるところ。
娼婦という仕事を作ったのも神であり、という
娼婦ジャンヌダルクの言葉に・・・・そうだ・・・と思いました。
何が汚いものなのと思うかさえ個人の自由。
信仰心のないわたしには聖者ジャンヌダルクの気持ちは理解しがたいが・・・。
娼婦ジャンヌダルクの生き方にとても惹かれました。
が、あんなに強くかしこくは生きれないなぁ(笑)
どんな生きざまがその人らしく、幸せであるかは
その人自身にしかわからないもので、
想像はできても、決めつけることはできないことだなぁと思う。
最後に、娼婦ジャンヌダルクにはっぴーが訪れたことで
すっきり読み終われましたデス。