くわがきあゆのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サイコパスミステリー
十 がポイント? 二にいきなり「杏」登場する?
日野原杏の好きな先輩、千秋正志と樹里の関係
樹里と付き合っていた、城下が、
「愛とは、ああいうものだ。鋭く熱い、焼けた釘のようなもの。それを丑の刻参りよろしく胸にぶつけ、肉を抉ってこそ、相手に愛は伝わる。」人の捉え方が独特、言葉の使い方が独特、憎しみが愛情に、喜怒哀楽が、独自で、文章表現が興味深い小説。言葉の暴力装置。
狂気が加速する驚異のどんでん返し!
千秋正志と職場の後輩の日野原杏――
二人の物語が交錯したとき
世界は一変する
「愛情の反対は憎しみではなく無関心である。 」──マザー・テレサの発言として広まった言葉
一年前 序 「ちーちゃん」
千秋、「ちーちゃん、「あ、萌香」
一
倉橋萌香の訃報
二
職場の後輩の日野原杏、一方的に解雇、 結婚式と披露宴に参加した杏が、──萌香は、俺のだろ。
三
「あの人は小野寺さん。彼が萌香を殺した公算が高いのだから。千秋に「キモいんだよ」と暴言を吐いた男性店員、榊にはアリバイがあったのだ。城下という名前らしい。萌香と付き合っていたらしい。
ビニール袋に入った注射器だった。
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(あらすじ)
ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見された。必ずや犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく。一方ブラック企業に勤める杏は、上司のパワハラに苦しみながらも優しい先輩に心惹かれていた。しかし、先輩が同僚と付き合っているかもしれないという疑念から嫉妬が渦巻き……。※『焼けた釘』(産業編集センター)を改題・文庫化
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Posted by ブクログ
読んでいる途中で、そういえばこの先生の作品のか弱そうな人はか弱くないわってことを思い出した。先生と罪を読んだ時のどんでん返しが印象に残っていて、その傾向が感じられた。
作品の評価に関していえば、まあそこそこってところになるので、それよりは主題であろう搾取される側とする側のことについて考えたい。檸檬が比喩として登場しますが、この作品には命を取られる立場と取る立場が様々な種類で登場します。しかし、搾取される側は抵抗しないからそうなっているのであって、意志を持って行動すれば、その立場を脱することができるのだと言っていると感じた。 中々な答えではあるが、人も棘のひとつやふたつは持てということでしょうか。 -
Posted by ブクログ
周防の言葉が途切れた。皺だらけの顔を俯ける。
薬師は悟った。人は激しく絶望した後、その痕が皺になって顔に残ることを。
時間が経過して、笑ったり泣いたりと表情を取り戻すことはあっても、絶望の痕は一生顔から消えない。その彼は心にも同じように刻まれているに違いない。
だが、生きていて楽しいと思ったことは一度もなかった。
なぜ周りがあれほど楽しそうに笑いさざめきながら生きているのか、まったく理解できなかった。今まで人並みにいろいろなものを見てきたはずだが、金にも物にも立場にも人間にも、心を惹かれたことはなかった。今生きているのは単に、朝起きた時にまだ死んでいないから、食べて寝て一日を過ごしているだけだ。生理的欲求以外に何かをしたいと思ったことがなかった。
生きがいという言葉は知識でしか知らなかった。
薬師はついに生きがいを実感した。
彼は、人の絶望の表情を見ることに深い喜びを覚える男だった。
なぜかはわからない。ただ、人の絶望する顔がうれしくて楽しくておもしろくてたまらない。
すべては光の引き起こした復讐の泥沼だった。
彼女に不用意に近づいた自分もそこに引きずり込まれてしまったのではないか。
薬師は頭から血が引いた。自分は絶望の傍観者でなく、彼女に絶望させられる側に回ってしまったのではないか。
嘘だろ。嘘だ。ふざけるな。
喚き散らしたくなる一方で、今の自分の顔を鏡に映して見てみたいと思う、妙に客観的な自分がいた。
きっと今の自分の顔は、鑑賞するにはさぞかし理想的な形に歪んでいるに違いないから。 -
Posted by ブクログ
痛い人たち
タイトル、表紙から思わず笑ってしまったが、作家は「くわがきあゆ」なので恐らくとんでも無いことになるだろうなぁと期待した訳だが、ある意味でそれさえ大きく飛び越えて作家の世界観に引きずり込まれてしまった。
主人公が矢場北太郎という売れないお笑い芸人。彼が何度も死体の第一発見者になってしまい、更には自身の芸人としての境遇も照らし合わせながら彼の成長や変化、葛藤を物語にしている。
読者としては、きっと誰かしらのお笑い芸人をイメージしただろうし、更にはイメージした人物が今回の様な人生を経験していると想像するととても面白い。
ジャンルとしてはコメディ要素ありのミステリーで主人公の矢場さんも名前の通りヤバいし、登場人物はほとんどが痛い。矢場は結婚しており(少し痛さが薄れた)、唯一の救いが奥さんがまともだという事である。かれは周囲にはとても恵まれていて、妻、親友、後輩等彼を思ってくれている人は沢山いる。しかし、とある部分からサイコパスな連中が現れて(くわがきイズムといったら怒られるだろうか)痛い連中が次々と本性を表す。どうせなら全員痛くても面白そうなのになぁ(笑)などを考えつつも、最後までとても楽しく読み進める事ができた。
矢場さんは最後とんでもない事が起きそうだ。また、妻の決断は読者としては許してやれよー。という寂しい気持ちになった。プロットが斬新であり登場人物がコメディアンというのも世界観にとてもあっていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『カエル男』ロスによって生気を失ってしまった私が新たなシリアルキラーとの邂逅を果たすために本書を手に取った。
そこでいま一度考えたのだ。そもそもシリアルキラーの定義ってなんなんだろう?
私個人が思うに、犯人の最終目的が「殺人」ではないことなのかなと。あくまでも結果的に「殺人」になっちゃうだけで。だから殺人に至る論理としては理解できなくもないんだよなー。でも「殺人」のことをなんとも思ってない当たりは全員に共通しておかしなところだから当然常人には理解されないんだけども。
そんなイカれた連中が5名の作家さんによって命を吹き込まれ、多種多様なそれぞれの目的のために殺人を犯す。たまらんね。
いくつか途中で全然シリアルキラーじゃないじゃん! と思わせる作品もあると思うけど、それは作家さんの巧みな技術によるところでなのでみなさんご安心を。間違いなくみんなシリアルキラーだよ^^
同じシリアルキラーを描く作品という中で、それぞれの作家さんの色が明確に出ているのはさすがの一言。
収録されている5作品の中で私は特に櫛木理宇先生の『テキストブック・キラー』が好み。最近『嗤う淑女』シリーズを読んだ影響なのかしら。
『カエル男』で失ったシリアルキラー分も十分に補給できたので、少し穏やかな世界に舞い戻りたいと思います。さて、次は何を読もうかな。