くわがきあゆのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
面白かったのは、各作家が描く殺人鬼たちが、それぞれ**自分の信念や“筋”**を持っているところ。
ただそれは立派な「ルール」というより、自分を正当化するための言い訳にも見えて、その危うさが怖かった。
怪物になりきれないからこそ、言葉で理屈を作って“人間の形”を保とうとする――でもその理屈が、狂気を長持ちさせてしまう感じがある。
そして何より、怪物がふと見せる人間性を感じた瞬間に、「これは特別な誰かの話じゃなく、誰でもなり得るのかもしれない」と思ってしまう。その距離の近さがいちばん恐ろしかった。
改めて、シリアルキラーという題材はアンソロジーとの親和性が高いと思った。怖さの種類が作家ごとに変わる -
Posted by ブクログ
題名に惹かれて購入。
サイコパスが必ず物語に登場する短編集。どのサイコパスも新たな欲求に目覚めるきっかけだったり数字へのこだわりみたいなのが強く出ていて共感は出来ないがきっかけは突然起こることもあるんだなと思い、誰にでもきっかけはあると思うと怖かった。
どれもそれぞれの著者の良さがあり良かったが、木爾チレンさんとくわがきあゆさんの短編集が良かった。
⭐︎木爾チレンさん 『脳JILL』より
「欲求というものは、一度、上を知ってしまうと、もうそれ以下では満足できなくなるんです。」
→本当にそうだなと共感。上を求めればキリがないないし終わりがないなと思った。
⭐︎くわがきあゆさん 『私の伴侶』より
-
Posted by ブクログ
「小説推理」に掲載された4編と結城真一郎氏の書き下ろし。
人気作家の人殺し(*☻-☻*)
「シリアルキラー vs 殺し屋」阿津川辰海
派手な対決ものに見えるのに、
「技術」と「倫理」の差だったり。
やっぱりプロはプロ。といったところでしょうか。
「脳JILL」 木爾 チレン
チレンさんぽさを安心して味わえる“人殺し”
という感じがします。
この文体の軽妙さと心理の深さの
高低差が魅力。
「テキストブックキラー」櫛木理宇
短編なのにハッとしてグッとくるなあと思ったら 櫛木さんでした。
“殺人”書いたら際立つものがあります。
「私の伴侶」くわがきあゆ
自殺の名所の崖の上。
止められぬなら落 -
Posted by ブクログ
竜守令祥は、職場の工藤三鷹に憧れ、持ち物、喋り方等を真似し始め、それは徐々にエスカレートしていく。
そして、とうとう殺人が起きてしまう。
ストーカー被害による事件として、捜査が始まり、被疑者の過去が徐々に明らかになる中で、次々に不可解な事実が浮かび上がってくる。
といったあらすじ。
同性愛かと思いきや、その人自身になりたいという欲望のもとに次々と行動がエスカレート。サイコパス感が凄くて、どんな展開になるのか序盤は物語に惹きつけられてしまいました。
過去編と刑事の捜査により、徐々に被疑者のことが明らかになってきますが、思いもよらぬ動機に、恐怖を感じました。
でも、絶対にあり得ないとはいえな -
Posted by ブクログ
愛情の反対は憎しみではなく無関心である。
──マザー・テレサの発言として広まった言葉
『らしさ』全開の本作。
装丁の美しさとは対照的な猟奇性、サイコパス、狂愛。
スパイス×スパイスが彼女の作品の常套句とも言えますよね。
ホント、どうしてここまで歪ませられるのか…と。
そして『愛は受け取るものではなく与えるもの』という解釈を、サイコパスが行うとこんな結末か…。
くわがきあゆ作品の真骨頂なんでしょうね。
“混ぜるな危険”的な作品を毎度ありがとうございます。
・
・
・
・
・
『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作
『レモンと殺人鬼』著者のデビュー作が、待望の文庫化!
狂気が加 -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖かったよ〜〜〜!!!ずっと怖い怖いと言いながら読んでいた。
理央が殺されるのかな、と思ってたらまさかのそっち〜!?でも蓋を開けると行動原理は首尾一貫していて、納得感はあるけど、だからこそ怖い!
しかも最後のオチが、なんだか第二のハンニバルのように思えて末恐ろしい。
文庫版になるにあたってタイトルが変わったという。確かに最初に受ける印象は「美しすぎた薔薇」の方が良いのかもしれないが、読み終えた今は、改題しない方が良かったんじゃないかなーというか、タイトルの意味が物語の軸を語っている感じがしてしっくり来たというか。
兎にも角にも、怖かった!人間こわい!!