くわがきあゆのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さすが、くわがきあゆさん!
登場人物のイカれ具合がこの作品もとても効いています。
主人公のイカれ具合がかなり序盤に明かされたので、その心理が文字としては読めても理解ができないので、前半は読み込むのに苦戦しました。
ただ、後半が怒涛に展開が変わるので、とても読み込みやすかったです。
なぜ千秋が萌歌の格好をして出回ったのか、できるだけ、素性を明かさないよう動き回ったのか
睨んできた榊は何だったのか等々
後半で、伏線回収されるのは気持ちいいです。
くわがきあゆさんの作品は、ラスト展開で、主人公が自分の気持ちに正直に(もともと正直ですが、、)なにかに吹っ切れたように新しい人生を歩み、明るい未来が待っている、といった描かれ方をされるのが、主人公の周りの関係者との対比を思うととてもゾワゾワします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯に書いてあった通り、騙されたー。
前にも、ずっと年配の男性と思って読んでいた人物が実は若い女性だったり、大学生ぐらいを想像して読まされていた人物が実は小学生の男の子だったり、騙されたー、な展開の本は読んだことがあったけど、また騙されてしまった。
途中までは愛情表現の捉え方が異常な女性が主人公なのだなと思って読んでいた。
途中で、姉を殺したのかもしれない杏という女性が出てきて、あまり共感できない登場人物の多い作品だなーという印象。
と、思ったら「レモンと殺人鬼」の作家さんだただのね。
ほんとにこの人の作品は登場人物の誰にも共感できなくて、やばいサイコパスばっかり出てきますねー。
どんでん返しも、この作家さんならなるほど!わかります。
最初は「あ、杏は姉を殺してはいなかったのか。実はいい人物だったのね」の部分が軽い意外性。
そして、一番のビックリは千秋が男性だったこと。ほんと、騙されたー。
さらに、杏の憧れの先輩が千秋だったことが二番目のビックリ。
結局杏は死んでしまった。
愛しすぎて千秋が殺してしまったのかな。
愛する対象を殺さないと言ってたはずなのに。
千秋も死んでしまったのかしら。
意外性はとてもあってビックリ!な展開で最後は一気に読んでしまいました。
ただ、どの人物にも共感できるようなところはなく、心動かされるような作品ではなかったです。
一番可哀想だったのは萌香だな。 -
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面白かったのは、各作家が描く殺人鬼たちが、それぞれ**自分の信念や“筋”**を持っているところ。
ただそれは立派な「ルール」というより、自分を正当化するための言い訳にも見えて、その危うさが怖かった。
怪物になりきれないからこそ、言葉で理屈を作って“人間の形”を保とうとする――でもその理屈が、狂気を長持ちさせてしまう感じがある。
そして何より、怪物がふと見せる人間性を感じた瞬間に、「これは特別な誰かの話じゃなく、誰でもなり得るのかもしれない」と思ってしまう。その距離の近さがいちばん恐ろしかった。
改めて、シリアルキラーという題材はアンソロジーとの親和性が高いと思った。怖さの種類が作家ごとに変わるぶん、“闇の食べ比べ”みたいに読めてしまう。
さらにタイトルの『人殺し日和』がまた怖い。殺人が特別な出来事じゃなく、天気のいい日常にすっと紛れ込むような感触があって、読後にじわじわ効いてくる。
短編で楽しんだ後、じっくり各作家さんの作品も読んでみたくなる一冊だった。 -
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題名に惹かれて購入。
サイコパスが必ず物語に登場する短編集。どのサイコパスも新たな欲求に目覚めるきっかけだったり数字へのこだわりみたいなのが強く出ていて共感は出来ないがきっかけは突然起こることもあるんだなと思い、誰にでもきっかけはあると思うと怖かった。
どれもそれぞれの著者の良さがあり良かったが、木爾チレンさんとくわがきあゆさんの短編集が良かった。
⭐︎木爾チレンさん 『脳JILL』より
「欲求というものは、一度、上を知ってしまうと、もうそれ以下では満足できなくなるんです。」
→本当にそうだなと共感。上を求めればキリがないないし終わりがないなと思った。
⭐︎くわがきあゆさん 『私の伴侶』より
→人を救おうとする老人と人を掬う男性を掛けているのが上手いなと思い良かった。 -
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「小説推理」に掲載された4編と結城真一郎氏の書き下ろし。
人気作家の人殺し(*☻-☻*)
「シリアルキラー vs 殺し屋」阿津川辰海
派手な対決ものに見えるのに、
「技術」と「倫理」の差だったり。
やっぱりプロはプロ。といったところでしょうか。
「脳JILL」 木爾 チレン
チレンさんぽさを安心して味わえる“人殺し”
という感じがします。
この文体の軽妙さと心理の深さの
高低差が魅力。
「テキストブックキラー」櫛木理宇
短編なのにハッとしてグッとくるなあと思ったら 櫛木さんでした。
“殺人”書いたら際立つものがあります。
「私の伴侶」くわがきあゆ
自殺の名所の崖の上。
止められぬなら落としてしまおうか。
落ちてしまったご遺体を拾うもあり。
「ご乗車の際は」結城真一郎
女郎蜘蛛を愛でる男は、殺す条件を常備するタクシードライバーとなる。巣を張ったつもりが同種の人間に乗り込まれる。
なんとなく 最初の数ページが道尾さんに似ている気がした。
技術的な殺人、殺人の思考、殺人との関係性
殺人者の反転と 皆さん殺人へのアプローチを変え楽しませていただきました。 -
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竜守令祥は、職場の工藤三鷹に憧れ、持ち物、喋り方等を真似し始め、それは徐々にエスカレートしていく。
そして、とうとう殺人が起きてしまう。
ストーカー被害による事件として、捜査が始まり、被疑者の過去が徐々に明らかになる中で、次々に不可解な事実が浮かび上がってくる。
といったあらすじ。
同性愛かと思いきや、その人自身になりたいという欲望のもとに次々と行動がエスカレート。サイコパス感が凄くて、どんな展開になるのか序盤は物語に惹きつけられてしまいました。
過去編と刑事の捜査により、徐々に被疑者のことが明らかになってきますが、思いもよらぬ動機に、恐怖を感じました。
でも、絶対にあり得ないとはいえない動機。
言葉は一度口を出てしまうと、回収できません。軽はずみな言動は思いもよらぬ結果を招くかもしれない。
自分の言葉に責任を持たなければいけないと思いました。
そして、その動機についてもしっかり伏線が散りばめられていました。全然気づかなかったなー。再読したら、もっと伏線に気づくことができるのかもしれません。
物語の終わり方が、私好み。
背筋を凍らせる終わり方でした。
読み終えた後、物語の先を一人で妄想しました。 -
Posted by ブクログ
愛情の反対は憎しみではなく無関心である。
──マザー・テレサの発言として広まった言葉
『らしさ』全開の本作。
装丁の美しさとは対照的な猟奇性、サイコパス、狂愛。
スパイス×スパイスが彼女の作品の常套句とも言えますよね。
ホント、どうしてここまで歪ませられるのか…と。
そして『愛は受け取るものではなく与えるもの』という解釈を、サイコパスが行うとこんな結末か…。
くわがきあゆ作品の真骨頂なんでしょうね。
“混ぜるな危険”的な作品を毎度ありがとうございます。
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『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作
『レモンと殺人鬼』著者のデビュー作が、待望の文庫化!
狂気が加速する驚異のどんでん返し!
千秋と杏──
二人の物語が交錯したとき
世界は一変する
(あらすじ)
ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見された。必ずや犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく。一方ブラック企業に勤める杏は、上司のパワハラに苦しみながらも優しい先輩に心惹かれていた。しかし、先輩が同僚と付き合っているかもしれないという疑念から嫉妬が渦巻き……。
※『焼けた釘』(産業編集センター)を改題・文庫化 -
Posted by ブクログ
ネタバレ怖かったよ〜〜〜!!!ずっと怖い怖いと言いながら読んでいた。
理央が殺されるのかな、と思ってたらまさかのそっち〜!?でも蓋を開けると行動原理は首尾一貫していて、納得感はあるけど、だからこそ怖い!
しかも最後のオチが、なんだか第二のハンニバルのように思えて末恐ろしい。
文庫版になるにあたってタイトルが変わったという。確かに最初に受ける印象は「美しすぎた薔薇」の方が良いのかもしれないが、読み終えた今は、改題しない方が良かったんじゃないかなーというか、タイトルの意味が物語の軸を語っている感じがしてしっくり来たというか。
兎にも角にも、怖かった!人間こわい!!