あらすじ
愛がまねく、予測不能な結末。
捜査一課に配属されて間もない刑事・静川涼吾の全神経は、完黙を続ける容疑者を前に、極度に張り詰めていた。本当にこの男が殺したのだろうか…。誰の記憶にも残らないような、おとなしそうなこの男が。
──事の発端は同僚殺害容疑だった。やがて、すでに事故として処理されてきた複数の事案がつながり始めた。真実が明らかになるほどに、いよいよ深まっていく謎。容疑者が落ちない理由を知った静川は…。
人間心理の深淵を描く、震慄のサイコサスペンス!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
二転三転する展開に目が離せなかった。醜悪な人間模様をひたすら見せられ、その背後で起きている殺人とどう結びつくのか欠片も想像できなかった。
結末に関しては見事としか言いようがない。想像が出来なかったし、予想の範囲外のそのまた外から攻められた。二転三転などという生易しい回数でなく、何度もひっくり返った。結末に関しては「あぁ……」とため息が漏れた。人とはなんと不気味で、不快で、そして興味深い生き物なのか。
Posted by ブクログ
何かに夢中になったり、アイドルの推しにときめいたり、誰かをとてつもなく愛したり・・・
それは、とっても素晴らしいこと。
だけど、あまりにものめり込みすぎて、ストーカーになったり、犯罪に陥ってしまっては、
もう人生は悲惨なものになる。
小説の登場人物に、いつもなら感情移入してしまうが、
この小説はとんでもない!
ぜんぜん理解できない!
ラストには、もう驚愕しかない!
Posted by ブクログ
とにかく凄い、そして恐い。
予想外の展開といったい何なのだ、この人たちは…と呆然とするほどの強烈な個性の輩が次々と出てくる。
完黙を続ける殺人事件の容疑者は、工藤三鷹。
被害者は、竜森令祥で彼は工藤に憧れてすべてにおいて彼と同じでなければ気がすまないと異常なほど執着し、工藤のストーカーとなる。
ありえないほど強烈な行動である。
同一人物になりたがるという、ある意味狂気すら感じた。
工藤三鷹の元彼女は、性格が悪くて工藤を顎で使い、自分の意のままに操っていた。
ここまでの悪女、今もいるのか?と思うくらいの性悪である。
だが大きな事件に進展することなく工藤とは別れる。
あんなに執着していたのにも関わらず、彼女の髪型が変わっただけで…。
もう一人の被害者は、モトキ亭の元木春菜である。
工藤三鷹は、彼女とは気もあっていたと思っていたが、たったひとことの発言が彼の逆鱗に触れた。
ずっと完黙を続ける工藤の過去を探ると彼の身近な人たちが、亡くなっていたり、行方不明だったり。
いったい、彼はどんな人間だったのか…
知るにつれて、過去が明らかになるにつれて、
しばし呆然となる。
そして、ラストでまたもや、ぞぉ〜っとなる。
これは、いったい何なのだ。
慄く、とはこういうことか。
Posted by ブクログ
初読みの作家さんです。
面白かったです。
竜守令祥(たつもりれいしょう)28歳は、新しい勤務先の2歳年上のSE工藤三鷹に憧れを持ちます。
竜守は決して同性愛者ではないのですが、同性に憧れたのはこれが初めてではありません。
とにかく憧れの対象者である、三鷹の真似をします。
服装から生活スタイル、口癖、同じ意見を発言したり整形クリニックを訪ねるまで。
竜守は三鷹に彼女がいないのを確かめ、ついには同じマンションの隣に引っ越します。
三鷹には恋人はいませんが、一方的に慕っている女性、鏡原理央がいました。理央もまた酷い性格だと思いました。
その場を盛り上げるためには人の私生活をなんとも思わずに暴露してしまうことが日常茶飯事で多くの恨みを買っていました。
と、ここまで書きましたが、これは竜守の物語でも理央の物語でもないのです。
主役は別にいます。
竜守は前半で、すぐに殺されてしまいます。
他にも竜守を殺した犯人は何人も殺しているという、嫌疑がかけられています。
これは一体どういうことなのだろう思って読んでいくと、犯人の殺人の動きに関わる人物が見えてきます。
それがこの作品のタイトルの初めて会う人です。
何とも説明が難しいのですが、犯人はその人物の為に、すでに何人も殺しています。
取り調べをした刑事も取調室で犯人に殺されます。
以下、ネタバレですので、これから読まれる方はお気をつけください。
私は男性に聞いてみたいです。
○○○○ってそんなに大事ですか。
○○○○を守るためなら暴力を振るったり、人を殺したりしますか。
私だってとても大事だけど、人は殺しません。
Posted by ブクログ
あっという間に読み終わってしまった。とんでもない人間が何人も出てきて、小説家は想像力や観察力がすごいなと当たり前の感動をしてしまった。1人の人物に対して、何人かからの視点で話が進んでいくので、短編集のような感覚もあった。同じ人物なのに、関わる人によって全く違う人間になるのが現実でも同じだと改めて認識した。それは常に人と関わる上では忘れてはいけないと思う。最後の最後に連続で、うわーってなった。大満足の伏線とどんでん返しのミステリーだった。タイトルも伏線か!
・「この人はどうしてこう、この人らしいのだろう」
Posted by ブクログ
くわがきあゆさんの作品は初めて読んだけど「この人の話好きかも〜」と思いました。
理解不能なヤバい人が出てきたと思ったら、そんなの全然序の口でした笑
読みやすいし、
こんな人近くにいてほしくなーい!でも読者として外から見る分にはゾワゾワ楽しめて、
あっという間に読み終えました。
でも誰かに勧めたい話ではなかったけど
いやー、これ、現実世界にもこんな感じの人がうようよいたら大変ですね
Posted by ブクログ
もう
結末がどうなるのか
気になって気になって…
「レモンと殺人鬼」ほどの衝撃はなかった
残念
でも
狂人を書かせたらピカイチの方
とにかく
新作が出たら必ず必ず読ませてもらいます!
匿名
お前もかい
結末で、お前もかい!!と思わず心の中でつっこんでしまいました。
作品全体としては、複数の登場人物の視点が変わり、なるほどね、と思いながらサクサクと読めました。
最後はじわっと人の嫌な部分を感じたというか、なんかなぁ〜……という感じでした。いい意味でです。
最終的に一人だけ幸せを見つけたかのような終わり方でしたが、それ以外の人達はきっと不幸な思いをしたんだろうと思います。
妙な虚しさがあり、私の好みの作品でした。
Posted by ブクログ
どんでん返しが好きで口コミなどを見て購入
登場人物、ほぼ全員がやばい
思考を理解できないままにどんどん話が進んでいき、読む手も進む
最後もしっかりまとまるが、やはり同調はできない
どんでん返しといえばどんでん返しだが、胸糞悪い系かな、、
Posted by ブクログ
これは、とにかく嫌な気分にとことんなりたいときに読むことをおススメします。(そんな時あるのかな?)
第1章は、工藤三鷹になりたい竜守の話。読んでいても竜守のことが全く理解できないし共感ポイントゼロすぎて、イライラしっぱなし。
第2章は、工藤三鷹に好意を寄せられている理央の話。他人を攻撃し笑いものにし気づ付けまくっているのに、まったく他人の心が分からない上に気にもしてないし、自分ではいいことをしていると思っている女。これまた全く理解できないし共感ポイントゼロすぎて、イライラしっぱなし。美容室のさっちゃんが心配。
その後の章は、工藤三鷹の話。完全に壊れていてすごい。
そして、最後のオチは刑事。いやずっと違和感はあったんだよね。最後納得。うちの夫がこんなじゃなくてホント良かった。
Posted by ブクログ
最後まで面白かった。
理央には自分の悪さを知って欲しかった。あと美容師のさっちゃんのこととか…どう思ってたん?さっちゃんは。
登場人物の全員の事をもっと深く書いてほしかったー。
Posted by ブクログ
先が気になって一気読み
ストーカーの話かと思ったら…
愛しさもほどほどが一番
ここまでくると狂気。
ってか、工藤だけかと思ったら…
お前もか…
しかし、理央はほんと嫌なヤツ
Posted by ブクログ
愛が引き起こすサイコサスペンス
憧れの先輩、工藤三鷹を完コピしようとした童守令祥、工藤が追い求める鏡原理央との関係の崩壊と元木春菜の出現。
元木春菜が何者かに殺害され、その事件を追う静川涼吾とベテランの梨野康宏。
工藤の鑑捜査から、彼の周辺で起きた数々の変死、事故が明らかとなり、品行方正な人物から想像もできない真実が見えてくる。
なかなかの気持ち悪い文章と人物描写にゾクッとする。
終わり方もまたしかり
Posted by ブクログ
胸がザワザワする偏愛サイコサスペンス。
登場人物がみな恐ろしい。
同じ会社で働く二歳年上の上司に憧れ、何から何まで模倣し続ける後輩。
持ち物のみならず表情や言動ひとつひとつまで。
どんどんエスカレートしていくさまはストーカーを通り越して狂人のよう。
また他人の心の痛みに無頓着で自分大好き女子も不気味だ。
自分の何がおかしいのか全く気付かないのは、想像力の欠如なんて生易しい言葉では片づけられない。
彼らの行動を通して浮き彫りになるのは主人公の偏執的な愛情。
そして新たに出現する狂人。
タガが外れた瞬間の感情の爆発に戦慄する。
Posted by ブクログ
癖の凄い登場人物ばかりが登場する中、これをどうまとめてどんな結末にするのか夢中で読み進めましたが…多少ツッコミどころがあるものの、伏線の散りばめ方、読後感どれも素晴らしかったです。
読破後、タイトルの意味に気付いた時やられた!と衝撃を受けました。
Posted by ブクログ
読み終わって本のタイトルを改めて見ると、うわ~と思う。愛情と狂気という言葉も同時に浮かんできた。想像していた以上に怖かった。
憧れの先輩の真似をする令祥の暴走っぷりもまあまあ怖い。
自分が衆目を集めるためなら人の秘密も暴露する理央は怖いとまではいかないが、絶対に周囲にいてほしくない人物。
それを凌ぐ怖さが、殺人事件を起こした犯人だ。
さらにラストで意外な人物がこれまたサイコパスぶりを顕にし、物語は恐ろしい幕を閉じる。続きが書かれてなくて良かったとちょっと安堵(笑)。
犯行の理由がこれまた凄い。かなり犯人狂ってるとは思うけど納得というか、被害者の立場で読むと本当に余計なことは言うべきじゃないなぁと思う。
自分の何気ない一言が誰かの琴線に触れるなんて予測できないから。
身近にもいるかもしれないから、誰かの悪口を言いたくなったときはくれぐれも気をつけなくては。(はじめから言わなきゃいいんだけどね。)
Posted by ブクログ
くわがき先生の小説の登場人物はほぼみんな常人じゃないと学びつつ、今回は主人公がまともそうだったので1話ごと出てくる登場人物の異常さに辟易してたら最後に主人公もやはりおかしかったので、お前もかい!て思わずツッコんじゃったしくわがき先生も期待を裏切らなかった(笑)
Posted by ブクログ
大好きなくわがきさんの本だ!と思い手に取りました。
なんか前半はだいぶ眠たいな…とのめり込めず。中盤の理央の話から面白くなり、何々どうなるんと引き込まれいき、最後うえーーーと胸糞でした… さすがですくわがきさん。
Posted by ブクログ
捜査一課に配属されて間もない刑事・静川涼吾の全神経は、完黙を続ける容疑者を前に、極度に張り詰めていた
本当にこの男が殺したのだろうか…
というところから話が始まります
結論から言うと殺しちゃったんですよ
この男、工藤三鷹が会社の後輩の竜守令祥を
取り調べを続けていくとさらに新事実が
竜守令祥の他に喫茶店店主の女性を殺害した容疑も
さらにさらに、昔の勤務先の社員が不審死を遂げていたり
さらにさらにさらに、地元で彼に関係する複数人が事故死を遂げていたり
さらにさらにさらにさらに、父親までも!
これまた結論を言うとぜーんぶ殺してるんですよ、工藤三鷹が!
殺しすぎでしょ!
工藤三鷹はサイコパスなのか…!?
と思っていたときに…
殺害の動機が分かり驚愕!
お前、究極の◯◯◯◯野郎のかよ!ってΣ(゚Д゚)
ある意味、サイコパスより怖いかも…
そして、事件解決!
はい、終わりっていう最後の最後でまさか…
涼吾、お前もかよ!
ってさらにビックリ(゜o゜;