あらすじ
竜守令祥(たつもりれいしょう)は、転職先で教育係となる工藤三鷹(くどうみたか)との衝撃の出会いを果たす。その容姿、能力、所持品までもが憧れであり、全てを真似る日々が始まる。だが、その「執着」は殺人への幕開けだった。ストーカー被害の顛末と考えられるなか、やがて、被疑者となった男に関わる不可解な事実が次々と浮かび上がる。――『レモンと殺人鬼』で注目の著者が描く、究極のサスペンス! 『初めて会う人』改題。(解説・大矢博子)
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Posted by ブクログ
美しすぎた薔薇は一体誰なのか。
くわがきあゆワールドの人物は何故こうも癖が強いのか。
歪んだ価値観をあたかも平然と押し付けてくる登場人物にドキドキしてしまう。最後の最後まで読み手に裏切り感情を抱かせるなんて。
薔薇の棘で出来た傷さえも愛おしい。私の狂気の、根底はただそれだけ。
Posted by ブクログ
いやはや脱帽。
出てくる人、みんな異常。それはこれまでの作品で何度も味わっていたので今回も同じテイストで胸糞と思いながらも読み進めた。何となくの展開が読め、またそれほどどんでん返しでもなく「あれっ、こんなもんか」と思ったのも束の間。「跋」の破壊力たるや、凄まじい。これは再読必須。
Posted by ブクログ
竜守令祥は、職場の工藤三鷹に憧れ、持ち物、喋り方等を真似し始め、それは徐々にエスカレートしていく。
そして、とうとう殺人が起きてしまう。
ストーカー被害による事件として、捜査が始まり、被疑者の過去が徐々に明らかになる中で、次々に不可解な事実が浮かび上がってくる。
といったあらすじ。
同性愛かと思いきや、その人自身になりたいという欲望のもとに次々と行動がエスカレート。サイコパス感が凄くて、どんな展開になるのか序盤は物語に惹きつけられてしまいました。
過去編と刑事の捜査により、徐々に被疑者のことが明らかになってきますが、思いもよらぬ動機に、恐怖を感じました。
でも、絶対にあり得ないとはいえない動機。
言葉は一度口を出てしまうと、回収できません。軽はずみな言動は思いもよらぬ結果を招くかもしれない。
自分の言葉に責任を持たなければいけないと思いました。
そして、その動機についてもしっかり伏線が散りばめられていました。全然気づかなかったなー。再読したら、もっと伏線に気づくことができるのかもしれません。
物語の終わり方が、私好み。
背筋を凍らせる終わり方でした。
読み終えた後、物語の先を一人で妄想しました。
Posted by ブクログ
この本の作者の他作品を読んだことのある人ならわかるけど登場人物全員がどこか変わった執着や性格をしています。それをうまく使いながら毎回予想できない結末を迎えていてすごく面白かったです。
Posted by ブクログ
怖かったよ〜〜〜!!!ずっと怖い怖いと言いながら読んでいた。
理央が殺されるのかな、と思ってたらまさかのそっち〜!?でも蓋を開けると行動原理は首尾一貫していて、納得感はあるけど、だからこそ怖い!
しかも最後のオチが、なんだか第二のハンニバルのように思えて末恐ろしい。
文庫版になるにあたってタイトルが変わったという。確かに最初に受ける印象は「美しすぎた薔薇」の方が良いのかもしれないが、読み終えた今は、改題しない方が良かったんじゃないかなーというか、タイトルの意味が物語の軸を語っている感じがしてしっくり来たというか。
兎にも角にも、怖かった!人間こわい!!
Posted by ブクログ
冒頭から引き込まれて スルスルと読めた…
終わりに近づくごとに失速。
あぁ、そうだったのか!!と思う反面、なんだ、そうなんだ…。と。
でもそんなものだよね。原因なんて もとはくだらないことが発端だったりするもんね。
…くだらないなんて言ったら 私がやられちゃうか。
Posted by ブクログ
やはりくわがきあゆさん!
方向性は違えどやばい人しか出てこない。
行き過ぎた憧れを募らせていく令祥も、自分が目立つためなら相手の気持ちなど置いてきぼりにする理央も、そしてあの人もこの人も……。
最終章を読むと、とある人物の見え方が180°変わる。
Posted by ブクログ
あらすじを読んで、「同一化や変身願望は私だってあるし、だからこれがどう物語で描かれるのか楽しみだ!」と軽い気持ちで購入。読んですぐに、これはきついなあ……と軽めの後悔。しかし手は止まらず一気読み。後半は息をするのがやっとだった。正直今も厳しい、なんなら変なつらさで泣きそう。
まず、令祥の異常なまでの執着。自他境界が曖昧とかそういうレベルではない。持ち物を参考にするとかはわかる、でも言動や顔立ち、住所、果ては名前に手を出そうなんて、よっぽどだ……。だからこそ、今捜査を受けている工藤三鷹は誰なのか?と最後まで疑ってしまっていた。
理央もなかなかヤベーやつ。まず友達にしたくない、というか同じ環境にいたくない。確かに、私の周りにも、自分の周りの人間は自分のための駒だって考えのやつはいるけど、ここまで極端なのはいないはず……。結局ただ運のいいやつになってしまったが。
どの登場人物もアクが強い! 工藤三鷹に言及する体力が無い……。
8/4追記
理央、他人の事はただの舞台装置だと思ってたのに、この小説全体を通して見ると彼女こそただの舞台装置だったのでは?と思った。現にあのシーン以来パタリと姿を見なくなったので。