大前研一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2005年に発売されたとき、またこの本のもととなったDHBRの記事も当時読みましたが、今回ゆえあって再読。
この本は最近の大前さんの著書の中でも別格ですね。『企業参謀』の初版が1975年ですから、それから30年。『企業参謀』によって日本で「経営戦略」というもの自体を、各種の思考フレームと共に紹介・導入した本人が、21世紀においてはそのようなフレームワークやロジカルシンキングといった「定石」だけではだめだ、と自ら発展的に破壊した本と言ってよいでしょう。
その本の章だてが、これからの時代に必要なのは「プロフェッショナル」9だと、「プロフェッショナリズム」の定義に始まり、続いて、21世紀において必要な力として
・先見する力
・構想する力
・議論する力
・矛盾に適応する力
を挙げ、それぞれに1章を費やしているのが興味深い。ロジカルシンキングの「先」に必要な力を日本におけるロジカルシンキング提唱の元祖が解説されている訳ですから次元が高くない訳がなく、二度目の通読といえ、再び新鮮に読んでしまいました。それだけ「そのとき頭では理解したつもりでも実践出来ていない」ということですネ… -
Posted by ブクログ
大前さんの本は個人的に学びが多くて好きで何冊か読ませてもらってますがこの本は自分が「新しいこと」を考えるのが好きだったのもあって手に取りました。
「この人はどんな風に新しいことを考えるんだろう」「この人がいう新しいことを考えるってどういう意味だろう」、そんなことに興味があったので。
読んでみた感想ですが、とっても良かったです。直観的な動き方、考え方をしてる人、あなたの時代が来ますよ!^^
「新しい時代」といってもこれまでのやり方がガラっと変わるわけではなく、これまでに積み上げてきたものをよりレベルを上げていくには新しいことをする必要があって、そのためにはこれまで後回しにされてきた要素がこれからは差別化要因として注目を浴びていくし、これまで「これができる人がすごい人」と言われていたことは変わっていくってことでした。
何年か前からそう感じていたし、だからこそIT業界に身を置きながら一見関係のなさそうなことも自分としては必要になるタイミングが来ると思って取り組んできた。
結局、「できなくていい」っていうことは一つもなくて、「(こっちと比べると)重要度を落とさざるを得ない」ってことがあっただけなんだと思います。
全部できた方がいいに決まってるし、「できるけどやらない(もっと得意な人がいるから任せる)」ってことがあっても「できないからやれない(からできる人に任せる)」になっていたら、後手にまわっていくのかなと思います。
自分の可能性を限定しないこと。自分で経験することを大事にすること。
そういうことを大事にしながら、クリエイティブとか遊ぶことを楽しんでいければいいのかなと思います。
これからに活かせそうな1冊でした。 -
Posted by ブクログ
記載してあることがひとつでもできれば秀逸。
~もしも自分の人生を変えようと思ったらどうするか。
①付き合う人間を変える②住む場所を変える③時間の使い方を変える
この3つしか方法はない。~
という言葉はたくさんの本でも引用されておりあまりにも有名。
以下レバレッジメモ
これからの企業社会は、突然、人事慣習を無視して大幅な若返りが実施され、従来の課長の世代が部長に、従来の部長の世代が社長に抜擢されることが大いにありうる。抜擢されてから準備不足で慌てふためくような無様なことは避けなければならない。 野球の中継ぎやリリーフエースは、ブルペンで投球練習をし、いつ「登板せよ」と声がかかってもいいように準備している。サラリーマンもブルペンで常に投球練習しておく必要がある。ベンチや観客席に座って評論家を気取っている場合ではない。
営業マンの【生活習慣病】も深刻だ。マッキンゼーでは、コンサルタント自身が事実上、顧客を開拓し、仕事の依頼を獲得する営業マンの役割を兼務していた。そこで私が世界でもトップレベルの営業成績を記録できたのは食事時間の過ごし方を工夫したことが大きい。当時の労働日数は年間220日、朝食、昼食、夕食合わせて660回の食事の機会がある。私は家族と食卓を囲むことも、1人で外食することもほとんどなかった。朝、昼、晩で会うべき相手を変えていたのである。
かなりの頻度で、私は「今度、ビジネスを始めることになった。パートナーとなりうる会社を紹介してほしい」といったメールを受け取る。メールを使えば簡単だ。私はAからのメールをBに転送し、そこに「Aと私はこういう関係にあり、信用できる人物だ。今後のビジネスはあなたの会社にとってもメリットがあるかもしれない。私抜きで連絡を取り合ってくれ」と書き添える。一方Aには、Bのプロフィールと私との関係を伝え、「このメール自体を紹介状として直接連絡を取ってくれ」と資料を添付してBに挨拶してもらうよう頼む。これで要件は済んでしまう。実際アメリカ企業などでは、トップから現場の担当者までが、こうした「メール紹介」によって人脈を広げ、新しいビジネスを創出している。
マッキンゼーに入社した当時、通勤電車に乗っている時間は正味40分程度。その間、パッと目に入った広告を見て、自分がこの会社のコンサルティングをしたら、何を同提案するだろうかというシミュレーションばかりやっていた。これを毎日行ううち、最初はアイデアを思いつくのに何十分もかかったのが、やがてほんの数分に短縮できた。テーマを決めたら、1分でも無駄にせず、毎日、訓練を繰り返す。1回1回はたいした時間ではないが、それが1年分集積すると、豊かな質に化けるのだ。
もしも自分の人生を変えようと思ったらどうするか。
①付き合う人間を変える②住む場所を変える③時間の使い方を変える
この3つしか方法はない。そして人生設計とは、突き詰めれば何にどれだけの時間を使うかという時間配分以外の何物でもない。無自覚に時間を過ごしている人は、他人や会社に人生を生かされているようなものである。自分自身をマネジメントできない人に、他人をマネジメントするポジションが務まるはずがない。
1つのアイデアをビジネスとして実現し、継続的に利益を生む確率は1000分の1といわれている。つまり、アイデアを1000出して、やっと1つだけ成功させることができるというわけだ。ところが、企画力のない人間は、どうにかひねり出した1つのアイデアにいつまでも固執し、別の発想をしてみたり、同じ発想を別のモノやコトに当てはめてみる柔軟な発想ができない。つまり、企画力のないサラリーマンはもてない男に似ている。もてない男は、自分が持てないと思っているがゆえに、振られても振られても1人の女性にこだわり続けてしまう。魅力的な女性はたくさんいるし、自分には他のタイプの女性が合うかもしれない―そんなふうに考えられる男の方がもてるし、素晴らしい女性に巡り合えるものである。これからはむしろ、仕事において、抑圧からも抑制からも自由な考え方ができる人間が最も重用されるだろう。ボツになることを恐れずに次々と新しいアイデアを発想することが企画力を高める第一歩なのだ。企画力は天性の能力ではない、訓練のたまものなのである。
すでに知識格差による企業間競争が一段落したアメリカと違い、日本は格差を利用したビジネスがこれから本格化することになる。アメリカ人には見えていて、多くの日本人サラリーマンには見えていない「宝の山」を探すためには、身の回りにいくらでも転がっている外資系企業の知識格差ビジネスに興味を持ち、自分の企画力への刺激とすることが不可欠だ。
アービトラージこそ、私が今、一番注目している成功パターンである。
①狙い目は内外価格差が3倍以上の商品
②高品質のものだけ扱う
③デリバリーは国際宅急便を活用する
④原産地が最も安いという先入観を捨てる
交渉力―若いころの私はEQが貧弱な人間だった。「試験さえ通ればいいだろ」と試験の時以外は学校にも行かなかった。私が決定的に変わったのは29歳でマッキンゼーに入社してからである。同社は一般のコンサルタント会社の10倍の料金を取っていた。顧客に納得ずくで高額な料金を払ってもらうためにはどうしたらいいかを必死に考えざるを得なくなった。私がとった訓練方法はこうだ。鏡の前で自分の表情を見ながら、顧客が目の前にいると仮定して説得し、それをテープに録音する。そして今度は相手の立場に立ってそれを聞いてみる。すると、29歳の若造にここまで言われたくないだろう・・といった自分の嫌な面が客観的にわかるのだ。
英語スピーチ力を鍛える3つの独習法
①自分の目に見えたもの、自分の頭に浮かんだことを、片っ端から英語にしてみる
②英文メディアの記事を毎週最低限1本目を通し、表現を蓄積する
「ファナンシャル・タイムズ」「ビジネス・ウィーク」など
③一流の経営者のスピーチから一流の英語表現を盗め
マッキンゼーのロン・ダニエル、シスコシステムズのジョン・チェンバーズ社長兼CEO、GEのジャックウェルチ
日本に来ている中国人と知り合うのは簡単だ。日曜日などに留学生会館などの寮や、寮の近くにある喫茶店などにフラット出かけ、話しかければいい。彼らは日本人と話したがっている。東京を中心に、日本には世界中から留学生、研修生が集まっている。「この国について詳しくなりたい」と思えば、情報と理解をもたらしてくれる人はいくらでもいる。彼らを自分の人脈に組み込まない手はないではないか。
普段はできない楽しみが長期休暇にあると思うからこそ、日常の仕事に集中できるのである。長期休暇は1年のリズムを作る上で非常に大事なのだ。長期休暇中に自己改造に励む人もいるだろう。「英語」「財務」「経営」などについて勉強したり、普段机の上に積んでおいただけのビジネス書を読む。そうしたことをまとめてやり、休暇が明けたら、新しい自分になっている。そう錯覚している人もいる。だが、たかだか1週間や10日間程度の休暇で自己改造ができると思うのは、幻想にすぎない。普段の習慣にないことを無理にしようとしても3日坊主で終わるだろう。そんな自己改造は毎日、毎週、毎年、日々のスケジュールのなかにきちんと組み込むべきだ。本当の自己改造は日々行ってこそ実現するものなのである。
電車に乗った以上、レールのあるところにしか行けないし、終点もはっきりしている。そのことに文句を言っても始まらない。これは、天下りが幹部を占める特殊法人、同族が支配する会社に勤めるようなものだ。いやならば、電車を降りればいい。自分で車を運転すれば、好きなところに行けるし、どこへ行くかも自分で選択できる。ただし、道路がなければ走れない。これは一般のサラリーマンの生き方だろう。オフロードバイクならば、道路があろうが無かろうが、どこにでも入っていける。ただし、危険が伴う。時には転倒して大けがしかねない。これは企業家の生き方だ。どれを選ぶかは自分次第、選んだ乗物に不満があるならば、乗り物を変えればいい。せめて電車から降り、自分で車を運転することを勧めたい。そうでないと、あなたの人生はじり貧になりかねない。
転職情報は足で稼げ。
会社の概要を理解し、どういう人材を募集しているかをつかむ。そして頭の中に「仮想面接空間」を作ってみる。実際にその会社へ面接に行ったとかそうし、5分間で自己PRをしてみるのだ。その時に、次のことを必ず行ってほしい。まず、鏡の前で自分の顔を見ながらしゃべり、テープレコーダーを回して自分の声を録音する。これを1回ではなく何回も繰り返し、1社ではなく何社もやってみる。次に、あらかじめ面接官の質問をいくつか想定し、時間を空けてテープに吹き込み、それを回しながら、時間内に次々と答えていく。最後にそのやりとりを何度も聞きなおしてみると、自分の表現にいかに生気が欠けているか、自分の言葉にいかに説得力がないか、ということを知らされるはずだ。こうした「仮説面接空間」によって徹底的な自己診断を行い、自分の短所、欠点を把握する。そして、今度はそれを補うような努力をすればいいのだ。
この本の有効な活用方法を教えよう。これをやるだけで、この本への投資は、おそらく数百倍になって返ってくる。実際、私はそうなりました。
それは・・・・。
とにかくこの本に書かれていることを1つ、どれでもよいから「大前研一になったつもりで」マネしてみることだ。まずは形から入るのである。明日からといわず、今日からやってみてほしい。「仕事術」は実践して初めて意味がある。 -
Posted by ブクログ
コンサルタント大前研一さんの本。
著者が理系出身かつマッキンゼー出身ということもあり、話がロジカルで納得させられてしまいます。
自慢話が少し多いのがちょっと気になりますが…w
日頃から頭を使うことの重要性を再認識させてくれる本です。
さぁアウトプットで鍛えなければ!
以下、備忘録
◆人の2倍考える人間は10倍の収入を得る事が出来る
◆現象はあくまでも現象にすぎず、原因ではない。この当たり前のことがなかなか理解できず、現象のさかさまは解決だと思っている人が実に多い。
◆問題解決力とは、仮説を裏付けて行く為に労を惜しまない行動力であり、それが絶対に正しいと結論付けられるまで徹底的に考える思考力であるともいえるだろう。
◆世の中のビジネスマンのほとんどは、仕事に直接結びつかないような訓練をやろうとしない。しかし、実はそれをやるかやらないかで大きな差がつくのである。
◆自己否定する勇気を持った企業は、常にベストを求めて変革する力が働いている。
◆言いたい順序でいうのではない。相手が納得する順序でプレゼンすべきである。
◆日常のトレーニングで重要なのは、知的好奇心をもつこと
◆考えるとは、自分に質問する事である
◆つねに緊張感を持って同じ態度で臨む姿勢がなければ問題解決力は向上しないし、よい発想も浮かばない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ牧野昇と大前研一が、自分が乗り越えるべき相談(コンサル)業務の専門家(プロ)だとして目標設定しています。
そのため、見習うべきところと、見習わないところに分けて考えてみました。
大前研一の方が、若いだけあって、現代の人たちに、まだ遙かに関心を呼んでいる。
人気商売なのだが、経営者に人気があればいいので、社会的な人気はそれほど必要ないのかもしれない。
表面的にはすばらしいことを書かれている。
考える技術が身につけば、すばらしいことができるかもしれない。
しかし、考えたがために失敗したり、嫌われたりすることも多い。
著者がなぜ、この本に書いているような思考方法をとるようになったかは、
商売の秘密なので、本に書くのではなく、直接相談料を貰ったときにお話するのが
相談業務(コンサル)の基本だと思われます。
自慢話が多いのは相談(コンサル)でお金を貰う為なので仕方がない。
商売の秘密は本に書いてなく、自慢がたくさん書いてあるという
2つは割り引いて読まないと、読み方としては失敗するかもしれない。
いつもながら、表面的な狙いはすごい。
真似るべきところだろう。 -
Posted by ブクログ
大前研一の本二冊目。彼の思考法を具体的事例とともに解説した本。少々彼の自慢話と意見の癖の強さは気になるものの、書いてある内容は非常に説得的で勉強になる。
全体として受け取ったメッセージは、変化が早くなった現在の世の中を生きて行く方法は[なぜ?]を根本から考える思考力が必要だということ。
断片的には
現象でなく根本の原因を突き止め解決せよ。その事象は結果なのか原因なのか?本当の原因を突き止めるにはフィールドインタビューが欠かせない。偉い人に聞いても現状は分からない。
思考のトレーニングとして会社が抱えている問題を明らかにし、自分の二つ上のポジションの人がそのために何をするのか考えてみる。
論理で人を動かす時は提言を一つに絞る。そこまで辿り着くまでロジックツリーを作り検証をする。
プレゼンの流れは
何を基にして言っているか
業界の動向
上手く行っている競合他社の動き
自社の状況分析
改善のための条件
解決の道(ここが結論)
提言
実行計画
である。
優秀なプレゼンターは次のページを想定しながらしゃべる。
ロジックツリーの作り方
データや事柄を分析、検討し、導き出された結論、主張をリストアップする。
リストアップしたものを類似テーマ毎に分類してグループを作る
同一グループ内での結論、主張に順序別に仕分ける。因果関係、時系列、大きさ、重要性を考慮して並べる
同一レベルに共通した結論、主張を検討し、そこから導かれる結論、主張を一段上に位置付ける。
完成するまで繰り返す。
その主張の証拠はあるのか、と繰り返す。
説明出来ない時こそチャンスだ。非線形思考をする。そのために違う分野に触れる、新しいものに触れる、知識を備蓄しておく、ダイバーシティを尊重する、いつもと逆の方法でやってみる、脳を活発化させることを普段からすべし。
考えないで良いことをパターン化する。それはどんな靴を履くか、いつお金振り込むか、などなど、システム構築したら楽になる。
仮説をぶつけあえる友人を持つべし。先見性は現在のトレンドを見た上でそれがどのようなストーリーになるのかを想像する力による。人の基本的欲求から推測する。
ビジネスをするためには、現在よりも10倍効果的にする方法を考える。ちょっとじゃ意味がない。 -
Posted by ブクログ
リーダー論になると従来は組織マネジメント的な概念が強くいうならば、「仲間」をまとめる的な書籍が多い。
今でいう流行り本でいうならアニメワンピースの「ルフィーの仲間」のような体育会系のチーム論である。
ビジネス用語でいうなら、プレイングマネージャーというのが適当だろうか。
しかし、大前さんは現代のビジネスにおいてそのプレイングマネージャーは通用しないという。
なぜなら、より社会が多様化しそして組織内でも効率化が図られ個人としてはまったく他者と違う仕事をする。要するに、チームプレイがないのだ。
そのような環境の変化の中でプレイングマネージャーの役割には限界があり、必ず破綻すると説いている。
ならば現代が求められているリーダーというのはどういうものだろうか?
それは有事に強いリーダーである。
危機的な状況下におかれたときでも、問題から答えを導きだせることこそリーダーの重要な役割という。
もちろん、その他にもコミュニケーション能力、交渉力、実行力、イノベーションなどの要素もあるのだが…
また、本書は具体例として、欧米のリーダーシップ教育やリーダーのあるべき姿を多くとりあげ、今年の東日本大震災での民主党のリーダー不在という状況を痛烈に批判する。
しかし批判だけでなく、大前さんならどうこの置かれている問題を解決するのかというのを具体的に書かれており実際の報道で書かれている認識とのズレに驚く人も多いだろう。
是非、一読してもらいたい。 -
Posted by ブクログ
大前本3冊目。
実は最近ちょっと憧れてる先輩に奨められたのです。
インターネットの普及により資本が国境をいとも簡単に飛び越えるようになる以前の世界を「旧大陸」とし、人々が足を踏み入れている現在を「新大陸」と定義した上で、独自の理論が展開されます。
「新大陸」は、目に見える貨幣と商品で成る「実体経済」、一国完結で経済を行うことができなくなった「ボーダレス経済」、消費者が欲しいと思った商品をいつでもどこでも最安の商品を購入することができ、またそれに企業が柔軟に対応することが実現した「サイバー経済」、そして巨額の時価総額の構築が可能となった「マルチプル経済」の4つの空間によって構成されている。
言われてみると、まあ世の中見渡せばそうなってるよな、そらそうだわーと思ってしまうが、現実にこの4つの空間に対応できている企業および国家は少ない。それは、この新大陸を認識していても、何から着手すればいいかわからないくらい膨れ上がった「めんどくさい課題」群により変革に乗り出せない企業・国家がほとんどであるとする。
そして、対応を少し誤ればたちまち崩れてしまうリスクにあふれているともする。現に、氏が新大陸を意識した変革が実行された国で、一定の成功を挙げた国としてアイルランドとシンガポール(共に、外資を上手く取り込んで劇的な成長を遂げた国)を挙げているが、この2国は2008年の金融危機で大打撃を受けることとなる。
(ちなみに本書の出版年は2001年。)
こんな新大陸において、選択の権利は国家から個人へ移り、個人はもはや「自分が思う通りに過ごせる場所」に簡単に住めるようになっている。そこで国家はどんどん規制緩和し、かつ分権化して小規模なコミュニティ群に分解されるべきであるし、また個人はこの急速に可変する新大陸をきちんと見極める努力、つまり国家や旧態依然の理論枠という「規制」をとっぱらって、新大陸を観察し分析すべきであるとする。
と、460ページに渡って、氏独特のまくしたてるような論調でガツガツ述べられているが、そんな新大陸は「あえて」無視し、世界をぐっと狭めてそこに幸福を見出す人生も否定されるものではないはずだ。それはまあ極端な話だけど、要するに、氏の述べている「新大陸への対応」も、万人の最適解とは言い切れないだろう。マルチプル経済やサイバー経済なんて知りませーんなイチローは、少なくとも、彼自身の中での至上の幸福を何度も味わっており、それによってまたハードルを上げ、それをまた追い求めている。上記のように世界はもはや変化が激しすぎて最適解なんてないのだから、自分で作っていくしかない。氏が言いたいことも、結局はそういうことじゃないのかな。
レビューではなくなってしまいました。
読みながら、いろんなことを考えさせられた本でした。 -
Posted by ブクログ
いわゆるクリティカル・シンキングが大切だと説く本。
なぜ?なぜ?なぜを繰りかえし本質を見極めることが必要だと。
著書ではその本質を見極める「質問する力」を政治経済状況を事例にして、事の核心を明快に暴き出してゆく。2005年3月文庫版初版だけに、少し事例が古いですが、数年経った今だからこそ著者の当時の主張が正鵠を射ていることがよく分かります。歯に着せぬ著者の物言いはいつ読んでも心地よい♪
白眉は「大前家の教育方針」。
中学生以上は一切小遣いをあげずに、「家庭内ベンチャー起業」を子供たちに立ち上げさせて、親の手伝いや親にPCを教えると対価を払ったそうです。
親や家族に必要な事業を見つけ出させ、それをすることで対価を得る。優れた事業(たとえばマックを教える)には高付加価値を払い、需給バランスなどの世の仕組みを教え込んでいく。
子供たちはお金に汚くなることはなく、仕事を通じて仕事の大切さを理解していったと書かれていました。
早速我が家でも子供たちに起業させました。まずは事業内容はお父さんが決めて、皿洗い何円、肩たたき何円とか決めましたが。子供たちも意気揚々と小遣いを稼ぐべく、いろんな事業を競って考え提案してきて、楽しくがっています。
この「家庭内ベンチャー起業」だけでなく、著者の教育論にはうなずくこと多いです。