赤川次郎のレビュー一覧
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赤川次郎氏によるノンシリーズの佳作。若い夫婦が新婚旅行中に雪山のロッジに迷い込んでしまう場面から始まる。一夜明けて妻が目を覚ますと宿泊客たちの姿は忽然と消えており、死体だけが残されていた。彼女はスキーが不得手な夫を残したまま救助を求めて脱出するも、警察を連れて戻るまでの間にロッジが焼失してしまい……という話。赤川氏らしい軽妙な文体は読みやすく、ロマンスを感じさせる展開も。
本作の特徴は「犯人が殺人のためにトリックを用いる」のではなく、「被害者たちがある目的のためにトリックを駆使している」ことである。それによって事件の状況がいっそう不可解になり、読者はヒロイン・芳子や刑事・瀬川と共に大いに首をひねることになる。さらには「何故そのようなトリックが用いられたのか?」「連続殺人の動機および犯人は何ものか?」と、真相に迫るたびに新たな謎が浮上していく。王道サスペンスでありながら、赤川次郎氏らしい味がある一作だ。
尚、本作は土曜ワイド劇場で池上季実子主演のドラマとして放送されている(映像化にあたって改題されたが、タイトルがトリックのネタバレのため注意)。それだけでなく、さらにPC-88版・MSX2版のゲーム版も存在するらしい。現物を入手するのは困難だが、ネットにプレイ動画があがっているので興味のある方は検索してほしい。 -
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伏線(本線?)が入り乱れていて、頭に入るまでは大変だった。
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神尾はるかはM大学の新入生。入学式で、幼なじみの浩子によく似た学生とすれ違い、思わず「浩子?」と声をかけてしまった。しかし、その学生が浩子であるはずがない。浩子は十数年前に故郷の村で行方不明になったままなのだ。
浩子が行方不明になった時、村の大人たち全員で捜索したが、ついに発見することができなかった。その後、村にはダムが建設されることになり、浩子の失踪の謎とともに村全体が湖の底に沈んでしまったのだーー。
十数年の時を経て、失われた村の秘密が遥かの前に姿を現しはじめる。哀切なサスペンス・ミステリー。 -
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「いつか他人になる日」
三億円。
560作を超え、累計発行部数3億部も超え、未だに新作を書き続ける赤川次郎氏。全ての作品を読みきることは不可能(三毛猫ホームズシリーズだけは、押さえたいところだったが、これも道半ば笑)だが、ちょこちょこきになる題名やあらすじのものは読んでます。
本作は、5年前悪名名高いN電工から3億円を無事に盗んだ早坂を始めとする5人の共犯者が、お金を分け合うところから始まります。見知らぬ他人同士になるという誓いの下、各々の生活に戻って5年後、未だに早坂達は捕まっていない。しかし、ある日、早坂の会社の前でバイク事故が起きた。その被害者は、早坂と一緒に3億円を盗み出した仲間の1人だった。関係を絶ったはずが、早坂の周りでは少しずつ変化が起き始める。
もうばれないだろうと緊張の糸が切れかけていた早坂を襲う偶然のバイク事故から募り出す不安、その不安が的中したのか早坂は、次々とかつての仲間に遭遇し始めます。とにかく仲間の周りの関係者もキャラクター付けされており、早坂以外の4人のエピソードも豊富です。こんだけありゃ、500ページも超えますね。
次から次へと坂道を転がるようにイベントが起き、展開がスピーディ過ぎる笑。赤川次郎作品だと、よくあるこの転がり具合ですが、これだけ登場人物が多い中でこのスピードは、作品の中でも随一じゃないですかね?笑
赤川次郎作品のもう一つの特徴と勝手に思っているのは、人間関係とりわけ恋愛関係を絡めてくるところ。やたら惚れられる男子が出てくるのも、やたらすぐに恋に落ちる女子が出てくるのもよく出てくる。惚れ薬でも女子に飲ませてるんじゃないかと疑う。
今回は、特に凄い。20組のペアが出てきて、片思い、不倫、二股、両思いなど種類も豊富。内、片思いは3組あり、二股と不倫が8組。夫婦でも、死別している夫婦3組と老夫婦を除くと、不倫をしてないペアはゼロと芸能人も真っ青な修羅場なのです。また、やたら惚れられるのは、早坂であり、女社長やら未亡人やら女子高生やらなんでもござれ。どうなってんのレベル。
肝心の果たして早坂達は捕まるのか?は、読んでのお楽しみですが、恋愛関係がもつれにもつれ、イベントも畳み掛けるように起きて、このイベント必要?とか、これこんな終わりで良いの?とか色んな疑問が湧いてきます。
いままで読んだ赤川次郎作品の中では、ダントツにごちゃごちゃしてます。え、え、え、と繰り返して言っちゃう笑 -
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ネタバレシリーズ50弾。
残りの弾数が少なくなってきたシリーズですが、最近は新書で1年1冊出ていて残り2編あるので、まだ2年は楽しめそうです。
相変わらずのレギュラーメンバーの安定感で物語は進みますが、児島のおばさんは出てきませんでした。
前から気になっていた点として、「ケータイ」という表現は「スマホ」に変えるべきのような気がしますが、編集者は大御所作者にアドバイスしないのかなぁ。
で、ミステリー部分ですが、犯人は完全に自分の読みが外れましたが、このシリーズはトリックやアリバイなどで犯人が絞られる本格ミステリー路線から外れて久しいので、だれが犯人でもおかしくないと思います。
それよりも、最近のパターンとしては事件を通して、家族や人間関係の絆が強くなるという松竹新喜劇的展開が多いと思います。(もちろん悪いことはないですが)