須川綾子のレビュー一覧
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レジリエンスとは何か、多彩な事例をもとに、包括的に解説する。端的に言えば、レジリエンスとは、適切な多様性を有する構成員にもとづく、小さな自律的な組織からなるハブ型ネットワーク組織であり、バランス型フィードバックループを持つシステムである。
特に通訳型リーダーの意義は印象深い。システムリーダーシップと呼ばれるものであり、プロセスコンサルタントや対話型ファシリテーションにま通ずるところがあるなあと思う。
本書では何かしら分かりやすいツールが与えられる訳ではないが、レジリエンスの概念を理解するためには非常に価値がある。『世界はシステムで動く』を読んでからの方が理解が深まるかな。 -
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メゾンやアパレル関係といった職種に関係がなくとも、企業にで働く人間にとっては非常に参考になると同時に共通点も見出だせる優れた本です。そして、仕事に対するモチベーションが確実に上がります。マーク・ウェバーは、出世するための処世術を紹介する以上に、仕事の本質と企業の価値をが確りと伝えている。そのどれもが経験の上に成り立っている極意であり、全て一貫した哲学が後ろ楯となっている。そこには、ビジネスに措ける心構えや厳しさが本音で語られている。少々残念なのが、著者がPVHとLVMHに関わった40年前後が駆け足で語られているため、細かな人間関係や心理描写が希薄になっている点です。何とか編と命名し、各事象につ
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40年以上前に書かれた金融専門記者兼作家のビジネスエッセイ集であり、最近になってビル・ゲイツが約20年前にウォーレン・バフェットの薦めで読んで以来、今も最高のビジネス書であると紹介したことで話題となった一冊。
新製品の不振、株価暴落、インサイダー取引、情報漏洩など、50~60年代の米国で実際に発生したビジネス事例について、当事者への綿密な取材をもとに、個人や組織が様々な要因によって失敗したり、失敗せずに踏みとどまる姿を、今日の行き届いたビジネス書のように要点を整理することなく、ひたすら淡々と描く。読み手に考えることを促すという意味では、いわばケーススタディの古典ともいえる。
資本主義とは自 -
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レジリエンスという言葉に出会ったのは、つい最近。メンタルヘルスにならない職場から、なったとしても持ち直せる職場へ、というセミナーにおいてでした。本書ではレジリエンスという考え方を個人から文化、自然、経済、社会まで拡げてサステナビリティの先の概念として語っています。概念というか、コンピテンシーみたいなものかも…あまりに複雑化したシステムの中に暮らし、9・11とか3・11とかそのシステムの崩壊を目にしている我々の身につけなければならない素養のように感じました。そういう意味で通訳型リーダーシップというリーダー論が印象的でした。またレジリエンスがビッグデータや社会的イノベーションと結びつく終章では、「
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レジリエンスとは、
「システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、
基本的な目的と健全性を維持する能力」
と(この本では)定義される。
似た概念に「サステナブル」があるが、本書によると
サステナブルには次の問題があると指摘している。
・資源の維持に注目するあまり、特定のモノの保護という
部分最適な行動を引き起こす。
・今の状態の持続に固執し、手遅れになった現実に対応できない。
・社会規範、文化との対立を解消できない。
この本では、レジリエンスとそうでない事例を、
金融システム、病原菌、テロ組織、電力網、自然環境、
人の心、集団、社会という広範囲の分野で紹介している。
特に面白か -
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そこそこ分厚い本書をとても端的にまとめると、アートは脳に、精神に作用するから良いぞ、ということ。
ここでのアートは結構広義で、何かを作ること、人の手によって作られたもの、創作全般を指している。気持ちを落ち着かせることも、考えをまとめることも、集中力を高めることも、記憶力をあげることも、コミュニケーションや物事を思い出すトリガーとしても、アートは作用する。
アートセラピーについても書かれている。ここ数年目の当たりにすることがあり、そういうことだったのだなぁと読みながら、実家に飾られている綿棒アートを思い出していた。
アートはもっと身近に、上手い下手関係なく、見せる見せない関係なく、自分でも作っ -
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様々な研究結果やデータをもとに、「アートが心身の苦痛を和らげ、より深く学び、コミュニティを活性化し、持続的幸福を後押しするために用いられる可能性を示して」います。
ダンスやマインドフルネスのプログラムで痛みや抑うつ症状が緩和されたり、好きな音楽のプレイリストが痛みを緩和させたり、
「ダンスでも、どんなアートでも、うまくなくても効き目はある」そうです。
アートと聞けば、知識を持って絵画を鑑賞して評したり感想を言えなきゃいけないような敷居の高いイメージがあったけれど、色、音楽、香り、質感など自分で感じたり表現したりするもの全てアートなのだと思うと、私も日々アートしてる!と嬉しくなりました。
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ネタバレ本作は、『タイム』、『ニューヨーカー』でライターをつとめたジョン・ブルックス氏による、米国経済エッセイ集、のようなもの。
いわば戦後米国の経済博物誌、とでも言ったところ。
表紙の帯に『ウォーレン・バフェットからビル・ゲイツに渡され、20年間読み続けられた最高のビジネス書』とありますが、やや誇張である気がします。
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戦後米国1950’s-1960’sの経済ネタが太宗であることから、やや古臭いなあ、というのは第一印象。
その中でも今でも教訓となり得るものもあれば、今では考えられない・あり得ない、というものもあり、一種の昔話、「かってはこんなこともあったそうですよ」という物珍しさと共に