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ユーザーレビュー レジリエンス 復活力―――あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か アンドリュー・ゾッリ / アン・マリー・ヒーリー / 須川綾子 レジリエンス概念を共有するにあたっての格好のケース集と言えるだろう。構造化の過程で社会、国家、個人に脆弱性が蓄積する怖さを描いている。レジリエンスを育むのは、困難だが、一つの方向性を本書は示唆している。 ・「レジリエンス」を本書では、「システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、基本的な目...続きを読む的と健全性を維持する能力」と定義する。 ・2008年夏、ノセラは人工的な光合成に成功した。 ・ホテルのタオルの再利用実験で、周りがどうしているかが一番影響があった。 ・生物と同じく都市にもスケーリング則がある。 ・要するに、レジリエンスは非凡なスーパーキッズ云々というものではなかった。じつはごくありふれた性質、ありふれた魔法だったのである。 ・大切な人を亡くした反応で五つのパターンが現れたことは意外ではなかった。トラウマに直面しても45.9%は揺るぎない目的意識をもち、人生に意義を見いだし、前に進む勢いをもっていた。 ・ハーディネス(強靱さ):人生に有意義な目的を見いだせるという信念。自分が周囲の状況や出来事に貢献できるという信念。経験は良かれ悪しかれ学習と成長に繋がるという概念。これらは信仰心、コミュニティによって左右されうる。 ・瞑想を1万時間以上行った僧侶の大脳辺緑系にはきわめて強い活性化が見られ、意識を共感に集中した結果、脳に変化が起きている。 ・一般人で毎日27分間、8週間の瞑想で、学習や記憶、不安やストレスへの抵抗力が高まった。 ・毎日6時間3ヶ月でマインドフルネス、人生の目的意識、認知的制御力が高まり、神経症的傾向が低下した。 ・離脱型瞑想が不安を和らげる。 ・極度に消耗している人には、参加型瞑想。 ・面と向かって議論すると対立点が浮き彫りになりやすいが、横に並んで歩くと比較的冷静に対話する余裕が生まれる。 ・危険補償:安全性が高まったという感覚が、人を向こう見ずにしてしまう。 ・近視眼的になった組織でどうするか。アメリカ軍ではプロの懐疑派集団を養成し、配備している。 ・能力と多様性はどちらも同程度のプラスの影響を正確な予想スキルに与える。 ・注意すべきはメンバーは価値観が違っていたり、最終目標が一致していなかったり、方法論の差を埋められないほどに多様であってはいけない。 ・暴力問題には、処罰の必要性と教育、貧困、育児など全てを改善しなくちゃ行けない「何もかも神話」の両極端が見られる。 ・犯罪歴のあるワーカーを雇う。イエスはアウトリーチワーカーだった。 ・多くの人は解決策を提示する。しかし、私は対話を呼びかける。→通訳型リーダー ・ハリケーンでのハンコック銀行の対応。 ・内省的実践を通して、あるいは人生により深い意味を見いだす経験を通して、自己のレジリエンスを高める事ができる。また、レジリエンスは内から外へと伝搬していく。 Posted by ブクログ レジリエンス 復活力―――あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か アンドリュー・ゾッリ / アン・マリー・ヒーリー / 須川綾子 2014年17冊目。 今日本でも話題になりつつある「レジリエンス」の概念を、あらゆる分野を越えて包括的に考察した本。 「レジリエンス」は「弾力性」「元に戻る力」「回復力」などど訳されることが多いが、 本書では、 「システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、基本的な目的と健全性を維持す...続きを読むる能力」 と定義される。 もう元には戻れない閾値を越えずに耐えられ、環境の変化の中でも目的を失わずにいられる柔軟性。 本書は、そんなレジリエンスを養うためのハウツー本ではない。 これを読んだからといってすぐにレジリエントな何かを生み出せるわけではないが、 様々な分野の、示唆に富んだ数々の事例は非常に学びが大きく、 「レジリエンス」の概念を深く知るには素晴らしい良書だと思う。 Posted by ブクログ レジリエンス 復活力―――あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か アンドリュー・ゾッリ / アン・マリー・ヒーリー / 須川綾子 正直、"レジリエンス"というキーワードは、本書を読むまで知りませんでした。 システム、企業、個人が極度の状況変化に直面したとき、基本的な目的と健全性を維持する能力ということですが、必ずしも良かった状況まで回復させるだけでなく、その時の状況にあわせた形まで昇華させること。 様々な要素が複雑に絡み合って...続きを読むいるこの時代において、全体を俯瞰しながら相互の関係性を解きほぐす様なアプローチで、解決に至った事例を解説している。 その事例は、社会システムなどハード的なものから、心理的なソフト的なものまで幅広い内容でした。 例えば、なぜ経営的に危ない大きな金融機関に対して、政府が公的資金を投入するのか、当該金融機関が金融ネットワークの中のハブ機能の様に密接度が高いと、この機関の倒産が引き金となり、リーマンショックの様な金融ネットワーク崩壊を引き起こすリスクがあること。 ハイチの災害対応の時には、仕事や近所付き合いなど比較的緩い知り合い関係である、弱いきずなの情報ネットワークが有効に機能したこと。 人には固有のリスク許容値があり、それを一定に維持するリスク・ホメオスタシス理論に基づき、例えばシートベルトをすると、しない時よりも確実にスピードを上げてクルマを運転するなど。 繰り返しますが、本書は、ソフト面では人や組織・社会の心理学的アプローチ、ハード面ではシステム学的アプローチに行動経済学を織り込んだ実践的な内容です。 今の自分の興味ある分野がパッケージングされており、面白かったです。 Posted by ブクログ レジリエンス 復活力―――あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か アンドリュー・ゾッリ / アン・マリー・ヒーリー / 須川綾子 レジリエンスとは何か、多彩な事例をもとに、包括的に解説する。端的に言えば、レジリエンスとは、適切な多様性を有する構成員にもとづく、小さな自律的な組織からなるハブ型ネットワーク組織であり、バランス型フィードバックループを持つシステムである。 特に通訳型リーダーの意義は印象深い。システムリーダーシップ...続きを読むと呼ばれるものであり、プロセスコンサルタントや対話型ファシリテーションにま通ずるところがあるなあと思う。 本書では何かしら分かりやすいツールが与えられる訳ではないが、レジリエンスの概念を理解するためには非常に価値がある。『世界はシステムで動く』を読んでからの方が理解が深まるかな。 Posted by ブクログ レジリエンス 復活力―――あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か アンドリュー・ゾッリ / アン・マリー・ヒーリー / 須川綾子 レジリエンスという言葉に出会ったのは、つい最近。メンタルヘルスにならない職場から、なったとしても持ち直せる職場へ、というセミナーにおいてでした。本書ではレジリエンスという考え方を個人から文化、自然、経済、社会まで拡げてサステナビリティの先の概念として語っています。概念というか、コンピテンシーみたいな...続きを読むものかも…あまりに複雑化したシステムの中に暮らし、9・11とか3・11とかそのシステムの崩壊を目にしている我々の身につけなければならない素養のように感じました。そういう意味で通訳型リーダーシップというリーダー論が印象的でした。またレジリエンスがビッグデータや社会的イノベーションと結びつく終章では、「予測とコントロール」から「測定と対応」へのシフトを訴えるダンカン・ワッツ「偶然の科学」とのシンクロを感じました。 Posted by ブクログ アンドリュー・ゾッリのレビューをもっと見る