惣領冬実のレビュー一覧
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政治の世界へ
ロレンツォ・デ・メディチの死により大きく変化するフィレンツェとイタリア半島各地が臨場感たっぷりに描かれています。
ジョヴァンニも側近になったアンジェロも政治の世界に足を踏み入れ、読み応えのある一冊です。 -
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コンクラーベ始まる
各地の動きが激しくなる中、法皇が崩御しいよいよコンクラーベが始まります。
日本人には想像しづらいコンクラーベの裏側を垣間見ることができ、とても興味深いです!
熾烈な権力争いにつきまとう一種の滑稽さもさらりと描かれています。 -
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ピザでの最期の日々
今後の波乱を感じさせながらも、ピザでの最期の日々が美しく綴られています。
若さの煌めきとふとよぎる儚さ、じっくり読みたくなるストーリーです。本当に時間をかけて創られたんだろうな。。 -
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ちょっとしたエピソードがいい
半島の情勢が緊迫する中、ミゲルとアンジェロの祖父ジョルジオとのやり取りや、貧民窟にいた子供との偶然の再会などのエピソードが温かくていい!
ジョヴァンニはじめそれぞれの成長が感じられる場面が多く、楽しく読めます。
チェーザレとジョヴァンニのその後を思うと、「歩み方は人それぞれ」が胸にささります。 -
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やっぱり画がキレイ
どんどん壮大になってくる物語が美しい画で描かれていて、ワクワクしながら読みました。
ロレンツォ・デ・メディチの器の大きさと偉大さが伝わってくるだけに、「半島の要とも言える支柱が今まさに倒れようとしているのか」が重く響きます。 -
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ふと考えされられる
引き込まれるストーリー展開と人の多面性が描かれていて、画も素晴らしいです。
この時代のイタリアで貴族であること、平民であること、嫡子であること、庶子であること、ちょっと考えさせられます… -
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見どころ満載
祭りでの好奇心旺盛の振る舞いや、刺客に対する無謀とも勇敢とも言える行動とその後のミゲルとのやり取りに続き模擬戦と、見応えありな一冊です。
名前だけですが、カテリーナ・スフォルツァがでてきます。 -
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チェーザレの魅力
アンジェロの視線を通じてチェーザレ・ボルジアの冷淡さを含む現実主義なところと、そうと分かっても惹きつけられる魅力とがとても上手に描かれていてサクサク読めてしまいます。今後どう描かれるか楽しみです。
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借りたもの。
コンクラーベの描写が丁寧。聖なる場所で渦巻く思惑――権力争い――が俗で、その不気味なコントラストが読者をひきつける。
前巻で教皇の前で暴力沙汰をしたボルジア(怪物)とローヴェレ(猛獣)。既に始まっていた教皇選……
そして遂にインノケンティウス8世が崩御する。
外ではミラノとナポリが陸海軍を展開し、
コンクラーベのため緋色の衣を纏った枢機卿が列を成して粛々とシスティーナ礼拝堂に入っていく…その静謐さが伝わる描写。
強い陽射しを受ける建物の外から入場、陽の光があまり入らない薄暗い階段を上がり、木の板で仕切られた王者の間に入場し、扉が閉まり、鍵で閉ざされる。
そこで枢機卿らによる投票――駆け引き――が行われる。それまで外の世界で行われていたスペイン、フランス、イタリアの名門貴族らの血縁や同盟、金銭による駆け引きが、俗世から切り離され、コンクラーベ投票用の聖杯の中で煮えたぎる。
ボルジアとローヴェレの一騎打ち…後はいかに中立派を取り込むか……そうした駆け引きが夜が更けても続いている。
老人の方が死にやすい(次の教皇選に繋がる)、強力な派閥に属さない人の方が無難……
教皇候補でなかった人間が、うっかり選ばれる可能性もあり、枢機卿自身もまた途中経過に一喜一憂する。
そんな老人たちの思惑に巻き込まれるジョヴァンニ。己の意思を通しきれない不甲斐なさ。
その傍に居られずとも重苦しい空気を察するアンジェロ。
ヴァチカンの外で、神のみぞ知るその結末に、もし父が教皇に選出されるなら……「教皇庁をぶっ壊す」と決意するチェーザレ。 -
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借りたもの。
工房放火事件の犯人の判明と裏切りというショッキングな展開。
チェーザレ、アンジェロらの洞察と推理、駆け引きが緊張感を増す。その舞台となる場所が、今までの豪華絢爛な建造物ではなく、石造りの簡素な物置の描写も細かくて、そちらにも目が行ってしまう……
ボルジア家の面々が内に秘める泥沼な人間関係が仄めかされる。チェーザレの弟ホアンの嫌味、妹ルクレツィアとの教育係でもあるジュリアは父ロドリーゴの愛人。ルクレツィアの愛くるしい顔に秘める打算的な一面……
そんな中、チェーザレは本当に信頼できる人間を傍に置いている。
腹を割って話すミゲルとアンジェロ。天然でチェーザレを支えているアンジェロのフォローもしているミゲル。
兄の死後、ボルジアを支える一人としてだけでなく後継としての重責を負い、政治的な面にも関わっていくことになるチェーザレ。
クリスマスのミサに挑む司教としてのチェーザレ。
神の子が人の子として世に遣わされた事を祝うクリスマス…
チェーザレの神の恩寵はこの世に何を成すために遣わされたのだろうか…… -
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借りたもの。
イタリア半島情勢、歴史の転換期である1492年がはじまる。
同時に、チェーザレやアンジェロ達がその情勢・政治的駆け引きに直接関わってゆく――大人になってゆく――大きな節目の時でもあった。
長くイタリア半島の均衡を保っていた三国同盟の破綻……教皇領とナポリ王国が同盟を結ぶ。
それまでのミラノやヴェネツィアと対立する形になる事、地政学的に包囲された形になるフィレンツェは危機感を募らせる。
そうした情勢の変化で軍備に金をつぎ込まざるを得なくなり、レオナルドの騎馬像が頓挫してしまう。(原型はこの後起こった戦争でフランス軍の弓の的にされちゃう…)
美術好きとしてはあないみじ。
チェーザレが聖職者としての巧みな話術を見せる。
それでオルシーノ・オルシーニの憂いが少しでも軽減できれば…と思うが、その悲しみを受け止めるに留まっている気がする。
チェーザレは自身が聖と俗の矛盾構造をはらんでいる事を内省する。
“権力と金――これに執着した時 聖人は俗人となるのです”を反芻し、この解決はあるのかと……
それは当時の教皇庁が“領主”としての性質をはらんでしまっている(世俗)ために起こっているのだが……そして本来、キリストは「貧しくとも正しく(幸せ)であれ」と言ったはずなのに、「貧しいことが正(幸い)である」とはき違えられたことも一因である。……世界的に一次産業が大半を占めているという理由もあるけれど。(まだお金を稼ぐ手段が少ない、教養が万民に行き渡っていない)
サヴォナローラの偏った正論は、商業都市で発展しているフィレンツェでも諸問題があり、「これで良いのだろうか?」という思いに訴えかけてしまっている。
…カルトの手法だ。
ロレンツォの憂い。
ローマの有力貴族オルシーニ家の妻の影響を受けた長子・愚かなピエロ。血統主義の妄信で政治手腕が無い――貴族社会での陰謀や裏切りは顕著で信用に足らない。商家は庶民の支持によって支えられている事実への無理解――ことを危惧している。
そんな中で、今までちょっと頼りなさげなジョヴァンニが少しずつ大人になっていくようでこれからの展開が気になる。…将来、レオ10世になるのだから。
チェーザレらが最初期に比べ大人っぽい顔つきになっている点でも、成長を感じてしまう。
冒頭のミゲルがアンジェロの祖父ジョルジオの工房訪問が微笑ましい。なんて懐が深いおじいちゃんなんだ……!アンジェロがああいう正確になったのも納得の暖かい家。
アンジェロ、ミケランジェロと知り合いだったんだ…!石工の天使と彫刻家の天使ミカエルという、クスッとさせられる設定。 -
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借りたもの。
戦争の勝利で始まり、次の戦争の予感で終わる巻だった。
遂にイベリア半島でレコンキスタが完了する。イスラーム側の無血開城――ゆえに今に至るまでその美しさを保持している――……これに至るまでも様々なドラマがあるだろうが、描かれないのは致し方なし。
しかし、これは新たな戦いの始まりに過ぎない……
シャルル8世の領土拡大の野心が仄めかされる。長きにわたるフランスの介入、世俗的とも思えるが当時のカトリックの教皇は領主でもあった。複数の都市国家でもあったイタリア半島。
そうした勢力の抗争……戦争の予感がする。
オルシーノ・オルシーニ……哀れだけれどそれ故に卑屈。彼の妻・ジュリアがチェーザレの父・ロドリーゴの愛人という事実を知る衝撃的な展開にみせる手腕。
さらには怪僧・サヴォナローラがチェーザレと接触する怒涛の展開。知識階層、教養人の公用語であるラテン語格言のやりとりに緊張が走る。
…からの怒涛のギャグ展開。
久しぶりに顔を見たフランス団のアンリ……鼻が…曲がってる……ミケランジェロみたいに…
そしてアンジェロが初めての娼館へ。スペイン団のメンバーに嵌められて?ぽっちゃり系のマヌエラの部屋へ。
惣領さんが描く娼館は何処か妖艶で…古代ローマの大浴場を彷彿させた。その雰囲気でマヌエラが語る娼婦としての矜持は気高い。
ロレンツィオの口から語られるパッツィ家の陰謀。
その回想シーンはリアルで、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ヴェッキオ宮で惨劇があったことを臨場感をもって伝えてくれる。
そして惜しまれる、ロレンツォの死が間近に迫っている不穏な空気で幕を閉じる……
フィレンツェの街並み描写にウキウキしてしまう。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
クリスマスのミサに挑むチェーザレ。同じ頃、ローマでも父・ロドリーゴ枢機卿とジュリアーノ枢機卿の対立・派閥争いもありながら、各々の教会で粛々とミサが行われる。その聖句は前巻の友人や腹心の部下による裏切りやアンジェロの負傷といったフィオレンティーナ団の傷心に寄り添い、庶民・貧しい貧民の慰めとなるのだろうか…
ピサ大聖堂で皇帝ハインリヒⅦ世の墓を前に、チェーザレは思いを馳せる。
ダンテ研究の第一人者であるランディーノ教授にチェーザレは教えを乞うた。
それはチェーザレ達が生きる時代――中世ルネサンス――に至るまでのイタリア(ピサ)情勢が語られる。
そこからチェーザレが導き出すのはダンテ『神曲』から導き出させる君主――統治者――の姿勢。そして、当時のイタリア半島において長く続く派閥争い――“教皇派”と“皇帝派”――についての解説でもある。
天秤の均衡――聖職者(教皇)と権力者(皇帝)の二元論により安定した統治――を目指すも、それは夢物語に過ぎない……
教皇権を拡大させたエピソードとして有名な「カノッサの屈辱」も、当事者(教皇グレゴリウスⅦ世と皇帝ハインリヒⅣ世)が意図したものとは異なり、後に教会勢力が利用したという。ヴィジュアルイメージを伴って、世界史の教科書で受けた印象が真逆のものとなる。俗世の介入を憂いてけん制するために苦肉の策を打ち出したグレゴリウスⅦ世と、どんな手段を取っても覇道を進苛烈な印象を与えるハインリヒⅣ世。
この“教皇派”と“皇帝派”の派閥争いが、イタリア半島ではずっと続いている。
それは詩聖ダンテの時代も同じ……ダンテは教皇派――フィレンツェ人、そして政敵に敗れ追放された人間――だった。
ローマ帝国の滅亡後、フランス、ドイツの大国に挟まれブレやすいイタリア半島……フィレンツェがフランスの子飼いであったこと……
世界史の流れが地続きになっていることを改めて理解する。
また、『神曲』がキリスト教的価値観の世界の中で皇帝至上主義を示しているという指摘を、私は初めて知った。
“権力と金――これに執着した時 聖人は俗人となるのです”
“どのような文献も解釈する側によって微妙にその色合いを変える だからこそ読み取る側も常に柔軟な心を持つべきだと――”
それは今の社会にも通じる名言に溢れている。
ピサ大聖堂の封印された皇帝ハインリヒⅦ世の墓と付属祭壇は衝撃的だった。
團名保紀氏が研究に携わっていたという。
ダンテとミケランジェロが出てきて満足してしまう私。 -
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借りたもの。
お祭りお忍びの続き。女の子たちをナンパしたり、フィオレンティーナ団と合流してしまったり。何だか今の大学生たちとやってることが大差ないので微笑ましい。
その一方で工房放火事件の犯人とチェーザレを狙う刺客、その黒幕が仄めかされる。
アンジェロは相変わらずチェーザレに振り回されている……
アンジェロとミゲルが対話するときが一番興味深い。
軍人の象徴のようなミゲルと庶民・文人の象徴となるアンジェロがおりなす会話となり、戦争(軍事力)と外交(交渉)のせめぎあいを端的に表している。
露店で買って事故で壊されてしまった秘密箱は修復され、冒険の記念として教訓を仕舞っていた。
"NULLA EST TAM FACILIS RES,
QUIN DIFFCILIS SIET,
QUUM INVIITUS FACIAS,
SEMPER AVARUS EGET."
( 探求心は足取りを軽くする――だが求めすぎると足元をすくわれる )
模擬戦が行われることになり、フランス団のアンリの報復が懸念される。
また、ジョヴァンニは父・ロレンツィオから武力で外交努力…威嚇することの懸念を思い起こす。
(貴族との婚姻関係があっても)貴族ではない金融商のメディチ家が市民の支持をもって成り立っている事――(コジモの代からの戒めでもあろう)驕る事無かれという警句――を思い起こす。
模擬戦は圧巻。準備で鎖帷子を装着するところから、装備の緻密な描写から中世世界に読み手は思いを馳せてしまうし、隊列を組んだ騎馬たちの描写に、レオナルドとミケランジェロによる未完の《アンギアーリの戦い》を彷彿させられてしまったり……
スペイン、フィオレンティーナ団の以南軍側の勝利の後のひと悶着。
女傑カテリーナ・スフォルツァの面影が。
この巻では一貫して、戦争(軍事力)と外交(交渉)と和平についての葛藤がある。
巻末のルネサンス教養学講義は、ルネサンス期の大学生活について。 -
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借りたもの。
チェーザレの妹・ルクレツィア。近親相姦の噂がついて回る美貌の姫君のお姿を遂に拝顔……可愛らしいそのお姿。
今では抵抗のある、女性に対しての教養不要論…(マナーや美しさは重要視されるけど)男の寵愛を争う女の闘いが不穏でもある。
当時のカトリックの価値観で、聖職者に妻帯は許されないにも関わらず、関係を持つ婚姻を結ばない女性を“淫売”と蔑み、その二人の間に生まれた子供は庶子となる……
領主のような当時の聖職者。彼らの抱える男性優位な矛盾は現代との差から一般人には抵抗を覚える。
チェーザレはメディチ家との繋がりを持って父ロドリーゴの教皇選出への後押しをする地盤固めをするものの、ロレンツィオの体調不良や工房の火災などのトラブルが。
間諜をこなすマキャヴェリの有能さよ。
彼の言葉から、フィオレンティーナの勢力争いの均衡の危うさが伝わってくる。サスペンス感がたまらない。
また、さらっとチェーザレの血――レコンキスタを支えたボルジア家一族――の解説もされる。その勇猛果敢・猪突猛進ゆえに世界に変革をもたらし、疎まれ破滅する……
後半のお忍びでフィオレンティーナの祭りを楽しむチェーザレとアンジェロ。街並み、人々の描き込みがやはり素晴らしく、活気が伝わってくる。
庶民の生活からだいぶ浮いてしまうチェーザレの言動に振り回されるアンジェロが微笑ましい。
“過ぎたるは及ばざるが如し”正に。
巻末の『マキャヴェリとチェーザレ・ボルジア』は、『君主論』にイメージされるマキャヴェリのチェーザレ礼賛ではなく、史実と照らし合わせ、マキャヴェリが冷静にチェーザレを分析していたことが伺える。 -
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借りたもの。
ドミニコ修道会の怪僧・サヴォナローラの台頭。
そして大学の学生団の派閥争いがそのままルネサンスの縮図となっている。フランス団が幅をきかせはじめている。「フィレンツェの軍事力が脆弱なせい」という台詞は、国防において軍隊の重要性――それを持たず傭兵で賄っていたが故に独立した立場が不安定な商業都市国家であるフィレンツェ――を浮き彫りにする。
ニッコロ(マキャヴェリ)が指摘する、共和制の人間であるアンジェロと君主制の人間であるチェーザレ…相いれない立場の二人が語る互いの正論は、民衆の視点だったという言葉に、国を動かす人間が求められている姿勢を垣間見る。
アンリに純粋に否を説くアンジェロ。
その後に発生するアンジェロ、チェーザレ達とアンリの追いかけっこ(笑)に抱腹絶倒。
その後のシリアスな展開にも唸らせられるけれど…
イベリア半島のレコンキスタが世界や後世に及ぼした負の遺産は数多あれど、あの時スペインが優れたものに触れ「学んだ」のは事実。
中世の価値観を一蹴し、現実的(現代的)なものの見方をするチェーザレに魅了される。
そして釘を刺すように「あれに傾倒すればするほど――」「おまえはいずれチェーザレに失望する」と最後のページは締めくくられる。上手い。
解説には、今回でてきたピサをはじめとする建築物とその写真を合わせた解説つき! -
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借りたもの。
ドメニコ修道会が統治(管轄)している地域の貧困と劣悪な環境を目の当たりにして愕然とするアンジェロ。
今では理解しがたい?宗教家と統治が結びつき、清貧の下でまともな職につけず物乞いをするだけの人々(すなわち、手に職を持ち資本主義活動を行うことができない。当時の世界は第一次産業が主たる仕事だから致し方ないが)の姿に、中世のリアリティを感じる。
また、システィーナ礼拝堂にミケランジェロの大作《天地創造》《最後の審判》が描かれていないことにも感動を覚える。
ダンテ『新曲』のウゴリーノ伯のエピソードから、罪という概念から現実的な統治者や為政者の話となり、マキャヴェリ『君主論』の原型を垣間見る。
そしてレオナルド、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
マンガの巻末についているとは思えない、用語解説や講義の濃厚さに読んでいて心躍る。 -
Posted by ブクログ
借りたもの。
とにかく徹底した中世ルネサンス描写に息をのむ。神は細部に宿るのか……!
当時のフィレンツェ――フィオレンティーナ――の街並み、雰囲気が繊細に描写されていて、フィレンツェに行った事がある人は、読んでいて街並みを鮮やかに想起させられるのではないだろうか。
天井まで細かに描かれ、本当にその空間を歩いているようだった。
また、馬の描写がとても美しく…それはルネサンスを象徴するレオナルド――彼がよく描写した対象であり、素描や未完成の作品が多くあること――を想起させる。
今、競馬に多いサラブレッドとは異なる、胴が長めのアンダルシア馬は当時の軍馬。
食事のシーンではナイフと二股フォークの置き方が現在のテーブルマナーとは異なることに驚いたり。
大学内での学生団からも、当時のフィレンツェの世相が垣間見える。スペイン、フランス勢力に挟まれたフィレンツェという都市国家の立場が見えてくる。
そしてフィレンツェの中でもドミニコ修道会という存在があり、三つ巴の様相を呈している。
ロドリーゴという怪物(俗物教皇)、ローヴェレという猛獣(軍人教皇)、サヴォナローラという妖怪(狂信者)…言い得て妙。
最後は花の街と讃えられたフィレンツェの貧民街……地獄を垣間見る。