惣領冬実のレビュー一覧
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの11巻。
ピサ校で、教授資格認定試験に無事合格したメディチ家御曹司ジョヴァンニ。ピサ大司教リアーリオやボルジア家の後ろ盾もあり、晴れて枢機卿となったジョヴァンニは、アンジェロを伴い、ローマの教皇庁へと向かう。アンジェロは、密かにジョヴァンニの周囲の動きを報告するよう、チェーザレ・ボルジアの命を受けていた。
ローマで、枢機卿であり教皇庁高官でもあるチェーザレの父、ロドリーゴはジョヴァンニを暖かく迎えいれる。アンジェロとジョヴァンニは、チェーザレの妹ルクレツィアと出会い、その愛らしさに魂を奪われる。
ロドリーゴ・ボルジアは教皇の座を狙っ -
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くシリーズ10巻。
教皇インノケンティウス8世の死期が迫る中、教皇を操ってきたジュリアーノ・デッラ・ローヴェレが動き出す。デッラ・ローヴェレがナポリと結ぶことにより、イタリアの平和の要となっていたナポリ・フィレンツェ・ミラノの三国同盟は崩れる。
イタリア半島を緊張が覆う中、自身も死が迫っていたロレンツォ・デ・メディチの悲願は、息子、ジョヴァンニが枢機卿となること。そのためには、ジョヴァンニはサピエンツァ大学ピサ校の教授資格認定試験に合格する必要があった。試験官の1人として選ばれたのは、すでに教授資格を持つチェーザレ。
チェーザレもジョヴァンニもそして -
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<「歩み方は人それぞれ---。閣下には閣下の歩み方というものがあります」 >
チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの9巻。
レコンキスタが終結してお祭りムードだが、ロレンツォ・デ・メディチの健康状態は思わしくない。微妙な均衡を保っていたイタリアの半島の平和は保たれるのか。
前巻に続き、1492年である。
この巻では大きな動きというよりも、背景となるエピソードが描き出される。
イタリア半島内の各勢力がそれぞれの思惑で動き始める。
チェーザレはアンジェロをジョヴァンニ・ド・メディチの側近に推挙する。
フィレンツェ出身であり、メディチ家の支援の元に大学に通えたアンジェロに対し -
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<半島の要となっていた支柱が揺らぐ >
チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの第8巻。
ついに激動の1492年が幕を開ける。
レコンキスタが終結し、スペインはキリスト教国となる。各地で祝杯が挙げられるが、さてこれがユダヤ教徒をはじめとする異教徒や改宗者にとってはどういう意味を持つのか。徐々に生粋のキリスト教徒以外を排除する不穏な動きが始まる。
チェーザレはピサ大司教ラファエーレとともに、フィレンツェ・メディチ家での祝祭に参加する。メディチ家とラファエーレの間には、14年前の大事件によるしこりがあった。パッツィ家の陰謀事件と呼ばれるもので、その際、メディチ家当主ロレンツォの -
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンス期を描くコミックスの7巻。
1492年は、コンクラーベ(教皇選)、レコンキスタ((キリスト教勢力による)再征服運動)終焉、そしてコロンブス出航の年である。物語はこの山へ向かっていく。
この巻の舞台はその前年、1491年の降誕祭。いわば、嵐の前夜である。
チェーザレは在学中のピサで、メディチ家の子息、ピサ大司教のリアーリオとともに、降誕祭のミサに臨む。同じ頃、チェーザレの父・ロドリーゴもローマでミサに臨む。
夜半のミサを終え、ピサ大聖堂で佇むチェーザレの前には、200年前、遠征中に病に倒れて命尽きたドイツ人皇帝・ハインリヒVII世の墓があった。
聖堂内 -
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。
学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。
メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、その場に居合わせる。身近で意外な人物がチェーザレを付け狙っていたことを知ってショックを受け、また、チェーザレをかばって深傷を負う。
密偵は命を落とす。傍らで”Agnus Dei”を唱えるチェーザレ。
実力者ロレンツォ・デ・メディチは体調が思わしくなく、一方で次期教皇選も近い。
チェーザレの幼少期も描かれ、彼が逃れら -
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<重装備か軽装備か。騎馬戦は今も昔も血湧き肉躍るもの。>
チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くシリーズの第5巻。
前巻(4巻)の祭のシーンからの続きである。
平民の装いをし、庶民生活を垣間見て楽しむチェーザレだが、そんな彼を刺客が付け狙っていた。刺客に気づいておびき出し、口を割らせて黒幕の正体を暴こうとするチェーザレ。捕まったかに見えた刺客は手に武器を隠し持っていた。
チェーザレを守ろうとする側近のユダヤ人ミゲルと、「臣下」の立場を思いやるということがないチェーザレの噛み合わないやりとりが苦笑を誘う。
この巻のもう1つの見せ場は学生を2つに分けて行われる「模擬戦」である。
学生た -
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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンス期を描くコミックの4巻目。
初巻は幕開けだから説明的なセリフが多いなぁと思っていたが、4巻になってもセリフは長目である。
チェーザレは、メディチ家・ピサ大司教をバックアップし、来るべき教皇選での父への2票を確実にしようとする。一方で反対勢力であるドメニコ会の敵意を買う。
ストーリーはぐいぐいと進むわけではないが、徐々にチェーザレが権謀術数を弄し始めていくというところか。
この巻でルクレツィア登場。11歳だがさぞかし美しく育つだろうという美少女である。4年前、チェーザレとルクレツィアが初めて出会う回想シーンも挟まれる。
側近・ミゲルはチェーザレに心酔してい