惣領冬実のレビュー一覧
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「それではご自分は優れた指導者に成りうる自信がおありですか?」「それは私が決めるべきことではない。神が決めることだ」
チェーザレ・ボルジアを軸に、ルネッサンスを描くコミックの2巻。
冒頭の引用は怖いもの知らずの天然少年アンジェロの問いにチェーザレが答えたもの。
暴君か、はたまた類い稀な指導者か。型にはまらぬチェーザレの人となりが徐々に明らかになっていく。
教皇の死を目前にして、ボルジア家、メディチ家、ローヴェレ家、それぞれの思惑が絡み合う。腹の探り合い、謀略の数々。覇権を得るのはどの勢力なのか。
クリストファー・コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチといった魅力的な人物も続々登場し、物語のこの -
Posted by ブクログ
<「カエサル」という名を持つ男。>
新聞広告で知り、書評で興味を持ったコミック。
チェーザレ・ボルジアを描いた作品である。チェーザレはラテン語ではカエサル。古代ローマ帝国の礎を築いた英雄と同じ名を持つ男は、その偉大さもまた受け継ぐのか。
ルネサンス期の壮大なドラマが美麗な絵で繰り広げられる。
自分が知ったのは最近なのだが、1巻刊行は2006年、すでに10巻まで出ている。
「破壊の創造者」というパンチの効いたサブタイトルがよい。
1巻では、石工の家に生まれた学業優秀な青年・アンジェロが狂言回しとなり、この時代のピサの大学へと読者を誘う。
この巻は導入で説明的セリフも多い。
出身地ごとに形成さ