惣領冬実のレビュー一覧
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前巻が出てから1年強という長~~いお休みがあり、満を持して・・・・という感じでようやく発売されたこの第8巻。 今回も実に美しく、そして読み応えがありました。 KiKi の心の恋人(?)チェーザレ様は美しくも大人びた美青年からあっという間に脱皮し、表舞台に出る直前の助走期間の 男 になっていました。 なんというふてぶてしさ!! そしてなんという鮮やかさ!! さて、一応 KiKi は高校時代に「世界史」を専攻していたはずなんだけど「レコンキスタ」こそは記憶にあったものの、「パッツィ家の陰謀」っていうのは正直、知らなかったなぁ・・・・・ ^^; 今号の巻末の解説でじっくりとお勉強させても
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人の心を読み、記憶を操作する力を持つ青年シュロ。
彼が、唯一心を読めない女性:未祢。二人の出会いは、シュロの心の開放と同時に、二人が守ってきた平穏な世界の崩壊を招くのだ。
シュロは完全な人間を求めて行われた、遺伝子工学の「研究成果」なんですね。
にもかかわらず、研究者たちの善意の中で育ち、その能力(副産物なんだけど)を濫用することなく、市井に埋もれて暮らしているの。対してもう一人、同じように生まれたシュロという少年が登場するんだけど、こちらはひどい。むごい。
この二人の差に、やはり「愛情」という要素が大きく関わってくるように思えるのさね。
中に虐待ループにはまっちゃった親子とのエピソードが -
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※後半ちょっとネタバレありです。
なんていうか、ほんとに構成が上手な作家さんだなあと。画面の魅せ方も心得てるし、ここまでチェーザレ・ボルジアの人間性に踏み込んでいくのか、とも思った1冊。
51話の最後のページ、山岸涼子(日出る処の天子)っぽいなあと思った。チェーザレの表情が厩戸王子と重なったからなんだけど、ミゲルが自分と同じ人間としての目線でのチェーザレを思っていく過程も、ちょっと似ている気がする。
私がチェーザレに出会ったのは塩野七生さんの作品でなんだけど、あの人の書くチェーザレは完全にヒーローだからなあ。惣領さんのこの目線は今までのチェーザレものにはない高さだと思う。今までの時代考証への真 -
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今回もじっくり楽しく読ませていただきました♪ 惣領さんの描くチェーザレは、かっこよいのと同時に無邪気で可愛い。冷徹な支配する側の顔と、知的好奇心を抑えられない可愛さは前から描かれていたけど、4巻では庶民と同等の位置に自分を置いてみることによってのギャップを理解・吸収していく様がまた可愛かった。個人的には2Pとはいえサラディンが出てきて嬉しい♪
あと、ルクレツィアがブラコンなのは良いとして、このブラコンぶりは近親相姦説を取り入れてるんですかね。チェーザレはともかくルクレツィアは完全に恋人として見てるよねー。彼女の今後のあれやこれを考えると、どう描いていくつもりなのか気になる。
用語解説や佐々木教 -
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いやはや、今号は本当に読み応えがありました。 やっぱり今号の白眉は「新説(? でもないか・・・)カノッサの屈辱」と「チェーザレ vs. ランディーノ教授の『神曲』談義」ではないでしょうか? 世界史の授業で学んだ「カノッサの屈辱」とこの漫画で描かれる「カノッサの屈辱」では結構違いがあるのもなかなか新鮮だし(とは言えども、これに似た話はどこかで読んだことがある記憶はあるのです。 その時はこの解釈にはちょっと懐疑的だったんですけどね 笑)、ピサ大聖堂に安置されているハインリッヒ7世の墓を見、そしてダンテの神曲を読んで、こんなにも多くのことを考えたチェーザレに驚嘆したりと KiKi にとってはな
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今号で再びこの時代の庶子というのがどういう存在であったのかを思い知らされました。 考えてみると不思議ですよね~。 日本ではどちらかと言えば殿様の血を残すことに重点が置かれ、いわゆる側室を持つことが支配者階級であれば言わば常識であったのに、海の向こうでは逆に正式な婚姻を経ていない男女間に生まれた者であれば、仮にそれがそこそこの立場の人であったとしても「人としての存在そのもの」が認められないとは・・・・・・。 確かにミゲルが言うとおり「それが教義」であり、その教義をベースにした信仰生活を否定しない以上「それがお前たちが望んだ世界」と言われてしまっても仕方ない・・・・とは思うけれど、何だか複雑