朝比奈秋のレビュー一覧
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杏と瞬がどのような人間なのか口絵が欲しい…と思ったのが本音。しかし、どの部分でどう違うのか、2つあったり、肥大している臓器の描写が今後どのように生きてくるのか。想像は人それぞれになるところが面白い。杏と瞬、見た目は1人の少し歪な人間なのに、意識は2人分。多重人格ではなく、身体があるところ、意識と身体は一体なのかという哲学的な問いが陰陽図と表現されていた。陰陽図、授業で出てきて、ペプシのロゴみたいだなぁと思っていたのでタイムリーで既視感あった。凹凸が上手く噛み合い、白と黒、表裏一体のような関係。サンショウウオという題名から、魚が出てくるのかなと思ったが、伯父の勝彦も父の若彦を体内に魚として飼って
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ネタバレ「移植」という行為に抵抗を感じてしまうのは、日本人ならではなのでしょうか?
臓器提供意思表示カードには、すべての臓器に◯をつけていますが、提供する側はもう生きていないので、あまり深く考えることはありませんでした。でも、移植される側は、その後も生きていかなければなりません(いゃ、生きるために移植するんですもん、当然です)。内臓なら目には見えませんが、目に見えて常に意識させられる部位の移植は、肉体的だけでなく精神的にも感覚的にも受け入れるのに相当な負荷を乗り越える必要があるのでしょう。とても想像が追いつきませんでした。
国境の争いや人種間の摩擦を、移植になぞらえて描いていくこの物語は、時に吐き気を -
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医師作家9人によるアンソロジー作品。
どの作品も50頁程なので、スピード感がある。
研修医 精神科医 救急医療 現場医療 研究者 認知症等 医療1つとってもジャンルが違い、心理描写の加減に手に汗握ってハラハラしたり、淡々と読み進めたり、一冊で何度も美味しい読み応えのある本でした。
医師(著者)が実際に経験しているであろうリアリティがそこにある。
認知症対応を生業としている身としては、何度も見た光景で「あーー大変さの中に、いくつも希望が見いだせるんだよ」「怒ったらダメダメ」と逆の意味でハラハラさせられた。
現代はサービスが揃っているので、抱え込まず使える手段を利用していくのがお互いの -
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はじめは、あまりに過酷な労働環境に、お医者さんて大変だなあ、たまに行く総合病院のお医者さんも、皆疲れていて、お休みあるのかなあ、なんて思っていたので、同情するような気持ちで読んでいましたが。
だんだんとみんなが狂ってきて、怖くなってきて、これからどうなるの?と気になって、あっという間に読み切りました。こんなに早く読んだのは久しぶりです。
確かに、医者が昼も夜も働き続けるドキュメンタリーやドラマって、医者をヒーロー化して、医者は特別な人として捉えていて、こんな働き方おかしい!って思ったこと無かったかもしれません。
私が年老いた頃には、もう医者が少なすぎて診てもらえなくなるかも、と怖くなります。
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ネタバレ本の帯につられて読んだが、あまりにも重く、苦しく、悲しい。この本を手に取るには相応の覚悟が必要に思うが、それでも、この世のすべての人が一度は読むべき本と感じたし、こういった本を本屋大賞に選出すべきと感じた。
本作では、救急医療の現場の実態やそこで働く医師の苦悩がリアルに描かれているだけでなく、所謂カスハラ患者や地方医療の姿、対照的な働き方をする皮膚科女医の様子など、多くの医療現場の要素が詰まっている。その中でも、公河の過労に向かう心境や体調の様子がどうにも苦しく、たびたび読み飛ばしたくなる。また、手術や患者の病態の描き方も細かく(この辺はさすがに著者が医師なだけあると感じる)、医者からの見え -
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ネタバレ日本で生まれ育ったら、感覚的に国境を理解するのは難しい。島国ゆえの呑気さがたしかにあるのかもしれないと気付かされた。
厳しい言葉でありながら日本人の本質を突くドクトル・ゾルタンの考えは、日本という国と日本人を客観視する目線を与えてくれた。自らのことや身の回りのこととなると思考の偏りがどうしてもあるものだ。
他者とのコミュニケーションによって思い込みが取り払われることが往々にしてあると思う。それを、一冊を通してゆっくりと浸透させていくように読者に語りかけてくれるので拒絶反応は起きない。
「移植はな、君らみたいな、切り取ったら終わりの治療とは違うのだよ」ゾルタンのこの台詞には、過去も未来も、国や人