朝比奈秋のレビュー一覧

  • サンショウウオの四十九日

    Posted by ブクログ

    不思議な気分になる作品。
    一つの体に二つの生命。
    想像できない世界に戸惑いながらどうにかこうにか読み終えた

    0
    2025年11月26日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    ハンガリー在住の日本人の内視鏡技師の、
    失ってしまった左手。
    そして新たに、移植された他人の左手。

    ウクライナ、ロシア、ハンガリー、ドイツ、
    ポーランド、そして島国の日本。
    移植の前後の肉体感覚と、昨今の国際情勢、
    特にクリミア併合以降のウクライナ情勢が重なる。

    読みごたえありました。

    0
    2025年11月17日
  • 受け手のいない祈り

    Posted by ブクログ

    1日で読み終われそう、と思ったけど、とんでもない。読み進めていくと、どんどん胸が苦しくなって、休憩を挟まずにはいられない。
    小説とはいえ、救急の現場は実際にこのような状態なのだろう。睡眠もとれずに連続4日間の勤務。精神的にも肉体的にもあまりに過酷。ラストシーン、主人公は生きているのか?明日は?明後日は?

    1
    2025年10月12日
  • 受け手のいない祈り

    Posted by ブクログ

     現役医師が書いたこの小説、フィクションではあるがエピソードは事実に基づいていると想像すると、医師の労働条件とはなんて過酷なんだろう。連勤中の心理描写は、ただただ泣かせる。

     後半、主人公の意識が拡張し、デフォルメした描写があらわれる。私にとって、これは不要な描写だ。写実に近い表現の方が、長時間労働と命に関わる重責につぶされ派生する狂気を表現できたのではないか。

     BSテレ東で放送されている『あの本読みました』に出演されている著者を観て、本書を手に取ったが、現在、著者がパートタイムの勤務をされている理由がわかる気がする。

    0
    2025年09月23日
  • 受け手のいない祈り

    Posted by ブクログ

    ただひたすらに救急医の凄まじい勤務実態~長時間の連続勤務~を描いた作品です。
    著者は消化器内科医だそうですから、作品に登場する小谷という内科医が著者の分身かもしれません。
    私も若い頃、結構な長時間勤務をしました。休みは月に1日だけ、休出の土曜も含め毎日終電近くまで残業、日曜日くらいは「定時で帰ろう」、そんな数カ月。肉体的にはしんどかったけど前は向いて居れました。期限は見えてたし、ある種の達成感も有りました。そして不足気味とはいえ毎日一定時間の睡眠は取っていた。それに比べると無茶苦茶ハード。しかも終わりが見えない。
    内科医で作家の南木佳士さんは、末期癌患者を見送り続けてパニック障害に陥ったそうで

    0
    2025年09月10日
  • 受け手のいない祈り

    Posted by ブクログ

    地域の基幹病院に掛かっているが、ほぼ予約診療でありながら、待って待って…ものの2、3分で終わる診察。もっと話ししてほしい、聴いてほしい、と不満だが、医師のワークライフバランスに思いを馳せると言えない。
    救急医療の大変さは、それどころではないようだ。いっそ病に倒れた方が、死んでしまった方がマシじゃないか、と医師が思うのが不思議ではない過酷な勤務状況の描写。重く苦しい読後。
    関西弁がナチュラルで、そこが救いなところ。

    0
    2025年08月15日
  • 植物少女

    Posted by ブクログ


    装丁に惹かれて購入してしまった一冊

    こう、上手く共感もしきろうにもしきれない、
    こういう病気モノは実体験してるかどうかが
    とても大きな鍵になってくると思う。
    少なくとも、この小説に救われる人は多い気がする。

    なんとも表現し難い、
    登場人物の苦しさがジワジワと伝わってくる。
    どのような状況下でも、
    主人公ミオは強く、逞しく、母性なのか、
    カッコよく見えた。誇らしく感じた。

    きっと、お母さんもそう感じてたと思うよって
    声を大にして言いたい。

    現に、植物状態なのはお母さんなのに、
    タイトルにあるように「植物少女」となっている
    というところにセンスもすごく感じる。
    実際に主人公ミオは植物状態

    0
    2025年08月12日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    あなたの燃える左手で
    2025.08.10

    怒りを恥じること、他人を想って涙を流すこと、それが弱さでなくて美徳とされるあの列島、そして、そこに住む平和で呑気でシャイで、親切にされると恥ずかしそうに礼義正しくお辞儀をする人たち。

    この文章によって日本人の在り方を客観視できて、なるほどなと感じた。どこか愛おしいと感じてしまった。このような日本人であり続けたいと思うのは愛国心の表れなのだろうか。

    島国である日本とヨーロッパ大陸のちがいを手の拒絶反応で表しているのが印象的。読みながら自分の神経も痛むような感覚を得た。移植をテーマとして国際関係に繋げるのは新鮮だった。
    私もアルバイトをしていて外国

    0
    2025年08月10日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    医師が書いた小説。もう読んだ本もあるが、すべて興味深い。ここから知った医師作家の本を読んでみたいと思う。

    0
    2025年07月15日
  • 受け手のいない祈り

    Posted by ブクログ

    朝比奈秋、ハズレが無い!
    やりがいに搾取され、逃げ場のない労働者が、睡眠をもぎ取られるとどうなってしまうか。
    それを医師という職業で、表現してくれた、ということだ。

    追い詰められた人間がどうなっていくか、公河の内面を追うことで読者に見せてくれる。
    恐ろしや恐ろしや。
    医師って、子どもたちが目指すいい仕事のはずなんだけど…。直美(ちょくび)もわからなくはないね。

    0
    2025年07月04日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    意外と難しくて、読み終わるのに時間がかかった

    なんの説明もなく過去の話になったり、話し手が変わったり
    いつのまにか考え事をしてる時はそんなものが知れない 国語の試験の課題文を読み解くみたいな気持ちで読み進めるのが疲れた

    誤診で左手を失った喪失感は直接描写されていないのに、幻肢痛の描写リアル そり、考え事しちゃったり、妄想の世界に入ってしまったりするよなぁ

    ロシアに攻め込まれたウクライナ市民の描写、隣国ハンガリーの市民の気持ち、シチュエーションによって言語を使い分けることが要求される生活、日本にいたら分からない
    この本に書かれていることが全てじゃないだろうけど、それなりの真実は含まれている

    0
    2025年06月22日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    医療にかかわる方たちの文体の素晴らしさに感心します
    小説家とはまた別に作ろうとしているのではなく
    日々の中でおこった事象に文体が多いついていく感覚
    健康であるという妄想を当たり前のように支えてもらっていることに
    改めて感謝です

    0
    2025年05月29日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    あらすじを読んだ際には、別の人の左手を誤診により移植された主人公が、それを乗り越えるような医療系の割とありがちな話かと思った。国境や民族意識、戦争も一つ大きなテーマになっており、その視点と片腕の移植を絡めていて面白かった。
    普段何気なく使う体も、全て自分のものだからこそ違和感なく使えることを実感して、ありがたいなと感じた。
    「日本人は謙虚に見えて傲慢」という箇所が印象的だった。国境の意識がなくほとんど同じ民族で構成されている国であり、だからこそ身内には親しいが外の人には排他的になりがちである。普段の自分の価値観、認識の仕方を改めていきたいと思った。

    0
    2025年05月03日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    読書備忘録899号。
    ★★★★。

    芥川賞作家朝比奈さんの2023年作品。
    サンショウウオ・・・は見かけ上1人の人間でありながら結合双生児という特殊な状況における心の物語でした。
    正直、どのように捉えて良いのか難しい作品という印象でした。

    この作品はサンショウウオに比べるとテーマが分かりやすい。
    ①国境を巡る紛争。侵略行為。一方、国境に縛られない民族という括り。
    ②生体移植。失われた人体機能を取り戻すために行われる生体移植。他人の一部を移植する。

    国境という境目。生体移植の境目。この2つは実は同じなんだという物語。
    そして、領土侵略、生体移植が成功するかどうかは境目を跨る相互意思に掛かって

    0
    2025年03月07日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    とても重たい話だった。自分の五体満足な体を当たり前と思わずもっと大切にしたいと思った。セカンドオピニオンも大事。

    0
    2025年02月27日
  • 私の盲端

    Posted by ブクログ

    生々しくて重たいのだけへど、そりゃそうだ、命なんだから。
    自分の身体の内臓までに思いを馳せて、そして身体の摂理が時々鬱陶しかったのに、今では感謝している。

    0
    2025年02月10日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    医師でありながら小説家でもある9人の短編小説が詰まった作品でした。あんなに忙しそうなのに、いつ小説書いてるんだろうって不思議に思う凄い方々。

    医師であるからこそのリアルな感じが伝わってきて、とても面白かったです。

    特に空中テントは、認知症の家族を介護したことある人なら誰しも共感出来る部分がたくさんあると思いました。施設の入所は、家族を見捨てることではなく、プロがみてくれる安全な場所にいれるという考えが広がったらいいな。
    私も主人公のお母さんにとても同情しました。介護する人は、自由が奪われて当然なのか、当事者じゃない人達から見捨ててるなんて文句言われる筋合いはほんとにない。文句を言うなら1週

    0
    2025年02月02日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    朝比奈秋さんの初読になります。
    もしも自分の左手が他人の左手に移植することになったら。
    舞台はハンガリーの病院での移植。

    アサトは日本人、移植の手はヨーロッパ人の左手。手の肌の色が違うし、皮膚にあるうっすら生えているうぶ毛はブロンズ。そして右手と左手を見比べると指の長さ、掌の厚みなど部分的に大きさが違う。それだけでも気味悪くなるのに、そんな手術が誤診移植だったようでクラクラしてきます。

    今度は移植後の幻肢もなかなか経験出来ない貴重なものでした。馴染んできたり、拒絶反応が出てきたりの繰り返し。
    幻肢痛に、もがき続けるアサトの悩みが、経験者じゃないと描けないだろうと思い、ネットで朝比奈秋さんの

    0
    2025年01月07日
  • あなたの燃える左手で

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今まで読んだことがないような作品で、楽しめました。(文章は少し苦手でしたが)
    日本の国境意識と、外国の国境意識。
    日本で生まれ育っているからか、あまり考えたことがなかった話を、左手の移植に準えて考えされられるとは。
    今でも色々な場所で国境に肖っていたり、苦しめられていたりすることを知りました。
    外国語の訛りを日本訛りで表現しているのにも驚きました。

    0
    2024年12月30日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    明けのカルテ 医師作家アンソロジーを読みました。
    9人の医師作家の短編集です。
    どれも結構面白かったです。
    空中テントでは、テントを張るために実家に帰った主人公が父親の認知症と直面します。
    50年前に話題となった有吉佐和子『恍惚の人』を思い出します。
    私の祖父も私が子供の頃認知症で大変でした。
    昔は介護施設も無かったですから大変でした。
    峠を超えてきた命では天城峠を超えて早産しそうな患者を迎え入れるチームの話で、出てきた地名が河津七滝ループとか、天城峠、伊豆の踊子像とか、懐かしく思いながら読みました。
    ドラマになって欲しい短編集です。

    0
    2024年12月24日