朝比奈秋のレビュー一覧

  • 受け手のいない祈り

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    朝比奈秋、ハズレが無い!
    やりがいに搾取され、逃げ場のない労働者が、睡眠をもぎ取られるとどうなってしまうか。
    それを医師という職業で、表現してくれた、ということだ。

    追い詰められた人間がどうなっていくか、公河の内面を追うことで読者に見せてくれる。
    恐ろしや恐ろしや。
    医師って、子どもたちが目指すいい仕事のはずなんだけど…。直美(ちょくび)もわからなくはないね。

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    2025年07月04日
  • あなたの燃える左手で

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    ネタバレ

    意外と難しくて、読み終わるのに時間がかかった

    なんの説明もなく過去の話になったり、話し手が変わったり
    いつのまにか考え事をしてる時はそんなものが知れない 国語の試験の課題文を読み解くみたいな気持ちで読み進めるのが疲れた

    誤診で左手を失った喪失感は直接描写されていないのに、幻肢痛の描写リアル そり、考え事しちゃったり、妄想の世界に入ってしまったりするよなぁ

    ロシアに攻め込まれたウクライナ市民の描写、隣国ハンガリーの市民の気持ち、シチュエーションによって言語を使い分けることが要求される生活、日本にいたら分からない
    この本に書かれていることが全てじゃないだろうけど、それなりの真実は含まれている

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    2025年06月22日
  • 受け手のいない祈り

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    予備知識なしで読み始めたのだが、、、つらすぎる。
    医師の芥川賞作家が、救急病棟の医師の過酷な労働環境をひたすら綴っている。
    仮眠、徹夜、過労死、退職、廃業、
    街に救急病棟がなくなる、でも急患はなくならない。
    地獄だ。

    若い医師を犠牲にする今の医療体制。
    この小説を読んで思う。
    日本でトリアージが当たり前になる日は近い。
    いや、もう始まっているのかもしれない。
    119で救急車を呼んでも助からない急患はこれから増加することだろう。
    自分の命は自分で守らなければならない。
    健康でいなければいけない。
    事故に遭ったら後は運任せだ。
    若い医者は圧倒的に足りない。
    増える見込みもない。
    老人は増え、若者

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    2025年06月21日
  • 私の盲端

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    林芙美子文学賞受賞の「塩の道」と表題のデビュー作、全2篇収録。僻地医療と人工肛門がテーマ。死ぬ怖さはもちろん、生きる怖さも味わえた。

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    2025年06月19日
  • 受け手のいない祈り

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    医療現場の過酷さは、想像を絶するものだった。ここまでに、医師が命を削って、心身共に病んでしまうとは。
    内臓や手術の表現が、映像よりも生々しく、ちょっと抵抗はあったものの、この表現が医師の心の中を写しているようでもあり、気分は良くないながらも惹き込まれてしまった。
    これが現実に近い医療なのか‥。

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    2025年06月03日
  • 受け手のいない祈り

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    どこの医療現場でも医者不足、看護師不足はよく耳にするけれど、ここまで切迫した医療現場を覗かせてもらう体験は初めてだった。
    いや、覗くというよりも、主人公に憑依してその現場に居るような感覚で読み進めてしまっていた。
    朝比奈さんの作品は初めてだったけど、これだけ読者を引っ張り込むことができる文章表現は、現役の医者だけが理由じゃないんだろう。

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    2025年06月01日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医療にかかわる方たちの文体の素晴らしさに感心します
    小説家とはまた別に作ろうとしているのではなく
    日々の中でおこった事象に文体が多いついていく感覚
    健康であるという妄想を当たり前のように支えてもらっていることに
    改めて感謝です

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    2025年05月29日
  • あなたの燃える左手で

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    あらすじを読んだ際には、別の人の左手を誤診により移植された主人公が、それを乗り越えるような医療系の割とありがちな話かと思った。国境や民族意識、戦争も一つ大きなテーマになっており、その視点と片腕の移植を絡めていて面白かった。
    普段何気なく使う体も、全て自分のものだからこそ違和感なく使えることを実感して、ありがたいなと感じた。
    「日本人は謙虚に見えて傲慢」という箇所が印象的だった。国境の意識がなくほとんど同じ民族で構成されている国であり、だからこそ身内には親しいが外の人には排他的になりがちである。普段の自分の価値観、認識の仕方を改めていきたいと思った。

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    2025年05月03日
  • あなたの燃える左手で

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    読書備忘録899号。
    ★★★★。

    芥川賞作家朝比奈さんの2023年作品。
    サンショウウオ・・・は見かけ上1人の人間でありながら結合双生児という特殊な状況における心の物語でした。
    正直、どのように捉えて良いのか難しい作品という印象でした。

    この作品はサンショウウオに比べるとテーマが分かりやすい。
    ①国境を巡る紛争。侵略行為。一方、国境に縛られない民族という括り。
    ②生体移植。失われた人体機能を取り戻すために行われる生体移植。他人の一部を移植する。

    国境という境目。生体移植の境目。この2つは実は同じなんだという物語。
    そして、領土侵略、生体移植が成功するかどうかは境目を跨る相互意思に掛かって

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    2025年03月07日
  • あなたの燃える左手で

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    とても重たい話だった。自分の五体満足な体を当たり前と思わずもっと大切にしたいと思った。セカンドオピニオンも大事。

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    2025年02月27日
  • 私の盲端

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    生々しくて重たいのだけへど、そりゃそうだ、命なんだから。
    自分の身体の内臓までに思いを馳せて、そして身体の摂理が時々鬱陶しかったのに、今では感謝している。

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    2025年02月10日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師でありながら小説家でもある9人の短編小説が詰まった作品でした。あんなに忙しそうなのに、いつ小説書いてるんだろうって不思議に思う凄い方々。

    医師であるからこそのリアルな感じが伝わってきて、とても面白かったです。

    特に空中テントは、認知症の家族を介護したことある人なら誰しも共感出来る部分がたくさんあると思いました。施設の入所は、家族を見捨てることではなく、プロがみてくれる安全な場所にいれるという考えが広がったらいいな。
    私も主人公のお母さんにとても同情しました。介護する人は、自由が奪われて当然なのか、当事者じゃない人達から見捨ててるなんて文句言われる筋合いはほんとにない。文句を言うなら1週

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    2025年02月02日
  • あなたの燃える左手で

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    朝比奈秋さんの初読になります。
    もしも自分の左手が他人の左手に移植することになったら。
    舞台はハンガリーの病院での移植。

    アサトは日本人、移植の手はヨーロッパ人の左手。手の肌の色が違うし、皮膚にあるうっすら生えているうぶ毛はブロンズ。そして右手と左手を見比べると指の長さ、掌の厚みなど部分的に大きさが違う。それだけでも気味悪くなるのに、そんな手術が誤診移植だったようでクラクラしてきます。

    今度は移植後の幻肢もなかなか経験出来ない貴重なものでした。馴染んできたり、拒絶反応が出てきたりの繰り返し。
    幻肢痛に、もがき続けるアサトの悩みが、経験者じゃないと描けないだろうと思い、ネットで朝比奈秋さんの

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    2025年01月07日
  • あなたの燃える左手で

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    ネタバレ

    今まで読んだことがないような作品で、楽しめました。(文章は少し苦手でしたが)
    日本の国境意識と、外国の国境意識。
    日本で生まれ育っているからか、あまり考えたことがなかった話を、左手の移植に準えて考えされられるとは。
    今でも色々な場所で国境に肖っていたり、苦しめられていたりすることを知りました。
    外国語の訛りを日本訛りで表現しているのにも驚きました。

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    2024年12月30日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    明けのカルテ 医師作家アンソロジーを読みました。
    9人の医師作家の短編集です。
    どれも結構面白かったです。
    空中テントでは、テントを張るために実家に帰った主人公が父親の認知症と直面します。
    50年前に話題となった有吉佐和子『恍惚の人』を思い出します。
    私の祖父も私が子供の頃認知症で大変でした。
    昔は介護施設も無かったですから大変でした。
    峠を超えてきた命では天城峠を超えて早産しそうな患者を迎え入れるチームの話で、出てきた地名が河津七滝ループとか、天城峠、伊豆の踊子像とか、懐かしく思いながら読みました。
    ドラマになって欲しい短編集です。

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    2024年12月24日
  • あなたの燃える左手で

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    ハンガリーの外科医によって、左手を失った日本人患者に他人の手を移植手術する場面を軸に展開される話。

    他人の手の移植にあたり、日本人は終始微笑して受け入れているように見えるが、徐々に本人にも耐え難い術後拒否反応が繰り返されることになる。
    その反応を比喩として、ハンガリーの外科医は、日本人は健やかに笑っていているように見えても、何も(外国人を)受け入れない国民性に結びつける。
    さらに、移植した手と本人の腕の境目を国境に見立て、日本人は四方に他国との国境があるヨーロッパとは異なり、似た者だけで排他的に暮らしながらも、自分たちは心優しい人種と思い込んでいる無知で幼稚な国民との印象を受ける。(移植した

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    2024年12月08日
  • 私の盲端

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    「私の盲端」…人工肛門つけたらこうなる、というマニュアルになりそうな内容。そして人の気持ちの揺れが淡々とつづられ、だからこそ直球で入ってくる

    「塩の道」…東北の濃厚な訛りを文字起こししたらこうなるのか、文字起こしできるんだ、とそこが面白かった。見取り病院、治療など必要としない人々を前に虚しさすら感じなくなることはある意味、楽なのか。田舎の日常が描かれている

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    2024年11月23日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。

    私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。

    中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。

    南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。

    どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比

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    2024年10月31日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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     書くことで、解放される思いがある。

     新たなジャンルが始まることへの期待を込めた夜明けでもある一方で、書かないと解放できない思いが溜まってきているのも事実であると思う。

     

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    2024年10月26日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    9人の作家(医師)による9篇の物語
    それぞれの作家自らの経験なのかはわからない
    ただ、それぞれの作家の医療への思いが短い作品の中に散りばめられていると感じた

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    2024年09月18日