朝比奈秋のレビュー一覧
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第171回芥川賞受賞作。
インパクトのある設定だったが、父親と伯父の設定にも驚く。
想像していたモノとは異なり、物語自体は淡々と進む。
私とわたし、主語が入れ替わるごとに姉妹の思考が入れ替わる。
2人の過去の出来事や記憶が思い起こされ、両親は当たり前のように2人を感じ取り、1人がもし亡くなったらどうなるのか……
何となく姉妹の片方は伯父に似、もう片方は父に似ている気も。
意識はすべての臓器から独立しているのかどうかなど、哲学的要素もあり、ただラストは物足りないような、これでいいような、不思議な読後感。
最初のインパクトが大きすぎて、朝比奈秋作品なら、他のものの方が、とも思う。 -
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第171回(2024年)芥川賞受賞作品。朝比奈秋は史上6人目、男性作家としては初となる純文学新人賞三冠(芥川龍之介賞・野間文芸新人賞『あなたの燃える左手で』・三島由紀夫賞『植物少女』)を達成した。現役、消化器内科医師として働きながら二刀流で執筆。
(帯より)伯父が亡くなった。誕生後の身体の成長が遅く心配された伯父。その身体の中にはもう一人の胎児が育っていた。それが自分たち姉妹の父。体格も性格も正反対の二人だったが、お互いに心を通わせながら生きてきた。その片方が亡くなったという。そこで姉妹は考えた。自分たちの片方が死んだら、もう一方はどうなるのだろう。なにしろ、自分たちは同じ身体を生きている -
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第171回芥川賞受賞作
読み始めてすぐに、『 ? 』理解が追いつかなくてもう一度読み返す。結合双生児のお話だと知っていながら、描かれる日常生活は想像を越え理解が追いつかなかった。パターンを理解すると、主人公の考える意識と肉体、生命の相関が頭に入ってくる。主人公の父親の出生のエピソードと主人公の在り方を交えて、意識の存在を考えていく。
最終盤、一人とみられていた主人公の影からもう一人の存在があらわれるときの描写は長すぎると思う。ページが残り少なくなったところで、核心があらわれると思ったらちょっと肩透かしだ。
強烈な個性の主人公なので、芥川賞作品ではなく直木賞作品に仕上げていたら、もっと -
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肉体、心と思考、そして意識は本当に自分自身のものであると言えるのか。意識は独立していると言えるのか。結合双生児である「二人の」主人公であるからこそ、抱える矛盾、違和感、安心感。陰陽魚の例えを使って、対立しながらも補い合う二者の在り方が表現されている。最後の一文では、杏と瞬の二人が陽中陰や陰中陽を体現し循環する存在になることができたと感じられて、読者の私として温かくも嬉しい気持ちになった。「私の身体や心は本当に私のものだと言えるんだろうか?私の意識は独立していて、全く他の介入を許さないなんて断言できるんだろうか?」単生児として生まれた私自身も自己の存在を疑う問いを与えられた物語だったように感じる
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いや、やっぱ視点がスゴイ。異世界。植物少女に続き、襲撃だった。
2人が1つの体で生きているなか、相手の感情や思考に飲み込まれそうになる圧や、痛みや辛さを相手に押し付けた後の輪郭だけのカンジ、自分の中に何かいると確信した熱感やむず痒さとか…こんな表現、しらない。
杏と瞬、どっちの思考なのか混ぜこぜの描き方も、2人をうまく表現してる。
医学では説明しようのない意識とは、感情や思考とはかけ離れているもの。死は客観的事実であり、肉体が死んでも意識は死なない?では意識が死ぬのはどんな時?
自我とはなにか…哲学的なことを想うのに、おもしろい切り口だと思った。
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幼少期から読書をしてこなかったという著者だか、どうしてこれほどの文章を書けるのだろう。
この本を読んでいると、意識、感情、記憶、肉体がジグソーパズルが崩れるかのようにバラバラになってしまう感覚になる。
最後のほうの、5歳のときに杏が瞬を見つけるときの描写がとにかく凄い。こんな表現あります⁈っていうくらいで、リアルすぎて著者の得体の知れなさを感じてしまう。
最新作「受け手のいない祈り」でも感じたのだけど、2作とも境目の曖昧さというものを感じさせる。
肉体の死とは?意識の死とは?意識と肉体の繋がりとは?などなど、まるで白黒サンショウウオのようにぐるぐると考えてしまう。答えは出ないのだけど。 -
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ただひたすらに救急医の凄まじい勤務実態~長時間の連続勤務~を描いた作品です。
著者は消化器内科医だそうですから、作品に登場する小谷という内科医が著者の分身かもしれません。
私も若い頃、結構な長時間勤務をしました。休みは月に1日だけ、休出の土曜も含め毎日終電近くまで残業、日曜日くらいは「定時で帰ろう」、そんな数カ月。肉体的にはしんどかったけど前は向いて居れました。期限は見えてたし、ある種の達成感も有りました。そして不足気味とはいえ毎日一定時間の睡眠は取っていた。それに比べると無茶苦茶ハード。しかも終わりが見えない。
内科医で作家の南木佳士さんは、末期癌患者を見送り続けてパニック障害に陥ったそうで -
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装丁に惹かれて購入してしまった一冊
こう、上手く共感もしきろうにもしきれない、
こういう病気モノは実体験してるかどうかが
とても大きな鍵になってくると思う。
少なくとも、この小説に救われる人は多い気がする。
なんとも表現し難い、
登場人物の苦しさがジワジワと伝わってくる。
どのような状況下でも、
主人公ミオは強く、逞しく、母性なのか、
カッコよく見えた。誇らしく感じた。
きっと、お母さんもそう感じてたと思うよって
声を大にして言いたい。
現に、植物状態なのはお母さんなのに、
タイトルにあるように「植物少女」となっている
というところにセンスもすごく感じる。
実際に主人公ミオは植物状態 -
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あなたの燃える左手で
2025.08.10
怒りを恥じること、他人を想って涙を流すこと、それが弱さでなくて美徳とされるあの列島、そして、そこに住む平和で呑気でシャイで、親切にされると恥ずかしそうに礼義正しくお辞儀をする人たち。
この文章によって日本人の在り方を客観視できて、なるほどなと感じた。どこか愛おしいと感じてしまった。このような日本人であり続けたいと思うのは愛国心の表れなのだろうか。
島国である日本とヨーロッパ大陸のちがいを手の拒絶反応で表しているのが印象的。読みながら自分の神経も痛むような感覚を得た。移植をテーマとして国際関係に繋げるのは新鮮だった。
私もアルバイトをしていて外国 -