朝比奈秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『私の盲端』
突然人工肛門になった大学生の涼子の話。
オストメイトのトイレの使い方とか、
知らないことも多いんだけれど、
それより何より、涼子のバイト先がおかしい。
セクハラ、パワハラ、盗撮、なんでもあり。
何であそこに戻ろうとしたのかわからない。
障害と性描写が混ざり合って、
これは見てはいけないものを見ているのでは…?
という気持ちになった。
書いているのが消化器系の医師だというのが、
どう捉えていいのかわからん。
人工肛門に指やその他諸々入れる人っているの…?
『塩の道』
後から感想を書こうと思って忘れたまま返却してしまったので
今必死に思い出しているのだけれど、
やっぱり先の私の盲端 -
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Posted by ブクログ
作品としては素晴らしいのかと。
短い中に色々な要素が含まれ、文字数少ない割にヘビーな印象。
ただ、戦争と、切り離された手と、その再生手術後のメンタル面や本人、医師描写がグロすぎて少し苦手。
視点とコロコロ変わる主語に翻弄され、またハンガリーやウクライナが舞台なのに、会話が大阪弁風や、京都弁風と個性的…
ハンガリーの医学界に日本他、外国資本が流れるよう授業料があまり高くないような話を聞いたことがある。作者が関係者なのか?ウクライナの侵略に胸を痛めて舞台にしたのか?なぜ東欧なのか?そこら辺を知りたいと思った。
ゾルタンは紙っぺらを一枚差し出した。病理検査結果と書かれた紙の中程に、切断された左手の -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直言って内容の3分の1ほどしか理解できていないと思う。
そもそも他人の手をそんな簡単に移植できるのもなのだろうか。
それも赤の他人で国すら違う人間のものを。
途中拒絶反応的なものが起きる場面があったが、
あくまでも精神的なものの影響というか、
自分の中での葛藤がありそこに打ち勝つことと
現実を直視することができるようになったことで収まったのか、
妻の死も自分の腕についても受け入れて生きていく。
…という解釈でいいのだろうか。
「日本人は寛容なようで実はとても閉鎖的」というのは
自分自身納得してしまい思わずフッと声がでてしまった。
ここだけは深く同意。
腕を移植されたことと国境のことや内戦 -
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Posted by ブクログ
人工肛門になるって人生ひっくり返る程の衝撃的な出来事だと思うんだけれど、現実に自分の身に起こると、意外と冷静に受け止めるものなんだろうか(で、砂に水が染みるようにじわじわショックがやってくるのかな)
著者の方は現役のお医者さんで、人工肛門とか排泄の描写は凄くリアルで、読みながら自分がこうなったら、うーん、と唸ってしまった。
主人公の心情がリアルなのかは、人それぞれに思うところが違うだろうからわからない。ただ、達観したようで実は静かに傷ついて行く様子は読んでいてしんどかった。
そもそも人工肛門についての知識がほとんど無かったことに気づいて色々検索してしまった。
もう一作の塩の道は賞をとったそう -
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Posted by ブクログ
ネタバレ左手を切断してまたくっつけた人の話。
他人の手をくっつけるなんて超空想の話のようだが、その描写がめちゃくちゃリアル。
くっついた手(=他人の手)の厚みとか、色とか、指毛まで細かく描かれていて、だからこそその違和感や気持ち悪さが際立っていたような気がする。
個人的にはその気持ち悪さがこの小説のけっこう重要な要素だと思っており、しっかり表現できていて味わい深い小説だなと思った。
他人の手をくっつけて自分のものとして受け入れる(そのプロセスにおいて一定反発が発生するし、場合によっては受け入れられず終わる)という構造が、主人公のアサトだけでなく国と国の関係にまでメタ的に読み解くことができ、すごい視