朝比奈秋のレビュー一覧

  • あなたの燃える左手で

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    現実の日々のなかの、正しさを強いられ続ける世相。感情を抑えつけ、なだめすかして、間違いのないように制御するために思考し続けることを強いられるような毎日の繰り返しに、本能的な嫌悪感が加速していくわたし個人の心象風景と、主人公アサトの身体反応、健常と障害、国家と国境など、異質や隔絶、分断のその先の景色と、シンクロするような人ごとで済まされない物語を見せてもらった。

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    2025年11月25日
  • 植物少女

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    見てはいけないものを見たような、なんとも形容しがたいお話でした。
    共感できるような境遇じゃないものの、生々しい感情が散りばめられてるなと感じた。

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    2025年11月21日
  • 受け手のいない祈り

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    ネタバレ

    しんど過ぎて途中何度も挫けそうになった
    でも極限状態の人間の狂気的な描写はかなりリアルなんだと思う
    私の父も外科医で、幼い頃はそれこそ当直もあり、論文書きながら、手術もこなし、幾度となく夜呼び出されて、家族旅行の思い出なんてほぼないし、学校行事に来たことなんて一度もない…結局急逝する2年前、79歳まで医師として仕事を続けたけれど、父が読んだらどんな感想言うだろうなぁ〜とふと思った

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    2025年10月27日
  • 植物少女

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    題材が題材だけに“共感”を得ることはなかった。
    人の想いの奥底にある“何か”を感じとれれば良かったんだろうけど、私にはわからなかった。

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    2025年10月22日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師作家アンソロジー。専門が違うことでこんな風に違う広がりがあるのかという驚きと、医療やそれを取り巻く人々の色々な悩みを小説を通じて想像すると自身に何かあった時に受け止め方が変わるかもしれないと、解説にも感銘を受けた。

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    2025年09月26日
  • 植物少女

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    話の内容は、共感するには難しいものであったが、生きるとは何か。自分にとって相手がどんな存在であるのかということを非常に考えさせられた。
    病室で半生を生きることになった母と、そこに向き合う娘の姿。静かだが、誰よりも全力で人生を歩んでいるようにも思えた。

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    2025年09月24日
  • 受け手のいない祈り

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    この主人公は、作者ご自身であると決めつけている。
    テレビで観た朝比奈さんの印象そのものだった。

    医療現場の労働環境がここまで来ているとは。同情なんて申し訳なさすぎるほど。
    「一日」という単位の繰り返し。睡眠がその単位を区切っている。
    その区切りなく、人の生死に関わらざるを得ない人間。その人たちがいるから安心して「一日」を生きている俺。治してもらわないと困るけど、当たり前と思ってはいけないな。勝手なもんだ。

    「何十時間も横にならんかったら、縦に連なった内臓がな、重みで潰れていくんや」

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    2025年09月07日
  • 受け手のいない祈り

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    コロナ禍で地方のいくつかの病院が崩壊した現実があった。今でも、地方では医師不在、救急病院不足の現状がある。
    舞台は大阪近郊の総合病院。近隣の病院が次々と夜間救急から撤退、この病院でも医師が次々といなくなり、青年医師の公河は徹夜に次ぐ徹夜で70時間を超える連続勤務で肉体、精神ともに蝕まれていく。
    限界を過ぎても断れない救急。患者の命は救われるが、医師の命は捧げなければならないのか。医療との免罪符を手に無数の患者の生命と向き合い続けた罪悪感が精神を追い詰めていく。
    私たち全員が向き合うべき現実がここに存在している。衝撃の問題作。

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    2025年09月01日
  • 植物少女

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    手のひらの温もりとその静かな呼吸は、肯定も否定もせず、あるがままに受け止めてくれるもの。
    植物状態の母しか知らない美桜だからこそ、物心ついた頃から、2人だけのやり方でコミュニケーションを取り、唯一無二の関係性を築いて来た。
    それは、社会的には普通ではない親子関係だと言われるだろうし、可哀想に思われるかもしれない。
    でも普通って何だろう。可哀想と決めるのは大抵、表面的な部分しか見えてない周囲であって、当事者にとっては日常であり普通なのだ。

    母の髪を金髪にしたり、ピアスを開けたり、愚痴や不満の掃きだめにしたり、リアクションがないからこそ過激になっていく、美桜の甘えの描写に胸が苦しくなった。
    だが大人になり、母親の癌を知り、それを自分のせいにする美桜に一筋の光を見た。
    美桜の母親は、美桜を育てたのだと思う。その動かない身体をもって。意思を持たない、だが生きているその圧倒的な存在感で。

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    2025年08月29日
  • 植物少女

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    読んだ後、植物状態と脳死と昏睡状態の違いについてネットで調べてみたり、自分があるいは身内が植物状態になる状況を考えてみたりしている。

    例えば自分が交通事故にあって植物状態になったとして、それは自分だと言えるだろうか。今の私と地続きの存在だと言えるだろうか。自分はちゃんと生きていると言えるだろうか。植物状態は生きている状態だと医学的にも法的にも認定されている。でも自分の実感として、この「私」という意識と自由な思考、自由な身体こそ「生」の状態だと思っているので意識がなく寝たきりという状態は苦痛だと思った。そんな人生虚しすぎないか。いっそのこと殺してくれとすら思う。

    では親が、兄弟が、友人が、恋人が、子どもが植物状態になったら?すごくショックで悲しい。でも、その人がまだちゃんと生きていることに安堵してきっと縋り付く。どんな形であれ生きていてほしい。その気持ちはその人を失いたくない自分のエゴから来るものだろう。

    植物状態の人間は大脳以外は機能しているため自分で呼吸するし反射運動も起こす。口元に食べ物を持っていけば口を開いて噛んで飲み込み、時には咽せたりするらしい。眼を開けることもあるし喉から音が出ることもあるようだ。読み始めた頃は不気味に思えたが、主人公(美桜)を通して物語が進むうちにそういう気持ちは小さくなってきた。まだ少しドキッとはするけれど。

    美桜の時間はどんどん進み、私たちと同じように思春期や結婚や出産など色々経験して変わっていく。植物状態である美桜の母も加齢は進み病を得たりするが状態はほとんど変わらない。でもずっと病室でしっかりと呼吸をしている。健やかに生きている。著者は実際にそういった生き方を二十数年されている方に出会って、虚しい生き方だともこんな人生は嫌だとも思わず、自分と何の変わりもなく生きているのだと思ったらしい。

    この本を読んでから事あるごとに考えるようになってちょっと考え方が変わった。身近な人が植物状態になってしまったら、すごくショックで悲しいけれどまだ生きてくれていることに安堵する。そして、状況を受け入れるのにちょっと時間はかかるかもしれないけど、今日もしっかり生きてるねって、心から思うんではなかろうか。

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    2025年08月23日
  • 受け手のいない祈り

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    ネタバレ

    2025/05/17予約40
    本当の話なのか、と思うほど過酷な労働、連続72時間勤務…救急医療をする側のほうが病んでいる。本来の仕事である医師を真っ当な精神、健康状態で行える環境を整えてほしい。もしかすると救急搬送患者を選別することにつながるのかもしれないが、暴走族やヤクザの救急医療を一般の患者と同じように扱うのが正しいのか考える時期に来ているように感じた。
    最後まで救いのない本。

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    2025年08月14日
  • 受け手のいない祈り

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    読んでいたただただ辛かった。

    ここまで追い詰められた状況をこれでもかと表現できる凄さ。
    受け手のいない祈り・・・深刻だ。

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    2025年08月13日
  • 受け手のいない祈り

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    現実だとしたら… あの本読みました?に出演された著者が病院あるあると話されていました。
    だとしたら恐ろしい話で、自分の命を削りながら患者の命を救う救急医が描かれています。
    その凄まじい勤務状況が現実だとしたら、この先救急受入病院は皆無になるだろう。

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    2026年01月03日
  • 私の盲端

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    生々しさ。
    人工肛門、匂いや音。普段の何気ない部分でも気にしてしまうものなのに、状況や環境が変わると過敏になるとほんとに思う。
    全然知らない世界なのに、苦虫を噛み潰したような感情に襲われかねない。

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    2025年06月04日
  • 私の盲端

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    やっぱり初期作品を読むといろいろなことが伝わってきて良い。自分のやりたいこととの接続もよくわかった。共感と対極の余白。

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    2025年05月16日
  • 私の盲端

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    「私の妄端」は人工肛門となった女子大生の話。現役医師の書いた小説なので、機能とか構造が細かく描かれていた。「塩の道」も医師ならではの視点で終末医療が描かれていた。青森の漁村で、亡くなる直前まで自宅で過ごす風景。人が年老いて死んでいくことを当たり前に受け止める家族の逞しさ。かっこいいけど難しい。

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    2025年04月14日
  • あなたの燃える左手で

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    誤診で失った左手に、代わりの別の人間の左手を移植されたところから、ハンガリーの医師とヤパァナ(日本人)の患者の話により物語が進んでいった。話は移植手術のみに終わらず、ヨーロッパの国際情勢や過去のいざこざの話が広がっていき、西洋人の国や国境意識と日本人のそれは、非常に乖離していることを気づかせてくれる作品だった。島国で国境がないことが、いかにお気楽なものであるか。なんとなく面白かったが、かなり難しい、、、。読解力が低くて、もっと国際情勢に詳しければ、面白く感じたんだろうなぁ〜。

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    2025年04月05日
  • あなたの燃える左手で

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    ネタバレ

    少し自分には難しいと感じた
    他人の左手がどんな感覚なのだろうと初めて想像してみた、とても受け入れ難いものであると思う。何をするにも手は使うし、視界にも入る、それが自分ではない人の手なのであれば不快な気持ちが常にまとわりつく感覚になるだろう
    当たり前に日本にしか住んだことないから考えたこともなかったが、見えるものすべてが自分の国のものって当たり前がじゃないんだと気付かされた

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    2025年02月24日
  • 私の盲端

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    私は潰瘍大腸炎になり、2回目の時人工肛門を付けていて、文章を読み進めるときすぐに便がたまり、すぐに公共のトイレ、オスメイト二駆け込み便を吐き出すことを思い出しました、私はたまたま人工肛門を閉じられてたので、又普通の生活をしていますが人工肛門をしている苦悩は、計り知れません、その便を吐き出すこととかのリアルさが、書かれていて、世の中の人達に人工肛門を付けて生活している人も、いることを伝えられるために書いたのか、書かれた方は医師とあったので、もしかしたら人工肛門の生活は、苦悩だと伝えたかったかもしれません後半は、老人達いつか死ぬ方を看取り死亡診断を書く医師の物語、何人も老人の死を見てきたので医師としての無感覚さが、記されています。私は文章が重く感じたので星は、5つではありません。

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    2025年01月29日
  • 私の盲端

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    ネタバレ

    『私の盲端』
    突然人工肛門になった大学生の涼子の話。
    オストメイトのトイレの使い方とか、
    知らないことも多いんだけれど、
    それより何より、涼子のバイト先がおかしい。
    セクハラ、パワハラ、盗撮、なんでもあり。
    何であそこに戻ろうとしたのかわからない。
    障害と性描写が混ざり合って、
    これは見てはいけないものを見ているのでは…?
    という気持ちになった。
    書いているのが消化器系の医師だというのが、
    どう捉えていいのかわからん。
    人工肛門に指やその他諸々入れる人っているの…?

    『塩の道』
    後から感想を書こうと思って忘れたまま返却してしまったので
    今必死に思い出しているのだけれど、
    やっぱり先の私の盲端が強烈なインパクトを与えていて、
    ネタバレ感想を読んでみてもいまいち思い出せない。
    方言強めだと書いている人がいたけれどそうでもなかった。
    おそらく田舎だとか都会だとかに限らずこういう病院はあるだろう。
    今の時代だと、入院できるだけラッキーかもしれない。

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    2025年02月12日