朝比奈秋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
手のひらの温もりとその静かな呼吸は、肯定も否定もせず、あるがままに受け止めてくれるもの。
植物状態の母しか知らない美桜だからこそ、物心ついた頃から、2人だけのやり方でコミュニケーションを取り、唯一無二の関係性を築いて来た。
それは、社会的には普通ではない親子関係だと言われるだろうし、可哀想に思われるかもしれない。
でも普通って何だろう。可哀想と決めるのは大抵、表面的な部分しか見えてない周囲であって、当事者にとっては日常であり普通なのだ。
母の髪を金髪にしたり、ピアスを開けたり、愚痴や不満の掃きだめにしたり、リアクションがないからこそ過激になっていく、美桜の甘えの描写に胸が苦しくなった。
だが大人になり、母親の癌を知り、それを自分のせいにする美桜に一筋の光を見た。
美桜の母親は、美桜を育てたのだと思う。その動かない身体をもって。意思を持たない、だが生きているその圧倒的な存在感で。 -
Posted by ブクログ
読んだ後、植物状態と脳死と昏睡状態の違いについてネットで調べてみたり、自分があるいは身内が植物状態になる状況を考えてみたりしている。
例えば自分が交通事故にあって植物状態になったとして、それは自分だと言えるだろうか。今の私と地続きの存在だと言えるだろうか。自分はちゃんと生きていると言えるだろうか。植物状態は生きている状態だと医学的にも法的にも認定されている。でも自分の実感として、この「私」という意識と自由な思考、自由な身体こそ「生」の状態だと思っているので意識がなく寝たきりという状態は苦痛だと思った。そんな人生虚しすぎないか。いっそのこと殺してくれとすら思う。
では親が、兄弟が、友人が、恋人が、子どもが植物状態になったら?すごくショックで悲しい。でも、その人がまだちゃんと生きていることに安堵してきっと縋り付く。どんな形であれ生きていてほしい。その気持ちはその人を失いたくない自分のエゴから来るものだろう。
植物状態の人間は大脳以外は機能しているため自分で呼吸するし反射運動も起こす。口元に食べ物を持っていけば口を開いて噛んで飲み込み、時には咽せたりするらしい。眼を開けることもあるし喉から音が出ることもあるようだ。読み始めた頃は不気味に思えたが、主人公(美桜)を通して物語が進むうちにそういう気持ちは小さくなってきた。まだ少しドキッとはするけれど。
美桜の時間はどんどん進み、私たちと同じように思春期や結婚や出産など色々経験して変わっていく。植物状態である美桜の母も加齢は進み病を得たりするが状態はほとんど変わらない。でもずっと病室でしっかりと呼吸をしている。健やかに生きている。著者は実際にそういった生き方を二十数年されている方に出会って、虚しい生き方だともこんな人生は嫌だとも思わず、自分と何の変わりもなく生きているのだと思ったらしい。
この本を読んでから事あるごとに考えるようになってちょっと考え方が変わった。身近な人が植物状態になってしまったら、すごくショックで悲しいけれどまだ生きてくれていることに安堵する。そして、状況を受け入れるのにちょっと時間はかかるかもしれないけど、今日もしっかり生きてるねって、心から思うんではなかろうか。 -
Posted by ブクログ
私は潰瘍大腸炎になり、2回目の時人工肛門を付けていて、文章を読み進めるときすぐに便がたまり、すぐに公共のトイレ、オスメイト二駆け込み便を吐き出すことを思い出しました、私はたまたま人工肛門を閉じられてたので、又普通の生活をしていますが人工肛門をしている苦悩は、計り知れません、その便を吐き出すこととかのリアルさが、書かれていて、世の中の人達に人工肛門を付けて生活している人も、いることを伝えられるために書いたのか、書かれた方は医師とあったので、もしかしたら人工肛門の生活は、苦悩だと伝えたかったかもしれません後半は、老人達いつか死ぬ方を看取り死亡診断を書く医師の物語、何人も老人の死を見てきたので医師としての無感覚さが、記されています。私は文章が重く感じたので星は、5つではありません。
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ネタバレ『私の盲端』
突然人工肛門になった大学生の涼子の話。
オストメイトのトイレの使い方とか、
知らないことも多いんだけれど、
それより何より、涼子のバイト先がおかしい。
セクハラ、パワハラ、盗撮、なんでもあり。
何であそこに戻ろうとしたのかわからない。
障害と性描写が混ざり合って、
これは見てはいけないものを見ているのでは…?
という気持ちになった。
書いているのが消化器系の医師だというのが、
どう捉えていいのかわからん。
人工肛門に指やその他諸々入れる人っているの…?
『塩の道』
後から感想を書こうと思って忘れたまま返却してしまったので
今必死に思い出しているのだけれど、
やっぱり先の私の盲端が強烈なインパクトを与えていて、
ネタバレ感想を読んでみてもいまいち思い出せない。
方言強めだと書いている人がいたけれどそうでもなかった。
おそらく田舎だとか都会だとかに限らずこういう病院はあるだろう。
今の時代だと、入院できるだけラッキーかもしれない。