幸村誠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
血筋とか、生まれとか、育ちというのは、多かれ少なかれ、重かれ軽かれ、その人間に宿命を与える。背負わせる。
『どう生きるか』以上に、『どう死ぬか』、死に方にこそ人間の価値があらわれるのだと、アシェラッドの最期を見て思った。
彼は、おのれの宿命を腹の内に抱えながらも、周囲からすると自由奔放、欲望のままに生きたように見える。
しかしそれは戦乱の時代を生き抜くため、作り上げたかりそめの地位であり、虎視眈々と、自分が真に成すべきことの機会を狙っていたのだ。
人は、おのれの宿命から目を背けることはできない。
アシェラッドは、まさに死の瀬戸際で、その宿命にケリをつけた。
全てを成し遂げることはできなかったが -
Posted by ブクログ
戦いのない世界が欲しい。
どうすれば?
トルフィンのしたいこと。殿下との再会を前に夢が固まってきたね~。それにしてもトルフィンの理想郷は難しい。ヴァイキングの時代にどうあがいていくのか。
何もしなくても敵がくれば戦わざるを得ないじゃないか。本当に戦いのない地を作るには守るためにも戦いを選んではいけないのだと…どこかに安住の地はないのか…遠く遠く…あるかもわからない海の向こうに…国を作るほどの多くの人を連れてなど…
ともあれトルフィンの戦ってるところまたみれたー!蛇も強えーし心踊るー♪(野蛮人)
次は蛇さんの過去になるのかなー。殿下と早く再会して、どうわーっと物語が展開するのも待ち遠しい -
Posted by ブクログ
ネタバレ11巻の終わりから、てっきりケティルの農場に
クヌート殿下とフローキが攻め込んで
レイフ含めてトルフィンとの再開という展開だと思ってたので
逃亡奴隷に関する巻になるというのが
やや肩すかしを食らった感あり。
まあでも、最後まで読んでみると、
ここで逃亡奴隷のあり方と最期を目の当たりにすることで
奴隷と戦争をなくすにはどうすればいいのかという
トルフィンの問題意識が深められることになるので
このタイミングで描かれることの意義はあったのかなと思った。
力(暴力)と財力が強いものが弱いものを従わせ、すべてを奪う
という世の中のあり方はこの時代ほどひどくはないものの
現代もそういう傾向があるだけに