田牧大和のレビュー一覧
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鯖猫長屋ふしぎ草紙、シリーズ5作目。
お江戸の根津にある、賢い猫のサバが一番偉い長屋。
表紙のサバが美猫(いいおとこ)!
飼い主の拾楽(しゅうらく)が住む前からサバはここにいて、以前にあったことから守り神のような存在になっていました。
拾楽は、サバの絵を描くのが主な、ぱっとしない絵描き。ひょろっと痩せて、ひょうひょうとしているが、実は若気の至りでかって義賊「黒ひょっとこ」だった過去があるのです。
臨時廻同心で「ニキのご隠居」で知られる人物が、鯖猫長屋にやってきた。
かねて懇意の北町の定廻り同心・掛井十四郎も頭が上がらない、拾楽のこともすべてお見通しという、風格ある大物です。
ニキのご隠居の -
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内容(ブックデータベースより)
さちの友だち、おとみが母親に捨てられた!?
境遇が移り変わっていく幼い少女たち。
物語を彩るのは、初夏の上菓子三品。
さちが遊びに行ったおとみの家で、おとみの母親が百瀬屋の上菓子を出してくれた。おとみは、上菓子を生まれて初めて食べた様子。
さちは「藍千堂の方が美味しい」と感じるが、「でも、どうして上菓子を出してくれたのだろう」。さちが微かな違和感じた次の日、おとみの母はいなくなった。
おとみの母は、おとみを残して町火消の組頭に嫁入りした。嫁ぎ先が生さぬ仲の娘を嫌ったため、おとみは置き去りにされたのだ。大工の伯父夫婦が養女として引き取ることで、すでに話は済ん -
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内容(ブックデータベースより)
『藍千堂』に特別な「誂え菓子」を依頼する客が次々とやってきて……。
藍千堂謹製、想い出に色を添える菓子三品。
父の死後、江戸でも名店と謳われる菓子屋「百瀬屋」の晴太郎と幸次郎兄弟は、叔父に実家を追われ、小さな菓子司「藍千堂」を営む。
晴太郎が佐菜と結婚して男所帯だった藍千堂の暮らし向きは華やかになったが、そんな折に、叔父の百瀬屋清右衛門が病に倒れた――。
清右衛門は静養のため、内儀のお勝と共に愛宕山の診療所で暮らすことになった。
娘のお糸が父母の代わりに『百瀬屋』を取り仕切るはめになったものの、当のお糸は落ち着いたもの。『藍千堂』の兄弟、晴太郎と幸次郎が手 -
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「人の口に戸は立てられぬ」とはよく言ったもので、悪口はすぐに広まるが、それが真実とは限らない。そんな噂に引っ掻き回された晴太郎たちは、父の残したレシピを読み解きながら、自分が少しずつ成長している事に気づかされてゆく。
アーモンドというと、マジパンにアーモンドサーレ、フロランタン、クレッセント、アーモンドシュクレくらいしか作ったことがなかったが、蒸しパンか。和菓子でアーモンドは難しそう。
それから、茂平の作る金鍔の美味しそうなこと。抹茶味も、最近のブームも江戸時代に持っていくとこうなるのか。
幸次郎もとうとう腹を括ったようだし、次巻が楽しみ。