あらすじ
百瀬屋の菓子職人の逆恨みから騒動が始まって……
藍千堂と百瀬屋の間で時ならぬ喧嘩が勃発!?
江戸の巷で話題になるほどの騒ぎをどう鎮めるのか。
いつになく元気がない伊勢総左衛門のために、晴太郎と幸次郎は二人の亡き父・先代清右衛門との思い出の食材、阿米弁糖(あめんどう/アーモンド)を使った菓子を考案する。
そんな折、百瀬屋が新たに雇った菓子職人が騒動を起こす。
腕はいいのだが傲慢な性格で、勝手に先代・清右衛門の菓子をアレンジし、百瀬屋の商売の流儀まで変えようとする。 お糸が激怒し職人を解雇してしまうが、仕返しに読売屋へネタを売る。
百瀬屋が藍千堂の菓子を盗んだ! 巷では「先代清右衛門を挟んで、百瀬屋対藍千堂の喧嘩が始まった」と噂になり勝手に食べ比べをする者が現れたり、一騎打ちの見立て番付が出るなど大騒ぎに。
百瀬屋と藍千堂が知恵を集めて思いついた解説策とは、果たして?
感情タグBEST3
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アコギな商売をしていた父が倒れ療養と言い母まで逃げ残された一人娘のお糸が清太郎と幸次郎の力をかり世間の風当たりが強い中、孤軍奮闘。弱みに漬け込みたくないと見守っていた幸次郎がやっとお糸に想いを告げました。幸せになって欲しい。続きが楽しみです。
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アコギな商売をしていた父が倒れ療養と言い母まで逃げ残された一人娘のお糸が清太郎と幸次郎の力をかり世間の風当たりが強い中、孤軍奮闘。弱みに漬け込みたくないと見守っていた幸次郎がやっとお糸に想いを告げました。幸せになって欲しい。続きが楽しみです。
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シリーズ6作目の3話
主人公兄弟の亡父の親友で後見人でもある伊勢屋総左衛門からアーモンドが届く。昔父と総左衛門が菓子にしようとしていたと知り、百瀬屋に残っていた昔の菓子帳(レシピや試作の記録)を見つけ、失敗はしていたが次のアイディアが残されていて、そこから晴太郎はアーモンドを粉にして小麦粉と酒粕、ふくらし粉を混ぜて蒸した麩餅の間に、皮付きの粉を混ぜた白餡を挟んだ菓子を作って総左衛門に届ける。
父の美学からは外れるが、食べる人に驚きと感動を与える自分の菓子を目指すことを意識する。
指示されたことだけするよう躾けられた百瀬屋の菓子職人を補うために、お糸は京で修行した伴次という職人を雇うが、この男がわがままな曲者で店を引っ掻き回すので解雇すると、読売(瓦版)に百瀬屋の悪行をでっち上げて面白おかしく書かせ、総左衛門と奉行所の同心の岡が火消しに奔走する。続いて、読売が藍千堂と百瀬屋が菓子で対決すると書き立てたると、晴太郎とお糸は両方の菓子をセットで入れた商品を売り出す。
アイディアと人の温かい心の繋がりとで、鮮やかに切り抜けていく晴太郎たちの次の物語が楽しみになる。ドラマかアニメにならないかなあ。
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読後感:なんか・・・いいなぁ。
翻って・・・自身のこと。
美味しいものが好き、そして同じ様に感じるあなたが好き。
そんなあの人を思い出してしまうのは何故?
私にも「すき」と言ってくれないかな。。。
などと詮無いことを思ったりする。
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「人の口に戸は立てられぬ」とはよく言ったもので、悪口はすぐに広まるが、それが真実とは限らない。そんな噂に引っ掻き回された晴太郎たちは、父の残したレシピを読み解きながら、自分が少しずつ成長している事に気づかされてゆく。
アーモンドというと、マジパンにアーモンドサーレ、フロランタン、クレッセント、アーモンドシュクレくらいしか作ったことがなかったが、蒸しパンか。和菓子でアーモンドは難しそう。
それから、茂平の作る金鍔の美味しそうなこと。抹茶味も、最近のブームも江戸時代に持っていくとこうなるのか。
幸次郎もとうとう腹を括ったようだし、次巻が楽しみ。
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「わかれ道の先」のわかれ道がいくつも出てきます。私的最大の話はお糸と幸次郎の話。幸次郎は天国にいるライバル彦次郎に「一番近くと同志」は譲り「恋心と支え役」は貰ったと宣言。二人の関係は前進。続きはとても楽しみです
兄とお糸を支える役目に徹し常に全うしていく幸次郎。そんな幸次郎が私も好き
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シリーズ第6巻
【収録作品】
序 総左衛門の小さな綻び
一話 遺された菓子帳と「三度目の阿米弁糖(アメンドウ)――アーモンド――」
二話 お糸の啖呵と「栗餡の金鍔」
三話 読売騒ぎと「挽茶の羊羹」
結び 笑う幸次郎
百瀬屋の新入りの菓子職人を巡る話。
性根の腐った人間というのはどこにでもいるわけだが、面白ければよいと噓を拡散するのも変わらずか。
受け手が真に受けなければいいだけなのに、その辺の民度も変わらずというところがなんともはや。拡散の速さと取り消しのできなさという意味では、今のほうがたちが悪い。
とはいえ、明るい兆しが見えて、ようやくこの二人も…という展開はうれしい。
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シリーズ第六弾。
晴太郎と幸次郎兄弟そして職人の茂市が営む菓子司〈藍千堂〉を巡る人情噺、連作三話(&序と結び)が収録されております。
晴太郎と幸次郎兄弟の後見人で、二人の亡き父・先代清右衛門の親友でもあった伊勢屋総左衛門が、いつになく元気がない様子。
相談を受けた晴太郎達は、総左衛門と先代清右衛門の思い出の食材・阿米弁糖(あめんどう/アーモンド)を使った菓子を考案することに・・。
〈伊勢屋〉の従業員たちが、主人・総左衛門の元気がないとザワついた理由が、“(着物と紙入れの)コーディネートが合っていないから”という、まさかのファッションチェックで心配されるあたり、普段の総左衛門の装いが完璧なのだろうな・・とお察しします~w。
と、変なところに食いつくのはこの辺にしときまして(汗)。
今回晴太郎達が総左衛門の為に作ったのが、“アーモンド(阿米弁糖)を使った麩餅”なのですが、モチモチの麩餅×アーモンド風味なんて絶対美味しいヤツ!と“麩餅スキー”の私はつい前のめりになってしまいました。
さらに、この「阿米弁糖」菓子作りを機に、今まで〈百瀬屋〉にあった先代清右衛門の“菓子帳”が晴太郎達の手元に戻ってくることになったのは良かったですね。
一方、お糸が“名代”として切り盛りする〈百瀬屋〉に、新しく雇われた菓子職人の伴次が、傲慢&横柄でホンマに人として酷い代物でして・・この巻は、ほぼほぼこの伴次に引っかきまわされているという印象です。
お糸自身「なぜ、あんな奴を雇ってるのかって、不思議に思っているでしょう」と、伴次にドン引きしている幸次郎に言っていましたが、採用面接(?)の時点で「ダメだコイツ」ってならなかったのですかねー?
ま、それほど〈百瀬屋〉の人手不足が深刻だったということなんですけどね・・。
さて、そんな困ったヤツ・伴次ですが、結局お糸の逆鱗に触れて解雇されてしまうのは想定内として、その後〈藍千堂〉に“雇ってくれ”と押しかけるわ、それがダメならと仕返しに読売屋へ〈百瀬屋〉と〈藍千堂〉の似非ゴシップを売るわで、とんだ迷惑野郎でした。
ただ、これをきっかけにして〈百瀬屋〉の“指示待ち職人トリオ”がしっかりするようになったので、“怪我の功名”ってところでしょうか。
〈百瀬屋〉の名代になってから、お糸は苦労続きでお気の毒なのですが、エピローグの「結び」では、お糸と幸次郎の仲にちょっと進展があったのは嬉しかったですね。
晴太郎も父の道を継ぐだけでなく、“自分の菓子道”を歩むことを決めたようですし、今後も〈藍千堂〉と〈百瀬屋〉の行く先を見守っていきたい所存です~。
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シリーズ第6弾
タイトルから、それぞれの道を目指して、別の道を進むのかと思ったが、晴太郎が先代・清右衛門の菓子にこだわらない、自身の菓子を作る道への分かれ道だったのか。
幸次郎とお糸のはっきりしない関係も一歩進んだようだが、百瀬屋を仕切るお糸を考えると幸次郎はどうするのか。
兄弟と茂市の3人がいての藍千堂であって欲しい。
Posted by ブクログ
いつになく元気がない伊勢総左衛門。皆が心配する中、百瀬屋が新たに雇った菓子職人が騒動を起こす。
この騒動を収めた菓子は、先代清右衛門が作った菓子をベースにしながら、先代が目指したものから離れて独自の方向に向かう。
また、晴太郎は、先代清右衛門から引き継いだ、阿米弁糖(あめんどう/アーモンド)を使った菓子を考案する。
晴太郎は、自分の進む道を決心する。