あらすじ
百瀬屋の菓子職人の逆恨みから騒動が始まって……
藍千堂と百瀬屋の間で時ならぬ喧嘩が勃発!?
江戸の巷で話題になるほどの騒ぎをどう鎮めるのか。
いつになく元気がない伊勢総左衛門のために、晴太郎と幸次郎は二人の亡き父・先代清右衛門との思い出の食材、阿米弁糖(あめんどう/アーモンド)を使った菓子を考案する。
そんな折、百瀬屋が新たに雇った菓子職人が騒動を起こす。
腕はいいのだが傲慢な性格で、勝手に先代・清右衛門の菓子をアレンジし、百瀬屋の商売の流儀まで変えようとする。 お糸が激怒し職人を解雇してしまうが、仕返しに読売屋へネタを売る。
百瀬屋が藍千堂の菓子を盗んだ! 巷では「先代清右衛門を挟んで、百瀬屋対藍千堂の喧嘩が始まった」と噂になり勝手に食べ比べをする者が現れたり、一騎打ちの見立て番付が出るなど大騒ぎに。
百瀬屋と藍千堂が知恵を集めて思いついた解説策とは、果たして?
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Posted by ブクログ
シリーズ第6巻
【収録作品】
序 総左衛門の小さな綻び
一話 遺された菓子帳と「三度目の阿米弁糖(アメンドウ)――アーモンド――」
二話 お糸の啖呵と「栗餡の金鍔」
三話 読売騒ぎと「挽茶の羊羹」
結び 笑う幸次郎
百瀬屋の新入りの菓子職人を巡る話。
性根の腐った人間というのはどこにでもいるわけだが、面白ければよいと噓を拡散するのも変わらずか。
受け手が真に受けなければいいだけなのに、その辺の民度も変わらずというところがなんともはや。拡散の速さと取り消しのできなさという意味では、今のほうがたちが悪い。
とはいえ、明るい兆しが見えて、ようやくこの二人も…という展開はうれしい。