砂村かいりのレビュー一覧
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ネタバレ淡々とスムーズに読めた、がストレスは溜まった。
和佐をK()と呼ぶが、これはツイッターの投稿のためではなく、カスのK、キモいのK、カラスより頭悪いK、鏡見て出直せのK、かっこいいと対極にいる残念な生き物のK、金で許してやるから金だせよのK、勝手なことばっかり言ってモラハラみたいなことするなのK、などの頭文字をとって略します。
正直に言えば浮気にならないのか?普通に9年付き合ってそれなら慰謝料とりますが?と怒りがずっと沸々してた。
読み終えてまるっとおさまった気がするけど全然イライラする。ダッシュかバッシュか知らんけど犬が連れてかれる〜のくだりもおもろいくらいイライラした。由麻のような選択をするかもしれないけど、遅くともその時点でぶん殴って金もらって別れたいな。
由麻、縁切り神社いこうで。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ予備校生となった3人の若者の話。
再び浪人して予備校に残り、翌年ついに合格する千浩。
合格して充実した大学生活だったけど適応障害になる睦。
予備校をやめて私立大学に行き、それでも医学部を諦めたことにモヤモヤしながら過ごした後に実家の金銭的都合で働くことになる耕平。
同じところにいて同じ道を目指していた3人だったけど、それぞれ違う方向へ進んでいった。その先で3人が感じる気持ちが繊細に書かれていた。
人生色々あるなあ、と。
望んだ道がベストかはわからない。
本当は違う場所に求めているものがあることも。
小説の構成は、3人の視点で順繰りにストーリーが進んで行くスタイル。前半はキャラクターに関する予備知識がないので、途中まで読まないと誰の話かわからず読みにくく感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一穂ミチ先生の「感情旅行」がよかった。いつもそうなんだけど、先生の描く小説に出てくる観光地は、行ってみたくなる。具体的な地名などが出てくるからなのかもしれないが、読んでて、行った気になってる。今回は出雲の玉造温泉。出雲大社では「二礼四拍手一礼」。一穂ミチ先生の小説には毎度豆知識がぎっしりで、そこも魅力の一つ。賢くなったような気がして気分が良い。
肝心の内容だが、今回の私の中でのキーワードは、「通用してる」かどうか。なるほどな、こういう分類もあるんだ。少しどきりとした。当然、いつまでも「通用してる人間」でありたいと思うが、歳をとっていくに連れて、少しずつ不安になる。この小説内での「通用してる」は社会的信用を指していると思うけど、歳をとるに連れて、たとえば、機械操作がうまくいかず、もたついて、後ろで並んでる人やスタッフさんに迷惑かけるだとか、増えていくのかなぁ、少し先だけど、定年をむかえ、会社という組織から離れることで、それって「通用してる」人間から、少しずつ遠ざかることだよなぁとか。違う?
徐々に「通用しない」人間になることを想像して、どきりと恐怖を覚えた。
それはさておき、私が勝手に恐怖を覚えたことはおいておいて、千歳と華の関係は奇妙なものだけど、今は亡き、蒔生を介して、ずっと繋がっていくんだろうな、と。千歳は頑張って医師免許とってね。 -
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タイトルと『医学部受験』というテーマのつながりがあまりイメージできず読み始めたが、終わってみるとまさに『長い青春』の話だった。
医学部受験・浪人の話がもっとメインになってくると思ってたので、そこの描写が意外とあっさりだったのはやや肩透かしを喰らった。
青春の浮かれたところと沈んだところの描写の上手さは、さすがこの作者だなと思わせられた。どんどん乖離していく三人の人生の中で、たった一瞬ほどの『一緒にいた時期』がどれほど眩しかったのかが感じ取れるところも好き。
男女関係のもつれの描写が多いのも、大学生ってこんなもんと言われれば「そうかな…そうかも?」となるかも。この視野の狭さ、根拠のない自信や見下し・見下されの目まぐるしさも、確かに青春の側面の一つだなと思ったり。
章ごとの視点人物の移り変わりが多く、あまりそれぞれの人物の人生に浸り切ることはできなかったのでなんとなく読後が薄い感じはするが、このそれぞれの人生の断片がばらばら散らばってる構成が『思い出』っぽくて良いとも言えるのかも。 -
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『アパートたまゆら』でキュン死させてもらいました砂村かいりさんのデビュー作。(どうやら『アパートたまゆら』と本作の二作同時受賞らしい、スゴイですね)
『アパートたまゆら』が、ハニートーストにメープルシロップをかけた甘さと喩えるなら、本作『炭酸水と犬』は、ほろ苦いカラメルソースをたっぷりかけたプリンですかね。
個人的には『アパートたまゆら』の純愛さがメガヒットしたので、『炭酸水と犬』の浮気や嫉妬でぐちゃぐちゃな感情が渦巻く作品は、ちょっと怒り疲れてしまいました(^_^;)
さて、本作の予告編です。
九年と、長い時間を恋人として暮らしている由麻と和佐は、一見すると幸せな恋人だが、九年という長い月日から先に進めず、由麻は若干の焦りを感じていた。
そんな焦りも知らない和佐から、ある朝に発せられた爆弾発言。
「もうひとり、彼女ができたんだ。」
は?(?_?)
由麻の思考回路は思考したくない抵抗勢力により、
「いいよ」
と肯定なのか否定なのか分からない返答で、重大な朝を乗り切る。しかし、これは終わりの始まりに過ぎなかった。
〜あとは本編で〜
冒頭から、すごい展開ですよね。ただ、このあと由麻は、修羅場に次ぐ修羅場を経験するのですが、読者の私は「なんで別れないのよ!!」と怒り心頭で、何度か本を放り投げたくなりました。
『炭酸水と犬』でストレスをためて、『アパートたまゆら』でリフレッシュして整うという。あらたなサウナ方式が出来そうですね♪
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久しぶりに小説のアンソロジーが読みたくなって購入。
一穂ミチさん、田中兆子さん、カツセマサヒコさんの短編が良かったけれど、あとは文章に深みを感じられずさーっと流してしまった。
一穂ミチさんは短編が本当に上手で、限られた文字数の中で想像を膨らませさせるような文章が良かった。設定からしてもひねりがあって、やっぱり安定の一穂ミチさん。
田中兆子さんの小説は初めて読んだけど、不機嫌で人をコントロールするタイプの女性の視点で描かれていてとても面白かった。どのように不機嫌な自分と言うものが出来上がるのか、不機嫌を撒き散らした後に回収できない自分のプライドの高さ、だけどそれを俯瞰的に見ている自分もいると言う苦しさ。なんだかとても深かった。
カツセマサヒコさんは話題のエッセイを買ってまだ読んでいないのだけど、小説も読んでみたいと思っていたので、ちょうどよかった。友達がみんな結婚したり、恋人がいたりして、少しずつ友達関係が変わっていく中で、自分だけがシングルであると言う状況と向き合う男性のお話。シンプルな文章の中で、この先どうなるのかなあと好奇心をかき立てられる短編だった。 -
Posted by ブクログ
医者になるための予備校に通い始めた3人のそれぞれの青春。と言ってしまうと、それぞれが一生懸命に生きていることを高みの見物のように見ている感じになってしまう。でも、3人三様の苦しみを一緒にたどっていって読み終わった。千浩が二浪してしまったけれど、その苦しい勉強の2年で自分の家が病院だから、医者にならなくちゃではなく、医者になりたいと思うようになっていく。
出会うはずのない3人が出会ったのも、予備校の帰りに倒れた人を手早く応急処置したことからだった。睦も千浩も医者の子どもとして、当たり前に学ばされていた処置。そして、お金持ちで成績が良いから医者でも受けようかなと受験して浪人になった耕平がその二人にAEDを取ってきてと言われて、予備校でお昼を一緒に食べるようになる。
それぞれがあまりに違う個性で、ゴツゴツと今を苦しみながら乗り越えようとして行くが、耕平の生活は乱れていく。
その3人の3年に渡る生活を読みながら追体験しているようだった。睦がまた医学生として学びに戻るのかわからないままに小説は終わる。それぞれがそれぞれを思いやりながら、不思議な距離感で1年に1度会おうとする。だから、きっと睦も耕平と千浩と会って話ができれば大丈夫と思わせる、終わり方だった。